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天然ガス専焼のCNG大型トラックは、重量車燃費基準に不適合の欠陥トラック


最終更新日:2014年12月3日

 
 (このページの要約)

・国土交通省の平成23年7月発表の「貨物自動車運送事業における次世代自動車の導入促進に関するとりまとめ(=http://www.mlit.go.jp/ common/000168127.pdf)」には、「オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック」は、「大型 ディーゼルトラック」に比較して実走行での燃費(=熱効率)が25%も劣っていることを示した(独)交通安全環境研究所の計測データが明示 されている。このことから、国土交通省と(独)交通安全環境研究所は、かなり以前から、「大型ディーゼルトラック」に比較して「オットーサイク ルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック」の実走行の燃費(=熱効率)が25%程度も劣っていることを 十分に承知していたと筈と推測される。

・一方、ディーゼル大型トラック(=GVW 20トン超〜GVW 25トン)の2015年(平成27年)度重量車燃費基準は、4.04(km/リットル)である。そし て、天然ガスと軽油の単位エネルギー当りの発熱量 : 天然ガス= 45.0 (MJ/m3)、軽油= 38.2 (MJ/リットル)(出典:http://eee.tokyo-gas. co.jp/ngv/faq.html)の物性値を用いて軽油を燃料とする大型ディーゼルトラックの2015年(平成27年)度重量車燃費基準(=4.04 km/リットル)を 天然ガス(=CNG)を燃料とする天然ガス大型トラックの重量車モード燃費値に単純に換算した場合、天然ガス大型トラック(=GVW 20トン超 〜GVW 25トン)の2015年(平成27年)度重量車燃費基準は4.76(km/m3)となる筈である。何故ならば、ディーゼルトラックと天然ガストラック の2015年度重量車燃費基準は、同等の熱効率であることが当然であり、天然ガストラックの重量車燃費基準をディーゼルトラックに比べて2 5%〜30%前後も劣る燃費基準値に設定する必然性が無いためである。そのため、仮に、天然ガス大型トラックの2015年度(平成27年度) 重量車燃費基準をディーゼル大型トラックと同等に熱効率の4.76(km/m3)のレベルに設定した場合には、天然ガス専焼大型トラックの重量 車モード燃費は、天然ガス大型トラックの重量車燃費基準よりも25%〜30%前後も劣る欠陥を国民の目に晒してしまう不具合が生じること になると推測される。

・このように、「オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック」の重量車モード燃費は、大型デ ィーゼルトラック」に比較して25%〜30%前後も劣るの燃費不良の欠陥がある。その欠陥を隠蔽する確実な方法は、「@天然ガス専焼大型ト ラックの重量車モード燃費の試験法・測定法を設定しないこと」、および「A天然ガス大型トラックの重量車燃費基準を設定しないこと」である。 一方、これまで国土交通省が天然ガストラックの「重量車モード燃費の試験法・測定法」や「重量車燃費基準」を設定していなかった事実を勘 案すると、国土交通省は、大型ディーゼルトラック」に比較して実走行での燃費(=熱効率)が25%〜30%前後も劣るの燃費不良の欠陥を 意図的に隠蔽してきたものと推測される。このことから、国土交通省は、大型ディーゼルトラック」に比較して実走行での燃費(=熱効率)が2 5%〜30%前後も劣るの燃費不良の欠陥を隠蔽する処置を講じながら、他方では、天然ガス専焼トラックを「次世代トラック」や「脱石油トラッ ク」と推奨し、これを普及するための補助金の支給を、これまで長年にわたって行ってきたようである。何とも用意周到なことではないだろか。

・一方、経済産業省は、2006年頃から「新・国家エネルギー戦略」や「エネルギー基本計画」を策定し、わが国の省エネルギー化を懸命に推 進中である。この経済産業省の省エネルギー・省資源の政策は、今や日本の国家戦略と云っても過言では無いと考えられる。それに真っ向 から反対するかの如く、国土交通省・自動車局では、2014年7月現在でも、「ディーゼルトラック」に比較して実走行での燃費(=熱効率)が2 5%〜30%前後も劣る「オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラック」の普及のために多額の補 助金を支給し続けているようである。このことは、国土交通省・自動車局が経済産業省の省エネルギー・省資源の政策の足を引っ張る活動を 実施していることになる。しかしながら、今のところ、経済産業省は、エネルギー資源(=天然ガス)の浪費を促進する天然ガス専焼トラックに 補助金を支給する国土交通省・自動車局の施策の中止を要求したとの話・情報が無いようだ。これは、天然ガス専焼トラックがエネルギー資 源(=天然ガス)を浪費する欠陥トラックであることを、経済産業省が理解していないことに由来しているかも知れない。何はともあれ、政府・経 済産業省が日本の省エネルギー・省資源を推進中であるにもかかわらず、天然ガス(=エネルギー資源)を浪費する欠陥を持つ天然ガス専 焼トラックの普及活動が国土交通省・自動車局によって堂々と実施されているようである。このように、経済産業省と国土交通省とにおいて間 逆の施策に貴重な税金が投入されている現状を見ると、ポンコツ元技術屋の筆者であっても、納得できないことである。

・何はともあれ、2014年7月現在の時点において、天然ガス専焼大型トラックは、ディーゼル大型トラックに比べて25%〜30%前後もの熱エ ネルギーの浪費(=燃料エネルギーの浪費=Tank-to-Wheelの熱効率の劣悪)の欠陥トラックであることが歴然たる事実であることだ。この 軽油よりも多くの天然ガスのエネルギーを無駄に消費する致命的な欠陥のある天然ガス専焼大型トラックを普及させるため、国土交通省が多 額の補助金を支給(=http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000003.html)する施策を行うことは、税金をドブに捨てるようなものである。 したがって、会計検査院は、この補助金の支給を早急に中止する処置を取るべきと考えられる。

・ところが、会計検査院の人達も、「ディーゼルトラック」に比較して、「オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然 ガス専焼トラック」が実走行での燃費(=熱効率)が25%〜30%前後も劣っている欠陥を未だに認識していない可能性も考えられる。その場 合には、「オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラック」の普及促進と云う燃料エネルギー資源の 浪費を促進する多額の政府予算を補助金を投入する国土交通省の反社会的な施策を、不覚にも会計検査院が今後も容認し続けていく可能 性が極めて高いものと推察される。これは、政府が有効な予算執行を遂行するための監査・チェックの機能が失われているように思えるが、 如何なものであろうか。

・ところで、筆者はディーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)の積載量4トンの中型DDFトラックの実証試験の結果をまとめた論文(=自動車 技術会学術講演会前刷集No.71-00(2000年5月) 「323 中型トラック用ECOS-DDF 天然ガスエンジンの開発」20005001) を、2000年5月 の自動車技術会の講演会で発表した。したがって、2000年5月の時点においては、この積載量4トンの中型DDFトラックの論文を見れば、ディ ーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)の天然ガスを主燃料とするDDFトラックを普及させることによって、わが国のトラック貨物輸送分野の CO2削減と脱石油を実現できることを、日本のエンジン関係の学者・専門家・技術者の誰もが理解した筈である。ところが、当時の日本のトラ ックメーカ・大学・研究機関の学者・専門家・技術者は、このDDFトラックの技術を完全に無視・黙殺したのである。そして、中型DDFトラックの 論文を発表した2000年5月以降も、日本の学者・専門家は、ディーゼルトラックに比較して25%〜30%前後も劣るの燃費不良の欠陥を持つ オットーサイクルの天然ガス専焼トラックを次世代トラックとして研究開発を推進したのである。

・そして、筆者が2000年5月に中型DDFトラックの論文を発表した時点から既に14年以上も経過した現在(=2014年11月)でも、日本のトラック メーカは、ディーゼルトラックに比較して25%〜30%前後も燃料エネルギーを浪費する天然ガス専焼トラックの市販を行っているのである。こ のように、日本のトラックメーカは、14年以上も昔にディーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)のDDFトラックを普及させてトラックの主燃料の 天然ガス化(=CNG化・LNG化)を図ることによってトラック貨物輸送分野のCO2削減と脱石油が可能であること知りながら、国土交通省やト ラックメーカは、このDDFトラックの技術をを無視・黙殺し、その後も燃費不良(=天然ガスを浪費)の欠陥のあるオットーサイクルの天然ガス 専焼トラックに補助金を支給した普及活動を続けているのである。このことは、ディーゼルに比べ15%のCO2削減が可能なDDFエンジン DDF運転とディーゼル運転の選択が可能なDDF大型トラック のページにも詳述しているので、興味のある方は御覧いただきたい。

・一方、欧米では、既にボルボ等のトラックメーカがディーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)の天然ガスを主燃料とするDDFエンジン搭載 の大型DDFトラックの市販を行っている。そのことを考慮すると、日本においても国土交通省は、早急にDDFトラックの普及を図るべきと考えら れる。ところが、現在の国土交通省の施策には、DDFトラックを積極的に普及しようとする姿勢が見えないのである。これは、筆者には残念に 思えて仕方が無いことだ。

・このように、トラック貨物輸送分野のCO2削減と脱石油が可能な天然ガスを主燃料とするDDFエンジン搭載のDDFトラックの技術の論文を 筆者が2000年5月に発表しているのである。それにもかかわらず、国土交通省は、このCO2削減と脱石油に有効な天然ガスを主燃料とする DDFトラックの技術を無視・黙殺する一方で、多額の補助金を支給して天然ガスの浪費を促進するオットーサイクルのスパークプラグ方式天 然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックの普及促進を図ってきたのである。つまり、国土交通省は、これまで14年以上も長きにわた り、国土交通省やトラックメーカは、トラック貨物輸送分野のCO2削減と脱石油と称し、エネルギー資源の浪費(=天然ガス資源の浪費)を増 進させる天然ガス専焼トラックの普及させると云う社会的悪行(=盗人のような行為)を敢行してきたと考えられる。その結果、現在、わが国で 使われている2万台近くの天然ガス専焼トラックは、ディーゼルトラックよりも25%〜30%前後も多くの燃料エネルギー(=天然ガスのエネル ギー)を日々、浪費していることになる。このような天然ガス専焼トラックの普及による天然ガス資源の浪費と云う反社会的行為(=盗人のよう な行為)に国土交通省が補助金を支給してきたことは、「盗人に追い銭」を与えてきたとも見ることもできそうである。そのため、天然ガスの浪 費を促進するオットーサイクルエンジンの天然ガス専焼トラックの普及に多額の補助金を支給してきた長年の国土交通省の施策は、明らかに 税金の無駄遣いであったと考えられるが、如何なものであろうか。このようなことは、納税者の一人である筆者には何ともやり切れないことで ある。
注 : 天然ガス専焼大型トラックとは、 オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載したCNG(=LNG)大型トラック 
 
1.交通安全環境研究所の論文データから計算した天然ガス専焼大型トラックの熱効率

 (独)交通安全環境研究所が2010年11月24(水)・25日(木)に開催した技術発表の講演会において、論文「大型天然
ガストラックの実証運行試験の成果と普及への課題」(表1参照)と題した論文では、「従来型の大型ディーゼルトラッ
ク」と、「オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した圧縮天然ガス(CNG)大型トラック」(以後、
天然ガス専焼大型トラックと称す)のCO2排出量の測定結果が発表されている。この試験データを基に、大型ディーゼ
ルトラック」と、「天然ガス専焼大型トラック」との実走行における熱効率(=燃費)の優劣を比較した。

1−1 天然ガス専焼トラックのCO2排出量は、ディーゼルトラックのCO2排出量とほぼ同等

 (独)交通安全環境研究所の2010年11月24(水)・25日(木)の講演会において、交通安全環境研究所は、表1に示し
論文「大型天然ガストラックの実証運行試験の成果と普及への課題」(参照)を発表した。この論文では、平成21年
度に終了したGVW25トンのオットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した圧縮天然ガス(CNG)大
型トラック(以後、天然ガス専焼大型トラックと称す)による貨物輸送事業の計30万kmに及ぶ(独)交通安全環境研究所
実証試験の結果が報告されている。

表1 (独)交通安全環境研究所が2010年11月24(水)・25日(木)に開催した技術発表の講演会の論文
(出典 : http://www.ntsel.go.jp/forum/forum2010.html
項 目
内 容
講演会の名称

および

その主宰団体

(出典:http://www.ntsel.go.jp/forum/forum2010.html
論文の題目
F大型天然ガストラックの実証運行試験の成果と普及への課題
 (出典:http://www.ntsel.go.jp/forum/2010files/10-07p.pdf
著 者
(独)交通安全環境研究所 環境研究領域  後藤 雄一
日本ガス協会  杉本 秀夫  佐藤裕人  小森 誠
本論文の記載内容










 本論分では、GVW25トンのオットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエン
ジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックとの計30万kmに
及ぶ貨物輸送実証試験では、「天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量は、
ディーゼル大型トラックのCO2排出量とほぼ同等」であることが確認されたとの
ことである。 

参考資料
 上記の(独)交通安全環境研究所の報告以外にも、下記のいすゞ自動車の資料において、「天然ガ
ス専焼大型トラックのCO2排出量は、ディーゼルトラックのCO2排出量とほぼ同等」の試験データが記
載されている。


          出典:平成23年度 産総研 環境・エネルギーシンポジウム シリーズ3
              新燃料自動車技術研究センター研究発表会
               − 次世代輸送燃料への展開 ー
                 2011年12月16日(金)タワーホール船越
              主催 (独)産業技術総合研究所 新燃料自動車技術研究センター
本論分の記載内容

