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最終更新日:2013年2月28日
1.最近、三菱ふそうが大型トラックの燃費を10%以上も向上できる技術を報道発表
以下に示した表1は、2012年4月5日に三菱ふそうバス・トラック(株)が報道発表した「大型トラック用低燃費技術を開
発」についての(出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120405/120405.html)の内容である。 上記の表1に示したに報道発表によると、三菱ふそうは「大型トラック用低燃費技術を開発」に成功し、以下の5項目の 技術を採用することによって、従来型ディーゼル大型トラック(=2010年4月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス 規制適合の大型トラックと推察)と比較し、大型トラックの燃費を10%以上も向上したことを堂々と謳っている。
@ 空気抵抗を低減した新開発ドラッグフォイラー
A サイドスカート
B リアスポイラー
C オルタネーター発電制御技術の採用
D 太陽電池発電
E 駐車時アイドリングストップ冷暖房等の採用
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2.三菱ふそうが大型トラックの燃費を10%以上も向上できると発表した技術について
当然のことながら、この三菱ふそうの10%以上の燃費改善の報道発表での燃費向上の比較のベースとされている
「従来型ディーゼル大型トラック」は、2010年4月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス規制適合の大型トラック 『スーパーグレート』(出典:http://response.jp/article/2010/04/22/139523.html)と推察される。、これが、表1の三菱 ふそうの報道発表を目にした殆どの人達の理解するところと考えられる。そこで、この2010年4月22日に発売されたポ スト新長期排出ガス規制適合の従来型の大型トラック『スーパーグレート』に比較して10%以上の燃費改善を実現した との上記表1の報道発表(2012年4月5日)の「大型トラック用低燃費技術を開発」の各技術について、燃費向上の内容 やその程度・度合いを推測・評価する。
@ 新開発ドラッグフォイラーについて
以下の写真1は、三菱ふそうの従来型大型トラック(=2010年4月22日から発売開始)のポスト新長期排出ガス規制
適合の大型トラック『スーパーグレート』http://response.jp/article/2010/04/22/139523.html)の外観写真である。この 写真1を見れば明らかなように、三菱ふそうの従来型大型トラック『スーパーグレート』(2010年4月22日発売)にはドラッ グフォイラーが装着されていることが判る。このように、三菱ふそうの従来型大型トラック用のドラッグフォイラーは、 2010年4月22日の従来型大型トラックの発売開始時から、『スーパーグレート』のエアロパーツのオプションとして、既に 市販されていたのである。
このように、写真1(出典:カタログの写真)の従来型大型トラック・トラクタ『スーパーグレート』(2010年4月発売)にはド
ラッグフォイラーが装着されており、2010年の当時から大型トラック・トラクタ『スーパーグレート』のオプションとして、従 来からドラッグフォイラーが市販されているのである。したがって、今回、三菱ふそうが報道発表した「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの燃費改善の比較のベースとなった2010年4月発売の従来型大型ト ラックは、当然、オプション部品の従来型のドラッグホイラーを装着した大型トラックであると、当然、誰もが考えることで ある。
一方、前述の表1に示したように、2012年4月5日に三菱ふそうバス・トラック(株)が報道発表した「大型トラック用低燃
費技術を開発」(出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120405/120405.html)の「FULL EFFICIENT TRUCK」の燃費改善に有効な新型のドラッグホイラーを開発したと記載されている。そこで、従来型大型ト ラック・トラクタ『スーパーグレート』(2010年4月発売)のドラッグフォイラーと新開発ドラッグフォイラーと10%以上の燃 費改善を実現したと宣言した三菱ふそうの報道発表の「FULL EFFICIENT TRUCK」の新開発ドラッグホイラーとの外観 形状の相違を図1にまとめた。 ![]()
この図1に示したように、新開発ドラッグフォイラーは、従来型大型トラックのドラッグフォイラーを少し変更してドラック
ホイラー本体の側面の段差を無くした形状(=赤線で囲った部分を参照方)としているために、多少とも空気抵抗の減 少が図られているようである。しかし、その一方で、従来型大型トラックのキャブ側面の後方と荷箱との間に急激な段 差を無くすように装着されていた導風板は、新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」では廃止されているよう だ。そのことを考慮すると、新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」の前面の空気抵抗係数は、従来型大型ト ラックに比較して大幅に増加しているものと推測される。したがって、新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」 は、キャブ側面の後方と荷箱との間の導風板を装着していた従来型大型トラックに比較し、前面の空気抵抗係数の増 加による燃費悪化を生じているものと推測される。それにもかかわらず、表1の2012年4月5日の報道発表では、三菱 ふそうは不思議なことに、わざわざ「新開発ドラッグフォイラー」と説明した上で、表1の報道発表では写真1の「従来型 のドラッグフォイラー」に比較して「空気抵抗を低減した新開発ドラッグフォイラー」と説明しているのだ。この三菱ふそう の説明については、筆者には不思議に思えて仕方がないのである。
もっとも、三菱ふそうは、表1の新開発ドラッグフォイラーを装着した新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」と
