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気筒休止は、ディーゼルのNOx削減と燃費向上の一挙両得の技術だ!


( 気筒休止は、ディーゼルエンジンのNOxと燃費のトレードオフを容易に克服できる優れた技術である。)

最終更新日:2016年11月12日

                  カタクリの花

1.大型トラック用過給ディーゼルエンジンの燃費削減が、喫緊の課題である理由

 ディーゼルエンジンのパティキュレート(PM)を大幅に削減できる燃焼改善以外の方法としては、インタークーラ過給
による給気量の増大とDPF装置(ディーゼル粒子状物質捕集装置)であることは、10年以上も前から広く知られていた
ことである。新短期排出ガス規制(2003年&2004年規制)の時代ではDPF装置が信頼性の劣るの技術であったため、
PM規制の厳しい新短期排出ガス規制に適合させる手段として、ほとんど全てのトラックには、インタークーラ過給ディ
ーゼルエンジンが採用されたのである。その後の新長期排出ガス規制(2005年規制)を経てポスト新長期排出ガス規
制(2009年規制)に至るPMとNOxの規制強化に適合できるようにするため、現在では全ての大型トラックには、DPF
装置と尿素SCR触媒装置を搭載したインタークーラ過給ディーゼルエンジンが採用されているのが現状だ。

 一方、2006年4月1日から施行された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(通称:改正省エネ法)の改正によ
り、以下に示す表6の重量車(車両総重量2.5t超)の自動車に対する2015年度(平成27年度)重量車燃費基準が規定さ
れた。 この重量車燃費基準は、2015年度(平成27年度)を基準達成の目標年度としているため、トラックメーカは2015
年度までに車両総重量ごとに定められた重量車燃費値の基準値に適合させる必要がある。また、2006年4月以降に販
売する新型車について、商品カタログへ重量車モード燃費値を表示しなければならないことになった。それ以降、トラッ
クメーカでは急遽、トラックの重量車モード燃費を削減する必要に迫られることになったのである。

 そのため、近年では、トラックの重量車モード燃費を削減することがトラック用ディーゼルエンジンにおける最重要の
研究項目であることは、誰もが認めるところである。しかしながらディーゼルエンジンの重量車モード燃費の改善は、こ
れまで長年に渡って研究されて来た事もあり、今後、短期間に十分な成果を確実に実現することが難しい課題である。
これに対しトランスミッションの多段化は大幅なコスト上昇の犠牲はあるが、確実にトラックの重量車モード燃費を改善
できることから、トラックメーカは先を争ってトランスミッションの多段化に乗り出したと考えられる。ところが、米国のよう
な大陸横断時のようにトランスミッションの頻繁なギアチェンジが不要な場合には多段トランスミッションであってもトラッ
ク運転手の負担は多くないが、日本のような狭い国では多段トランスミッションの採用は頻繁なギアチェンジが必要とな
るためにトラック運転手化に過度の負担を強いることになる。そこでトラックメーカは日本でも使用可能な多段トランスミ
ッションとしてするため、12段の機械式自動トランスミッションの開発を行ったのである。そして、いすゞ、日野、三菱ふ
そう、UDトラックスの4社は、この12段の機械式自動トランスミッションを採用することによって、大型トラック・トラクタ
を2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に辛うじて適合させることができているのだ。

 したがって、12段の機械式自動トランスミッション搭載の場合よりも5%前後の燃費が劣る7段マニュアトランスミッシ
ョン搭載した大型トラック・トラクタは、現時点では2015年度重量車燃費基準に適合できていないのである。したがって、
今後の技術開発が進展し、現状よりも5%程度の燃費を削減できる技術が実用化でき無ければ、7段マニュアトランス
ミッション搭載の大型トラック・トラクタは2015年度からは販売を中止せざるを得ない事態が生じてしまうことになってし
まうのだ。このような事態に陥ることを避けるため、筆者は大型トラック・トラクタに5〜10%程度の燃費削減が可能な
2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用することが最も望ましいと思い、提案し
ているのである。この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を大型トラックに採用した場合、5〜10%程度
もの重量車モード燃費値の大幅な削減が見込めるため、7段マニュアルトランスミッションの車種が2015年度燃費基
準に容易に適合できるのだ。これについては、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化のページにも記載して
いるのでご覧いただきたい。本ページでは、気筒休止エンジンの中でも2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の技術の特徴と、当該エンジンにおける燃費改善とNOx削減の各々の目的に適した気筒群の運転
制御法について詳細に述べるこにする。

2.大幅な燃費向上が可能な気筒休止のシステムとは?

2−1 これまで既に提案されていた気筒休止システム


 ところで、大型トラック・トラクタのターボ過給ディーゼルエンジンを「気筒休止エンジン」化する方法としては、表1に示
したように、ターボ過給機の台数を含めて給気と排気の回路が全く異なった2種類のシステムが考えられる。

表1 各種の気筒休止エンジンのシステム 
項 目
システムの概要 と メリット・デメリット
2ターボ方式の

気筒休止


(特許公開2005-54771)
システムの概要
○ 2台のターボ過給機を並列に装着する2ターボ方式の気筒休止ディーゼル エ ンジンの気筒休止システム。

○ このシステムの詳 細は気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)のページ をご覧いただきたい。
メリット
○ 気筒休止の最大目的であるエンジン部分負荷時のタービン出口の排気 ガス温度を高温化できるため、大幅な走行燃費の改善(=重量車モード燃 費の改善)とSCR触媒の活性促進による十分なNOx削減が可能
(5〜10%程度の重量車モード燃費値の削減が可能)

○ 休止運転する気筒群の吸気弁と排気弁の両方、又は片一方を密閉す る吸・排気弁のリフト制御が不要
デメリット
○ ターボ過給機は2台(ただし小容量) のためコスト増加が大きいこと

○ 給気系と排気系が複雑
吸・排気弁休止方式の

気筒休止

(シングルターボエンジン)
(2段過給エンジン)
システムの概要
○ 従来のシングルターボや2段過給のディーゼルエンジンを単純に気筒休止し た場合 の気筒休止のシステムである。 (=これは、エンジンの全部の気筒の 吸気ポート・排気ポートに少なくとも1台のターボ過給機が連結した構造の 過給のディーゼルエンジンである。)

○ ボルボのCO2削減(=燃費向上)の技術説明資料
  (吸・排気弁を休止方式シングルターボ方式の気筒休止を推奨する記事)

(出典:http://www.its.ucdavis.edu/events/outreachevents/asilomar2007/ presentations/Day%202%20Session%201/Anthony%20Greszler.pdf

メリット
○ シングルターボのディーゼルエンジンでは、ターボ過給機は1台(ただし大容 量)ためにコスト増加が少ないこと

○ 給気系と排気系がシンプル
デメリット
○ 気筒休止の最大目的である部分負荷時のタービン出口の排気ガス温度 を高温化ができないため、燃費削減とSCR触媒の活性化によるNOx削減 が大幅に劣ること

○ 気筒休止運転時の熱効率の向上を図るためには、休止運転する気筒群の 吸気弁と排気弁の両方、又は片一方を密閉する吸・排気弁のリフト制御が 必要になること(=因みに、休止運転する気筒群の吸気弁と排気弁の両方、又 は片一方を密閉する吸・排気弁のリフト制御を実施しない場合は排気ガス温度 の低下による尿素SCR触媒でのNOx削減機能が劣る欠点がある。)

○ 6気筒の過給ディーゼルエンジンにおいて、1/2負荷において3気筒 の休止運転(=3気筒だけの稼動運転)ができないこと (=これは、エンジン の全部の気筒の吸気ポート・排気ポートに少なくとも1台のターボ過給機が連結 した構造の気筒休止エンジンでは、その1台のターボ過給機が1/2負荷での3 気筒の休止運転時には過給機効率が著しく低下してしまうことが原因である。)

○ 吸・排気弁休止方式の気筒休止を採用したディーゼルエンジンは、応 答性の劣る出力制御のエンジンとなる欠点があること(=これは、エンジン の全気筒の稼動状態から一部の気筒を休止する運転に移行する際、休止する 気筒群の吸気弁と排気弁の両方、又は片一方を密閉させた瞬間には過給機を 流れる給気量が急減するため、過給機のブロアがサージンを起こす不具合が発 生する。これの不具合を防止するためには、エンジンの全気筒の稼動運転から 一部気筒の休止運転には緩やかに移行させる必要がある。そのため、この吸・ 排気弁休止方式の気筒休止システムを採用した場合、全気筒の稼動運転から 一部気筒の休止運転へ移行させる時の出力は、緩やかに低下させる必要のあ ることが原因である。)

 このように、過給ディーゼルエンジンでは、「2ターボ方式」と「吸・排気弁休止方式」の2種類の気筒休止システムが
ある。何れの方式の気筒休止エンジンにおいても、気筒休止運転時の稼動気筒での「冷却損失の減少」、「サイクル効
率の向上」による燃費改善が得られることは間違いない。しかし、これら2種類の気筒休止エンジンでの気筒休止運転
を行う部分負荷運転状況を比較すると、2ターボ方式気筒休止システムのターボ過給機の過給機効率は、吸・排
気弁休止方式気筒休止システムのターボ過給機の過給機効率よりも常に高い効率で運転できるのである。そ
して、2ターボ方式での気筒休止エンジンは、吸・排気弁休止ので気筒休止エンジンに比較して、気筒休止の運
転領域が広いことも特徴の一つである。そのため、「2ターボ方式気筒休止システム」の方が「吸・排気弁休止気筒
休止システム」に比べて優れた燃費改善が得られるのだ。これについては、気筒休止エンジンによる大型トラックの低
燃費化のページにも説明を記載しているので、それも御覧いただきたい。