についての疑問点
 この実証試験では、「スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス
専焼大型トラック」と「ディーゼル大型トラック」の両方のCO2測定が行われているこ
とから推測すると、この試験実施においては当然のことながら、両方の大型トラック
の燃費測定が実施されている筈である。しかし、この論文では、スパークプラグ方
式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの営業公道走行の平均
燃費が3.34km/Nm3であったことは記載されているが、性能比較のために伴走運
行したディーゼル大型トラックの燃費は、何も明記されていないのである。

 そのため、この論文では、ディーゼル大型トラックに対するスパークプラグ方
式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの燃費(=熱効率)
の優劣が全く記載されていない。この論文の表題にあるように、(独)交通安全
環境研究所が「大型天然ガストラックの実証運行試験の成果と普及への課題」に
ついて調査・研究を行ったのであれば、この論文にはスパークプラグ方式天然ガス
エンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラック燃費(=熱効
率)を比較した試験結果が明記されて然るべきと考えられる。なぜならば、大型トラ
ックにおいて実用性の有無の判断基準とされる最も重要視される性能が信頼性と
燃費(=熱効率)であることは、昔から誰もが認めていることだ。

 それにもかかわらず、この論文では、性能比較の実証試験の重要な試験項目で
あるスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックと
ディーゼル大型トラックとの軽油換算の燃費比較が全く記載されていないのだ。そ
の理由としては、この論文の著者である後藤雄一氏と共著の諸氏は、ディーゼル
大型トラックの燃費(熱効率)に比べてスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載
した天然ガス専焼大型トラックの燃費(熱効率)の大幅に劣る事実を隠蔽する意図
があったためではないかと推測される。

 それとも、この論文の著者の後藤雄一氏と共著の諸氏は、大型トラックにおける
燃費(=熱効率)の優劣が実用化の可否を判断する重要な判断基準では無いとの
信念から、スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラ
ックとディーゼル大型トラックとの燃費(=熱効率)を比較した試験結果を、この論文
の中に明記されなかったのであろうか。

 そのような場合には、後藤雄一氏と共著諸氏は、この論文でのスパークプラグ方
式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの燃費(熱効率)が大幅
に劣る事実を隠蔽する意思を持たれていなかったと考えることも可能である。しか
し、そのような場合には、この論文の著者の後藤雄一氏(交通安全環境研究所)と
共著の諸氏は、現在の省エネルギーや省資源の強い社会的ニーズを全く理解で
きていないことになり、省エネや省資源を無視した脱石油だけが現在社会の最重
要課題であるとする極めて時代遅れの特殊な思考の学者・専門家の人達と云える
のではないだろうか。その場合には、(独)交通安全環境研究所の研究方針が「脱
石油」に特化されて「省エネルギー」や「省資源」に無関心と見做されても仕方が無
いのではないだろうか。果たして、実際のところは如何なものであろうか。


 以上の2010年11月24(水)・25日(木)の講演会において、交通安全環境研究所が発表した論文「大型天然ガストラッ
クの実証運行試験の成果と普及への課題」の論文によると、GVW25トンのオットーサイクルのスパークプラグ方式天然
ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックとの計30万kmに及ぶ貨物輸送実証試験
では、「天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量は、ディーゼル大型トラックのCO2排出量とほぼ同等」であるこ
とが確認されたとのことである。 しかし、この論文では、ディーゼル大型トラックに対するスパークプラグ方式天然
ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの燃費(=熱効率)の優劣が全く記載されていない。

1−2.天然ガス専焼大型トラックは、ディーゼルよりもエネルギーを30%も浪費する欠陥トラック

 前述の(独)交通安全環境研究所が2010年11月24(水)・25日(木)に開催された技術発表の講演会において発表さ
れた論文「大型天然ガストラックの実証運行試験の成果と普及への課題」(表1参照)の結論の一つが、GVW25トンの
スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックとの計30万kmに
及ぶ貨物輸送実証試験の結果、「天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量は、ディーゼル大型トラックのCO2排出量
とほぼ同等」とのことである。この「天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックのCO2排出量とほぼ同等」との
試験結果を基に、大型ディーゼルトラック」と、「天然ガス専焼大型トラック」との実走行における熱効率(=燃費)の優
劣について、以下の通り、比較した。

(1) 東京ガスのHPのCO2排出量データからの計算した天然ガス専焼大型トラックの燃費

 東京ガスのホームページ(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.htmlによると、天然ガスと軽油の単位エネルギ
ー当りのCO2排出量は、以下の表2に示した通り、天然ガス= 51 g/MJ、軽油= 69 g/MJである。

表2 天然ガスと軽油の単位エネルギー当りのCO2排出量
(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.html


この天然ガスと軽油のCO2排出量の数値を用い、前述の表1に示した後藤雄一氏(交通安全環境研究所)他3名の論
文に記載されているスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量
は、ディーゼル大型トラックのCO2排出量とほぼ同等」との実証試験の結果を必須条件とし、天然ガス専焼大型トラ
ックとディーゼル大型トラックとの両トラックの燃費の大小比率を計算すると、以下の通りとなる。

 [ 天然ガス専焼大型トラックの燃料消費量(=エネルギー消費量)]
[ 69 g/MJ ]


1.353
[ 軽油ディーゼル大型トラックの燃料消費量(=エネルギー消費量]
[ 51 g/MJ ]
                                              

 以上の計算結果から、東京ガスのホームページに記載の天然ガスと軽油の単位エネルギー当りのCO2排出量から
計算したスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの実走行での燃費(=熱効
率)は、ディーゼル大型トラックよりも35%も劣っていることが判る。

(2) 「日本機械学会」誌のCO2排出量データからの計算した天然ガス専焼大型トラックの燃費

 日本機械学会誌2010年5月号(Vol.113、N0.1098) 小特集 次世代燃料の製造・利用技術の「DME燃料の今後の展
望」(著者:柳川達彦氏)(http://www.jsme.or.jp/publish/kaisi/kai1005.htm参照)に記載のLNG(=天然ガス)と軽油の単
位エネルギー当りのCO2排出量は、以下の表3に示した通り、LNG(=天然ガス)= 56.4 g/MJ-LHV、軽油= 74.3 g/
MJ-LHV である。

表3 LNG(=天然ガス)と軽油の単位エネルギー当りのCO2排出量
(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.html
CO2排出係数
[g/MJ-LHV]
LNG(=天然ガス)
56.4
軽油
74.3

 このLNG(=天然ガス)と軽油のCO2排出量の数値を用い、前述の表1に示した後藤雄一氏(交通安全環境研究所)
他3名の論文に記載されているスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックのCO2排
出量は、ディーゼル大型トラックのCO2排出量とほぼ同等」との実証試験の結果を基に、 スパークプラグ方式天然ガス
エンジンを搭載したLNG(=天然ガス)専焼大型トラックとディーゼル大型トラックとの両トラックの燃費の大小比率を計算
すると、以下の通りとなる。

 [ LNG(=天然ガス)専焼大型トラックの燃料消費量(=エネルギー消費量)]
[ 74.3 g/MJ ]


1.317
[ 軽油ディーゼル大型トラックの燃料消費量(=エネルギー消費量]
[ 56.4 g/MJ ]
                                              
 以上の計算結果から、日本機械学会誌2010年5月号(Vol.113、N0.1098)の柳川達彦氏の論文「DME燃料の今後の
展望」に記載の天然ガスと軽油の単位エネルギー当りのCO2排出量から計算したスパークプラグ方式天然ガスエン
ジンを搭載したLNG(=天然ガス)専焼大型トラックの実走行での燃費(=熱効率)は、ディーゼル大型トラックよ
りも32%も劣っていることが判る。

2.ディーゼルトラックに比べ、燃料25%を多く浪費する天然ガス専焼大型トラック(国土交通省資料)

 下記の表4に示した国土交通省の発表資料には、独)交通安全環境研究所が計測した「大型ディーゼルトラック」と
オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック」の平均実走行燃費が
記載されている。その平均実走行燃費のデータは、以下の通りである。

ディーゼル大型トラックの平均実走行燃費値 = 3.43 km/リットル
天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値 = 3.03 km/m3

表4 国土交通省の資料に記載の天然ガス専焼大型トラックの燃費性能(交通安全環境研究所の計測結果)
(出典 : http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdfhttp://www.mlit.go.jp/common/000168127.pdf

 さて、前述の表2に示した東京ガスのホームページ(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.htmlの天然ガスと軽
油の単位エネルギー当りの発熱量は、天然ガス= 45.0 (MJ/m3)、軽油= 38.2 (MJ/リットル)である。そして、ディーゼ
ル大型トラックの平均実走行燃費値が3.43 (km/リットル)であり、天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値が3.
03 (km/m3)である。これらのデータを用いて「ディーゼル大型トラック」と「天然ガス専焼大型トラック」の燃料発熱量当
たりの平均実走行燃費値を計算すると、以下の通りとなる。

ディーゼル大型トラックの燃料発熱量当たりの平均実走行燃費値 
 
 ディーゼル大型トラックの平均実走行燃費値
3.43 (km/リットル)

0.08977 (km/MJ)
38.2 (MJ/リットル)
]
天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値

 天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値
3.03 (km/m3)

0.06733 (km/MJ)
45.0 (MJ/m3)

 これらの「ディーゼル大型トラック」と「天然ガス専焼大型トラック」の燃料発熱量当たりの平均実走行燃費値を比較す
ると、以下の通りとなる。

 天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値
0.06733 (km/MJ)


0.7498
ディーゼル大型トラックの平均実走行燃費値
0.08977 (km/MJ)

 以上の結果から、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの実
走行での燃費(=熱効率)は、ディーゼル大型トラックよりも25%も劣っていることが判る。つまり、天然ガス専焼大型
トラックは、ディーゼル大型トラックよりも25%もの燃料エネルギーを浪費する欠陥があると断定できそうだ。
のことは、国土交通省の発表資料(=http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdfhttp://www.mlit.go.jp/common/
000168127.pdfの記載データからの単純な計算によって導き出される結果・結論である。

  また、この国土交通省の発表資料(=http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdfhttp://www.mlit.go.jp/common
/000168127.pdfでは、11ページ(前述の表4参照)に天然ガス専焼大型トラックの実走行の燃費(=実走行の熱効率)
がディーゼル大型トラックよりも25%も劣っている実証データを示しながら、以下の表5に示したように、23ページには
運輸分野の「環境負荷の軽減」や「エネルギーセキュリティ面からの脱石油」の有効な手段として、オットーサイクルの
スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックの導入促進を訴えているのである。

表5 国土交通省の資料に記載の天然ガス専焼トラックの導入促進の方針
(出典 :http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdf


 このように、国土交通省(=自動車局?)は、天然ガス専焼大型トラックの実走行の燃費(=実走行の熱効率)がディ
ーゼル大型トラックよりも25%も劣る実証データを示しながら、運輸分野の「環境負荷の軽減」や「エネルギーセキュリ
ティ面からの脱石油」の有効な手段として、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガ
ス専焼トラックの導入促進を訴えているのである。このことは、国土交通省(=自動車局?)は、運輸分野の「環境
負荷の軽減」や「エネルギーセキュリティ面からの脱石油」だけが促進できれば、エネルギー・燃料の資源の顕
著な浪費を容認する方針のようである。

 現在、経済産業省が省エネ法を施行してエネルギー・燃料の資源を節約する施策を推進しているのに対し、国土交
通省(=自動車局?)は、天然ガス専焼トラックの普及促進と云う運輸分野のエネルギー・燃料の資源浪費を促進する
云う経済産業省と間逆の施策を推進していると考えられる。このディーゼルトラックに比べて顕著な走行燃費不良の欠
陥を持つ天然ガス専焼トラックは、国土交通省の補助金を受けて1997年頃から本格的に市場に導入され始め、現在、
国土交通省の型式認定を受けた24076台(=2012年現在)もの多数の天然ガス専焼トラック(=トラック、バス、塵芥
車)が、国内市場で稼動(=http://www.gas.or.jp/ngvj/spread/ngv_spread.htmlしているとのことだ。そして、現在で
は、これら多数の天然ガス専焼トラックは、ディーゼルトラックに比べて顕著な走行時の燃費不良(=熱効率不良)のた
めに、日々、膨大な量の燃料エネルギー(=天然ガス)を無駄に消費しながら運行されていると推測される。

 このような走行時の燃費不良(=熱効率不良)の天然ガス専焼トラックが日本国内で数多く運行されるようになったの
は、これまで20年近くの間にわたって延々と国土交通省(=自動車局?)が天然ガス専焼トラックを購入するトラックユ
ーザに補助金を支給して普及する活動を行ってきた結果と考えられる。そして、このことを省資源・省エネルギーの観
点から評価すると、運輸分野の燃料エネルギー(=天然ガスエネルギー)を浪費を促進するために、国土交通省(=自
動車局?)が膨大な額の補助金を支給する「馬鹿な施策?」を行ってしてきたと云えそうである。現在の小学生や家庭
の主婦でも日常生活において省資源・省エネルギーに日々、努力している現在においては、国土交通省(=自動車
局?)は、走行時の燃費不良(=熱効率不良)の天然ガス専焼トラックを普及させる国土交通省(=自動車局?)の施
策は、反社会的と言っても過言では無いと考えられる。