写真1の従来型のドラッグフォイラーとキャブ側面後方の導風板を装着した従来型大型トラックについて、それぞれの 前面の空気抵抗係数の相違を公表していない。そのため、2012年4月5日の三菱ふそうの10%以上の燃費改善の報 道発表に記載されている「写真1の従来型のドラッグフォイラー」を装着した新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」が前面の空気抵抗を少なくして大型トラックの燃費の向上できたとの三菱ふそうの説明に対し、当然、部外者 の筆者には数値データを基にした的確な報道発表の誤りの指摘をできない。しかしながら、新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」は、実際にキャブ側面後方の導風板を廃止して大型トラックの前面の空気抵抗を増加させてしま っていると推定されるにもかかわらず、「空力の最適化」との意味不明の理由を挙げて新開発大型トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」の燃費向上を図ったとする三菱ふそうの説明には、筆者には、何とも納得できないことであり、腑 に落ちないことである。もっとも、三菱ふそうでは、空力関係の稀代の天才?技術者・専門家が従来の機械工学では説 明不可能な大型トラックの走行燃費を向上させる魔法の新技術を開発していたのであれば、普通の人間には理解でき ない技術と言えそうだ。その場合には、当然、以上の筆者の推測も的外れと云うことになるだろう。
A サイドスカートについて
サイドスカートは、大型トラックの高速走行時の空気抵抗を減らす技術として、古くから知られている技術である。その
ため、以前からトラックの改造メーカからはオプションとして、乗用車が1台買える程度の価格でサイドスカートが市販さ れているようだ。その費用の一例を以下に示すが、乗用車が1台買えるほどの高価なものである。
・ 部分代 : サイド+オーバーハング部左右で150〜200万、
・ 取り付け工賃 : 100万程度
そして、以下の写真2は、市中で見かけるサイドスカートを装着した大型トラックである。
このように、市場の実用に使用されている大型カーゴトラックには、、既に改造メーカのサイドスカートが装着されてい
るものもある。したがって、大型トラックのサイドスカートは、既存の技術と考えて間違いないと考えられる。そのため、 図1の2012年4月5日の三菱ふそうの10%以上の燃費改善の新技術の一つに、サイドスカートの技術が列挙されてい ることについて、若干の違和感を感じるのは、筆者だけであろうか。
B リアスポイラーについて
大型トラックは、貨物輸送が目的の自動車である。そのため、当然のことながら、大抵の大型カーゴトラックは、道路
運送車両の保安基準に適合する自動車の全長、全幅、全高の制限の範囲内で、積載貨物の荷室空間を最大に確保 できるギリギリの寸法に設計されている。このような現行の大型カーゴトラックが高速で走行した場合には、以下のイラ スト1に図示したように、大型カーゴトラックの荷箱の背面が強い負圧が発生して強力なカルマン渦が多量に発生し続 け、強力な空気抵抗に曝されてしまうのである。
このような大型カーゴトラックの高速走行時の荷箱背面に強い負圧によって生成されるカルマン渦を多少とも抑える手
段として、幾つかの方法がある。その一つがイラスト2に示したような、大型カーゴトラックの荷箱の後端面の角部にコ ーナーベーンを装着することである。
これは、車両前方からの走行風を荷箱の後端面の角部にコーナーベーンによって荷箱の後端面の負圧部分に流入
させ、荷箱の後端面に強い負圧が発生することを防ぎ、多量にカルマン渦が発生することを抑えることによって走行抵 抗を少なくする方法である。この荷箱後端面に強い負圧の発生を十分に抑制できるコーナーベーンの入口は、車両前 方からの走行風の動圧を受ける構造とする必要がある。そのため、コーナーベーンの入口は、荷箱の全高と全幅から 外側に張り出すように装着し、コーナーベーンの入口に走行風の高い動圧が発生させるようにする必要がある。このよ うに、コーナーベーンの走行風の入口を荷箱の全高と全幅から外側に張り出すために、道路運送車両の保安基準に 適合する自動車の全長、全幅、全高の制限の範囲を逸脱することになる。そのため、コーナーベーンによる走行抵抗 を少なくする方法は、大型カーゴトラックでは実用化することが極めて難しい技術である。
他の一つの大型カーゴトラックの高速走行時の荷箱背面に発生する強い負圧のよって生成される多量のカルマン渦
の発生を抑える手段は、イラスト3に示したような、大型カーゴトラックの荷箱の後端面に大型のリアスポイラーを装着 する方法である。
この大型カーゴトラックの荷箱の後端面に装着した大型のリアスポイラーの内側に安定した渦を形成させることによ
って、大型カーゴトラックの高速走行時に荷箱の後端面からカルマン渦が流れださないようにして走行抵抗を少なくす ることが可能である。しかし、この荷箱の後端面に装着する大型のリアスポイラーは、自動車の全長が道路運送車両 の保安基準を逸脱することになる。そのため、この大型のリアスポイラーもまた、大型カーゴトラックでは実用化するこ とが極めて難しい技術であることが明らかだ。
このような、大型カーゴトラックにおける大型のリアスポイラーの装着による走行抵抗を少なくする研究は、様々な機
関・組織で研究が行われている。写真3は、その一例ある。
この写真3を見ると明らかなように、リヤスポイラーを装着することによって大型カーゴトラックでの高速走行時に荷箱
後端面の強い負圧を十分に低減して空気抵抗を大きく削減できるようにするためには、かなり大きなリヤスポイラーを 装着する必要があるようだ。したがって、空気抵抗を大きく削減できるヤスポイラーを大型カーゴトラックに装着した場 合には、荷室空間の縮小が必要となり、積載貨物の大幅な削減の不具合を生じてしまうことになる。したがって、大型 カーゴトラックリの場合、リヤポイラーを装着することによって大型カーゴトラックでの高速走行時に荷箱後端面の強い 負圧を十分に低減し、空気抵抗を大きく削減することは、現実的には不可能と考えられる。
更なる他の大型カーゴトラックの高速走行時の荷箱背面に発生する負圧のよって生成されるカルマン渦を抑える手
段は、イラスト4に示したような、大型カーゴトラックの荷箱の後端面に飛行機の機体後部の形状をした部分を装着す る方法である。
これは、荷箱後端面に飛行機の機体後部形状部を装着し、荷箱後端面の負圧発生領域を無くすことによって、荷箱
の後端面に大幅な負圧の発生を防ぎ、カルマン渦を発生させないようにして走行抵抗を少なくする方法である。しかし ながら、荷箱後端面に飛行機の機体後部形状部を装着は、自動車の全長の増加を伴うため、道路運送車両の保安 基準の全長制限の範囲を逸脱することになる。そのため、荷箱後端面に飛行機の機体後部形状部のような部分を装 着して走行抵抗を少なくする方法は、大型カーゴトラックでは実用化することが極めて難しい技術である。
このように、現在の道路運送車両の保安基準に適合した大型カーゴトラックでは、空気抵抗を大きく削減できるリアス
ポイラーを装着できる寸法上の余裕は全く無い。したがって、2012年4月5日に三菱ふそうバス・トラック(株)が報道発 表した「大型トラック用低燃費技術を開発」の装着されているリヤスポイラーは、写真4に示したように、大型カーゴトラ ックの荷室(=荷箱)と最後尾との間の僅かな空間に、一見したところではリアスポイラーとして検知・意識・認識ができ ないような極めて小規模のリアスポイラーが装着されている。