 ボルボは、ガソリンエンジンと同様の吸・排気弁を休止してシリンダを密閉する機構を持つ吸・排気弁休止方式の気
筒休止システムを提案しているが、日本のトラックメーカもボルボと同様の吸・排気弁休止方式の気筒休止システムを
考えているようである。ことを示した。日本のトラックメーカが出願している吸・排気弁休止方式の気筒休止システムに
関する特許・実用新案を、以下の表2に示した。

表2 日本のトラックメーカが出願している吸・排気弁休止方式気筒休止システムに関する特許・実用新案
メーカ名  
発明の名称
特許公開番号
出願日
いすゞ自動車
気筒制御式エンジンの弁休止装置
特許公開2002−357110
2001年5月31日
気筒制御式エンジンの弁休止装置
特許公開2002−357109
2001年5月31日
気筒制御式エンジンの弁休止装置
特許公開2001−317318
2000年5月11日
いすゞセラミックス研究所
気筒制御式エンジンの弁休止装置
および気筒制御式エンジン
特許公開2000−145423
1998年11月13日
日野自動車
減筒運転の制御方法
特許公開2008−308998
2007年6月12日
減筒運転の制御方法
特許公開2007−15488
2007年6月12日
排気浄化装置
特許公開2006−152856
2004年11月26日
可変気筒エンジン
実用新案公開平5−42652
1991年11月1日
三菱ふそう
内燃機関の動弁休止装置
特許公開2004−360485
2003年6月2日

 以上の表2の日本のトラックメーカがこれまで出願している気筒休止に関する特許・実用新案は、吸・排気弁休止方
式の気筒休止システムに限られているようだ。そして、筆者が提案している2ターボ方式の気筒休止システム[気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)]に類似した特許出願は、今のところ1件も無いようだ。

 そもそも、吸・排気弁休止方式の気筒休止システムは、筆者が提案している2ターボ方式の気筒休止システム[気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)]よりも気筒休止で運転できるエンジン負荷が低い欠点がある。そして、筆者の予
想では、吸・排気弁の密閉化による吸・排気弁休止方式の気筒休止システムのシングルターボ方式の過給ディーゼル
エンジンの気筒休止は、0〜1/3 負荷の狭い運転領域でしか気筒休止の運転ができず、吸・排気弁休止方式の気筒休
止システムの2段過給ディーゼルエンジンの気筒休止でも0〜2/5 負荷の狭い運転領域でしか気筒休止の運転ができ
ないと云う欠点がある。このような吸・排気弁休止方式の気筒休止システムと異なり、2ターボ方式の気筒休止エンジン
[気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)]は、0〜1/2 負荷の広い運転領域で気筒休止が可能となる優れた特長を
備えた技術である。このように、2ターボ方式の気筒休止エンジン[気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)]は、広い
エンジン運転領域で気筒休止が可能なため、吸・排気弁休止方式の気筒休止システムの過給ディーゼルエンジンに比
較して、気筒休止による「燃費向上」と「SCR触媒でのNOx削減」の面で優れた効果が発揮できるのである。

 何はともあれ、表1に示したように、ボルボ・トラックスや日本のトラックメーカのエンジン技術者は、気筒休止の技術
としては、「燃費向上」と「SCR触媒でのNOx削減」の効果の劣る吸・排気弁休止方式の気筒休止システムの過給ディー
ゼルエンジンの気筒休止を考えているようである。この吸・排気弁休止方式の気筒休止システムは、ガソリンエンジン
と気筒休止システムをそのまま模倣した技術を過給ディーゼルエンジンに適用したものと推察される。このことから、多
くのトラックメーカのエンジンのエンジン技術者は、過給ディーゼルエンジンでは「燃費向上」と「SCR触媒でのNOx削減」
の機能の劣る吸・排気弁休止方式の気筒休止システムしか頭に思い浮かばなかったとすれば、彼らの発想が意外に
乏しいと言われても仕方が無いのではないだろうか。

 しかしながら、大型トラックにおける「燃費向上」と「NOx削減」の課題を抱えたトラックメーカのエンジンのエンジン技術
者は、筆者の提案する2ターボ方式の気筒休止エンジン[気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)]の技術を知ること
になれば、十分な「重量車モード燃費の向上」と「SCR触媒でのNOx削減」が実現できるために、迷うことなく2ターボ方
式の気筒休止システムを採用する可能性が高いと考えられる。しかしながら、筆者の提案する2ターボ方式の気筒休
止エンジン[気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)]の技術を知ることになっても、これまで通りのガソリンエンジンと
同様の吸・排気弁を密閉する機構を持つ吸・排気弁休止方式の気筒休止システムの気筒休止ディーゼルエンジンの
研究・開発に固執するエンジン技術者・専門家が存在したとすれば、その人達は、一部の気筒群が休止する運転状態
においては、低い効率でしかターボ過給器が作動しないことを理解できない無能なディーゼルエンジン技術者・専門家
と考えられる。

2−2 筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)と吸・排気弁停止式との相違

 過給6気筒ディーゼルの気筒休止エンジンにおいて、日野自動車の「全気筒連結の過給機を備えた吸・排気弁停止
式の気筒休止システム」では、3気筒を休止するエンジン運転の領域は殆ど存在しない。しかし、筆者提案の2ターボ方
式の気筒休止システム(=気筒休止エンジン(特許公開2005-54771))では、エンジンの1/2負荷以下において、3気
筒の気筒群だけを稼動する気筒休止運転が可能である。

 そして、大型トラックの実際の走行においては、エンジン運転の1/2負荷以下の軽負荷が多用されるため、
軽負荷において3気筒を休止するエンジン運転が可能な筆者提案の2ターボ方式の気筒休止システム(=気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771))は、大型トラックの十分な走行燃費の向上が可能である。

日野提案と筆者提案の気筒休止システムの過給6気筒エンジンにおける稼動気筒数のマップと燃費の比較
筆者提案の2ターボ方式の気筒休止システム
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
日野自動車提案の吸・排気弁停止式の気筒休止システム
  の気筒休止制御のマップ (6気筒過給エンジン)


(1) 日野の「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」
  におる気筒休止制御のマップ (6気筒過給エンジン)
(2)大型トラックの高速道走行時の燃費改善

 ・高速道路の走行燃費は、5〜10%の低減
  (著者の推定)
(2)大型トラックの高速道走行時の燃費改善

 ・高速道路の走行燃費は、4%の改善
(2)大型トラックのJE05モードの燃費改善

 ・重量車モード燃費は、5〜10%の低減
  (著者の推定)
(3)大型トラックのJE05モードの燃費改善

重量車モード燃費は、2〜3%の改善
 (著者の推定)

 以上のことから、将来的に大型トラックの燃費向上を図る技術としては、著者が提案している気筒休止エンジ
ン(特許公開2005-54771)が我が国で広く実用化される可能性は、ほぼ間違いないと考えられる。なお、日野自
動車提案の「全気筒連結の過給機を備えた吸・排気弁停止式の気筒休止システム」の技術に比較した場合、筆者提
案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、大型トラックの燃費を格段に改善できる機能・効能を持つ特許技術
である。このことについては、日野自動車が論文発表した燃費改善機能の劣る気筒休止システムのページに詳述して
いるので、興味のある方はご覧いただきたい。

3. 2ターボ過給機方式の気筒休止エンジンのメカニズム 

 この2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)では、図1に示したように、多気筒ディーゼ
ルエンジンを第1気筒群と第2気筒群に分け、気筒群毎に独立した吸気通路、排気通路、EGRガス通路の各通路を設
け、それら通路毎にEGR弁、EGRクーラ、EGR通路、過給装置、給気インタークーラ、排気絞り弁、DPF装置、酸化触
媒装置、NOx吸蔵還元装置、尿素SCR装置等の吸排気関連制御装置を配置し、気筒群毎の吸入空気、EGRガスお
よび排気ガスの流れが互いに混合しない流れ通路の回路とする。



        図1 気筒群個別制御エンジンの部分負荷における運転状態
             (第1気筒群=稼動、第2気筒群=休止)

 そして図2に示したように、エンジンECUの信号により、」第1気筒群と第2気筒群への燃料供給、過給装置および排
気後処理装置は気筒群毎に独立して制御するものである。これによってエンジンの部分負荷運転では、何れか一方の
気筒群に燃料を供給してエンジン出力を発生させる稼動気筒群として運転し、他の気筒群には燃料供給を中止する休
止気筒群として運転し、過給装置および排気後処理装置は、それぞれの気筒群に適した制御を行う。なお、部分負荷
時の稼動気筒群は一定時間毎に第1気筒群と第2気筒群とを切り替えるようにする。



図2 気筒休止エンジンにおけるエンジンECUによる制御

4. 2ターボ過給機方式の気筒休止で部分負荷時にNOxと燃費が改善される理由

4−1. 排気ガス温度の高い低燃費のエンジン運転の条件(過給ディーゼルエンジン)

 現在のポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)適合の大型トラック用インタークーラ過給ディーゼルエンジンは、
尿素SCR触媒装置とDPF装置を採用することによってNOxとPMを削減し、規制に適合させている。このインタークーラ
過給ディーゼルエンジンは、図3の模式図に示したように、正味平均有効圧力の増加に反比例して燃料消費率が良化
し、正味平均有効圧力(Pme)の増加に比例してタービン入口、タービン出口および尿素SCR触媒入口の排気ガス温
度が高温となる特性があることは広く知られていることである。



図3 一般的なインタークーラ過給ディーゼルエンジンの燃料消費率と排気ガス温度の特性

 一般の大型トラック用インタークーラ過給ディーゼルエンジンでは、図3の模式図の中に記載したように、50%近傍
以上の正味平均有効圧力では、低い燃費でエンジンが運転できるのだ。そして、50%近傍以上の正味平均有効圧力
では、排気ガス温度も尿素SCR触媒の入り口付近において200℃程度以上の常に高い温度でエンジンが運転されて
いる。