 そのため、この国土交通省(=自動車局?)が長年にわたって普及を促進してきた天然ガス専焼トラック(=ト
ラック、バス、塵芥車)の実走行の燃費(=実走行の熱効率)がディーゼルトラックよりも25%も劣ることを一般
の人達に知れ渡った場合には、国土交通省(=自動車局?)に対する国民の批判が殺到することなると考えら
れる。そこで、そような状況に陥ることを事前に回避するため、国土交通省(=自動車局?)は、あらゆる手段・
方法を弄しても、天然ガス専焼トラックのエネルギー・燃料の資源浪費の欠陥を隠蔽するための施策を強力に
実施するものと推測される。

3 天然ガス専焼大型トラックにおける天然ガス燃料の浪費の欠陥を隠蔽する国土交通省

 前述の2項の表4に示したに示したように、国土交通省の発表資料(=http://www.mlit.go.jp/common/000168126.
pdfhttp://www.mlit.go.jp/common/000168127.pdfの中の(独)交通安全環境研究所が計測した燃費データとして、
ィーゼル大型トラックの平均実走行燃費値が3.43 (km/リットル)であり、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガス
エンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値が3.03 (km/m3)と記載されいる。これらの平均実
走行燃費値は、(独)交通安全環境研究所から国土交通省・自動車局に提出された燃費データが、国土交通省の発表
資料(=http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdfhttp://www.mlit.go.jp/common/000168127.pdfに、そのまま
転記されたものと推測される。このように、天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックとのそれぞれに異なる単
位の平均実走行燃費値のデータが(独)交通安全環境研究所から国土交通省・自動車局に提出された場合、国土交
通省・自動車局の人達がそのままの燃費データを一見するだけでは、天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラ
ックの実走行燃費(実走行熱効率)の優劣が判断できないと推察される。

 このように、(独)交通安全環境研究所から国土交通省・自動車局に天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラ
ックとの異なる単位の平均実走行燃費値のデータが提出されていた場合、国土交通省・自動車局の人達は、オットー
サイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの実走行での燃費(=熱効率)
がディーゼル大型トラックよりも25%も劣っている(=前述の2項を参照)ことを認識できなかった可能性が考えられ
る。そして、(独)交通安全環境研究所の学者・専門家は、国土交通省・自動車局に対し、オットーサイクルのスパーク
プラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックが低NOxや低騒音の面で環境負荷の少ないことや
脱石油の有利性を持つ次世代トラックと説明したものと推測される。仮に、この推測が正しければ、国土交通省・自動
車局の人達は、(独)交通安全環境研究所のエンジン分野の学者・専門家によって天然ガス専焼大型トラックが将来に
普及すべき理想の次世代トラックとの誤った認識を植えつけられた可能性があると考えられる。

 これは、筆者だけの邪推や偏見かも知れないが、国土交通省・自動車局に天然ガス専焼大型トラックを環境負荷の
少ない次世代トラックと敢て誤認させるため、(独)交通安全環境研究所が仕組んだ詐欺的な行為のようにも思えるの
である。この天然ガス専焼大型トラックを次世代トラックと推奨する国土交通省・自動車局の施策を、アンデルセンのメ
ルヘンの「裸の王様」という話のストーリーになぞらえると、以下のような物語になるのではないだろうか。

アンデルセンのメルヘンに「裸の王様」という話の「あらすじ」は次の通りです。
アンデルセンのメルヘン 「裸の王様」の「あらすじ」

新しい服好きの王様をたぶらかそうと、或る詐欺師が宮廷にやって来て「バカには見えない布地」で作った「賢者だけに見える服」を献上す る。

王様は、群臣が見ている手前、服が見えないとも言えず、ありもしない服を褒めそやかす。また群臣の方も、王様が見えていると言う服を見 えないと言うこともできず、調子を合わせて服を褒める。詐欺師はたんまりと褒美をいただき、さっさととんずらする。

そのありもしない服を着た、実際は下着姿の王様がパレードをし、人々も調子を合わせているなか、現実をしっかり見つめる1人の子供 「王様はだ!」と叫び声を上げました。

王様は、自身が下着姿であることに気付きました。


「天然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の施策をアンデルセンの「裸の王様」の話に
なぞらえると、次の通りです。
「裸の王様」の話の登場人物等と「天然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の話の登場人物等の対応関係

王様:国土交通省・自動車局
詐欺師:交通安全環境研究所(試作を担当するトラックメーカも共犯)
褒美:研究開発の政府予算
群臣:日本トラック協会、日本ガス協会他
賢者だけに見える服:燃費不良(=熱効率不良)の欠陥のを持つ天然ガス専焼大型トラック
現実をしっかり見つめる1人の子供=ポンコツ元技術屋の筆者
パレード:多額の政府補助金の支給による普及活動
:運輸分野のエネルギー資源の浪費を推進する反社会的な施策
叫び声:ホームページで発表

「天然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の物語

ある時、国土交通省・自動車局(=王様)は、環境負荷を軽減する次世代トラックには、多額の研究開発の予算を気前良く「ぼこすか分配」 するとの噂が広がりました。そこで、国土交通省・自動車局(=王様)から予算を引っ張って、一山当てようと思うトラックメーカ、大学・研究機 関の学者・専門家(含、交通安全環境研究所)(=詐欺師)がたくさん現れ、我も我もと国土交通省・自動車局(=王様)に環境負荷を軽減す る次世代トラックの研究プロジェクトを提案・申請し、百花繚乱の賑わいとなりました。

人より多くの研究開発の予算を獲得し、一足でも早く、大きな手柄を上げて特許などを取れればもっけの幸いと、様々な勇み足のずさんな研 究内容も何のその次、天然ガス専焼トラック、DMEトラック、バイオマスディーゼル燃料、ハイブリッドトラック、電動バス等次世代トラックの研究 プロジェクトが賑やかに提案され、楽しくやっておりました。

そうした状況において、交通安全環境研究所 [試作を担当するトラックメーカも共犯] (=詐欺師)は、天然ガスを豊富に産出する国では、昔 から天然ガス専焼乗用車等が普及していることに目を付け、これを参考にすれば、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥のを持つ天然ガス専焼 大型トラック(=賢者だけに見える服)簡単に試作できると考えました。そして、「天然ガス専焼大型トラック」の研究プロジェクトを国土交通 省・自動車局(=王様)に申請しました。その申請書には、オットーサイクルの火花点火式天然ガスエンジンを搭載した燃費不良(=熱効率不 良)の欠陥のを持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)は、卓越したクリーンな排出ガス、静粛性、高い環境性能、等の美麗 字句並べ立て、運輸分野の脱石油が実現できる次世代大型トラックであると、国土交通省自動車局(=王様)に対して真しやかに強調しまし た。

一方、国土交通省・自動車局(=王様)は、技術内容を良く理解できていないこともあり、「天然ガス専焼大型トラック」が本当に次世代大型 トラックであるか否かを適切に判断できる能力に欠けていました。しかし、そのことを日本トラック協会、日本ガス協会等(=群臣)から悟られ ないようにするため、交通安全環境研究所 [試作を担当するトラックメーカも共犯] (=詐欺師)の申請した「天然ガス専大型焼トラック」の研究 開発プロジェクトに多額の政府予算を支給することにしました。また日本トラック協会、日本ガス協会等(=群臣)の人達も、国土交通省・自動 車局(=王様)に対して意見具申が畏れ多いとの考えから、「天然ガス専焼大型トラック」がディーゼルトラックに比べて走行燃費(=走行時の 熱効率)が25%〜35%も劣る燃費不良の欠陥トラックであること口外しないようにしました。このように、交通安全環境研究所 [試作を担当す るトラックメーカも共犯] (=詐欺師)の「天然ガス専焼大型トラック」の欠陥を隠して利点だけを強調した説明に同調すると共に、「天然ガス専 焼大型トラック」が次世代大型トラックに相応しいと絶賛しました。そのため、交通安全環境研究所 [試作を担当するトラックメーカも共犯] (= 詐欺師))は、国土交通省・自動車局(=王様)から多額の研究開発の政府予算(=褒美)を手に入れることができました。首尾良く多額の研 究開発の政府予算(=褒美)を手に入れた交通安全環境研究所 [試作担当のトラックメーカも共犯](=詐欺師)は、大満足し、成功の喜びを 噛み締めました。

国土交通省・自動車局(=王様)は、ディーゼル大型トラックに比べて走行燃費(=走行時の熱効率)が25%〜35%も劣る燃費不良の欠陥 トラックである「天然ガス専焼大型トラック」が環境負荷を軽減する次世代大型トラックであると宣言し、「天然ガス専焼大型トラック」に多額の 政府補助金の支給による普及活動(=パレード)を盛大に執り行いました。このことは、国土交通省・自動車局(=王様)は、省エネルギー・ 省資源が最優先されるべき現代社会において、エネルギー資源の浪費を推奨し、その施策を推進していることになります。この「天然ガス専 焼大型トラック」に多額の政府補助金の支給による普及活動(=パレード)対し、ポンコツ元技術屋の筆者(=現実をしっかり見つめる1人の子 供)は、「国土交通省・自動車局(=王様)が燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服) 普及を推奨し、わが国の運輸分野のエネルギー資源の浪費を推進する反社会的を施策(=裸)を推進することになる!」とホームページで記 (=叫び声)を発することにしました。

しかし、国土交通省・自動車局(=王様)は、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ「天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服) の普及が運輸分野のエネルギー資源を浪費を推進する反社会的を施策(=裸)であるとのポンコツ元技術屋の筆者(=現実をしっかり見つめ る1人の子供)のホームページでの記事(=叫び声)を、無視しました。そして、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥のを持つ「天然ガス専焼大 型トラック(=賢者だけに見える服)に多額の政府補助金の支給による普及活動(=パレード)を現在も継続して実施しているようです。そし て、「国土交通省・自動車局(=王様)は、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)の普 及が運輸分野のエネルギー資源の浪費を推進する反社会的を施策(=裸)」であることに気付くまで、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥のを 持つ「天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)に多額の政府補助金の支給による普及活動(=パレード)が延々と続きそうです。 現時点では、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ「天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)に多額の政府補助金の支給によ る普及活動(=パレード)が終了する時期は、予測ができないようです。


アンデルセンの「裸の王様」と「天然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の物語の相違
を整理すると、次の通りです。
アンデルセンの「裸の王様」と「天然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の物語の相違

アンデルセンの「裸の王様」では、ある「現実をしっかり見つめる1人の子供」が発した「何で王様は裸で歩いているのか?」との叫び声を上 げた時、純粋な心を持った子供が言うことが「真実」であることに気付き、自身を恥じるという話です。

しかし、「天然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の物語では、ポンコツ元技術屋の筆者(=現実をしっかり見つめる1 人の子供)が「国土交通省・自動車局(=王様)は、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える 服)の普及が運輸分野のエネルギー資源の浪費を推進する反社会的を施策(=裸)だ!とホームページでの記事(=叫び声)を発しても、国 土交通省・自動車局(=王様)は、これを無視・黙殺しています。

アンデルセンの「裸の王様」の王様は「真実」の声を聞き入れる知性の持ち主のようですが、「国土交通省・自動車局(=王様)は、残念なこ とに「真実」の声を聞き入れる知能・能力・判断力に欠けているようです。そのため、アンデルセンの「裸の王様」の王様は、賢者だけに見える 服が詐欺であることに気付きましたので、アンデルセンの「裸の王様」の詐欺師は、同じ手口の詐欺行為をで二度と行うことができない状況 になりました。しかし、「国土交通省・自動車局の天然ガス専焼大型トラック騒動」物語の国土交通省・自動車局(=王様)は、燃費不良(= 熱効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)が詐欺であることに気付いていないようです。その結果、「天 然ガス専焼大型トラックを推奨する国土交通省・自動車局」の物語に登場する交通安全環境研究所 [試作を担当するトラックメーカも共犯] (=詐欺師)は、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)の詐欺ネタによって、長年にわ たって、国土交通省・自動車局(=王様)から研究開発の政府予算(=褒美)を引き出す行為が継続して行われてきたようです。それとも、国 土交通省・自動車局(=王様)は、身内である交通安全環境研究所が詐欺の張本人であることが内々に判明しているため、燃費不良(=熱 効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢者だけに見える服)が詐欺であることに気付いていないように振舞っているだけでし ょうか。

何れにしろ、現時点では、「国土交通省・自動車局(=王様)は、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラック(=賢 者だけに見える服)普及させることによって、運輸分野のエネルギー資源の浪費を推進する反社会的な施策(=裸)を推進しているようで す。しかし、アンデルセンの「裸の王様」のように「現実をしっかり見つめる1人の子供」「真実」の声を受け入れて「賢者だけに見 える服」の詐欺行為に気付いた如く、国土交通省・自動車局(=王様)は、何時になれば運輸分野のエネルギー資源の浪費を推 進する反社会的な施策(=裸)の誤りを正すのでしょうか

