閑居人のアイデア                         トップページに戻る  サイトマップ


直噴式DDFエンジン(特許公開2008-51121)





 直接噴射式のディーゼルデュアルフュエル(DDF)エンジンでは、軽油やDME等のセタン価の高い圧縮着火性の
良い油燃料を燃焼室内に直接に噴射する油燃料噴射弁と、天然ガス等のセタン価の低い圧縮着火性の悪いガス
燃料を燃焼室内に直接に噴射するガス燃料噴射弁が備えられている。そしてこのエンジンは、ガス燃料噴射弁から
のガス噴射を停止して油燃料噴射弁から燃焼室内に噴射した油燃料のみを燃焼させて運転するディーゼル運転モ
ードと、油燃料噴射弁から燃焼室内にパイロット噴射した少量の油燃料を自己着火させた火炎によりガス燃料噴射
弁から燃焼室内に直接に噴射した主燃料であるガス燃料を点火して燃焼させて運転するパイロット噴射燃料着火
式ガス運転モードとの2種類の運転モードに任意に切り替えることができるデュアル運転が可能な二元運転モード
エンジンである。一般的なディーゼルデュアルフュエル(DDF)エンジンの効果や性能の詳細についてはディーゼル
に比べ15%のCO2削減が可能なDDFエンジンおよびDDF運転とディーゼル運転の選択が可能なDDF大型トラッ
に詳述しているのでご覧いただきたい。また、大型トラックの「CO2削減」と「脱石油」の技術は、未だに不明か?
に記載のように、大型トラックのCO2削減と脱石油も同時に実現できるのである。

 本発明の二元運転モードエンジンでは、ガス燃料供給装置から天然ガス等の圧縮着火性の悪いガス燃料が切換
装置に供給されると共に高圧冷却流体供給装置から空気や水等の冷却流体が切換装置に供給される構造とし、
電子制御装置からの信号によりガス燃料と空気や水等の冷却流体の何れかが選択されて切換装置からガス燃料
噴射弁に供給され、切換装置からガス燃料噴射弁に供給されたガス燃料と冷却流体の何れかが電子制御装置か
らの信号によりガス燃料噴射弁から燃焼室内に噴射される。そして油燃料供給装置から軽油やDME等の圧縮着
火性の良い油燃料が油燃料噴射弁に供給され、電子制御装置からの信号により油燃料噴射弁から燃焼室内に油
燃料が直接に噴射される構造となっていることが特徴である。



本発明の二元運転モードエンジン

 ディーゼル運転モード時には油燃料供給装置から軽油やDME等の圧縮着火性の良い油燃料を油燃料噴射弁に
供給して油燃料噴射弁から燃焼室内に直接に噴射すると共に、電子制御装置からの信号により切換装置で冷却
流体を選択してガス燃料噴射弁に供給し、ガス燃料噴射弁から燃焼室内に冷却流体を直接に噴射する形態とな
る。このディーゼル運転モードでは、二元運転モードエンジンは軽油やDME等の油燃料のみでの運転となる。
一方、パイロット噴射燃料着火式ガス運転モード時には電子制御装置からの信号により切換装置は天然ガス等の
ガス燃料を選択してガス燃料噴射弁に供給し、ガス燃料噴射弁は燃焼室内に主燃料のガス燃料を直接に噴射す
ると共に、油燃料噴射弁は油燃料供給装置から供給された軽油やDME等の圧縮着火性の少量の良い油燃料を
燃焼室内に直接にパイロット噴射する形態となる。このパイロット噴射燃料着火式ガス運転モードでは、二元運転モ
ードエンジンは、軽油やDME等の油燃料と天然ガス等のガス燃料との2種類の燃料を燃焼させる運転となる。
このパイロット噴射燃料着火式ガス運転モードでは、ガス燃料供給装置から供給されたガス燃料が切換装置を経て
ガス燃料噴射弁から主燃料として燃焼室内に直接に噴射され、油燃料噴射弁から軽油やDME等の圧縮着火性の
良い少量の油燃料が燃焼室内に直接にパイロット噴射される。このパイロット噴射された油燃料が最初に自己着
火を起こし、この自己着火した油燃料の火炎がガス燃料噴射弁から燃焼室内に噴射した主燃料であるガス燃料を
点火することによりガス燃料を燃焼させ、二元運転モードエンジンはパイロット噴射燃料着火式ガス運転モードで運
転されることなる。

 二元運転モードエンジンのディーゼル運転モード時には軽油やDME等の油燃料が燃焼室内に直接に噴射される
のみで、ガス燃料はガス燃料噴射弁から燃焼室内に噴射されない。そのため、燃焼室内に露出する構造でシリン
ダヘッドに配設されたガス燃料噴射弁の先端の針弁や噴孔ノズルなどの弁部は、ディーゼル運転モード時には油
燃料の燃焼火炎に曝されて加熱されるため、弁部の温度が過剰に上昇して溶着・固着等の不具合を発生する危険
が高い。請求項1記載の発明は、二元運転モードエンジンのディーゼル運転モード時に冷却流体供給装置から供
給された空気や水等の冷却流体をガス燃料噴射弁から燃焼室内に噴射させるようにして、ガス燃料噴射弁の弁部
を冷却し、弁部の温度が過剰に上昇するのを防止するようにしたことである。
以上のように、ディーゼル運転モード時にはガス燃料噴射弁から冷却流体を噴射してガス燃料噴射弁を冷却できる
ようにしたことである。これにより、二元運転モードエンジンのディーゼル運転モード時にガス燃料噴射弁が燃焼室
内の高温の燃焼ガスに曝される状態においても、ガス燃料噴射弁には溶着・固着等の不具合が発生しないようにし
たことである。

トップへ
トップへ
戻る
戻る