4−2. 気筒休止(特許公開2005-54771)による尿素SCR触媒での大幅なNOx削減

尿素SCR触媒に尿素水を供給して排気ガス中のNOxをNOxを還元する場合、図4に示したようにSCR触媒入口温度が
180℃以下に低下するとNOx削減の機能が顕著に低下する特性がある。




図4−2 尿素SCR触媒におけるSCR触媒入口温度とNOx低減率の関係ーB
出典 NEDO「革新的次世代低公害車総合技術開発」(中間評価)分科会資料6-7
    [革新的後処理システムに研究開発](公開用)平成18 年5月29日
    (日野自動車)




図4−1 尿素SCR触媒におけるSCR触媒入口温度とNOx低減率の関係ーA
(出典:大型商用車用尿素SCRシステムも開発、日産ディーゼル工業)
http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor23/mr20062305.pdf#search='尿素SCR'

図4 尿素SCR触媒におけるSCR触媒入口温度の低下によるNOx低減率の顕著な低下

 因みに、大型ディーゼルトラックのJE05モード排出ガス試験においては、尿素SCR触媒等の排出ガス後処理装置の
入り口における排出ガスの平均温度は、図5に示したように197℃であり、JE05モード排出ガス試験の約半分の時間
が200℃以下の温度温度である。



図5 JE05排出ガス試験における排出ガス後処理装置の入口の排気ガス温度
(出典:JCAPUディーゼル車WG報告 http://www.pecj.or.jp/japanese/jcap/jcap2/jcap2_5th.html


 図5から明らかなように、現行のディーゼルエンジンのJE05モード排出ガス試験においては、尿素SCR触媒の入り口
における排気ガスの温度は、排出ガス試験の約半分の時間が200℃以下の温度であることが判る。このよな200℃
以下の低い排気ガスに尿素SCR触媒が暴露されている場合には、尿素SCR触媒でのNOx削減率が著しく低下する。
その結果、現行のディーゼルエンジンでは、尿素SCR触媒による十分なNOxの削減が困難ととなっているのである。今
後、JE05モード排出ガス試験でのディーゼルエンジンのNOx排出を十分に削減できるようにするためには、JE05モー
ド排出ガス試験での排気ガス温度低下するエンジンの軽負荷におい、SCR触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以
上に高温化することが望ましい。言い換えれば、アクセルペダル踏込み量が少ないアクセルペダル位置でもSCR触媒
入口の付近の排気ガス温度が200℃以上に高温化できるようにエンジンを制御することによって、尿素SCR触媒の
NOx削減の機能を高めることが可能となるのである。この大型ディーゼルトラック用の気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)におけるNOx改善ができる理由を、表3にまとめた。

表3 大型ディーゼルトラック用の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)におけるNOxの削減理由
気筒休止の効果
過給ディーゼルエンジンにおける気筒休止によるNOxの削減の理由
(気筒休止エンジン:特許公開2005-54771)
効果の根拠
根拠の説明
NOxの削減
尿素SCR触媒でのNOx削減の促進
 この気筒休止エンジンの部分負荷時における燃焼運転の気筒群での
高い排気ガス温度は、燃焼運転する気筒群の尿素SCR触媒での高い
NOx削減率を維持することが可能となる。この気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)における尿素SCR触媒での高いNOx削減率の維持は、
従来エンジンよりも大幅にNOxを削減できることである。

 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の6気筒ディーゼルエ ンジン
では、部分負荷時において、一方の気筒群(3気筒)を燃焼気筒として運転
し、他方の気筒群(3気筒)を休止気筒として運転する。燃焼運転させた
気筒群(3気筒)の各気筒の排気ガス温度は、全気筒を燃焼させる従来
エンジンにおける各気筒の排気ガス温度よりも高くできることになる。

 また、最近では、「尿素SCR触媒の低温活性化の研究」と題する論文が数多く発表されているようである。そうは云っ
ても、尿素SCR触媒の低温活性化の促進は、それを実現することが極めて困難な技術開発である。そのため、仮に、
この技術開発が大成功を収めたと論文等で発表されたとしても、尿素SCR触媒のNOx削減率が急激に低下する温度
が現在の200℃から最大でも数十℃程度の低温化が図れるだけと予想される。今のところ、低温でのNOx削減率の高
い触媒としては銅ゼオライトが有望のようであるが、この銅ゼオライトの実用上の問題は何も無いのであろうか。また、
この銅ゼオライトを用いることによって「低温の排気ガスにおけるNOx削減率の向上」が可能としても、NOx削減率が急
激に低下する温度が現在の尿素SCR触媒における200℃から最大でも数十℃程度の低温化が図れるだけである。

 これに対し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を実用化すれば、ディーゼルトラック・バスの実走
行時やJE05モードの重量車排出ガス試験時におけるエンジン運転頻度の高い1/2負荷以下のエンジン運転状態に
おいては、気筒休止により燃焼に使われる吸入空気量が半分となるために排気ガス温度が2倍近くに高温化できるの
である。このように、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用した場合には、ディーゼルトラック・バスの実走行
時やJE05モードの重量車排出ガス試験時の排気ガス温度を2倍近くに高温化できるため、従来のディーゼルエンジン
では排気ガス温度の低いエンジン部分負荷運転時においても、現行の尿素SCR触媒におけるNOx削減率の大幅な向
上が容易に実現できるのである。

4−3 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)による大幅な燃費の向上

 筆者が提案している2台のターボ過給機を並列に装着する2ターボ方式の過給ディーゼルの気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)において、例えば6気筒のディーゼルエ ンジンの部分負荷時において、3気筒を休止気筒として残り
の3気筒を燃焼気筒として運転を行った場合には、大幅なエンジン燃費の削減とNOxの削減が可能となる。この気筒
群制御による気筒休止運転での燃費削減とNOx削減の理由を、表4にまとめた。

表4 大型ディーゼルトラック用の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)における燃費改善の理由
気筒休止の効果
過給ディーゼルエンジンにおける気筒休止による燃費改善の理由
(気筒休止エンジン:特許公開2005-54771)
効果の根拠
根拠の説明
燃費の削減
燃焼気筒のポンピング損失の削減
 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の6気筒ディーゼル
エ ンジンでは、3気筒に1台の小型過給機を装着し、並列に配置
した2台の小型過給機毎に2つの気筒群に分割し、2つの気筒群
を独立して負荷を制御する構造である。そして、部分負荷時に
おいて、一方の気筒群(3気筒)を燃焼気筒として運転し、他方の
気筒群(3気筒)を休止気筒として運転する。この時、燃焼気筒
として運転する気筒群(3気筒)には3気筒の過給に最適な容量
の小型過給機を装着しているので、一方の気筒群(3気筒)を
休止気筒として運転した際の燃焼気筒として運転する気筒群
(3気筒)の小型過給機の過給機効率は、1台の大型過給機を
装着した従来の6気筒エンジンの過給機効率よりも高い効率で
運転できるため、ポンピング損失が大幅に削減できることである。
燃焼気筒の冷却損失の削減
 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の6気筒ディーゼル
エ ンジンでは、部分負荷時において、一方の気筒群(3気筒)を
燃焼気筒として運転し、他方の気筒群(3気筒)を休止気筒として
運転する。燃焼運転させた気筒群(3気筒)における供給燃料
当たりのエンジンでの冷却面積は、全気筒を燃焼させる従来
エンジンにおける供給燃料当たりのエンジンでの冷却面積の半分
に縮小できることになる。そのため、片一方の気筒群を休止運転
した時には、燃焼運転した他方の気筒群での冷却損失が半減
できるため、従来エンジンよりも大幅に削減できることである。

 最近、下記に示したように、日本機械学会誌2013年8月号(2018.
8 Vol. 116 No. 1137)の年鑑の熱工学のページでは、「8・2・2 燃焼
技術・燃料」の項において、燃焼室内の低流動化によるディーゼルエ
ンジンの冷却損失の低減により、ヨーロッパの乗用車の燃費測定試
験モードNECDで5%の燃費向上が確認されたと記載されている。


(出典:日本機械学会誌2013年8月号(2018. 8 Vol. 116 No. 1137)
の年鑑の熱工学の「8・2・2 燃焼技術・燃料」の項)

 一般的に、乗用車での燃費総測定試験モードでは、エンジンの極
めて低負荷運転の頻度が高いが、そのようなエンジン運転状態にお
いてもシリンダ内の低流動化によるディーゼルエンジンの冷却損失
の低減により、5%の燃費向上が可能とのことである。一方、大型ト
ラックの場合は、実走行や重量車モード燃費の測定運転モード(=
JE05モード)でもエンジン負荷が50%以下での運転頻度が高いこ
とから、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を大
型トラックの採用することによって、シリンダの冷却面積が幾何学的
に半分になるために、実走行や重量車モード燃費の測定運転モード
(=JE05モード)でのエンジン冷却損失は、大幅の削減できることに
なる。そのため、大型トラックの気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の技術を採用した場合には、大型トラックの実走行や重量車
モード燃費が大きく改善できることは間違いないと考えられる。
燃焼気筒のサイクル効率の向上
 そもそも、理想サイクルであるカルノーサイクルでは、以下の式に
示した通り、高熱源の温度THが高温になるほど、高い熱効率と
なるのである。したがって、排気ガスエネルギー回生装置の入り口
の排気ガス温度が低温となる大型トラックの実際の走行では、
排気ガスエネルギー回生装置の採用による大型トラックの走行
燃費を十分に向上することは難しい。


       ただし、添字 H:高熱源の温度、L:低熱源の温度
(出典:http://fnorio.com/0102heat_engine(gas_cycle)1/heat_
engine(gas_cycle)1.htm
 