 そもそも、前述の2項の表4に示したように、国土交通省の発表資料(=http://www.mlit.go.jp/common/000168126.
pdfhttp://www.mlit.go.jp/common/000168127.pdfを見ると、(独)交通安全環境研究所が計測したディーゼル大型ト
ラックの平均実走行燃費値=3.43 (km/リットル)であり、天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値=3.03 (km/
m3)の燃費データが明確に記載されいる。そのことから、「大型ディーゼルトラック」と「オットーサイクルのスパークプラ
グ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック」の平均実走行燃費の測定データは、(独)交通安全環
境研究所がら国土交通省・自動車局に正直に提出されているようである。この(独)交通安全環境研究所から提出され
ディーゼル大型トラックの平均実走行燃費値=3.43 (km/リットル)と、天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値
3.03 (km/m3)について、示したように、天然ガスと軽油の単位エネルギー当りの発熱量 : 天然ガス= 45.0 (MJ/
m3)、軽油= 38.2 (MJ/リットル)(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.htmlの物性値を用い、燃料発熱量当たりの
燃料消費率に換算すると、 天然ガス専焼大型トラックの平均実走行燃費値 = 0.0673 (km/MJ)、ディーゼル大型
トラックの平均実走行燃費値 = 0.0898 (km/MJ)となる(前述の2項を参照)。これら(独)交通安全環境研究所
の測定データから計算(=換算)した燃料発熱量当たりの実走行燃費値を比較すると、天然ガス専焼大型トラッ
クは、ディーゼル大型トラックよりも25%もの燃料エネルギーを浪費する欠陥があることを容易に理解できる筈
である。

 それにもかかわらず、国土交通省と(独)交通安全環境研究所は、「次世代大型車開発・実用化促進プロジェクト」
http://www.mlit.go.jp/common/001058483.pdfと題する2013年12月作成の資料を発表しているのである。このこと
は、ディーゼル大型トラックよりも25%もの燃料エネルギーを浪費する欠陥のある天然ガス専焼大型トラックを次世代
トラックとして推奨している証拠の一つと考えられる。したがって、国土交通省と(独)交通安全環境研究所が燃料エネ
ルギーを浪費を促進する大型トラックが次世代トラックとの誤った認識を持っていたと考えられる。そのため、平成26
年度低公害車普及促進対策費補助金(環境対応車の導入事業)2次募集http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_
000003.htmlでは、平成26年11月14日〜12月5日の申込期間でのCNGバス・トラックに対する補助金交付が行わ
れるとのことである。このように、わが国における自動車の型式認定試験を担当する(独)交通安全環境研究所の信頼
性の高い燃費計測の組織において、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専
焼大型トラックがディーゼル大型トラックよりも25%もの燃料エネルギーを浪費する欠陥があることを示す実証試験デ
ータを、国土交通省(=自動車局?)が堂々と公表していながら、スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した
然ガス専焼大型トラックの導入に対して補助金を支給する施策を国土交通省が行っているようだ。ポンコツ元技術屋
の筆者には、何とも不思議に思えて仕方の無いことである。

 ところで、国土交通省(=自動車局?)は、如何なる理由から、天然ガス専焼大型トラックにおける25%もの走行燃
費不良の欠陥を実証する試験データ燃料エネルギーのを浪費する欠陥を示す実証試験データを発表したのであろう
か。その理由として考えられることは、筆者のホームページディーゼルに比べ15%のCO2削減が可能なDDFエンジン
等に記載しているように、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックの
走行燃費がディーゼルトラックよりも30%前後も劣るとの技術情報が少なからず存在しているのが現状である。このこ
とが、将来、世間一般に周知されるようになれば、国土交通省(=自動車局?)は、天然ガス専焼大型トラックにおける
25%もの走行燃費不良の欠陥を隠蔽していたとの批判を受ける可能性がある。そこで、国土交通省(=自動車局?)
は、天然ガス専焼大型トラックにおける25%もの走行燃費不良の欠陥を開示していたことを示すための単なるアリバ
イ工作(=無実を実証するための事前工作)ではないかと推察される。

 したがって、国土交通省の発表資料(=http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdfhttp://www.mlit.go.jp/
common/000168127.pdfでは、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型
トラックがディーゼル大型トラックよりも25%もの燃料エネルギーを浪費する欠陥があることを示す実証試験データを
発表しているが、国土交通省(=自動車局?)は、天然ガス専焼トラックがディーゼルトラックよりも30%前後もの燃料
エネルギーを浪費する欠陥があることを、今後も相変わらず、無視・黙殺するものと推察される。何故ならば、天然ガス
専焼トラックがディーゼルトラックよりも燃費不良であるとの欠陥を認めると、国土交通省(=自動車局?)の主導によ
る現時点までの長年にわたるスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラック(=トラック、バ
ス、塵芥車)の普及活動が燃料エネルギー(=天然ガスエネルギー)を浪費する反社会的な施策であることを公式に認
めることになるためだ。

 その場合、国土交通省がこれまで長年にわたり、次世代トラックとして天然ガス専焼トラックを推奨してきた施策が誤
っていたことになり、国土交通省(=自動車局?)の責任問題となることは明白である。そのような事態に陥ることを避
けるため、国土交通省(=自動車局?)は現時点では、国土交通省は、行政権力の及ぶ範囲内において、天然ガス専
焼トラックにおける顕著な走行燃費不良の欠陥が露見しないような施策を計画的に推進しているように思えるのであ
る。この天然ガス専焼トラックがディーゼルトラックに比べて顕著な走行燃費不良の欠陥を隠蔽するために、国土交通
省は、以下に示したような天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費値を未定にしておく施策を組織的・計画的に行って
いるものと推察される。

3−1天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費値を「未定」の状態にする国土交通省の施策
 
 前述のように、天然ガス専焼トラックは、ディーゼルトラックよりも実走行燃費(≒重量車モード燃費&熱効率)が2
5%〜35%も劣る燃費性能に欠陥のあるトラックであると考えられる。そのような天然ガス専焼トラック(=オットーサイ
クルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載したトラック)の燃費不良(=熱効率不良)の欠陥が露見しないよう
にするため、これまで国土交通省・自動車局が実施してきた手法・手段は、燃料浪費の著しい熱効率の劣悪な燃費デ
ータが車両の諸元値として表記できないようにすることのようだ。そのための具体的な施策は、以下の(1)と(2)に示し
た処置のようである。

(1) 天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の測定法(TRIAS)を設定しないこと(燃費試験法の未設定)

 以下の表6に示したように、国土交通省は、現時点では天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の測定が困難と
し、天然ガス専焼大型トラックについてのJE05モードによる燃費測定法(TRIAS)を作成していないようである。この国土
交通省の資料に記載された天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の測定が困難とする理由は、以下の通りであ
る。

天然ガス専焼トラックに搭載の天然ガス専焼エンジンは、燃費測定の高負荷の連続運転では触媒が損傷す
るために、燃費測定試験が困難である。
(疑問点:天然ガス専焼エンジンは燃費測定の高負荷の連続運転では触媒が損傷することが事実であれば、天然ガス
専焼トラックは、ディーゼルトラックと同等の全積載の長い登坂走行のような「エンジン高負荷の連続走行」が不可能な
実用性の無い欠陥トラックと云うことになる。)

天然ガス専焼エンジンの燃費測定には天然ガスの流量測定が必要であるが、日本では天然ガスの流量を
高精度に測定できる技術・装置の入手が困難である。(輸入も不可能な模様)
(疑問点:天然ガス専焼トラックのCNGタンクにCNGを充填・補給する場合は、CNGを充填・補給の量を計測し、CNGを
充填・補給の量に応じた料金を支払っているが、現在のCNGスタンドの天然ガス販売では、精度の劣る天然ガスの流
量計で測定した曖昧な量を販売量として提示し、客に料金を請求しているのが現状である。このことは、国土交通省の
見解では、CNGスタンドが客に不正確な天然ガス販売量を提示して料金を請求していることになりそうである。)

 表6 天然ガス専焼大型トラックの燃費測定は、現時点では未実施
(出典 : http://www.mlit.go.jp/common/000168126.pdf

 この表5に示した資料では 先ず最初に、国土交通省が挙げたのは、「天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の
測定法(=TRIAS)を設定しない理由」として、天然ガス専焼トラックに搭載の天然ガス専焼エンジンは、燃費測定の高
負荷の連続運転では触媒が損傷するために、燃費測定試験が困難」とのことである。天然ガス専焼トラックは、ディー
ゼルトラックと同等の全積載の長い登坂走行のような「エンジン高負荷の連続走行」が不可能なトラックと云うことにな
る。しかし、これが事実であれば、天然ガス専焼トラックは、現行のディーゼルトラックような日本経済の物流を担う過
酷な使用に耐えられないを耐久性の劣る欠陥トラックと云うことになる。そのような、信頼性・耐久性の劣る天然ガス専
焼トラックに対し、国土交通省は、現在、補助金を支給(=http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000003.htmlして
普及を図っているようである。このような国土交通省の行為については、理解に苦しむところである。

 次に、国土交通省が挙げた「天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の測定法(=TRIAS)を設定しない理由」とし
て、「天然ガス専焼エンジンの燃費測定には天然ガスの流量測定が必要であるが、日本では天然ガスの流量を高精
度に測定できる技術・装置の入手が困難」とのことである。日本では天然ガスの流量を高精度に測定できる技術・装置
の輸入もできないのであろうか。現在、既に市販された天然ガス専焼トラックは、日常、CNGスタンドでCNGタンクに
CNGを充填・補給し、運行しているのである。このCNGスタンドで天然ガス専焼トラックのCNGタンクにCNGを充填・補
給する場合には、CNGを充填・補給の量を計測し、CNGを充填・補給の量に応じた料金を支払っている。同様に、一般
家庭が都市ガス(=大部分が天然ガス)の使用流量を計測し、消費量に応じた料金を毎月、ガス会社に支払っている
のである。その場合、精度の劣る都市ガス(=天然ガス)の流量計で測定した曖昧な量を販売量として提示し、客に料
金を請求していることになりそうである。このように、世間一般では、ガス流量計の計測値が天然ガス販売に使われて
いる。それにもかかわらず、国土交通省が天然ガス専焼エンジンの性能測定試験におけるCNG流量の正確な計測技
術が不能と主張しているようだ。しかし、日本では天然ガスの流量を高精度に測定できる技術・装置の入手が困難との
国土交通省の見解が事実であれば、現在のCNGスタンドの天然ガス販売では、国土交通省の主張が正しければ、ガ
ス会社等は、不正確なガス流量計を用いて天然ガス販売(=CNG販売)の商業活動を行っていることになりそうだ。こ
の分野の知識の無い素人の筆者から見れば、このように、精度不良の計測器を商品の取引量の計測に使用すること
は、計量法に抵触するように思うが、如何なものであろうか。それとも、では、天然ガス専焼トラックの重量車モード燃
費の測定において、国土交通省・自動車局が絶対的に必要と断定している天然ガスの流量計の誤差・精度の基準が
存在しているのでのであろうか。仮に、そうであるならば、その基準を国民に公開すべきと思うが、如何なものであろう
か。

 これについては、筆者はCNGの流量測定に関する知識不足のため、何のコメントもする能力が無い。しかし、現在よ
うな科学技術の発達した時代において、国土交通省・自動車局の「現在の科学技術では、天然ガス専焼エンジンの性
能測定試験におけるCNG流量を必要な精度で計測することが困難」との見解・主張には、奇妙に思えて仕方の無いこ
とである。このような国土交通省・自動車局の見解・主張の魂胆は、天然ガス専焼エンジンの重量車モード燃費(=
量車モード熱効率)の計測を阻止するための方便のように思えるのである。そして、これまで長年にわたって国土交
通省・自動車局が天然ガス専焼エンジンを搭載した天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の測定法(=
TRIAS)を設定を先送りにしてきたことは歴然たる事実である。このことから判断すると、国土交通省・自動車局
は、天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費(=重量車モード熱効率)がディーゼルトラックに比べて大幅に劣
ることを隠蔽するための姑息な手段に使っているように思えて仕方は無い。ただし、この推測の真偽の程は、不
明である。しかし、あながち間違っていないように思うが、如何なものであろうか。

(2) 天然ガス専焼トラックの重量車燃費基準を設定しないこと(燃費基準の未設定)

 2014年4月4日現在、各トラックメーカが市販中の2015年度重量車燃費基準に適合した殆んど全てのディーゼル大
型トラックの重量車モード燃費値(=諸元値)は、2015年度重量車燃費基準にギリギリのレベルで辛うじて適合できて
いるのが現状である。一方、前述の2項に詳述したように、オットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを
搭載した天然ガス専焼大型トラックの実走行での燃費(=熱効率)がディーゼル大型トラックよりも25%も劣っている試
験データ(=交通安全環境研究所の計測データ)を国土交通省が発表しているのである。この国土交通省が発表した
計測データのように、天然ガス専焼大型トラックの実走行の燃費(=熱効率)がディーゼル大型トラックよりも25%も劣
っていることから類推すると、将来、天然ガス専焼大型トラックについてのJE05モードによる燃費測定法(TRIAS)が設
定された時点においては、天然ガス専焼大型トラックの市販が開始されたとしても、ディーゼル大型トラックの2015年度
重量車燃費基準に25%程度もの大幅に未達な燃料浪費の欠陥のある大型トラックとなってしまう可能性が極めて高
いと推測される。

 したがって、天然ガス専焼大型トラックは、重量車モード燃費を25%%もの改善を実現してディーゼル大型トラックと
同等のレベルまでに燃費性能を向上できる夢のような技術開発が成功しない限り、近い将来には販売禁止の憂き目
に会う恐れも否定できないのではないだろうか。また、仮に、天然ガス専焼大型トラックに対してディーゼル大型トラック
の2015年度重量車燃費基準を大幅に緩和した特別な「天然ガス専焼大型トラックの燃費基準」を設定しようとした場
合、大型トラックの燃料に天然ガスを使用した場合に限って特別に燃料エネルギーの浪費を許可することになり、世間
一般から厳しく批判されることが間違いないと考えられる。これは、天然ガス専焼大型トラックに限ったことでは無く、天
然ガス専焼トラックの全般に言えることである。