この写真4のような小規模のリヤスポイラーによって大型カーゴトラックの高速走行時に生じる荷箱の後端面の全面
に受ける負圧を十分に低減し、大型カーゴトラックの走行時に発生するカルマン渦の発生を抑えることは、殆ど不可能 ように思えるのである。したがって、この写真3のような三菱ふそうが開発した小規模のリヤスポイラーは、「無いより益 し」程度の極めて僅かな空気抵抗の削減効果しかないように思えるが、如何なものであろうか。三菱ふそうが新開発し たリヤスポイラーによって明らかに有意差が認められる程度の空気抵抗の削減を実現できると主張するのであれば、 リヤスポイラーの装着による空気抵抗係数の低減量を公表すべきと考えられる。
もっとも、大型カーゴトラックでは道路運送車両の保安基準の規制を受けているために仕方の無いことである。しか
し、空気抵抗を大幅に低減できる前述のイラスト3や写真3に示したような大型カーゴトラックの巨大なリヤスポイラーに 比べ、写真4に示した三菱ふそうが新開発したリヤスポイラーは、見るからに貧弱であり、このような飾り物のよ うな小さな三菱ふそうの新開発のリヤスポイラーによって十分な空気抵抗の削減を実現することが困難であるこ とは、誰の目にも明らかなことではないだろうか。このような、子供騙しのような小さなリヤスポイラーによって、大型カ ーゴトラックでの十分な燃費改善が可能であれば、誰も苦労はしないのである。以上のことから、実際にリヤスポイラー によって大型カーゴトラックの高速走行時の空気抵抗の削減を誰もが検知・認識できる程度の削減を実現することが、 現実問題として無理なことを十分に理解・納得していただけたのではないだろうか。
C オルタネーター発電制御技術の採用
オルタネーターは、バッテリー充電やヘッドライト点灯等の電気回路の電力消費量(=電気抵抗)に見合って電力を
発電するものである。したがって、電力消費量の少ない大型トラックの走行状態では、オルタネーターの発電量は自動 的に少なくなり、発電による無駄なエネルギー消費は殆ど無いものと考えられる。そのような大型トラックのオルタネー ターの作動環境において、三菱ふそうが「オルタネーター発電制御技術の採用」によって大型トラックの燃費改善を実 現したと発表しているが、そのオルタネーターの発電制御内容については何も明らかにしていない。そこで、元ディーゼ ルエンジン屋の筆者が勝手にオルタネーターの発電制御内容を推測すると、三菱ふそうは、オルタネーターを少し大容 量に変更し、単にディーゼルエンジンの燃費の劣る低負荷運転時でのオルタネーターの発電を停止させ、そしてディー ゼルエンジンの燃費の優る高負荷運転時でオルタネーターでの発電量を増加させただけではないかと考えられる。
このような技術では、大型トラックの燃費改善が極めて少ないレベルと考えられるため、トラックメーカの三菱ふそう
が大々的に発表しするような技術では無く、密かに日々の改良に盛り込むべき技術と考えるが、如何なものであろう か。もっとも、大型トラックの燃費改善のため三菱ふそうが新たに開発できた技術が少ないため、「枯れ木も山に賑わ い」とのことから、形振り構わず、図1に示した2012年4月5日に三菱ふそうバス・トラック(株)が報道発表した「大型トラ ック用低燃費技術を開発」の技術の一つに列挙した可能性があるとも考えられる。もっとも、オルタネーターが筆者の 専門外であるため、この推測については素人の邪推のレベルであるかも知れない。しかし、この推測は、案外、当たっ ている可能性があるのではないかと思っている。
D 太陽電池発電 およびE 駐車時アイドリングストップ冷暖房等の採用
株式会社アイ・シー・エル、三菱化学株式会社、日本フルハーフ株式会社は、平成22年10月26日に3社共同で太陽
光発電を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム「i-Cool ソーラー」を開発したことを発表(出典:http:/ /www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2010/20101026-1.html)した。このアイ・シー・エルが本年5月24日に発売開始した i-Coolは、走行中に充電した車載バッテリーで電動コンプレッサーを稼働させることにより、エンジンを止めた状態でも 運転室内の冷房ができるトラック用アイドリングストップクーラーだそうだ。満充電のバッテリーであれば夏季昼間に5〜 7時間連続して冷房ができ、運転手の労働環境改善、アイドリングストップによる燃費削減や騒音低減に大きな効果が あるとのこと。
また、アイ・シー・エルのi-Coolと組み合わせて、三菱化学の太陽電池パネルを日本フルハーフの専用架台でトラック
荷台上面に実装し、太陽光発電を利用して冷房する「i-Cool ソーラー」により、以下のような効果が期待できます。
@停車中に、アイドリングをせず「i-Cool ソーラー」で冷房することで、停車時間1時間当たり約1.8リットルの軽油消費
を削減できる。
A走行中に、既設エアコンによる冷房と「i-Cool ソーラー」冷房を併用することで、約1パーセントの軽油
消費を削減できる。
B @Aを合わせて、1台当たり年間約1,500リットルの軽油消費を削減できる。
C Bは、1台当たり年間約3,300キログラムのCO2排出削減に相当する。日本国内のすべての10トンバントラックが「i-
Cool ソーラー」を利用すれば、年間約50万トンのCO2排出を削減できることになる。
D バッテリーを常時満充電に近い状態に維持できるため、ウィング開閉やテールゲート昇降等、バッテリー電力による
荷役装置の稼動を安定的に行える。また、バッテリーの過放電を低減し、バッテリーを長寿命化できる。
この(株)アイ・シー・エル、三菱化学(株)、日本フルハーフ(株)が平成22年10月26日に共同で開発した「太陽光発電
を利用したトラック用アイドリングストップクーラーシステム(i-Cool ソーラー)」は、大型カーゴトラックの荷箱のほぼ上面 全体に装着したソーラパネルによって、「アイドリングをせずに冷房」と「走行中に、既設エアコンによる冷房と「i-Cool ソ ーラー」冷房を併用することで、約1パーセントの軽油」が実現できるとのことである。逆な言い方をすれば、大型カーゴ トラックの荷箱のほぼ上面全体に装着したソーラパネルでは、ソーラパネルの画期的な技術開発が実現されな い限り、「アイドリングをせずに冷房」と「走行中に、既設エアコンによる冷房と「i-Cool ソーラー」冷房を併用す ることで、約1パーセントの軽油」の燃費改善が実現できるに過ぎないことを意味する。
したがって、図2に示した三菱ふそうの「太陽電池発電」と「駐車時アイドリングストップ冷暖房等の採用」では、(株)ア
イ・シー・エル、三菱化学(株)、日本フルハーフ(株)が平成22年10月26日に共同で開発した「太陽光発電を利用したト ラック用アイドリングストップクーラーシステム(i-Cool ソーラー)」と同程度の「「アイドリングをせずに冷房」と「走行中 に、既設エアコンによる冷房と「i-Cool ソーラー」冷房を併用することで、約1パーセントの軽油」の燃費低減しか実現で きないと考えても、大きな間違いは無いと推測される。