 このように、可逆機関であるカルノーサイクルは、絶対温度TH
の高温熱源と、絶対温度TLの低温熱源の間で作動する熱機関
の中で「最も効率の良い動力熱機関」である。このカルノー
サイクルの効率は熱源の絶対温度のみで決まり、高熱源の温度
を高温にすればする程、カルノーサイクルの熱効率が良くなるの
である。このことは、エンジン技術者でなくても、誰もが知って
いる極めて常識的なことだ。

 このカルノーサイクルと同様に、ディーゼルサイクルにおいても、
稼動するエンジンの気筒の最高温度を高温化することにより、
ディーゼルエンジンの熱効率を向上できることは、エンジンの
技術者・専門家であれば、容易に理解できることだ。

 例えば、現在の大型トラックに搭載されている6気筒ターボ
エンジンの部分負荷運転において、3気筒を休止して残りの
3気筒を稼動する気筒休止の運転制御を行った場合の稼動
気筒の燃料噴射は、6気筒を同時に稼動する従来のエンジン
の2倍近くの燃料噴射量となる。そのため、この気筒休止運転
の状態では、稼動気筒の気筒内の燃焼温度は、従来の全気筒
を同時に稼動する従来エンジンの気筒内の燃焼温度を倍加
する高温化が容易に実現できることになる。この気筒休止
エンジンの部分負荷運転の稼動気筒における気筒内の燃焼
温度の高温化は、稼動気筒のサイクル効率の向上が可能と
となる。

 一方、現在の大型トラックの実走行時には、ディーゼルエンジン
の部分負荷運転が主体である現状から考えると、大型トラックの
実走行時の燃費向上を図るためには、ディーゼルエンジンの部分
負荷時の燃費改善を行う必要がある。この部分負荷時の燃焼
気等のサイクル効率を向上するためには、カルノーサイクルの
効率向上と同じく、ディーゼルエンジンの部分負荷時の燃焼気筒
の燃焼温度を高温にすることだ。この部分負荷時の燃焼気筒の
高温化によって、ディーゼルエンジンの部分負荷時の燃費が、
容易に向上できるのである。これを現実化できる技術が、筆者
の提案している気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
ある。

 この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用した
6気筒ディーゼルエ ンジンでは、部分負荷時においては、
一方の気筒群(3気筒)を燃焼気筒として運転し、他方の
気筒群(3気筒)を休止気筒として運転する。燃料噴射する
気筒群(3気筒)の各気筒の最高圧力・最高温度は、常に
全気筒に燃料噴射する従来エンジンの各気筒の最高圧力・
最高温度よりも2倍近くの高温化が実現きるのだ。この気筒
休止エンジンの部分負荷時における燃焼運転する気筒群の
高い最高圧力・最高温度は、必然的に高いサイクル効率が
得られることになる。したがって、大型トラックのエンジンに
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用した
場合には、大型トラックの重量車モード燃費や実走行燃費の
大幅な向上が可能となる。
燃焼気筒の排気損失の削減
 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の6気筒ディーゼル
エ ンジンでは、部分負荷時において、一方の気筒群(3気筒)を
燃焼気筒として運転し、他方の気筒群(3気筒)を休止気筒として
運転する。燃焼運転させた気筒群(3気筒)の各気筒の燃焼に
消費する給気量は、全気筒を燃焼させる従来エンジンにおける
各気筒の燃焼に消費する給気量の1/2となるため、排気損失を
半減することが可能となる。
DPFでのフィルタの自己再生の促進
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の6気筒ディーゼルエ
 ンジンでは、部分負荷時において、一方の気筒群(3気筒)を
燃焼気筒として運転し、他方の気筒群(3気筒)を休止気筒として
運転する。燃焼運転させた気筒群(3気筒)の各気筒の排気ガス
温度は、全気筒を燃焼させる従来エンジンにおける各気筒の排気
ガス温度よりも高くできることになる。この気筒休止エンジンの
部分負荷時における燃焼運転の気筒群での高い排気ガス温度
は、燃焼運転する気筒群のDPF装置のフィルタに堆積したパティ
キュレートの燃焼を可能にするため、DPF装置の自己再生が促進
されることになる。この気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)におけるDPF装置の自己再生の促進は、従来エンジン
となる。
 このように、気筒休止エンジンは、従来エンジンよりもDPF装置
の手動再生と強制再生の頻度が大幅に削減できるため、燃費が
削減できることである。


4−4.気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)によるエンジン出力の過渡応答性の向上

 現在の殆んどの大型トラックには、1台の大型の過給機を装着した「シングルターボ方式」の6気筒過給ディーゼルエ
ンジンが搭載されている。これに対し、筆者が提案してい気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、2台の小型の
過給機を装着した「2ターボ方式」の6気筒過給ディーゼルエンジンである。このように、筆者が提案してい気筒休止エ
ンジン(特許公開2005-54771)の過給機は小型であるため、従来の大型過給機に比べて過給機の回転慣性質量が小
さいことが特徴である。

 そして、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用した大型ディーゼルトラックを加速させるときにアク
セルペダルを急激に踏み込んだ場合には、過給機の回転慣性質量が小さいことから短時間で過給機の回転を上昇さ
せることができるのだ。このようなアクセルペダルを急激な踏み込んだ際には、短時間での過給機の回転を上昇する
ことができ、これによって速やかに十分な給気ブースト圧力を増大させて目標とするエンジン出力を得ることができるの
である。したがって、2台の小型の過給機を装着する「2ターボ方式」の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、
現在の殆んどの大型トラックに採用されている1台の大型の過給機を装着した「シングルターボ方式」の過給ディーゼ
ルエンジンに比較し、高い応答性でエンジン出力を制御できることも特長の一つだ。これによって、気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の技術を採用した大型トラックは、走行性も向上できるのである。

4−5.従来のエンジンにおいて、低燃費と尿素SCRによるNOx削減が不十分な運転領域
    
 前述の通り、全気筒を常時稼働する従来の過給ディーゼルエンジンにおいては、正味平均有効圧力Pme≦50%の
運転領域においては燃費が低くくなると共に、尿素SCR触媒のSCR触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以上の高
温となるため尿素SCR触媒のNOx削減の機能を高まってNOxを高削減率で低減できるのである。

 従来の全気筒を常時稼働する従来エンジンにおいては、図6−2に示したようにアクセルペダル踏込み量の比例して
全気筒が等しいエンジン主力で稼働する制御となっている。したがって、Pmeが50%以上となる運転領域は、図6−1
に示したアクセルペダル踏込み量が50%以上の赤色の運転領域である。そのため、実際の大型トラックの走行時に
で多用されるアクセルペダル踏込み量が50%以下のエンジン運転時には、燃費が悪い上に、尿素SCR触媒のSCR触
媒入口付近の排気ガス温度が200℃以下の低温となって尿素SCR触媒のNOx削減の機能が低下してしてしまうため
にNOxの削減が不十分な状態となるのだ。
  


図6 常に全気筒が稼働する従来型エンジンの燃費の低い運転領域とNOx削減が可能な運転領域
(Pme≦50%の領域 : 赤色の領域)

5.気筒休止システムによる燃費削減と尿素SCR触媒でのNOx削減の向上

 多気筒ディーゼルエンジンを第1気筒群と第2気筒群に分けた2ターボ過給機方式の気筒休止ディーゼルエンジン
(特許公開2005-54771)では、全てのエンジン運転条件において各気筒群の負荷を任意に制御することが可能であ
る。その代表的な第1気筒群と第2気筒群の気筒群を制御する方法として、表5に示したように、大別すると「燃費低減
型」と「NOx低減型」の2種類のタイプの制御法に分けられる

表5 2ターボ過給機方式の気筒休止ディーゼルエンジンにおける気筒群の制御方法
気筒群の制御法
気筒群制御の形態
燃費低減型
第1気筒群と第2気筒群の何れか一方の気筒群を常に優先的に稼働させる気筒群の運転を制御(図7−3参
照)
NOx低減型
アクセルペダル踏込み量Accelが50%を超えるエンジン負荷においてる第1気筒群と第2気筒群を同等の出力
で同時に稼働させる気筒群の運転を制御(図8−3参照)


5−1.燃費低減型の気筒群制御法の場合(図7を参照方)

 2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)における燃費低減型では、多気筒ディーゼルエンジ
ンを第1気筒群と第2気筒群に分けた2ターボ過給機方式の気筒休止ディーゼルエンジンにおいて第1気筒群と第2気
筒群の何れか一方の気筒群を常に優先的に稼働させる気筒群の運転制御法である。図7−2は、常に第1気筒群を
優先して稼働させた場合の燃費低減型の気筒群の運転制御法である。この場合、第2気筒群は第1気筒群の稼働だ
けでは不足するエンジン出力を補完する出力で稼働させるようにして、全てのエンジン運転条件で必要なエンジン出力
で運転できるようにした気筒群の運転制御法だ。勿論、第2気筒群を優先して稼働させて第1気筒群を補完する出力
でエンジンを運転することも可能である。この気筒休止エンジンが実用で用いられる際には、エンジン全体の耐久性や
排出ガス後処理装置の機能と耐久性のため、第1気筒群を優先して稼働させた場合と第2気筒群を優先して稼働させ
た場合との実際の場合を一定のエンジン運転期間毎に切り替えるようにする。

 7−2に示した常に第1気筒群が優先稼働の燃費低減型の気筒群制御法においては、全気筒を常時稼働する従
来のエンジンに比較し、全てのエンジン負荷領域(アクセルペダル踏込み量が(0%)〜(≒100%)で常に高負荷で稼
働できるために高い熱効率と排気ガスの高温化が維持できるのである。この燃費低減型の気筒群制御法で運転する
休止気筒エンジン(特許公開2005-54771)における燃費削減とNOx削減が得られる各気筒の正味平均有効圧Pmeが5
0%以上となる運転領域は、図7−1の赤色で示した運転領域の広範囲に及ぶことが判る。このように、2ターボ過給
機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の図7−1の赤色のPmeが50%以上となる運転領域は、常に全
気筒が稼働する従来エンジンの図6−1の赤色のPmeが50%以上となる運転領域に比較し、広いエンジン運転領域
での燃費削減と排気ガスの高温化に伴う尿素SCR触媒によるの活性化によってNOxを削減できていることが明らかで
ある。
 