 現在、、天然ガス専焼トラックについて、ディーゼルトラックの2015年度重量車燃費基準と同等レベルとする極
めて合理的な「天然ガス自動車の2015重量車燃費基準」を国土交通省(=自動車局)が施行していないため、
天然ガス専焼トラックは、2015年度においても何の法的なペナルティ(=懲罰)を課されないで自由に市販できるのであ
る。そして、これまで長年にわたり、環境負荷の少ない次世代トラックとして推奨し、補助金まで支給して天然ガス専焼
トラックを普及させる活動(=http://www.mlit.go.jp/common/000998162.pdfhttp://www.shima-corp.com/company/
news/2014/01/post-120.htmlhttp://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/press/files/1392622993.pdf等を参照方)も、自由に続け
ることが可能と考えられる。

 また、現時点において、仮に、ディーゼルトラックの2015年度重量車燃費基準と同等レベルとする極めて合理的な
「天然ガス自動車の重量車燃費基準」を国土交通省(=自動車局)が施行した場合、この「天然ガス自動車の重量車
燃費基準」に未達となり、天然ガス専焼トラックは、ディーゼルトラックよりも30%前後もの燃料エネルギー(=天然ガス
エネルギー)を過大に浪費してしまう欠陥が露見すると考えられる。その場合には、これまで補助金まで支給して天然
ガス専焼トラックを普及させてきた国土交通省(=自動車局)の施策は、わが国の燃料エネルギーを浪費を促進する
反社会的な行為であったことが白日の下に晒されることになると考えられる。このように、天然ガス専焼トラックが燃料
浪費の欠陥トラックであるとの実態を多くの人が知るなった場合には、国土交通省(=自動車局)は、税金の無駄遣い
として国民から痛烈な批判を受けると予測される。

 そこで、国土交通省は、このような批判を回避する最良の手段が、天然ガス専焼トラックにおける燃料浪費の欠陥の
露見を防ぐことである。そのための対策の一つとして、国土交通省は、「ディーゼルトラックの2015年度重量車燃費基
準と同等レベルの天然ガス専焼トラックの重量車燃費基準」の設定を、極力、先延ばしするものと推察されるが、如何
なものであろうか。もっとも、常識的に考えれば、「ディーゼルトラックの2015年度重量車燃費基準」は、2006年(平成18
年)4月1日から施行されているが、約17年(=1997年頃)の昔から市販されている天然ガス専焼トラックについての
2015年度重量車燃費基準が現時点でも設定されていなのである。このように、「天然ガス専焼トラックについての2015
年度重量車燃費基準が未設定」であることが国土交通省(=自動車局)による天然ガス専焼トラックにおける燃料浪費
の欠陥を意図的に隠蔽する工作の一環のように思ってしまうのは、ポンコツ元技術屋の筆者だけの偏見であろうか。

 因みに、GVW 20トン超〜GVW 25トンのディーゼル大型トラックの2015年(平成27年)度重量車燃費基準は、重量車
モード燃費値=4.04(km/リットル)である。そこで、天然ガスと軽油の単位エネルギー当りの発熱量 : 天然ガス= 45.0 
(MJ/m3)、軽油= 38.2 (MJ/リットル)(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.htmlの物性値を用いて、大型ディーゼ
ルトラックの2015年(平成27年)度重量車燃費基準(=4.04 km/リットル)を天然ガス大型トラックの重量車モード
燃費値に換算した場合、天然ガス大型トラック(GVW 20トン超〜GVW 25トン)の重量車燃費基準=4.76(km/
m3)となる。少なくとも、国土交通省(=自動車局)が天然ガス大型トラック(GVW 20トン超〜GVW 25トン)に補助金を
支給するのであれば、その前に大型ディーゼルトラック(GVW 20トン超〜GVW 25トン)の2015年(平成27年)度重量車
燃費基準と等価の天然ガス大型トラック(GVW 20トン超〜GVW 25トン)の重量車燃費基準=4.76(km/リットル)を規定・設
定しておくと共に、補助金を支給する天然ガス大型トラック(GVW 20トン超〜GVW 25トン)がこの燃費基準に適合して
いることの制限を課すべきと考えるが、如何なものであろうか。

3−2 天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費値を「不明状態」にする国交省の目的・意図

 2014年4月4日現在、国土交通省は、「天然ガス専焼トラック」の重量車モード燃費の試験法(=TRIAS)を未設定とし
ているため、「天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費」が計測不能の状態である。このよな「天然ガス専焼トラックの
JE05モードによる燃費測定法(TRIAS)」を未作成(=未設定)の期間には、政府公認の正式な試験法による天然ガス
専焼トラックの重量車モード燃費値が「不明」の状態が続くことになる。したがって、天然ガス専焼トラック(=重量車)の
諸元表は、重量車モード燃費値の記載が空白である。しかし、国土交通省は、天然ガス専焼トラックの公道走行を認
可しているのである。その結果、一般のトラックユーザは、「天然ガス専焼トラック」と「ディーゼルトラック」の重量車モー
ド燃費の比較が出来ない状況である。

 このように、現時点において、「天然ガス専焼トラック」と「ディーゼルトラック」の重量車モード燃費値の比較が出来な
いことによる最大の影響は、「ディーゼルトラック」に比較した場合の「天然ガス専焼トラック」の熱効率の優劣の評価が
不能の状態になっていることである。これは、国土交通省が「天然ガス専焼トラックのJE05モードによる燃費測定法
(TRIAS)」を未作成(=未設定)とする施策を実行していることが原因と推測される。その結果、これまで「ディーゼルトラ
ック」に比べて「天然ガス専焼トラック」の実走行燃費(=実走行熱効率)が劣悪であることが間一般に広く認識されない
状況を作り出してきたものと推察される。

 その原因は、「天然ガス専焼トラック」に関する国土交通省・自動車局における以下の施策と推測される。

(1) 天然ガス専焼トラックの重量車モード燃費の測定法(=TRIAS)を設定しないこと(燃費試験法の未設定)

(2) 天然ガス専焼トラックの重量車燃費基準を設定しないこと(燃費基準の未設定)

 このように、これまで長年にわたって国土交通省・自動車局が実施してきた「天然ガス専焼トラックのJE05モードによ
る燃費測定法(TRIAS)を未作成」にし、更に「天然ガス専焼トラックの重量車燃費基準を設定しないこと(燃費基準の未
設定)」の施策は、天然ガス専焼トラック(=パークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載のトラック)ディーゼルトラック
に比較して25〜35%も燃料エネルギーを浪費する事実が露見することを防止する処置として、極めて高い効力を発
揮してきたものと考えられる。そのような天然ガス専焼トラックにおける燃費不良(=熱効率不良)の致命的な欠陥の隠
蔽に成功してきた実績があることから、国土交通省・自動車局の人達は、今後も引き続き、天然ガス専焼トラックの研
究開発に多額の政府予算を投入し、「環境にやさしいトラック」、「次世代の低公害トラック」、「環境負荷低減のトラック」
等の美麗字句で誉め称えながら多額の補助金も投入していく施策を何の障害も無く続行できることを確信しているもの
と推察される。

 このように、国土交通省・自動車局の人達は、天然ガス専焼トラックを次世代トラックとして普及する施策を今後も
続して実施することにより、スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックにおける燃費不良
(=熱効率不良)の致命的な欠陥が表面化ことを防止する方針のようである。そして、天然ガス専焼トラックの燃費不
良(=熱効率不良)の欠陥が露見しなければ、これまでの天然ガス専焼トラックの研究開発や、市場で稼動国内で稼
している24076台(=2012年現在)もの多数の天然ガス専焼トラック(=http://www.gas.or.jp/ngvj/spread/ngv_
spread.htmlに支給された補助金として投入された何十億円?もの多額の政府予算は、税金の「無駄遣い」として国民
(=会計検査院?)から厳しく指弾されることを先送りできると、国土交通省・自動車局の人達は考えているようである。
この天然ガス専焼トラックにおける燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を隠蔽するための最強の法令上の施策は、「天
然ガス専焼トラックのJE05モードによる燃費測定法(TRIAS)」を未作成(=未設定)とする状態を維持・継続し、天然ガ
ス専焼トラックの重量車燃費基準を未整備の状態を維持しておくことである。これによって、天然ガス専焼トラックがデ
ィーゼルトラックに比べて「重量車モード燃費の不良(=熱効率不良)」の欠陥が広く国民に周知されない状態を維持で
きると考えられる。果たして、天然ガス専焼トラックの「JE05モードによる燃費測定法(TRIAS)の作成の先送り」と「天然
ガス専焼トラックの重量車燃費基準を設定しないこと(燃費基準の未設定)」と云う狡猾な手段によって、天然ガス専焼
トラックにおける燃費不良の「欠陥隠し」の施策は、これから何年先まで国土交通省・自動車局が続ける予定であるの
だろうか。

 さてさて、国土交通省・自動車局は、天然ガス専焼トラックの燃費不良の「欠陥隠し」を続行するために、今後も相変
わらず、運送会社がディーゼルトラックに比べて燃料エネルギーを顕著に浪費する天然ガス専焼トラック等を購入する
際、国土交通省が補助金を交付する施策を行っていくのであろうか。因みに、平成26年度のCNGバス・トラックの補助
金申請を案内する国土交通省のホームページはhttp://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000003.htmlである。これに
よると、CNGバス・トラックの補助金交付予定枠の申込期間は、平成26年9月1日〜9月30日とのことである。そして、
このスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した燃費不良の「欠陥」を持つCNG(=圧縮天然ガス)バス・トラックに
支給される国土交通省の平成26年度の補助金(=http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000003.html)は、燃料エ
ネルギー(=天然ガスエネルギー)の浪費を促進するために支給されることになると考えられる。このような燃料エネル
ギー(=天然ガスエネルギー)の浪費と云う反社会的行為の推進するために平成26年度の補助金が投入されているこ
とになり、あたかも「盗人に追い銭」と同様のような、税金の無駄遣いと考えられる。

 ところで、ディーゼルトラックに比較して30%前後もエネルギー資源の浪費する天然ガス専焼トラックの稼動は、国内
の天然ガス消費を無駄に増加させるため、最近の日本の貿易赤字に陥っているエネルギー資源の輸入量の増大を招
いている原因の一つと考えられる。したがって、現在の日本の貿易赤字を少しでも削減するためには、燃費不良の「
陥」を持つ天然ガス専焼トラックの台数を早い時期に削減すべきであることは明らかである。また、スパークプラグ方式
天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックの新車の販売も早急に中止すべきことは、勿論である。しかし、
土交通省と云えども、既に認可されている天然ガス専焼トラックの型式認定の取り消しを理由も無く行うことは困難であ
る。そこで、国土交通省が早急に実施すべきことは、「天然ガス専焼トラックのJE05モードによる燃費測定法
(TRIAS)」を作成し、ディーゼルトラックの2015年度重量車燃費基準と同等の熱効率レベルの「天然ガス専焼ト
ラック(=自動車)の2015年重量車燃費基準」を設定することである。そうすれば、ディーゼルトラックに比較して
0%前後も燃料エネルギーを浪費するスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックは、新た
な「ディーゼルトラックの2015年度重量車燃費基準」と同等レベルの熱効率の「天然ガス自動車の2015年度重量車燃
費基準」には、不適合ことになる筈である。その場合には、各トラックメーカの天然ガス専焼トラックは、国土交通省の
型式認定が取得できない状況となる筈である。その結果、国内では天然ガス資源を無駄に浪費する天然ガス専焼トラ
ックの新たな市販が中止されるものと考えられる。これによって、今後、日本国内で稼動する天然ガス専焼トラックの台
数が現状以上に増加しないため、天然ガス専焼トラックに起因する燃料エネルギーの浪費は、現時点のレベルで抑え
られることになる。これが、日本のために国土交通省・自動車局の取るべき最善の処置と考えるが、如何なものであろ
うか。

 このように、エネルギー資源の浪費の欠陥があるスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラ
ックへの補助金の支給は、明らかに誤った国土交通省・自動車局の施策と考えられる。これについて、一般国民として
の忌憚の無い意見を言わせて貰えば、「国土交省の役人・官僚は、馬鹿か!」と一喝したくなる衝動に駆られる施策
だ。したがって、このような国土交通省・自動車局の予算の行使は、会計検査院が早急に中止命令を出すべきと思う
が、如何なものであろうか。それとも、スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックが現行の
ディーゼルトラックに比較して30%前後も多くのエネルギー資源(=天然ガス資源)を浪費するとの筆者の見解は、誤
りであろうか。その場合には、筆者は、浅学菲才のポンコツ元技術屋であるが故の悲しさから、自ら好き好んで恥を晒
していることになる。そこで、このホームページの記載内容の間違いに気付かれた人は、僭越ながらも武士の情けとし
て、是非とも筆者宛にその旨のメールをお送りいただければ幸いである。即刻に、このホームページの「誤りの箇所」
の訂正、若しくは削除を行う所存である。