3.三菱ふそうが「10%以上の大型トラックの燃費向上」と発表した技術の信憑性について
前述のように、2012年4月5日の三菱ふそうバス・トラック(株)の報道発表「大型トラック用低燃費技術を開発」と題し
た(図1参照、出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120405/120405.html)によると、三菱ふ そうは、「大型トラック用低燃費技術を開発」に成功し、「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する以下の6項目の技術を採 用することによって、従来型ディーゼル大型トラック(=2010年4月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス規制適 合の大型トラックと推察)と比較し、大型トラックの燃費を10%以上の向上を実現したとのことである。
@ 空気抵抗を低減した新開発ドラッグフォイラー
A サイドスカート
B リアスポイラー
C オルタネーター発電制御技術の採用
D 太陽電池発電
E 駐車時アイドリングストップ冷暖房等の採用
また、この「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する10%以上の燃費改善を実現した大型トラックに採用した「@新開発ド
ラッグフォイラー」と「Bリアスポイラー」は、大型トラックのオプション部品として、三菱ふそうが市販を開始したようだ。 このオプション部品の販売開始については、2012年4月9日の三菱ふそうの『大型トラック「スーパーグレート」と中型トラ ック「ファイター」に新開発の安全装置を搭載し新発売』(http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/ 120409/120409.html)の報道発表にて明らかにされている。この報道発表によると、下記の図3の「」に示したように、 @新開発ドラッグフォイラーとBサイドスカートによる燃費改善は、5%とのことである。 ![]()
前述の表1に示したように、2012年4月5日に三菱ふそうは、、@ドラッグフォイラー+Aサイドスカート+Bリアスポイ
ラー+Cオルタネーター制御改良+D太陽電池発電+E駐車時アイドリングストップ冷暖房の6種類の技術を採用し た「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大型トラックにおいて、10%以上の燃費改善を実現したとの報道発表を行っ た。そして、この「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大型トラックに採用した6種類の技術の中の「@新開発ドラッグフ ォイラー」と「Bリアスポイラー」による燃費改善は、図2に示したように約5%とのことである。
ところが、前述の2項のB リアスポイラーの項で説明したように、この三菱ふそうの今回の開発した貧弱で飾り物の
ようなBリヤスポイラーは、十分な空気抵抗の削減を実現することが困難であり、このBリヤスポイラーによる燃費改 善が殆ど零パーセントに近いと見るのが妥当と推測される。そのため、@新開発ドラッグフォイラーによる燃費改善 が、5%に限りなく近い数値であると推察されるが、如何なものであろうか。また、また、前述の「2項の@ドラッグフォイ ラー」の項で説明したように、2010年4月22日発売の従来型の大型トラック・トラクタ『スーパーグレート』には、@ドラッグ フォイラーがオプション部品として市販されているのである。したがって、2012年4月5日に報道発表の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大型トラックした新技術は、A〜Eの5種類の技術と云うことになる。そのため、A〜E の5種類の新しい技術を採用した「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大型トラックの燃費改善は、5%程度と推察さ れる。したがって、2012年4月5日に三菱ふそうが発表した「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大型トラックについて は、「A〜Eの5種類の新技術を採用することによってによって5%程度の大型トラックの燃費改善が実現できた」との 内容・表現に訂正すべきではないかと考えられる。
また、前述の2項のD太陽電池発電の項で説明したように、D太陽電池発電を搭載した大型カーゴトラックが走行中
に、既設エアコンによる冷房と「i-Cool ソーラー」冷房を併用することで、約1パーセントの軽油の消費を削減できること から、太陽電池発電による燃費改善は約1パーセントであると推測される。したがって、この太陽電池発電で得られた 電気エネルギーを蓄電してヘッドライト等の大型トラックの電気消費に用いることによってエンジンのオルタネーターの 発電量を減らす場合には、約1パーセントの燃費改善が得られるものと考えられる。そのため、D太陽電池発電による 燃費改善は約1パーセント程度と考えるのが妥当と思われる。勿論、このD太陽電池発電で得られた電気をバッテリー に蓄電してE駐車時アイドリングストップ冷暖房等に用いた場合も、約1パーセント程度の燃費改善が得られるものと 考えられる。
そして、前述の2項のCオルタネーター発電制御技術の項で説明したように、オルタネーターを少し大容量に変更し、
単にディーゼルエンジンの燃費の劣る低負荷運転時でのオルタネーターの発電を停止させ、そしてディーゼルエンジン の燃費の優る高負荷運転時でオルタネーターでの発電量を増加させただけの技術と推測される。このような技術で は、大型トラックの燃費改善が極めて少ないレベルと考えられるため、Cオルタネーター発電制御技術による大型トラ ックの燃費改善は0%に近い1%以下の極めて僅かと予想される。したがって、Cオルタネーター発電制御技術による 大型トラックの燃費改善は、0〜1%と看做すのが妥当と考えられる。
以上のように、この十分な燃費改善が得られる@新開発ドラッグフォイラーは、前述の2項の@新開発ドラッグフォイ
ラーの項で説明したように、@新開発ドラッグフォイラーは、従来型大型トラック『スーパーグレート』(2010年4月 22日発売)の外観写真(写真1参照)と酷似している。したがって、写真1のドラッグフォイラーを装着した従来 型大型トラック『スーパーグレート』(2010年4月22日発売)が、仮に@新開発ドラッグフォイラーに取り替えたと しても、@新開発ドラッグホイラーの換装による従来型大型トラックにおいて燃費改善を得られる可能性は、皆 無と考えられる。このように、2012年4月5日のに三菱ふそうの「大型トラック用低燃費技術を開発」の報道発表(表1 参照)での「FULL EFFICIENT TRUCK」に採用されている技術は、新開発?の@ドラッグフォイラーと称するドラッグフォ イラーによって5%の燃費改善が得られるのは、数十年前のドラッグホイラーを装着していない大型カーゴトラックに比 較した場合と考えられる。