各気筒の負荷制御と燃費とNOxの削減領域
気筒群の

制御方法


アクセルペダル
踏込み量 Accel
気筒群
運転状況
熱効率の向上要因
エンジンの燃
0%≦Accel≦50%
第1気筒群
0%≦ 負荷≦100%
理論サイクル上の効率向上
(筒内の圧力・温度の上昇)
燃費削減
第2気筒群
気筒休止
エンジン冷却面積の半減
50%<Accel<100%
第1気筒群
100%負荷
理論サイクル上の効率向上
(筒内の圧力・温度の上昇)
燃費削減
第2気筒群
0%≦ 負荷<100%
Accel= 100 %
第1気筒群
負荷=100%
従来と同等
第2気筒群
負荷=100%




図7−2 燃費低減型の気筒群制御法における各気筒群の負荷制御
各気筒の

負荷状態



図7−1 燃費低減型の気筒群制御法における燃費とNOxの削減領域
(Pme≦50%の領域 : 赤色の領域)



図7 燃費低減型の気筒群制御法における燃費削減とNOx削減が可能な運転領域
(常に第1気筒群を優先してエンジンを運転する制御法)

なお、7−1に示したように常に第1気筒群を優先手して稼働する気筒群制御の場合には、燃費とNOxの削減の劣る
運転領域は青色のアクセルペダル踏込み量Accelが0%≦ Accel<25%の全運転領域と50%≦ Accel<75%の
部の極く少ない運転領域であるこは一目瞭然である。

 ところで、重量車の排出ガス試験や重量車燃費基準の算出に適用されるJE05モードでは、図8に示したように、5
0%以下のエンジン負荷の使用頻度が意外と多いのである。図8のに示した負荷頻度は、パワーウエイトレシオ(=単
にエンジン馬力当たりの車両総重量)が比較的、小さい積載量2トン程度のトラックのため、エンジン軽負荷の使用頻
度が高いと考えられる。これよりパワーウエイトレシオが大きいGVW25トンの大型トラックでは、図8のエンジン負荷
頻度よりも多少、エンジン高負荷の使用頻度は増加すると考えられる、しかしながら、JE05モードによるGVW25トン
の大型トラックにおける重量車の排出ガス試験や重量車燃費基準の算出でも、50%負荷近辺のエンジントルクの使
用頻度が高いと推定される。



図8 重量車の排出ガス試験モードにおいて使用される負荷頻度の例
(積載量2トン程度のトラックの例と推定)
(出典:http://www.jari.or.jp/resource/uploads/439cf6c62cddf5931b923d65b1a896d8.pdf

 このように、JE05モードによるGVW25トンの大型トラックにおける重量車の排出ガス試験や重量車燃費基準の算
出において50%以下(=アクセルペダル踏込み量50%以下)のエンジントルクの使用頻度が高いのである。しか
し、常に全気筒が稼働する従来エンジンのクセルペダル踏込み量50%負荷近辺では、図6の青色で示しているよう
に、燃費が悪い上に、尿素SCR触媒のSCR触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以下の低温となって尿素SCR触
媒のNOx削減の機能が低下してしてしまうのである。そのため、従来のエンジンにおいてJE05モードによる大型トラッ
クの重量車の排出ガス試験では尿素SCR触媒のSCR触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以下の低温状態での
運転が多いため、尿素SCR触媒のよる十分なNOx低減が困難となっている。同様に、JE05モードによる大型トラック
の重量車重量車燃費値を算出する場合においても、図6の青色で示しているクセルペダル踏込み量50%負荷近辺の
燃費の劣る領域の使用頻度が高いため、燃費が悪化してしまうのである。

 これに対し、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の燃費低減型の気筒群制御法におい
ては、クセルペダル踏込み量50%以下でも図7−1の赤色で示したPmeが50%以上となる広いエンジン運転領域が
存在し、このPmeが50%以上の赤色の運転領域では低燃費でエンジン運転が可能であり、且つSCR触媒入口付近の
排気ガス温度を200℃以上に高温化したエンジン運転ができることによって素SCR触媒が活性化し、NOxを大幅に削
減できるのである。そして、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の燃費低減型の気筒群制御法においては、図7
−1の青色で示したPmeが50%以下の尿素SCR触媒のSCR触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以下の低温状
態の空気が過剰な運転領域では、大量EGRとHCCIやPCIと称される良混合圧縮着火燃焼の技術によって多少なりと
もNOx削減を図り、JE05排出ガス試験におけるNOx削減を上乗せすることが可能である。

 そして、ここで特に注目すべきことは、「燃費低減型の気筒群制御法」は、2ターボ方式の気筒休止システム(=気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771))だけが可能な気筒群の出力制御方法であり、吸・排気弁休止方式の気筒休止
システム(=日野自動車鰍ェ自動車技術会の2013年秋季大会で論文発表を「取下げ」した気筒休止システムhttp://
tech.jsae.or.jp/2013aki/pc/speech.aspx?id=69)では制御が不可能な気筒群の出力制御方法である。したがって、2タ
ーボ方式の気筒休止システム(=気筒休止エンジン(特許公開2005-54771))は、吸・排気弁休止方式の気筒休止シス
テムに比較して大型トラックの重量車モード燃費や実走行燃費の大幅な改善が可能となる。そのため、2ターボ方式の
気筒休止システムである気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用した過給ディーゼルエンジンを
大型トラックに採用した場合には、都市間の貨物輸送において気筒休止による燃費改善の効果が十分に発揮できるこ
とになる。

 このように、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)2ターボ方式気筒休止システムだけが、この図7の
燃費低減型の制御を実現できることである。そして、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)は、図7の燃費低減型の気筒群制御法を採用することによって顕著な燃費削減を可能にすると同時に、排気ガ
スの高温化に伴う尿素SCR触媒おけるSCR触媒の活性化によってNOx削減を図ることも可能である。したがって、大型
トラックの燃費を向上することを最大の目的としてディーゼルエンジンに気筒休止の技術を採用する場合には、気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)を用いるべきであることは明らかなことだ。そのため、今後、大型トラックの燃費向
上を目標に掲げながら吸・排気弁休止方式の気筒休止システムを採用するトラックメーカが現れた場合には、そのトラ
ックメーカの技術者・専門家は、「阿呆」・「馬鹿」・「「間抜け」な人達と考えて間違いないだろう。

5−2.NOx低減型の気筒群制御法の場合(図9を参照方)

 2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)におけるNOx低減型では、多気筒ディーゼルエンジ
ンを第1気筒群と第2気筒群に分けた2ターボ過給機方式の気筒休止ディーゼルエンジンにおいて、アクセルペダル踏
込み量Accelが50%以下のエンジン負荷において第1気筒群と第2気筒群の何れか一方の気筒群を常に優先的に稼
働させ、アクセルペダル踏込み量Accelが50%を超えるエンジン負荷においてる第1気筒群と第2気筒群を同等の出
力で同時に稼働させる気筒群の運転制御法である。図9−2は、アクセルペダル踏込み量Accelが50%以下において
常に第1気筒群を優先して稼働させた場合のNOx低減型の気筒群の運転制御法である。勿論、アクセルペダル踏込
み量Accelが50%以上において、第1気筒群と第2気筒群を同一の出力でエンジンを運転するのである。この気筒休
止エンジンが実用で用いられる際には、エンジン全体の耐久性や排出ガス後処理装置の機能と耐久性のため、第1気
筒群を優先して稼働させた場合と第2気筒群を優先して稼働させた場合との実際の場合を一定のエンジン運転期間毎
に切り替えるようにする。

 このNOx低減型の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)では、アクセルペダル踏込み量Accelが25%≦Accel≦
50%のエンジン運転領域では第1気筒群が優先稼働となり、50%< Le ≦ 100%のエンジン運転領域では第1気
筒群と第2気筒群の両方の気筒群は共に正味平均有効圧Pmeが50%以上の運転領域となる。そのため、図9ー1に
示したようにアクセルペダル踏込み量Accelが25%以上の赤色のPmeが50%以上でのエンジン運転領域となり、この
赤色の運転領域では尿素SCR触媒の触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以上になって尿素SCR触媒によるNOx
の削減が促進できるのである。図7ー1の低燃費型の気筒群運転制御法のPme=50%以上でのエンジン運転領域
(赤色の運転領域)に比較し、図9ー1のNOx低減型の気筒群運転制御法のPme=50%以上でのエンジン運転領域
(赤色の運転領域)の方が明らかに広いため、NOx低減型の気筒群運転制御法は低燃費型の気筒群運転制御法より
もNOxが多く削減できるのである。NOx低減型の気筒群運転制御法では、アクセルペダル踏込み量Accelが50%を超
えるエンジン運転領域では第1気筒群と第2気筒群とが同等の出力で同時に稼働させるため、従来のエンジンと同等
の燃費性能となり、このエンジン運転領域での燃費は従来のエンジンと同等となる。したがって、従来の全気筒稼働エ
ンジン比較して気筒群運転制御法の気筒休止エンジンの燃費が削減できるのは、アクセルペダル踏込み量Accelが5
0%以下の運転領域に限られるのである。
 
各気筒の負荷制御と燃費とNOxの削減領域
気筒群の

制御方法


アクセルペダル
踏込み量 Accel
気筒群
運転状況
熱効率の向上要因
エンジンの燃費
0%≦Accel≦50%
 
第1気筒群
0%≦ 負荷≦100%
理論サイクル上の効率向上
(筒内の圧力・温度の上昇)
燃費削減
第2気筒群
気筒休止
エンジン冷却面積の半減
50%<Accel≦100%
第1気筒群
50%< Le ≦100%
従来と同等
第2気筒群
50%< Le ≦100 %