4.大型ディーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)のDDF大型トラックの技術

 ところで、世の中には数十年も以前から、パイロット噴射した軽油の着火火炎によって主燃料の天然ガスを点火して
運転する軽油着火型天然ガスエンジンを搭載したDDF大型トラックが、既に存在しているのである。この天然ガスを併
用するDDF大型トラックは、軽油ディーゼル大型トラックと同等の軽油換算の燃費(=熱効率)のため、軽油換算で
2015年度重量車燃費基準を達成できる燃費性能のトラックだ。このDDFエンジンやDDF大型トラックの詳細について
は、ディーゼルに比べ15%のCO2削減が可能なDDFエンジンDDF運転とディーゼル運転の選択が可能なDDF大型
トラック 、および大型トラックの「CO2削減」と「脱石油」の技術は、未だに不明か?のページで記載しているので御覧い
ただきたい。このように、DDF大型トラックは、主燃料に天然ガスを用いていながら、軽油ディーゼル大型トラックと同等
の軽油換算の燃費(=熱効率)で運行できるのである。そのため、大型トラックの脱石油を図る目的であれば、当然、
燃費性能の優れたDDF大型トラックの実用化を積極的に推進すべきと考えられる。

 しかし、前述の1−1項に述べた後藤雄一氏(交通安全環境研究所)の論文の例のように、日本の多くの学者・専門
家は、長年にわたって天然ガス専燃トラックの研究開発の研究開発に主眼を置き、軽油ディーゼル大型トラックと同等
の軽油換算の燃費(=熱効率)で運行できるDDF大型トラックの技術を、何故か冷たく無視されているようである。そし
て、表1の後藤雄一氏(交通安全環境研究所)の論文に示されているように、ディーゼルエンジンよりもWell-to-Wheel
の燃費(=熱効率)が30%程度も劣る欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラックの実用化を促進するために、スパークプラ
グ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの実証運行試験を実施しているのである。しかし、この
ような天然ガス専焼大型トラックの論文では、天然ガス専焼大型トラックの軽油換算の重量車モード燃費を2015年度重
量車燃費基準と同等レベルの熱効率までに高めることが困難な代物であることを一言も記載されていないのである。
そして、後藤雄一氏(交通安全環境研究所)の天然ガス専焼大型トラックに関する論文では、天然ガス専焼大型トラッ
クと軽油ディーゼル大型トラックとのCO2の優劣の比較だけであり、大型トラックにとって最も重要視とされる燃費(=熱
効率)の比較が記載していないのである。これまでは、このような欠陥論文を堂々と発表することによって、後藤雄一氏
交通安全環境研究所)を含む日本の多くの学者・専門家は、燃費不良(=熱効率不良)の欠陥を持つスパークプラグ
方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの普及を図ろうとする詐欺的な活動を盛んに行ってきたよ
うである。これは、一般の国民にとっては、何とも嘆かわしいことでは無いだろうか。

5.劣悪な燃費(=熱効率)で資源浪費を招く天然ガス専焼トラックを推奨する組織・団体

5−1.二十年以上も昔から劣悪な燃費の天然ガス専焼トラックの普及を熱心に推奨する組織・団体

 スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックは軽油を燃料とする従来のディーゼルエ
ンジンよりもWell-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る欠陥のあり、このことは紛れも無い事実である。この
燃料(=天然ガス)の浪費(=エネルギー資源の浪費)を招く欠陥がある天然ガス専焼大型トラックを推奨している
織・団体は、わが国では数多く存在している。この重大な燃料浪費の欠陥を抱えた天然ガス専焼トラックを推奨する組
織・団体名とそのホームページを表7に示したので、御覧いただきたい。

表7天然ガス専焼トラックを推奨する組織・団体名とそのホームページ
天然ガス専焼トラックを推奨する組織・団体名
ホームページ
(独)交通安全環境研究所

(財)日本自動車研究所

国土交通省

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/09/091218_.html
一般社団法人 日本ガス協会


 前述の通り、(独)交通安全環境研究所が2010年11月24(水)・25日(木)に開催した技術発表の講演会において、
大型天然ガストラックの実証運行試験の成果と普及への課題」(表1参照)の論文では、平成21年度に終了した
GVW25トンのオットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックによる貨
物輸送事業の計30万kmに及ぶ実証試験の結果から、スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼
大型トラックの燃費(=熱効率)は、ディーゼル大型トラックよりも30%以上も劣っていることが簡単に算出できるの
だ。それにもかかわらず、(独)交通安全環境研究所の専門家が天然ガス専焼大型トラックを推奨していることは、筆
者には理解できないことである。もっとも、この論文の「天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックのCO2排出
量がほぼ同等とする結論」を基に敢えて天然ガス専焼大型トラックとディーゼル大型トラックの燃費(=熱効率)を比較
するための計算をしなくても、従来からガソリンエンジンと同じオットーサイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジン
を搭載した天然ガス専焼大型トラックは、軽油を燃料とするディーゼルエンジンよりもTank-to-Wheelの燃費(=熱効
率)が30%程度も劣る重大な欠陥があることは従来から広く知られていることだ。

 因みに、JHFC総合効率検討特別委員会,平成15年度「JHFC総合効率検討結果」中間報告書(財団法人 日本自
動車研究所,平成16年3月)に記載されている通り、LNGのWell-to-Tankのエネルギー効率が0.870〜0.930(平均0.
900)、軽油のWell-to-Tankのエネルギー効率が0.850〜0.960(平均0.924)であり、LNGと軽油の両者のWell-to-Tank
のエネルギー効率は0.9前後で同等である。そして、スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大
型トラックは、軽油を燃料とするディーゼルエンジンよりもTank-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る重大な
欠陥がある。そのため、天然ガス専焼大型トラックは、Well-to-Wheelの場合においても軽油を燃料とするディーゼルエ
ンジンよりもTank-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る重大な欠陥があることになる。このように、Tank-to-
WheelとWell-to-Wheelの何れの場合においても、天然ガス専焼大型トラックは、軽油を燃料とするディーゼルエンジン
よりもTank-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る重大な欠陥のあるトラックだ。

 現行の軽油を燃料とする大型トラックが2015年度重量車燃費基準に辛うじて適合している状況から推察すると、軽油
ディーゼルの大型トラックに比べて天然ガス専焼大型トラックの軽油換算の重量車モード燃費は、2015年度重量車燃
費基準に30%程度も未達であることは間違いない。したがって、表4に挙げた天然ガス専焼トラックを推奨する何れの
組織・団体は、2015年度重量車燃費基準に30%程度も劣る重大な欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラックをそれぞれ
組織・団体のホームページで推奨しているのである。このことは、現在では誰もが省資源や省エネルギーの推進が
必要と認めている時代であるにもかかわらず、信じられないことに表4に挙げた組織・団体は、天然ガスと云う重要なエ
ネルギー資源の顕著な浪費を堂々と奨励していることになる。このように、日本政府(=国土交通省)を初めとして、名
だたる日本の組織・団体が大型トラックで消費する燃料として、軽油よりもエネルギー資源を30%も多く浪費する天然
ガスを推奨していることは、驚愕であり、呆れるばかりである。

 因みに、2011年12月13日に筆者のホームページでは、天然ガス専焼大型トラックの2015年度重量車燃費基準に
30%程度も劣る重大な欠陥を指摘しているのである。それにもかかわらず、表4に挙げた組織・団体は、それぞれの
組織・団体の天然ガス専焼大型トラックを賞賛する虚偽情報のホームページを削除することなく、天然ガス専焼大型ト
ラックの普及を推奨し続けているのだ。そして、表4に挙げた組織・団体は、これまでと相も変わらず、大型トラックの燃
料として天然ガスと云う重要なエネルギー資源の顕著な浪費の奨励を続けているのである。このことは、「天然ガス専
焼大型トラックは、Well-to-Wheelの場合においても軽油を燃料とするディーゼルエンジンよりもTank-to-Wheelの燃費
(=熱効率)が30%程度も劣る重大な欠陥がある」とする筆者の指摘・見解は誤りであると、表4に挙げた組織・団体は
考えているのであろうか。仮にそうであるならば、「天然ガス専焼大型トラックは、エネルギー資源の顕著な浪費を招くト
ラックである」とする筆者の指摘・見解が「誤り」とする理由・根拠を教えていただきたいものである。

5−2.みずほ情報総研も劣悪な燃費(=熱効率)の天然ガス専焼トラックの普及を推奨

 前述のようにスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックは、軽油を燃料とする従来
のディーゼルエンジンよりもWell-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る致命的な欠陥トラックである。信じられ
ないことではあるが、前述の表4に挙げた組織・団体以外にも、みずほ情報総研もWell-to-Wheelにおける劣悪な燃費
(=熱効率)のためにエネルギー資源の浪費を招く天然ガス専焼トラックを熱心に推奨する活動を行っているようだ。
の証拠として、みずほ情報総研が将来の大型トラックとして天然ガス専焼大型トラックを推奨している報告書を以下の
表8に示す。

表8 天然ガス専焼大型トラックを推奨する「みずほ情報総研の報告書」とその疑問点

報告書の


内 用



● 表題


● 試験車両と走行経路


● 試験結果


報告書の

概要と

疑問点
運送会社の不確かな試験データをベースに天然ガストラックのCO2排出ガス削減の優劣を評価する暴挙
 前述の1項に記載したように、国土交通省の研究機関である(独)交通安全環境研究所が2010年11月24(水)・
25日(木)に開催した講演会において、「天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量は、ディーゼル大型トラックの
CO2排出量とほぼ同等」との論文を発表しているのである。
 しかし、(独)交通安全環境研究所の天然ガス専焼大型トラックにおけるCO2排出量の論文発表後となる2011年9月2
日〜4日の3日間に株式会社エコトラックが実施した大阪〜東京間の高速道路走行の試験データを基にして軽油ディー
ゼル大型トラックに比べて、天然ガス専焼大型トラックのCO2排出が18%も少ない」と結論付けた報告書をみず
ほ情報総研がまとめている。このみずほ情報総研の報告書の基礎とされた試験データは、試験研究が専門外のトラッ
ク貨物輸送業者が実施した大阪〜東京間の3日間の運行試験で得られた極めて繰り返し数の少ないデータである。その
ため、この報告書は、みずほ情報総研が極めて信頼性の低い試験データをベースに、天然ガス専焼大型トラックのCO2
排出量の優劣を論じた信頼性の劣る内容と見て間違いが無いと考えられる。
 したがって、この報告書は、技術情報を解析する際の試験データの信頼性の有無についてみずほ情報総研が何の考
慮・検証もしないように思えるのである。そのため、この報告書の内容については、一流の情報機関と云われている
ずほ情報総研が(独)交通安全環境研究所の天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量の測定結果を敢て否定
し、走行試験のデータエンジン関係の研究を主な業務としない組織(=運送会社)の天然ガス専焼大型トラック
のCO2排出量の測定結果を信頼できると断定してしまっていることに、筆者の疑問が拭えないのである。つま
り、この報告書は、常識的に見て信頼性に無い試験データが強引に選択する手法を用い、天然ガス専焼大型ト
ラックがCO2排出の面で優れた性能を有するとの虚偽の技術情報を喧伝するために、みずほ情報総研が恣意
的に公開したのではないかと推察されるのである。

天然ガス専焼大型トラックが軽油大型トラックよりもエネルギー資源を浪費する欠陥トラックであることを隠蔽
 前述の通り、東京ガスのホームページ(出典:http://eee.tokyo-gas.co.jp/ngv/faq.htmlによると、天然ガスと軽油の
単位エネルギー当りのCO2排出量は、以下の表2に示した通り、天然ガス= 51 g/MJ、軽油= 69 g/MJである。


 
一方、みずほ情報総研の報告書「天然ガス専焼大型トラックは軽油ディーゼル大型トラックに比べ、1km当たり排出量平
均18%の排出削減効果が見られた」との記載されている。このように、軽油ディーゼル大型トラックに比べて、天然ガス専
焼大型トラックのCO2排出が18%も少ない場合には、天然ガスのCO2排出量= 51 g/MJ、軽油のCO2排出量= 69 g/
MJの数値を用いて天然ガス専焼大型トラックと軽油ディーゼル大型トラックとの燃費(=Tank-to-Wheelの熱効率)の優
劣を計算すると以下の通りとなる。

記号
CO2g:天然ガス専焼大型トラックの一定距離走行時のCO2排出量
CO2d:軽油ディーゼル大型トラックの一定距離走行時のCO2排出量
Qg:天然ガス専焼大型トラックの一定距離走行時の天然ガスエネルギー消費量
Qd:軽油ディーゼル大型トラックの一定距離走行時の天然ガスエネルギー消費量


計算式
CO2g=(1−0.18)CO2d
CO2g=Qg×51 (g/MJ)
CO2d=Qd×69 (g/MJ)

天然ガス専焼大型トラックのエネルギー消費量)/(Q軽油ディーゼル大型トラックのエネルギー消費量)=Qg/Qd
Qg/Qd=0.82×69/51=1.109

この計算結果から、みずほ情報総研の報告書(=http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2011/mobility_3.
html)の記載データから天然ガス専焼大型トラックは、軽油ディーゼル大型トラックよりも11%程度の燃費(=
Tank-to-Wheelの熱効率)が劣っている結論が導き出せることになる。しかし、このみずほ情報総研の報告書で
は、「天然ガス専焼大型トラックは軽油ディーゼル大型トラックに比べ、1km当たりのCO2排出排出量が平均18%の排
出削減効果が見られた」と記載されているだけであり、「天然ガス専焼大型トラックは、軽油ディーゼル大型トラックよりも
11%程度の燃費(=Tank-to-Wheelの熱効率)が劣っている」ことを何も明記されていないのである。したがって、みずほ
情報総研の報告書(=http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2011/mobility_3.html)では、天然ガス専焼大
型トラックが軽油ディーゼル大型トラックよりもエネルギー資源を浪費する欠陥トラックであることを意図的に隠蔽されてい
ると見ることも可能である。