したがって、筆者の推測の通り、@新開発ドラッグフォイラーでの5%の燃費改善は、従来型のドラッグフォイラ
ーを装着した大型トラックに比較した場合の燃費改善ではなく、特別にドラッグフォイラーを外した従来型の大 型トラックの特別仕様と比較した場合の燃費改善であるならば、従来型大型トラックに装着した既に数多く市販 されているドラッグフォイラーを無視・隠蔽し、あたかも三菱ふそうが新たにドラッグフォイラーなるものを開発し たかのような印象をユーザ・消費者に与える詐欺的な手法で@新開発ドラッグフォイラーでの5%の燃費改善を 宣伝しているように思えるのである。
以上のように、2012年4月5日の三菱ふそうバス・トラック(株)の「大型トラック用低燃費技術を開発」(表1参照、出
典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120405/120405.html)と題した報道発表の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する以下の5項目の技術を採用することによって、従来型ディーゼル大型トラック(=2010年4 月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス規制適合の大型トラックと推察)と比較し、大型トラックの燃費を10%以 上の向上を実現したとの発表は、重大な疑問に満ちた内容と考えられる。その理由は、この「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大型トラックに採用されている6項目の燃費改善技術の中で、5%の燃費改善の@新開発ドラッグフ ォイラーが従来型ディーゼル大型トラック(=2010年4月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス規制適合の大型ト ラックと推察)のカタログに掲載されている従来型ドラッグフォイラー(写真1)に酷似していることである。そして、この従 来型ドラッグフォイラー(写真1)は、従来型大型トラック用として、これまでの市販トラックに採用されているのである。ま た、その他のAサイドスカート、Bリアスポイラー、Cオルタネーター発電制御技術、D太陽電池発電、およびE駐車 時アイドリングストップ冷暖房等の技術は何れも0〜1%の僅かな燃費向上の機能しか持たない技術のようだ。
そのため、「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発の大型トラックは、ドラッグフォイラーを無装着とした従来型デ
ィーゼル大型トラック(=2010年4月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス規制適合の大型トラックと推察)に比べ れば、三菱ふそうの表1の報道発表の通り、燃費改善が10%であるかも知れない。しかし、この「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発の大型トラックは、従来から市販されている従来型ドラッグフォイラーを装着とした従 来型ディーゼル大型トラック(=2010年4月22日から発売開始のポスト新長期排出ガス規制適合の大型トラック と推察)に比べれば、燃費改善が数パーセント程度にしか過ぎないように思えるのである。
このように、比較の対象の従来型トラック用として市販されている従来型のドラッグホイラーを装着しないで意図的に
燃費を劣るようにした従来型大型トラックを燃費比較の基準とし、新開発と称したドラッグホイラーを装着した新開発大 型トラックが10%の大幅な燃費改善を実現しているデータを示し、新開発と称したドラッグホイラーを装着した新開発 大型トラックが低燃費でありことをアピール・説明・宣伝することは、ユーザ・消費者を意図的に騙す詐欺的な行為のよ うであり、誇大広告・虚偽宣伝の類に属するように筆者には思えるのである。そして、このような手法が許されるのであ れば、例えば、走行抵抗を削減するエアロパーツのオプション部品の塗装色だけを変えた大型トラックを試作し、走行 抵抗を削減できるオプション部品を装着しない大型トラックとの走行燃費の比較データを示すことのよって、トラックメー カは、毎月でも「10%の燃費改善を実現する技術開発に成功」とする内容の報道発表を行うことができることになる。 このように、エアロパーツのオプション部品の塗装色を変更して部品番号を新たに取得して「新開発」と称し、毎月でも 従来の大型トラックより「10%の燃費改善を実現する技術開発に成功」とする内容の報道発表を永遠に繰り返すこと は、理論的には可能なことだ。しかしながら、このようなことは、一般社会では詐欺的な行為として批判されることが間 違いないのではないだろうか。
何はともあれ、今回の表1に示した三菱ふそうの「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発の大型トラックによる1
0%の燃費改善の報道発表について、日頃、企業コンプライアンス(企業の法令順守)を盛んにアピール・表明している 三菱ふそうの経営幹部は、これが世間的にも後ろ指を指されない真っ当な広告・宣伝の活動と考えているのであろう か。そして、三菱ふそうが「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発の大型トラックの燃費改善が、従来型のドラッグ フォイラーを装着したユーザが購入可能な低燃費の従来型大型トラックに比較した場合の燃費改善では無く、従来型 のドラッグフォイラーを外して意図的の燃費を悪化させた仕様の従来型大型トラックと比較した場合の燃費改善である ならば、10%以上の向上を実現した新しい大型カーゴトラックを開発したとの2012年4月5日の「大型トラック用低燃費 技術を開発」(図1参照、出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120405/120405.html)と題した 三菱ふそうの報道発表は、大きな虚偽の技術情報のように思われる。これについて、読者のご意見・ご感想は、如何 なものであろうか。
このように、、従来型ディーゼル大型トラックから4〜5%近くの燃費改善が得られる従来型のドラッグホイラー