図9−2 NOx低減型の気筒群制御法における各気筒群の負荷制御

各気筒の

負荷状態



図9−1 NOx低減型の気筒群制御法における燃費とNOxの削減領域
(Pme≦50%の領域 : 赤色の領域)


図9 NOx低減型の気筒群制御法における燃費削減とNOx削減が可能な運転領域
(常に第1気筒群を優先してエンジンを運転する制御法)

 そもそも、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)のアクセルペダル踏込み量Accelが50%
以下においては、低燃費型とNOx低減型の両者の気筒群制御は、全く同一である。したがって、「5−1.燃費低減型
の気筒群制御法の場合」の項で詳述している 2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)におい
ては、燃費低減型の気筒群制御法におけるクセルペダル踏込み量50%以下でも図7−1の赤色で示したPme(正味
平均有効圧)が50%以上となる燃費の良好な広いエンジン運転領域が存在し、NOx低減型の気筒群制御法における
図9−1の赤色で示したPme(正味平均有効圧)が50%以上となる広いエンジン運転領域が存在する。気筒休止エン
ジン(特許公開2005-54771)ではこれらのPme(正味平均有効圧)が50%以上の赤色の燃費の良好な広い運転領域
を作り出せるため、JE05モード運転での低燃化が実現できるである。そして同時に、SCR触媒入口付近の排気ガス
温度を200℃以上に高温化したエンジン運転ができることによって素SCR触媒が活性化し、NOxを大幅に削減できる
のである。そして、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の燃費低減型の気筒群制御法においては、図9−1の青
色で示したPmeが50%以下の尿素SCR触媒のSCR触媒入口付近の排気ガス温度が200℃以下の低温状態の空気
が過剰な運転領域では、大量EGRとHCCIやPCIと称される良混合圧縮着火燃焼の技術によって多少なりともNOx削
減を図り、JE05排出ガス試験におけるNOx削減を上乗せすることが可能である。

 このように、従来エンジンに対する低燃費型とNOx低減型の両方の気筒群制御においては、燃費低減とNOx低減の
効果には多少の優劣はあるものの、何れの気筒群制御の場合において燃費低減とNOx低減に大きな効果が得られ
るのである。少し詳細に言えば、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)でのアクセルペダル
踏込み量Accelが50%を超えるエンジン運転領域において、低燃費型の気筒群制御ではNOx低減型よりも少し燃費
の削減に優れ、NOx低減型気筒群制御では低燃費型よりも少しNOxの削減に優れていると云うことである。

 なお、燃費低減型の気筒群制御法の2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、従来エン
ジンに比較し、排気ガスの高温化に伴う尿素SCR触媒おけるSCR触媒の活性化によってNOxを削減と同時に、勿論、
燃費削減も可能である。因みに、吸・排気弁休止方式の気筒休止システムでは、この燃費低減型の気筒群制御
だけであり、NOx低減型の気筒群制御が不可能であるしたがって、低燃費型とNOx低減型の両方の可能な気
筒群制御の方法は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)2ターボ方式気筒休止のシステムだけであ
ことに留意しておく必要がある。

5−3.気筒休止における燃費低減型とNOx低減型の各気筒群制御法の特徴(まとめ)

 実走行で多用される部分負荷運転状態において、従来の全気筒稼働エンジンに比較し、2ターボ過給機方式の気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の優れた特徴を下記の表6にまとめた。

表6 2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)における優れた特徴
気 筒 休 止 エ ン ジ ン の 優 れ た 特 徴
@
部分負荷時に稼働気筒が高Pmeで運転できることによってサイクル効率が向上し、5〜10%の程度重量車モード燃費の削減
が可能となる。
(図7−1および図9−1の赤色のエンジン運転領域)

(低燃費型の気筒群制御は、若干ながら燃費の削減に有利)
A
部分負荷時の排気ガス温度が高温化できることによって尿素SCR触媒の触媒機能が向上し、大幅なNOx削減が可能となる。
(図7−1および図9−1の赤色のエンジン運転領域)

(NOx低減型の気筒群制御は、若干ながらNOxの削減に有利)
B
部分負荷時の排気ガス温度が高温化されることにより、DPF装置におけるフィルタの自己再生の促進が可能 

(DPF装置での手動再生や自動再生の頻度減少によるポスト噴射や排気管内噴射の燃料浪費を削減)
   

6.大型トラックにおける今後のNOxと燃費の規制強化に貢献できる気筒休止の技術

6−1.大型トラックにおける次期のポストポスト排出ガス規制におけるNOxの規制強化
 
 大型トラック型のポスト排出ガス規制(2009年規制)の次のNOxの規制強化については、2010年に7月28日に中央環
境審議会から環境省に第十次答申が行われた。この第十次答申によると、GVW7.5トン超えの大型トラック・バスのNO
x規制の強化は、表13に示した通り、次期のNOx規制値 = 0.4 g/kWh であり、2016年に実施が予定されていると
のことである

表7 今後の大型トラック・バスのNOx規制の強化
名 称
規 制 値
@
次期のNOx規制値(ポスト・ポスト新長期)

(環境省・中央環境審議会の第十次答申)
NOxの新規制値 = 0.4 g/kWh

(GVW7.5トン超えのトラックバスは2016年末までに実施)

 環境省・中央環境審議会の第八次答申では、挑戦目標と称して「0.7 g/kWhの3分の1」の削減が示されていた。その
ため、ポスト新長期の次の規制強化におけるNOx規制値が0.23 g/kWh前後の値まで削減されるものと筆者は考えて
いた。各トラックメーカもポスト新長期後のにおけるNOx規制強化の規制値が0.23 g/kWh前後であることを想定し、NO
x削減技術の研究開発が進められていたものと考えられる。しかし、ポスト新長期(2009年規制)後のNOx規制強化の
規制値が表4に示したように0.4 g/kWhであるとの中央環境審議会から環境省に第十次答申には、正直、驚かされた。
中央環境審議会排出ガス部会の第十次答申には、第八次答申の挑戦目標では「0.7 g/kWhの3分の1」(=0.23 g/
kWh)の削減が示されていた。そのため、ポスト新長期の次の規制強化におけるNOx規制値が0.23 g/kWh)まで削減さ
れるものと多くの人は考えていた。その理由は、これまでの例では、審議会の答申に記載された目標と記載された規
制値案から大きく緩和した規制値が施行された例はほとんど無かったように記憶しているからである。

 そのため、2005年1月の第八次答申では挑戦目標と称する「0.7 g/kWhの3分の1」(=0.23 g/kWh)のNOx削減の目
標値に適合できるようにするために、各トラックメーカや多くの研究機関では、これまで必死にNOx削減の技術開発に
取り組んできたものと考えられる。それにもかかわらず、NOx削減の技術開発が思惑通りに進展せず、NOx削減の技
術開発に大きな成果が得られなかったのではないかと推測されるのである。この挑戦目標を次期のNOx規制値に設定
された場合には、そのNOx規制に適合できる技術が不明であることから、トラックメーカ4社を含む自動車工業会の強
力な反対を環境省に申し入れたのではないだろうか。その結果、環境省の排出ガス規制を担当する係長が幸運にも
自動車工業会への思いやりのある優しい人であったため、第八次答申の挑戦目標をキッパリと忘れ去って、次期の規
制値(案) = 0.4 g/kWhを決定されたのであろうか。それとも、尿素SCR触媒でも、エンジン低負荷の排気温度が低
温の時の尿素SCRの触媒入口温度が200℃以下では尿素SCR触媒のNOx削減率が急激に低下する問題を自動
車工業会が環境省の排出ガス規制担当の係長に必死に説明して納得させた結果、NOxの次期の規制値(案) = 0.
4 g/kWhを決定されたのであろうか。それとも、自動車工業会がNOxの次期の規制値(案) = 0.4 g/kWhよりももっと
緩い規制値を要請していたが、環境省の排出ガス規制担当の係長が自動車工業会の要請を拒否してNOxの次期の
規制値(案) = 0.4 g/kWhに決定したのであろうか。部外者にはディーゼル自動車のGVW3.5トン超の重量車におけ
NOxの次期規制値(案)が 0.4 g/kWhに決まった経緯の真相は、不明である。

 何れにしても、2010年に7月28日に中央環境審議会大気部会から環境省に第十次答申が行われ、世界統一試験サ
イクルであるWHTC(World Harmonized Transient Cycle)に変更し、従来のエンジン暖機時(ホットスタート)排出ガス試
験に加えてエンジン冷間時(コールドスタート)排出ガス試験を追加する排出ガス試験法を変更し、2016年に次期のNO
x規制値 = 0.4 g/kWh の大型トラック型のポスト排出ガス規制(2009年規制)の次のNOxの規制強化を実施される
ことが明らかになったのである。このことについて、中央環境審議会大気部会から環境省に第十次答申では、NOx規
制値を挑戦目標の0.23 g/kWhから0.4 g/kWhの大きく緩和した理由として、コールドスタート試験の追加やJE05モード
からWHTCへの試験モードの変更などのを上げているようだ。しかし、単なる推測に過ぎないが、次期のNOx規制値を
挑戦目標の0.23 g/kWhから0.4 g/kWhに大きく緩和した理由として、現時点では、トラックメーカ4社を含む自動車メーカ
が環境省・中央環境審議会の2005年1月の第八次答申の挑戦目標と称する「0.7 g/kWhの3分の1」(=0.23 g/kWh)ま
でNOxを削減できる技術を開発できなかった可能性も大いにあり得ると考えられる。