5−3.自動車技術会も劣悪な燃費(=熱効率)の天然ガス専焼トラックの普及を推奨

 前述の表7に挙げた組織・団体やみずほ情報総研の他に、日本自動車技術会もWell-to-Wheelにおける劣悪な燃費
(=熱効率)のためにエネルギー資源の浪費を招く天然ガス専焼トラックを熱心に推奨する活動を行っているようだ。前
述のようにスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックは、軽油を燃料とする従来のデ
ィーゼルエンジンよりもWell-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る致命的な欠陥トラックである。それにもか
かわらず、将来の大型トラックとして天然ガス専焼大型トラックを推奨しているのだ。つい先日も「自動車技術」誌2013
年4月号(Vol.67、N0.4、2013)の巻頭言に天然ガス専焼トラックの普及を推挙する推挙する記事が掲載されていたの
で、その内容と疑問点について、下記の表9に示した。

表9 「自動車技術」誌2013年4月号(Vol.67、N0.4、2013)の巻頭言の内容とその疑問点
「自動車技術」誌の巻頭言
筆者の疑問点
誌 名
「自動車技術」誌2013年4月号(Vol.67、N0.4、2013)の巻頭言
編集
自動車技術会 会誌編集委員会
巻頭言の題名



「シェールガス革命と天然ガス自動車普及への期待」
当該「自動車技術」誌2013年4月号の巻頭言の著者



東京ガス 代表取締役副社長 執行役員
村木 繁 氏
● 当該「自動車技術」誌2013年4月号の巻頭言の内容


 左記の巻頭言の記述内容についての疑問点

 東京ガス の副社長の村木 繁 氏は、左記のように、
「・・・これまでに都市内の輸送トラック、塵芥車を中心に全国で
累計約42000台のNGVが導入され、・・・・・。 ・・・・・低炭素化と
エネルギーセキュリティの向上が課題となっている中、大型NGV
トラックの導入が有効な手段の一つであると考えられて
います。・・・・・車両総重量25tの大型NGVトラックを用いた実証
事業が2011年12月よりスタートしました。・・・・・」と村木 繁
氏は、記述されています。
 
 このように、村木 繁 氏は、これまで全国で累計約42000台
のNGVが導入されている都市内の輸送トラック、塵芥車や、
車両総重量25tの大型NGVトラックの実証事業が2011年12月より
スタートしたと述べられています。のことに間違いありません。この
ことから、村木 繁 氏が呼称されているNGVトラックは、オットー
サイクルのスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然
ガス専焼トラックであることに間違いありません。したがって、
この「自動車技術」誌では、村木 繁 氏は、紛れも無く、「天然
ガス専焼トラックの普及は、日本の低炭素化とエネルギー
セキュリティの向上に有効な手段である」と主張されていることに
なります。しかし、この村木 繁 氏の主張は、明らかに誤りと考え
られます。
 
 その理由は、前述の2項「天然ガス専焼トラックは、
ディーゼル大型トラック」で詳述しているように、スパーク
プラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼
トラックは、Tank-to-WheelとWell-to-Wheelの何れの
場合でも、燃費(=熱効率)が市販の軽油ディーゼル
トラックよりも30%以上も劣る欠陥トラックであるためです。
したがって、今後、このような燃料資源の浪費を招く欠陥を
抱えた天然ガス専焼トラックが日本全土で広く普及する
可能性は、皆無と考えられます。故に、日本のエネルギー
セキュリティの向上には、天然ガス専焼トラックが将来とも何の
役にも立たないことが明らかです。
 
 そのため、村木 繁 氏が天然ガス専焼トラックの普及を推奨
されていることは、途方もない誤りを犯していることになります。
何はともあれ、現在は、地球上のエネルギー資源の枯渇が危惧
されている時代です。それにもかかわらず、村木 繁 氏は、
エネルギー資源の浪費を促進することを推奨されているのです。
そのような村木 繁 氏の出鱈目な主張が、「自動車技術」誌
2013年4月号(Vol.67、N0.4、2013)に堂々と掲載されている
のです。これは、常に正しい情報を発信する旨の倫理規定を
掲げた自動車技術会が多くの会員の期待を裏切っていることに
なると考えられます。したがって、自動車技術会は、この
村木 繁 氏の記事を早急に訂正すべきと考えます。また、この
記事の誤りの訂正処置が早期に行われない場合には、
村木 繁 氏の虚偽の技術情報を拡散する破廉恥な行為に対し、
自動車技術会が全面的に協力していることになります。
 
因みに、前述の表1「(独)交通安全環境研究所が2010年11月
24(水)・25日(木)に開催した技術発表の講演会の論文」で説明
したように、「天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量は、
ディーゼル大型トラックのCO2排出量とほぼ同等」であることが
確認されているおことから、天然ガス専焼大型トラックがトラックの
低炭素化の効果が僅少である上に、しかも、軽油ディーゼルト
ラックよりも30%以上も多くのエネルギーを消費する欠陥がある
ことを意味します。したがって、天然ガス専焼トラックを使用した
場合にはユーザが多大の不利益を被ることは明白です。それにも
かかわらず、村木 繁 氏は、将来のトラックとして天然ガス専焼
大型トラックを推奨しているのです。このように、村木 繁 氏は、
エネルギー資源の浪費を招く天然ガス専焼大型トラックを推奨して
いるのです。このような村木 繁 氏の反社会的とも思える行為を
行う動機としては、村木 繁 氏が副社長の任にある東京ガス
の売り上げ額の増加による利益増大を狙っている可能性があり
ます。このような、反社会的な手段を弄しても東京ガス鰍フ利益を
増加させようとする行動は、東京ガス鰍フような経済産業省の
認可を受けた公共事業に携わる企業としては、有るまじき行為の
ように考えられます。
 

 以上の表9に示したように、東京ガス兜寰ミ長の村木 繁 氏は、「自動車技術」誌2013年4月号(Vol.67、N0.4、
2013)の巻頭言において、現行の軽油ディーゼル大型トラックに比較して30%程度も多くのエネルギー資源(=天然ガ
ス資源)を消費してしまうような欠陥を持つ天然ガス専焼大型トラックを将来のトラックとして推奨することを堂々と主張
されているのである。この主張は、地球のエネルギー資源の枯渇が危惧されている現在においては、明らかに反社会
的な内容であることが誰の目にも明らかではないだろうか。

 このように、東京ガス兜寰ミ長の村木 繁 氏は、4万人の会員に配布される「自動車技術」誌に、反社会的と思しき
内容を主張されているのである。この様子は、ブラック企業も顔負けの活動のようにも思えるが、如何なものであろう
か。また、このような村木 繁 氏の誤った技術情報の拡散を支援する自動車技術会は、ブラックな社団法人に成り下
がっているように感じるが、これは筆者だけの偏見であろうか。因みに、この「自動車技術」誌での村木 繁 氏の巻頭
言の疑問点について、2013年4月に筆者は自動車技術会にEメールを送ったが、数ヶ月が経過しても自動車技術会か
らの返答は何も無いのである。つまり、この村木 繁 氏の巻頭言に関する筆者のEメールに対し、自動車技術会は、
「ダンマリ(=黙り)」を決め込んだようだ。これは、村木 繁 氏の巻頭言に対する筆者の誤りの指摘に対し、自動車技
術会が反論できないための処置として行っているのであろうか。それとも、筆者の疑問が頓珍漢な内容であるために
馬鹿馬鹿しくて返答する価値も無いと見なした結果であろうか。

 また、村木 繁 氏は、「・・・・・車両総重量25tの大型NGVトラックを用いた実証事業が2011年12月よりスター
ト・・・・・」と誇らしげに述べられているが、このような将来性の全く無いオットーサイクルの天然ガス専焼大型トラックを
用いた実証事業は、学者・専門家が政府予算の試験研究費の獲得に用いる詐欺的な手法に詳述しているように、政
府予算の試験研究費の無駄使いの典型のではないかと考えられる。したがって、このような政府予算の試験研究費の
無駄使いも厳しく指弾されるべき事案と考えられるが、如何なものであろうか。
 
5−4.劣悪な燃費の天然ガス専焼トラックの普及を現在も執拗に推奨するマスコミ

 前述のようにスパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックは、軽油を燃料とする従来
のディーゼルエンジンよりもWell-to-Wheelの燃費(=熱効率)が30%程度も劣る致命的な欠陥トラックである。それにも
かかわらず、日本のマスコミは、最近でも劣悪な燃費(=熱効率)のために明らかにエネルギー資源の浪費を招く天然
ガス専焼トラックを熱心に推奨する活動を行っているようだ。下記の表10に示したように、読売新聞がインターネットで
2013年6月17日1時21分に配信した記事(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130616-OYT1T00869.htm天然
ガス専焼自動車を推挙する読売新聞のインターネット記事のコピー参照)には、エネルギー資源の浪費が顕著な天然
ガス専焼トラックの普及を推挙する記事が掲載されていた。

表10 2013年6月17日1時21分に配信された読売新聞ので天然ガス専焼トラックの普及を推挙するインターネット記事


 わが国において、これまで都市内の輸送トラック、塵芥車を中心に累計約42000台の天然ガス自動車が導入されてい
るが、それらの天然ガス自動車は、劣悪な燃費(=熱効率)のために明らかにエネルギー資源の浪費を招くオットーサイ
クルの天然ガス専焼の自動車である。特に肝に銘じておくべきことは、この天然ガス専焼自動車(=天然ガス専焼トラ
ック)が現行の軽油ディーゼル大型トラックに比較して30%程度も多くのエネルギー資源(=天然ガス資源)を浪費して
しまうような欠陥自動車(=欠陥トラック)であることだ。読売新聞は、そのような欠陥自動車(=欠陥トラック)を将来の
自動車(=トラック)として推奨する主張を堂々と行っているのである。この主張は、地球のエネルギー資源の枯渇が危
惧されている現在においては、明らかに反社会的な内容であることが誰の目にも明らかではないだろうか。このよう
に、読売新聞は淡々と出鱈目な技術情報を拡散しているようだ。この様子を見ると、読売新聞は、日本を代表するマス
コミとして責任感から、情報を十分に吟味する姿勢が欠けているように思うが、如何なものであろうか。

5−5.いまだに劣悪な燃費の天然ガス専焼トラックの普及を執拗に推奨するイベント

 2013年6月24日に開催された早稲田大学マーケティングコミュニケーション研究所と国土交通省などが共催した「天
然ガス自動車普及シンポジウム」では、表11に示した内容が話題となったようだ。

表11 2013年6月24日に開催の「天然ガス自動車普及シンポジウム」における話題
(出典:運輸新聞の記事http://www.unyu.co.jp/?p=397

 この早稲田大学と国土交通省が共催した「天然ガス自動車普及シンポジウム」では、現在の日本において天然ガス
自動車が普及しない原因を探ると共に、今後の普及を目指した方策等が議論されたようだ。しかしながら、その議論の
中身にについて、筆者が疑問に感じた内容について摘出し、その疑問に感じた理由について、以下の表12にまとめ
た。

表12 「天然ガス自動車普及シンポジウム」での議論内容の疑問点とその理由
シンポジウムにおける
議論内容に関しての疑問点
シンポジウムにおける
疑問に感じた理由
 天然ガス専焼トラックは、二酸化炭素(CO2)が
  ディーゼルトラックの約80%しか排出しないため、
  低公害トラックである。  
 前述の1項の表1に示したように、(独)交通安全環境研究所やいすゞ自動
車から天然ガス専焼大型トラックのCO2排出量は、ディーゼルトラックの
CO2排出量とほぼ同等」であるとの報告がある。
 したがって、ディーゼル車に比較して二酸化炭素(CO2)は約80%」と
するシンポジウムにおける左記の共通認識は、完全な誤りと考えられる。
 いすゞ自動車は、1993年からの累計で15000台の
  中小型車販売をしているが、年間1000台には
  届かない状況
 左記のように、いすゞ自動車がこれまで販売した15000台の中小型のトラッ
クは、全て天然ガス専焼トラックである。一方、前述の項「天然ガス専焼トラッ
クは、ディーゼル大型トラックより燃料を浪費する欠陥トラック」に示したように、
スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラックの実
走行での燃費(=熱効率)は、ディーゼル大型トラックよりも30%程度も劣る欠
陥トラックである。そして、中小型と云えども、ディーゼルトラックよりも30%程度
も燃費(=熱効率)の劣る天然ガス専焼トラックの販売台数が増加しないのは、
当然のことである。したがって、このシンポジウムにおいて、いすゞ自動車の川
幡進執行役員が日本国内での天然ガス専焼トラックの販売台数の増加しない
ことについての不満の滲む発言を行っていることについては、筆者には疑問に
思えてならない。何故なら、トラックユーザがエネルギー資源(=天然ガス資
源)を浪費する天然ガス専焼トラックを購入しないことは、賢明なトラックユーザ
であれば、当然の行動・行為である。それが理解できない川幡進執行役員(い
いすゞ自動車)の考え方には、呆れてものが言えない。
 2015年を目指し、大型CNG車を投入する計画あり  スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック の実走行での燃費(=熱効率)は、ディーゼル大型トラックよりも30%程度も劣 る欠陥トラックを2015年に市販することを検討中のいすゞ自動車は、エネルギー 資源(=天然ガス資源)を浪費することに無頓着な企業であるのだろうか。それ とも、いすゞ自動車は、大型ディーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)のDDF 大型トラックを開発し、それを2015年に市販することを検討しているのであろう か。
 日野自動車は、タイ向けに大型トラクタを販売中  タイ国内では天然ガスが算出するため、軽油よりも価格の安い天然ガスで
大型トラックを運行することが可能である。そのため、タイでは、ディーゼル大型
トラックに比較して燃費(=熱効率)が30%程度も劣る天然ガス専焼大型トラッ
クであっても、天然ガスの価格が軽油よりも大幅に安いため、トラック輸送に係
わる燃料費が削減できることになる。そのため、タイでは天然ガス専焼大型トラ
クタが広く普及しているものと考えられる。このように、天然ガスを僅かしか算出
しない日本と天然ガスを豊富に産出するタイの状況とを同列に論じることは、
「愚の骨頂」である。
 国土交通省は、「天然ガス自動車における
  高い環境性能は折り紙付きであり、もっと関係者や
  社会の関心を高める必要がある」との見解
 スパークプラグ方式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼大型トラック
は、実走行での燃費(=熱効率)がディーゼル大型トラックよりも30%程度も劣
るためにエネルギー資源(=天然ガス資源)を浪費する欠陥トラックである。こ
のような欠陥をある天然ガス専焼トラックでありながら、「高い環境性能は折り
紙付き」と銘打って天然ガス専焼トラックを国土交通省が推奨する行為は、筆
者にはとても理解できないことである。何故ならば、エネルギー資源の枯渇の
ために省エネルギーが叫ばれている現在土交通省が省エネルギーに反す
る天然ガス専焼大型トラックを推奨する行為は、反社会的な行為とも考えられる
ためである。