を外して燃費を特別に悪化させた仕様の従来型大型トラックに比較することにより、10%の燃費改善を実現で きる大型トラックを新開発したと説明する三菱ふそうの報道発表は、筆者には虚偽的・詐欺的な内容と思える のだ。この三菱ふそうの報道発表の様子を見ると、大型トラックメーカの燃費改善の技術開発の能力は、驚く ほどに劣っているように感じるが、如何なものであろうか。したがって、この「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する三菱 ふそうに新開発大型トラックは、新しい技術アイデアを発想する能力が乏しい技術者が上司の命令でパソコンのキーを 叩き、インターネットを閲覧しながら大型トラックの走行抵抗を削減して燃費改善を図る技術アイテムを寄せ集め、それ を幹部の言われるがままに試作・試験を行ったように思えるのである。しかし、努力の甲斐なく、当初の目標とする燃 費改善の結果が得られなかったため、苦し紛れに詐欺まがいの試験データの比較整理を行い、大型トラックにおける 10%以上の燃費低減を実現した新技術が開発できたように見せかけているような印象を受けるのである。つまり、 「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する三菱ふそうの新開発大型トラックは、既にドラッグホイラーを装着してい る従来型大型トラックと燃費を比較した場合には、10%以上の燃費低減が得られていないように、筆者には思 えるのである。そして、筆者の勝手な推測であるが、従来型ドラッグホイラーを装着している従来型の大型トラックと比 較した場合には、「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する三菱ふそうの新開発大型トラックの燃費改善は、多分、5%強 の程度ではないかと思っている。
このように、従来型ドラッグホイラーを装着している従来型の大型トラックと今回の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称す
る三菱ふそうの新開発大型トラックとを比較した場合には、この新開発大型トラックでの燃費改善が5%強(=筆者の 推測)の程度であったにもかかわらず、三菱ふそうは今回の新開発大型トラックの燃費改善が10%程以上であること を2012年4月5日に報道発表(図1参照)を行ったように思えるのである。このような「詐欺まがいの比較」は、多くの技 術者にとっては、三菱ふそうに技術者は、良心の呵責を感じているのであろうか。このような三菱ふそうの今回の 「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する10%程以上の低燃費を実現したとする新開発大型トラックの報道発表には、こ のトラックの開発に関係した三菱ふそうの技術者の心の中には何らかの後ろめたさの感情を抱えているものと推測す るが、実際のところは如何なもにであろうか。
ところが、新開発大型トラックの10%程以上の燃費改善が、ドラッグホイラーを未装着にした従来型大型トラックと比
較することによって叩き出した虚構の数値であることが事実であれば、企業としての品性が疑われる行為と見られても 仕方の無いことだろう。このように、虚偽・詐欺まがいとも思える強引な手法を用いて新開発大型トラックの燃費改善を 宣伝していることを三菱ふそうが意図的に行っているとすれば、三菱ふそうの幹部は企業のコンプライアンス(企業の 法令遵守)を歯牙にもかけない豪腕・強欲の「裸の王様」ようにも思えるが、実際のところはどのようなものであろうか。 このように、三菱ふそうが企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)を逸脱したような宣伝活動を行った背景は、三菱 ふそうが独ダイムラーの連結子会社であることから、強い権限の持つ三菱ふそうのドイツ人の経営幹部は、日本人が 馬鹿なであるとの先入観から、出鱈目な燃費改善の宣伝でも日本人が容易く信じると考えに基づいて、偽・詐欺まがい 宣伝を強引に行ったのであろうか。そして、このドイツ人の経営幹部にとっては不幸なことに、日本人の経営幹部も所 謂、ヒラメ社員(=常に上司の顔色を伺う社員)であったが故に、企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)を逸脱した 宣伝活動を指示するドイツ人の上司に諸手を挙げて賛同した結果、今回の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開 発大型トラックの詐欺まがいとも考えられる10%程以上の燃費改善の実現との報道発表(図1参照)が実行に移され たのであろうか。
因みに、現在は、全ての企業に対してコンプライアンス(企業の法令遵守)が厳しく求められている。そのような時代に
おいて、三菱ふそうは、企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)を逸脱しているかも知れないような表1の偽・詐欺ま がい宣伝を行っている。この宣伝活動を指示したと推測される張本人の三菱ふそうのドイツ人と日本人の幹部は、下 記の「写真5」に示したように、報道発表では堂々と写真撮影に応じているのである。そのことを考えると、今回の 「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの詐欺まがいとも考えられる10%程以上の燃費改善の実現 との報道発表(表1参照)が、彼らには企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)を逸脱した宣伝活動であると認識し ていないようにも見えるのである。
もっとも、この表1の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの出鱈目な燃費改善の宣伝について、
三菱ふそうのドイツ人と日本人の幹部達は、企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)に違反しない真っ当な経済活 動の一環との誤った判断に基づいた上での行動であるとの認識であるのか、それとも、彼らが脱法行為に対して意に も介さない厚顔無恥の人達であるのかは、筆者には正確には解らないことだ。しかしながら、少なくとも、自信満々に踏 ん反り返った態度に見える4人の三菱ふそうのドイツ人と日本人の幹部達の写真5の様子から、彼らが表1の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する三菱ふそうの新開発大型トラックの燃費改善の宣伝活動が企業のコンプライアンス(企業 の法令遵守)に違反しない行為であるとの確信を持っている御目出度い人達?のように思えるが、如何なものであろう か。そして、仮にも彼らが企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)から逸脱した虚偽の燃費改善の宣伝活動を行っ ているとの後ろめたい気持ちを少しでも持ち合わせていたのであれば、当然、良心の呵責を感じてしまうことから、この 写真5のような「どや顔」の誇らしげな顔付きにはなり得ないように思われる。その意味で、この写真を目にした部外者 の中には、企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)の意味を全く理解していない恥ずかしい写真と感じてしまう人も 多いのではないだろうか。
因みに、三菱ふそうが「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの燃費計測の詳細な試験条件(=