6−2.将来の大型トラックにおけるNOx規制の強化に貢献できる気筒休止

 さて、従来のトラック用過給ディーゼルエンジンは、全気筒を均等の負荷で常に稼働する構造であり、(エンジントル
ク)=(アクセルペダル踏込み量)となる構造である。そのため、50%のエンジントルクは50%のアクセルペダル踏込
み量となっている。そして、図3に示したように50%以下の低負荷のエンジントルクでは尿素SCR触媒の入り口付近の
温度は200℃程度以下となることから、図6に示したように50%以下のアクセルペダル踏込み量のエンジン運転で
は、SCR触媒入り口付近の温度は200℃程度以下となるのである。このSCR触媒入り口付近の温度が200℃程度以
下では、尿素SCR触媒のNOx削減率が著しく低下するのである。そのため、従来のエンジンではアクセルペダル踏込
み量が50%以下の広いエンジン運転領域においては、尿素SCR触媒のNOx削減率が著しく低下してしまう不具合を
生じてしまうのである。

 一方、図8に示したように、JE05モード試験ではエンジントルクlが50%以下のエンジン運転頻度の高い。図8は積
載量2トン程度の小型トラックの例と推定されるが、この積載量2トン程度の小型トラックでは、50%以下のトルクでエ
ンジンが運転される頻度が極めて高いのである。前述の通り従来のエンジンでは(エンジントルク)=(アクセルペダル
踏込み量)となるため、この積載量2トン程度の小型トラックのJE05モード排出ガス試験は、アクセルペダル踏込み量
が50%以下の領域でエンジン運転頻度が高いのである。このように、小型トラックのJE05モード排出ガス試験では、
50%以下のアクセルペダル踏込み量でのエンジン運転が主体となるため、SCR触媒入り口付近の温度が200℃程
度以下となって尿素SCR触媒のNOx削減率が著しく低下してしまうのである。したがって、この積載量2トン程度の小型
トラックのJE05モード排出ガス試験では、尿素SCR触媒によってNOxを大幅に削減することは難しいのが現状であ
る。

 積載量10トン以上の大型トラックのパワーウエイトレシオ(エンジン単位出力当たりの車両総重量)は、小型トラック
のパワーウエイトレシオよりも多きために、大型トラックのJE05モード排出ガス試験では小型トラックよりもアクセルペ
ダル踏込み量が多少、大きくなることは間違いない。しかし大型トラックの場合でも、JE05モード排出ガス試験では
クセルペダル踏込み量が50%近傍以下のエンジン運転頻度は極めて多いのである。そのため、大型トラックのNOx
を大幅に削減するためには、小型トラックの場合と同様に、アクセルペダル踏込み量が50%近傍以下のエンジン運転
領域のを場合でも、SCR触媒入り口付近の温度を200℃程度以上に維持して尿素SCR触媒のNOx削減率を高く維持
ですることが必要となる。

 これまでのところ、画期的な対策技術が発表されていないことから、燃費が重視される大型トラックでの今後のNOx
の削減には、燃費悪化の欠点のあるNOx吸蔵触媒が使えない。そのため、大型トラックでのNOxの削減には、従来の
技術であるクールドEGRのEGR率の増加と、尿素SCR触媒の技術に頼る以外に有効な方法はないものと考えられ
る。その場合、尿素SCR触媒によって十分なNOx削減を図るには、図5に示したようにSCR触媒入口温度を200℃程
度に高める必要がある。しかし、全気筒を均等の負荷で常に稼働する従来のエンジンでは、図6に示したように、アク
セルペダル踏込み量が50%以下ではSCR触媒入口温度が200℃以下となるため、尿素SCR触媒によって十分なN
Ox削減を図るにことは困難である。一方、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)では、図9
−1に示したように、SCR触媒入口温度が200℃以下となるのはアクセルペダル踏込み量が25%以下の運転領域ま
で減少できるのである。その結果、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は従来の通常のエンジン(全気筒を同時
に稼働するエンジン)よりも尿素SCR触媒によって大幅なNOx削減を図ることが可能な技術である。

 何はともあれ、筆者の2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)』は単なるアイデアの段階に
過ぎないのが残念なことである。仮に、この特許技術が実用化できたとすれば、大型トラックにおいて第八次答申の挑
戦目標と称する「0.7 g/kWhの3分の1」のNOx削減が達成できるものと思っている。これは単なる筆者の予想であるた
めに何の説得力も無いのが残念だ。筆者の身勝手な願望を露わに言わせてもらえば、心ある研究機関がこの特許技
術の試験研究を真面目に実施し、第八次答申の挑戦目標が達成できることを早急に実証して欲しいと願っているので
ある。そして、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術が実用化の目処がついた暁には、環境省が「第八次
答申の挑戦目標と称する0.7 g/kWhの3分の1のNOx削減」のNOx規制を施行され、日本の大気環境の改善を大きく
進展させていただくことを願っているのである。

6−3.今後の大型トラックにおける燃費削減に貢献できる気筒休止の技術

 大型トラックは多くの仕様の車種が存在するため、その重量車モード燃費は、走行モードとして重量車モードを用いた
シュミレーション計算で算出した値を用いることになっている。この重量車モードは、都市内走行モード(JE05モード)と
都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の2種のモードが採用されている。(2種のモードを合わせて「重
量車モード」という。) 表7には20t 超の大型トラックの重量車モード燃費値の算出方法を示した。

表8 20t 超の大型トラックの重量車モード燃費値の算出方法
項 目
詳 細
重量車モード燃費の

の測定方法
 エネルギー消費効率(燃費)の測定方法は、シミュレーション法によるものとし、その走行モードは、
都市内走行モード(JE05モード)と都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の2種の
モードを採用する(2種のモードを合わせて「重量車モード」という。)。
 エネルギー消費効率(燃費)は、各走行モードにより運行する場合における燃料1リットル当たりの
走行距離をキロメートルで表した値(それぞれ「都市内走行モード燃費値」「都市間走行モード燃費値」
という。)について、車種に応じ設定された係数を用いて、加重調和平均した値であって、型式指定
自動車に係る型式指定又は一酸化炭素等発散防止装置指定自動車に係る装置指定に当たり
国土交通大臣が測定した値(審査値)(以下「重量車モード燃費値」という。)とする。
20t 超の大型トラックの

重量車モード燃費値
   E=1/{(αu/Eu+αh/Eh}

   ここで、                      
       E :重量車モード燃費値(km/l)
       Eu:都市内走行モード燃費値(km/l)
       Eh:都市間走行モード燃費値(km/l)
       αu:都市内走行割合 (=0.7)
       αh:都市間走行割合 (=0.3)


したがって、20t 超の大型トラックの重量車モード燃費値を削減するには、JE05モード(都市内走行モード)と都市間走
行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の両方の走行モードによって燃費を削減する必要がある。しかし、JE05
モード(都市内走行モード)は都市間走行モードよりも走行割合が格段に多いた。そのため、重量車モード燃費値の削
減には、特にJE05モード(都市内走行モード)の燃費削減が重要である。

6−3ー(a) JE05モード(都市内走行モード)の燃費削減について

 従来のトラック用過給ディーゼルエンジンは、全気筒を均等の負荷で常に稼働する構造であり、(エンジントルク)
(アクセルペダル踏込み量)となる構造である。そのため、50%のエンジントルクは50%のアクセルペダル踏込み量と
なっている。そして、図3に示したように50%以下の低負荷のエンジントルクでは燃料消費率が悪いことから、図6に示
したように50%以下のアクセルペダル踏込み量のエンジン運転では、著しく悪い燃料消費率となるのである。そのた
め、従来のエンジンではアクセルペダル踏込み量が50%以下の広いエンジン運転領域においては、燃費が悪くなって
しまうのである。

 一方、図8に示したように、JE05モード試験ではエンジントルクlが50%以下のエンジン運転頻度の高い。図8は積
載量2トン程度の小型トラックの例と推定されるが、この積載量2トン程度の小型トラックでは、50%以下のトルクでエ
ンジンが運転される頻度が極めて高いのである。前述の通り従来のエンジンでは(エンジントルク)=(アクセルペダル
踏込み量)となるため、この積載量2トン程度の小型トラックのJE05モード排出ガス試験は、アクセルペダル踏込み量
が50%以下の領域でエンジン運転頻度が高いのである。このように、従来のエンジンを搭載した小型トラックのJE05
モード排出ガス試験では、燃費の悪い50%以下のアクセルペダル踏込み量でのエンジン運転が主体となるため、JE
05モードの燃費は悪化してしまうのである。したがって、小型トラックのJE05モード(都市内走行モード)の燃費を大幅
に削減するためには、アクセルペダル踏込み量が50%近傍以下のエンジン運転領域での燃費を大幅に改善すること
が必要である。

 ところで、積載量10トン以上の大型トラックのパワーウエイトレシオ(エンジン単位出力当たりの車両総重量)は、小
型トラックのパワーウエイトレシオよりも多きために、大型トラックのJE05モード試験では小型トラックよりもアクセルペ
ダル踏込み量が多少、大きくなることは間違いない。しかし大型トラックの場合でも、JE05モード試験ではアクセルペ
ダル踏込み量が50%近傍以下のエンジン運転頻度は極めて多いのである。そのため、大型トラックのJE05モード
(都市内走行モード)の燃費を大幅に削減するためには、小型トラックの場合と同様に、アクセルペダル踏込み量が5
0%近傍以下のエンジン運転領域での燃費を大幅に改善することが必要である。