 以上のことから、この早稲田大学と国土交通省が共催した「天然ガス自動車普及シンポジウム」は、日本の将来に何
の役にも立たない無駄な議論に終止していたように思えるが、如何なものであろうか。何しろ、国土交通省をはじめとし
た多くの組織・団体は、これまでは長年にわたってスパークプラグ方式の天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼ト
ラックの研究に膨大な政府予算を注ぎ込まれてきた経緯がある。そのため、筆者のホームページでの突然の「天然ガ
ス専焼トラックは、実走行での燃費(=熱効率)がディーゼル大型トラックよりも30%程度も劣るためにエネルギー資源
(=天然ガス資源)を浪費する欠陥トラック」との記載を読み、これまでの天然ガス専焼トラックを推奨する活動を即刻
に中止した場合には、これまでの天然ガス専焼トラックの研究と普及の活動が完全な誤りであったことを正直に認める
ことになる。

 そのような状況に陥ることを避けるため、これまでの天然ガス専焼トラックの研究と普及の活動に関係した国土交通
省をはじめとした多くの組織・団体・個人は、本心では嘘の上塗りをする不正な行為であることを知りつつも、この「シン
ポジウム」のような嘘・偽の部類に属するような天然ガス専焼トラックを推奨する活動を仕方無く行っているように思え
るのである。その証拠は、以下の通りである。

@ これまで日本国内で市販された天然ガス自動車は、実走行での燃費(=熱効率)がディーゼルエンジン搭載の自動
車(=トラック)よりも30%程度も劣るオットーサイクルの天然ガス専焼のトラックと乗用車だけであり、日野自動車がタ
イで販売中の天然ガス大型トラクタもオットーサイクルの天然ガス専焼トラクタである。それにもかかわらず、このシン
ポジウムでは、今後、日本国内でこれらのオットーサイクルの天然ガス専焼トラックを広くの普及していくべきとの結論
を主張していること。

A このシンポジウムでは、ディーゼルに比べ15%のCO2削減が可能なDDFエンジンに詳述している天然ガスを主燃
料としてディーゼルサイクルで運転できるDDFエンジンは、ディーゼルトラックと同等の燃費(=熱効率)であることが何
も議論されていないようだ。つまり、DDFエンジンを搭載したDDFトラックの新たな研究開発の推進と早期の実用化の
必要性については、何も言及していないこと。

 そもそも、この「天然ガス自動車普及シンポジウム」は、燃費(=熱効率)の劣るオットーサイクルのスパークプラグ方
式天然ガスエンジンを搭載した天然ガス専焼トラックをこれまで熱心に推奨してきた人達が、これまでの天然ガス専焼
トラックの研究活動や普及活動が誤りであったことを隠蔽するために開催したように見えるが、これは筆者の単なる偏
見であろうか。つまり、これまでのオットーサイクルの天然ガス専焼トラックを推奨していた学者・組織・団体は、結果的
に「天然ガス資源の浪費を推進する反社会的な活動」であったことが露呈することを回避する目的のために、慌てふた
めいて「天然ガス自動車普及シンポジウム」の開催したように思えるのである。このようなことは、彼らが「嘘も誠も話の
手管」との信念を持ち、「嘘も突き通せば真実になる」との厚顔無恥な人達にしか実行できないように思うが、如何なも
のであろうか。何しろ、ディーゼルトラックに比べて熱効率が大幅に劣るオットーサイクルの天然ガス専焼トラックを推
奨してきた過去の誤った行為を無理やり正当化しようとしているのである。このような、「嘘も誠も話の手管」を地で行く
行為は、何とも「哀れ」そのものと云った光景のように思えるが、如何なものであろうか。

6.トラック輸送分野の低炭素化とエネルギーセキュリティの向上に有効なDDF大型トラック

 前述のように、(独)交通安全環境研究所の燃料後藤雄一氏や東京ガス兜寰ミ長の村木 繁 氏を含めた日本の多
くの組織・団体の学者・専門家は、大型トラックの燃料に天然ガス(=CNG or LNG)を用いる場合には、2015年度重量
車燃費基準(=軽油換算した場合の天然ガスの2015年度重量車燃費基準)に不適合であっても許されると勝手に解
釈しているのであろうか。もっとも、現在では主婦や小学生でも省エネルギーや省資源の必要性を十分に理解している
状況である。そのような時代に、後藤雄一氏(交通安全環境研究所)を含めた日本の多くの組織・団体の学者・専門家
が軽油を燃料とする大型ディーゼルトラックに比べて30%も燃費が劣る天然ガス専焼大型トラックの普及を熱心に推
奨していることについては、主婦や小学生からも「時代錯誤」、「非常識」との嘲笑を受けることは間違いないと考えられ
る。

 このように、後藤雄一氏(交通安全環境研究所)を含めた日本の多くの組織・団体の学者・専門家は、「軽油よりもエ
ネルギー資源を30%も多く浪費する天然ガス専焼大型トラック」と云う事実を知れば、主婦や小学生でもびっくり仰天
するような出鱈目な主張を吹聴し、それを日本自動車技術会・日本機械学会・マスコミが盛んに喧伝しているのであ
る。このような日本の学者・専門家とその組織・集団の行動を見ていると、わが国の多くの国民にとっては不幸・迷惑そ
のもののように思えるが、これは浅学菲才の筆者の無知に起因する単なる偏見であろうか。

 それにしても、大型トラックの脱石油の手段・方策として、「軽油よりもエネルギー資源を30%も多く浪費するオットー
サイクルエンジンの天然ガス専焼大型トラック」を堂々と推奨する(独)交通安全環境研究所の燃料後藤雄一氏や東京
ガス兜寰ミ長の村木 繁 氏は、彼ら自身が頓珍漢な主張を行っていることに気付いていないのであろうか。また、後
藤雄一氏と村木 繁 氏が天然ガス専焼大型トラックを推奨する誤った内容を公に主張していることについて、両氏に
主張の訂正または撤回を具申する部下が誰一人として居ないのであろうか。何はともあれ、後藤雄一氏と村木 繁 
氏の誤った主張は、恥ずかしいことであり、何とも哀れなことだと思うが、如何なものであろうか。

 一方、筆者は、ディーゼルに比べ15%のCO2削減が可能なDDFエンジンDDF運転とディーゼル運転の選択が可
能なDDF大型トラック 、および大型トラックの「CO2削減」と「脱石油」の技術は、未だに不明か?の中で提案している
いるように、パイロット噴射した軽油の着火火炎によって主燃料の天然ガスを点火して運転する軽油着火型天然ガス
エンジンを搭載したDDF大型トラックが、軽油ディーゼル大型トラックと同等の軽油換算の燃費(=熱効率)で運行する
ことが可能であるため、将来的にはDDF大型トラックを広く普及しているべきであると考えている。何故ならば、この
DDF大型トラックは、軽油換算で2015年度重量車燃費基準を容易に達成できる上に、大型トラックの「脱石油」や「低炭
素化(=CO2削減)」の実現も可能となる優れた特徴があるためだ。

 このように、天然ガスを併用するDDF大型トラックは、ディーゼル大型トラックと同等の燃費(=熱効率)で走行できる
ため、大型トラックにおける脱石油や「低炭素化(=CO2削減)」を実現する技術として最適である。それにもかかわら
ず、後藤雄一氏(交通安全環境研究所)を含めた日本の多くの組織・団体の学者・専門家は、DDF大型トラックの技術
を頑なに無視する一方、2015年度重量車燃費基準に適合した現行の軽油を燃料とする大型ディーゼルトラックに比べ
て30%も燃費が劣るために2015年度重量車燃費基準に完全に不適合(=軽油換算した天然ガスの燃料消費率が
2015年度重量車燃費基準に不適合)の天然ガス専焼大型トラックの試験研究をこれまで熱心に実施してきたのであ
る。これについては、筆者は理解に苦しむところであり、未だに信じられないことだ。
 
 ところで、話がガラッと変わるが、現時点では、LNG輸送船以外の大部分の船舶には、重油(=C重油)を燃料とする
ディーゼルエンジンによって運航されている。ところが、表13に示した2013年6月28日の日本経済新聞の朝刊の記事
に見られるように最近、このC重油が高騰する時代を迎えたことと、先進国でのC重油に対しての低硫黄化の規制が
検討され始めたため、船舶用の燃料にLNG(=液化天然ガス)を用いることが検討され始めたようだ。

表13 2013年6月28日の日本経済新聞の朝刊の記事




 従来、LNGタンカーは、航行中に気化した天然ガス(ボイルオフガス、BOG)を再液化するための設備はこれまで大
型であったため、推進プラントにBOG(=ボイルオフガス)を燃料とする蒸気タービンが採用されてきた。しかし、21世紀
に入り、蒸気タービンに代わって、表14に示したように、LNGと重油の両方を燃料とするDDFエンジンが採用され始め
た。このように、LNGタンカーの推進プラントにDDFエンジンが使用され始めた理由は、蒸気タービンに比べてBOG(=
ボイルオフガス)を主燃料とするDDFエンジンの燃費(=熱効率)が格段に優れているためである。

表14 2006年にDDFエンジン搭載のLNGタンカーが運航を開始
(出典:http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/2/2050/200807_045a.pdf
注:BOG=ボイルオフガスと称し、LNGの輸送中にLNGから気化した天然ガス

 このような、LNGタンカーの推進プラントにDDFエンジンを採用され始めたことや、船舶用の重油における大幅な脱
硫の必要から生じた燃料価格の高騰等による運航のコストアップを回避するため、最近では、表15の2013年6月28日
の日本経済新聞の朝刊の記事のように、外航用の大型貨物船の推進プラントにDDFエンジン(=軽油着火型天然ガス
エンジン)や天然ガス専焼エンジンを採用することが検討されている。

表15 近い将来の大型貨物船の推進プラントとして検討中の天然ガスを燃料とする船舶とそのエンジン
(出典:http://www.classnk.or.jp/hp/pdf/reseach/ri2012_06seminar.pdf




 このように、現時点では、ディーゼルエンジンが大部分を占める大型貨物船等の推進プラントとして、DDFエンジン(=
軽油着火型天然ガスエンジン)が真剣に検討されている時代である。したがって、大型貨物船と同様に、現時点でディ
ーゼルエンジンが大部分を占める大型トラックのエンジンとして、DDFエンジン(=軽油着火型天然ガスエンジン)を搭
載したDDF大型トラックの実用化を検討して然るべき時代が到来したと考えられる。ただし、天然ガス専焼自動車(=
天然ガス専焼トラック)が現行の軽油ディーゼル大型トラックに比較して30%程度も多くのエネルギー資源(=天然ガス
資源)を浪費してしまうような欠陥自動車(=欠陥トラック)であることを考えると、大型トラックの燃料に天然ガス(=LN
G)を使用する場合には、当然、DDFエンジンを搭載したDDF大型トラックとすべきことが誰の目にも明らかなことだと
考えられるが、如何なものであろうか。何はともあれ、石油資源の枯渇が危惧される現在、大型トラックの分野におい
てもエネルギー資源を浪費しないで脱石油を図ることが喫緊の課題である。この課題を容易に解決できる唯一の手
段・方法は、DDF大型トラックを早急に実用化し、普及することである。

 最後に、このホームページでの誤りや疑問と考えられる記載内容にお気付きの場合には、躊躇無くご指摘をいただ
ければ幸いです。また、どのようなことでも構いませんので、反論を含めて率直な御意見・御感想をお送り願えればと
思っております。

閑居人のメール

                 
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天然ガス専焼自動車を推挙する読売新聞のインターネット記事のコピー
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