特に、燃費比較のベースとなった従来型大型トラックの仕様の詳細等)を公表していないので、「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックにおける10%程以上の燃費改善の正確な事実認定は、部外者には不可能と考 えられる。しかしながら、今回の三菱ふそうが報道発表した「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの 燃費改善は、これまで市販されていた従来型のドラッグホイラー(=オプション部品)を外したドラッグホイラー無装着の 従来型大型トラック」と「@新開発ドラッグフォイラーを装着した新開発大型トラック」との燃費を比較した場合のように考 えられる。しかしながら、筆者の推測では「ドラッグホイラー無装着の従来型大型トラック」に比べて場合の非常識な燃 費計測によって得られた結果のように思えて仕方がない。
このように、三菱ふそうは、今回の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの燃費比較のベース(=
基準)トラックとして、2010年のカタログ写真に装着されている従来型のドラッグホイラーを取り外して燃費を意図的に 悪化させた従来型大型トラックを選択していた可能性があると考えられる。仮に、このような燃費比較のベース(=基 準)トラックにドラッグホイラーを取り外して燃費を意図的に悪化させた従来型大型トラックを用いることが事実であれ ば、燃費計測の詐欺行為であると考えられる。仮に、三菱ふそうが燃費計測の詐欺行為を否定するのであれば、 「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの燃費計測の詳細な試験条件(=特に、燃費比較のベースと なった従来型大型トラックの仕様の詳細等)を堂々と公表すべきと考えるが、如何なものであろうか。
仮に、昔から燃費改善のオプション(=純正部品)のドラッグホイラーを取り外して燃費を意図的に悪化させた従来型
大型トラックと比較する詐欺的な手法用いた大型トラックでの10%の燃費改善が事実であれば、所詮、「詐欺はあくま でも詐欺」であり、「砂上の楼閣はあくまでも砂上の楼閣」であため、現実では三菱ふそうが「手に入れることができない 大型トラックの燃費改善」であり、「幻」の商品力の向上となってしまうのだ。もしも、これが事実であれば、正に空虚そ のものではないだろうか。
このように、ドラッグホイラーを取り外して燃費を意図的に悪化させた従来型大型トラックを燃費比較のベースのトラッ
クに選択して比較することによって、今回の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの燃費が10%以 上も改善したとのデータを叩き出したと推察される三菱ふそうの報道発表は、筆者には疑問に思えて仕方がない。なぜ ならば、前述の表2に示したように、今回の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックは、従来型のドラ ッグホイラー(=オプション部品)を装着した従来型大型トラックと比較した場合には、最大に見積もっても数パーセント の燃費しか改善できていないように推察されるためである。このような虚偽とも思える燃費改善のデータを発表する三 菱ふそうは、ドイツのダイムラーの連結子会社であるために経営トップがドイツ人であることも関係しているようにも思 えるのである。そして、三菱ふそうのドイツ人の経営幹部は、日本人と異なり、「恥ずかしさ」の感性を持ち合わせてい ないために、このような詐欺まがいの宣伝であっても、躊躇なく堂々と行ってしまうのであろうか。この様子を見ている と、ドイツ人に仕えて出世する日本人は、「品性」や「良心」を失った人達のように思えるが、それは筆者の勝手な思い 込みであろうか。
ところで、詐欺罪においては、電話やメールの情報伝達手段を用いただけの犯人の顔を被害者に隠した詐欺行為と
犯人が被害者の前に堂々と現れた詐欺行為とを比較すると、犯人が被害者の前に姿を現す詐欺行為の方が詐欺を 成功させる確立が極めて高いものと考えられる。その理由は、例え相手が詐欺犯であったとしても、その相手が人に 顔を晒して説明することに対しては、信用の度合いの高まる場合が多いためだ。そこで、虚偽とも思える「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックでの10%以上の改善との三菱ふそうの報道発表は、三菱ふそうの 幹部は、顔を晒して説明する悪質な詐欺行為を行っているように思うが、如何なものであろうか。
因みに、泥棒した場合の罪には、窃盗罪と強盗罪の2種類がある。そして、窃盗罪に比べて強盗罪には、はるかに厳
しい刑罰が課されるようだ。
● 窃盗罪(=コソ泥=泥棒)は、持ち主が気付かないように、こっそりと盗むのが窃盗
(相手に顔が見えないように盗む) ← (犯人には、犯罪を行っているとの意識が強い)
(10年以下の懲役 [刑法235条] ) ← (罰則の下限の規程は無し)
● 強盗罪は、持ち主が気が付いても、構わず強引に盗むのが強盗
(顔などの犯人像の特定される危険の高いことを承知で被害者から金品を無理やり盗む) ← (犯人には、犯罪を
行っているとの意識が少ない)
(5年以上の懲役 [刑法236条1項] ) ← (罰則の上限の規程は無し)
以上のことから明らかなように、被害者に顔が見えないように密かに金品を盗む場合の窃盗罪に比較し、犯人が被
害者の前に現れて金品を盗む場合の強盗罪の方が格段に重い刑罰が課されるようだ。このように、覆面の有無に関 係なく、被害者の前に堂々と現れて他人から金品を盗む強盗罪は、同じ泥棒でも重い罪のようだ。その理由は、強盗 の場合には、犯罪者が被害者の前に堂々と現れるために被害者に危害が及ぶことと、確実に金品を強奪できるため ではないかと推察される。そして、他の理由は、覆面の有無にかかわらず、顔(=人物)を晒した大胆な犯罪は、人間と して罪の意識の欠落によるものと考えられるため、厳しく指弾し、矯正するべきとの考えに基づいているためではない だろうか。
何はともあれ、三菱ふそうの「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの「10%以上」の燃費改善は、
2010年4月発売の従来型のドラッグホイラーを無装着にした従来型大型トラックに比較した場合の数値のように、筆者 には思えるのである。そして、筆者の推測では、「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの燃費改善 は、2010年4月から市販されている従来型のドラッグホイラーを装着にした従来型大型トラックに比較した場合には、最 大でも数%の改善の程度にしか過ぎないように見えるのだ。しかし、三菱ふそうの今回の大型トラックの燃費改善が報 道発表の通り、「2010年4月発売の従来型のドラッグホイラーを装着した従来型大型トラック」と「FULL EFFICIENT TRUCKと称する新開発大型トラック」との燃費を比較検討した結果での10%の燃費向上である場合には、筆者の推 測が完全な誤りであったと考えられる。その場合には、三菱ふそうの「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型 トラックの燃費が10%以上の改善を本当に実現していたことになる。そして、三菱ふそうの大型トラックの空気抵抗を 削減する技術が極めて高いことを如実に示していることになり、三菱ふそうの「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新 開発大型トラックの「10%以上」の燃費改善が虚偽であるとする筆者の推測は、完全に誤っていたことになる。
その場合には、三菱ふそうの空力技術の高さに脱帽し、率直に賞賛したいと思う。そして、三菱ふそうの新開発大型
トラック「FULL EFFICIENT TRUCK」が本当に10%程以上の燃費改善を実際に達成できていたのであれば、筆者の誤 った推測によって、本ホームページには重大な捏造記事を記載してしまっていることになる。このように、ホームページ に捏造記事を掲載することは恥ずべきことであり、即刻、この誤った内容の記事を訂正または削除することが必要だ。 そのため、表1の2012年4月5日の報道発表の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する新開発大型トラックの「10%以上」 の燃費改善が、筆者の予想に反して「2010年4月から市販されている従来型のドラッグホイラーを装着した従来型大型 トラック」と「@新開発ドラッグフォイラーを装着した新開発大型トラック」との燃費を比較して得られた燃費改善の数値 であることが事実であり、筆者の推測に基づいた本ホームページの記述が誤りであると三菱ふそうが反論したいので あれば、三菱ふそうの関係者は、本ページの末尾に記載してある筆者のメール宛に、早急にその旨のご連絡をいただ きたいと思っている。何しろ、筆者が定年退職したポンコツの元技術屋であるとは云え、誤った内容をこのホームペー ジに記載することは、不本意である。そのため、できることならば、このホームページには、誤ったことを記載すること を、極力、避けたいと思っている。
ところで、多くのトラックメーカや研究機関が長い年月にわたって走行燃費の改善に多大の努力が傾注されてきた現
在では、大型トラックの分野で走行抵抗を少なくする既存の技術を、ただ寄せ集めただけの他力本願の技術によって、 簡単に10%以上もの燃費改善が実現できることは有り得ないと考えるのが常識で無いだろうか。そのため、トラックメ ーカの人達が大型トラックの燃費を本当に向上する意欲・意思を持っているならば、自らの頭脳で考え、自らの研究開 発によって新たな技術を生み出す努力が必要である。これを可能にするのは、トラックメーカの人達は、これまでの有 名な研究機関の提案する技術を猿真似する従来の技術開発の姿勢を捨て去り、先入観を持たないで物事の本質を見 極める技術開発を最優先とする取り組みに改めることが最も重要と考える。
4.既存技術の寄せ集めでは無く、本格的なエンジン開発によるトラックの燃費向上が必要
前述のように、2012年4月5日の三菱ふそうバス・トラック(株)の報道発表の「FULL EFFICIENT TRUCK」と称する大
型トラックに採用されている低燃費の各技術(出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120405/ 120405.html)は、以下のように分類することが可能である。
●大型トラックにおいて数十年前から実用化されている燃費低減の技術・・・・@ドラッグフォイラー
Aサイドスカート
Bリアスポイラー
●天候の良否や気温の高低の限定条件で有効な燃費低減の技術・・・・D太陽電池発電
E駐車時アイドリングストップ冷暖房等
●走行燃費の改善効果が少ないと予想される技術・・・・Cオルタネーター発電制御技術
このように、三菱ふそうの「FULL EFFICIENT TRUCK」と称して10%の燃費改善を実現したとの報道発表した新開発
の大型トラックに組み込まれた燃費低減の技術内容の分類を見ると、三菱ふそうの@〜Eの大型トラックの低燃費技 術は、燃費低減の機能が僅かと推測されるCオルタネーター発電制御の技術の他は、従来からの技術のようであり、 新開発と呼ぶには疑問符の伴う技術ばかりのようである。このように、大型トラックの走行燃費の低減効果が少ない技 術を寄せ集め、それを何の恥ずかしげも無く、堂々と10%以上もの燃費低減が可能な大型トラックの新開発技術とし て発表する三菱ふそうの詐欺まがいの行為には、驚愕至極の極みである。
これについて穿った見方をすれば、三菱ふそうは、大型トラック(GVW25トン)の燃費を十分に改善できる新しい
大型トラックの車両関係の実用的な技術が皆無に近いことを正直に白状していると見ることも可能である。ま た、日本の低炭素と脱石油に無効な技術を研究する交通安全環境研究所のページ(特に表2に詳述)にも記載してい るように、大型ハイブリッドトラック(GVW25トン)は、貨物の積載量の大幅な減少を招くと云う致命的な欠陥があ るため、将来的にも実用性の全く無いことが明らかである。これらのことから、将来的にも車両関係の技術開発に よって大型トラック(GVW25トン)の走行燃費の大幅な向上を図ることは、困難であると考えられる。
以上のことから、今後の大型トラックの燃費向上を図る場合は、当然のことではあるが、地道にディーゼルエンジン
の燃費向上の技術開発に重点を置くべきことが重要であると考えられる。これに関連し、筆者は、近い将来に大型ト ラック用ディーゼルエンジンの燃費向上が確実に実現できる技術として、気筒休止エンジン(特許公開2005- 54771)を提案したい。この気筒休止の技術は、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化、気筒休止は DPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費悪化を防止)、気筒休止は、ディーゼルのNOx削減と燃費向 上の一挙両得の技術だ!の各ページに詳述しているように、大型トラックの「燃費改善」、「NOx削減」、「DPF 装置の自己再生の促進によるDPF強制再生時の燃料浪費の削減」を可能にする三拍子揃った画期的な技術 である。したがって、トラックメーカの人達が、大型トラックの燃費向上を早急に実現したいのであれば、即刻、気筒休 止エンジン(特許公開2005-54771)の技術の実用化に着手すべきと考えるが、如何なものであろうあろうか。
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な事柄でも結構です。閑居人宛てにメールをお送りいただければ、出来る範囲で対応させていただきます。 ![]()
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