 この大型トラックでのE05モード(都市内走行モード)の十分な燃費削減を図るためには、大型トラックのアクセルペ
ダル踏込み量が50%近傍以下のエンジン運転領域において、図3に示した正味平均有効圧力が50%近傍以上の燃
費の良好なエンジン運転できるようにすることである。このようなエンジン運転を可能にする技術が、2ターボ過給機方
式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術だ。この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)では、燃費低
減型の気筒群制御法においてはクセルペダル踏込み量50%以下でも図7−1の赤色で示したPme(正味平均有効
圧)が50%以上となる燃費の良好な広いエンジン運転領域が存在し、NOx低減型の気筒群制御法においても図9−1
の赤色で示したPme(正味平均有効圧)が50%以上となる燃費の良好な広いエンジン運転領域が存在する。これらの
Pme(正味平均有効圧)が50%以上の赤色の運転領域では、JE05モード運転における燃費の低減が実現できるで
ある。

6−3ー(b) 都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の燃費削減について

 現行の一般的な大型トラックが都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)を走行した場合、エンジンの運
転領域は50%のエンジントルク近傍の使用頻度が最も多いもの思われる。つまり、この都市間走行モードの大型トラ
ックの走行では、アクセルペダル踏込み量が50%近傍でのエンジン運転頻度が高いのである。そのため、2ターボ過
給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)おいては、燃費低減型の気筒群制御法においては、アクセルペ
ダル踏込み量50%近傍でのエンジン出力の大部分は、図7−1に示したように、第1気筒群が100%近傍のPme(正
味平均有効圧)でエンジンが運転される領域となる。その結果、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の燃費
低減型の気筒群制御法を採用した大型トラックが都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)を走行した場
合、従来のエンジンを搭載した大型トラックに比べて極めて良好な燃費が得られることになる。

 また、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)のNOx低減型の気筒群制御法においても、アクセルペダル踏込
み量50%近傍でのエンジン出力の大部分は、図9−1に示したように、第1気筒群が50〜100%近傍のPme(正味
平均有効圧)でエンジンが運転される領域となる。その結果、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)のNOx低
減型の気筒群制御法を採用した大型トラックが都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)を走行した場合
にも、従来のエンジンを搭載した大型トラックに比べて良好な燃費が得られることになる。このNOx低減型の気筒群制
御法の場合の燃費は、燃費低減型の気筒群制御法の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の場合の燃費に比
べ、多少、劣ることは致し方のないことである。しかし、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)を搭載した大型トラックが都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の走行を行った場合には、
費低減型とNOx低減型の何れの気筒群制御法の場合においても、、従来のエンジンを搭載した大型トラックに比べて
大幅に燃費が削減できることは間違いのないことである。
 
7.気筒休止は大型トラックの燃費改善とNOx削減を可能にする一挙両得な技術

 前述の6−2項にて説明したように、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を搭載した
型トラックでは、全気筒を均等の負荷で常に稼働する従来のエンジンでは、アクセルペダル踏込み量が50%以下では
SCR触媒入口温度が200℃以下となるため、尿素SCR触媒によって十分なNOx削減を図るにことは困難である。しか
し、2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)では、SCR触媒入口温度が200℃以下となるの
アクセルペダル踏込み量が25%以下の運転領域である。したがって、JE05モード排出ガス試験でエンジン運転頻
度が極めて高いアクセルペダル踏込み量が25〜50%のエンジン運転領域では、従来のエンジンの場合にはSCR触
媒入口温度が200℃以下となるために尿素SCR触媒では低いNOX減少率ろなるために十分なNOx削減を図ることが
できない欠点がある。しかし、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の場合にはSCR触媒入口温度が200℃以上
となるために尿素SCR触媒では高いNOX減少率を維持できるために十分なNOx削減を図ることができるのである。
このように、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)では、従来のエンジンに比べてJE05モード排出ガス試験にお
けるNOx排出を大幅に削減できることが、大きな特長の一つである。

 また、前述の6−3の(1)項にて説明したよう、都市内走行モード(JE05モード)の燃費が従来のエンジンに比べて大
幅に改善でき、前述の6−3の(2)項にて説明したように都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の燃費
が従来のエンジンに比べて大幅に改善できるのである。そのため都市内走行モード(JE05モード)と都市間走行モー
ド(縦断勾配付80km/h定速モード)から算出される気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を搭載した大型トラッ
クの重量車モード燃費は、従来のエンジンを搭載した大型トラックに比べて大幅に燃費が削減できることが、もう一つ
の大きな特長である。

 このように、筆者が提案している気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、JE05モード排出ガス試験にお
いてエンジンでの運転頻度の高いアクセルペダル踏込み量Accelが50%近傍やそれ以下のエンジン運転領域
では、尿素SCR触媒の活性化による大幅なNOx削減を可能にする機能があり、また、都市内走行モード(JE
05モード)と都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の両モードの燃費が従来のエンジンに比べ
て大幅に改善できるため、重量車モード燃費が従来のエンジンの場合に比べて5〜10%も削減できる機能
ある。したがって、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、5〜10%の重量車モード燃費の改善と大
幅なNOx削減を両方を可能にする一挙両得の優れた技術と言っても過言ではない。

 しかし、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)が、「NOxと燃費のトレードオフを克服してNOxの削減と燃費
の改善を同時に実現できる一挙両得」の技術であることを理解されている学者・専門家は少ないようだ。例えば、2011
年9月発行の「自動車技術」誌(Vol.65,No.9,2011)において、早稲田大学の大聖教授は「自動車用エンジン技術の現状
と将来」と題した論文を発表されているが、その中の「3.2. 重量車の燃費改善」の項において大聖教授は、以下の表9
の赤線に示したように、重量車(=トラック・バス)における2016年の排出ガス規制への適合(=NOx規制強化への対
応)と2015年度重量車燃費基準への適合(=燃費改善)のために、「ディーゼルエンジンのNOxと燃費のトレードオフの
克服する必要がある」と述べられている。

表9 「NOxと燃費のトレードオフ」に関する大聖教授の御意見
項 目
内 容
論文の題目と著者




著者:早稲田大学教授 大聖 泰広 氏

出典:「自動車技術」誌(Vol.65,No.9,2011)
本論の一部

 この表8に示した「自動車技術」誌の内容を見ると、早稲田大学の大聖教授は、ディーゼル大型トラックにおいては
「NOxの削減」と「燃費の改善」にはトレードオフの関係があるため、「NOxの削減」と「燃費の改善」を同時に実現する技
術が現時点では不明と認識されているものと推察される。そのため、早稲田大学の大聖教授は大型トラックにおい
て、日本のトラックメーカでは「2015年度重量車燃費基準の達成」と、「2016年のNOx規制値= 0.4 g/kWh(WHTCモー
ド)の排出ガス規制への適合」のトレードオフの克服が技術的に限界であり、日本ではこれ以上のレベルの「NOx規制
の強化」と「燃費基準の強化」が困難との意見を持たれているように推測される。逆な言い方をすれば、中央環境審議
会の大聖教授を含む自動車排出ガス専門委員会の学者・専門家は、「2015年度重量車燃費基準を十分に超える燃費
向上」と、「NOx規制値= 0.4 g/kWh(WHTCモード)以上のレベルまでのNOx削減」の両方を同時に実現できる技術の
知見や情報を何も保有されていないものと推測される。そのため、2010年7月の中央環境審議会の第10次答申では、
2016年に実施する日本の次期のNOx規制値は、2010年の米国のNOx規制(NOx = 0.27 g/kWh)よりも相当に緩くした
「NOx= 0.4 g/kWh(WHTCモード)」を答申せざるを得なかったものと推測される。

 特に、この論文に中では、大聖教授は、大型トラックの燃費改善技術として、「ターボ過給の多段化」、「ターボコンパ
ウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」の技術を挙げられている。しかし、「ターボ過給の多段化」と「ターボコン
パウンド」の何れの技術もディーゼルエンジンの部分負荷の燃費を十分に改善することが困難であり、「ターボ過給の
多段化」と「ターボコンパウンド」の技術を採用しても大型トラックの重量車モード燃費を十分に向上することは困難であ
る。特に、「ターボコンパウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」のような排気ガスのエネルギーを回収・回生し
て大型トラックの走行燃費を改善するためには、ターボコンパウンドによるディーゼルトラックの十分な燃費改善は困難
だ!および気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上に詳述した通り、大型トラックの実
際の走行時におけるエンジン運転頻度の高い部分負荷の排気ガス温度を高温化できる気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)のような気筒休止システムとの組み合わせが必須である。しかし、この論文には、「ターボコンパウンド」
や「ランキンサイクル」等のディーゼルエンジンの排気ガスエネルギー回生装置による大型トラックの燃費向上には気
筒休止システムとの組み合わせ必要であるとの記載が何も無いことから判断すると、排気ガスのエネルギー回生装置
による大型トラックの十分な燃費向上には、気筒休止システムとの組み合わせが必要であるとの認識が大聖教授には
無いようである。

 そもそも、「ターボコンパウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」の技術は、エンジンの温度・圧力等のエネル
ギーをエンジン出力軸に回生するシステムである。そのため、大型トラックのエンジンに「ランキンサイクル」、「ターボコ
ンパウンド」および「熱電素子」の技術を搭載した場合には、排気ガス温度が高温となるエンジンの全負荷出力運転時
に、或る程度の高い効率で排気ガスの温度エネルギーをエンジン出力軸に回生することができるため、エンジン燃費
の改善を図ることが可能だ。しかし、大型トラックの実走行時や重量車モード燃費計測のエンジン運転モードであるJE
05モード等では、排気ガス温度の低いエンジン部分負荷運転が主体となるため、大型トラックの実走行における「ター
ボコンパウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」による排気ガスの温度エネルギーをエンジン出力軸に回生す
る時の効率は、大幅に低下することになる。このように、大型トラックの実走行や重量車モード燃費の計測(=シュミレ
ーション計算)では、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化のページに詳述しているように、排気ガス温度の
低いエンジン部分負荷の運転が大部分を占めるため、大型トラックのディーゼルエンジンに「ターボコンパウンド」、「ラ
ンキンサイクル」および「熱電素子」の技術を採用したとしても、大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費は、極、
僅かな改善に留まるものと考えられる。

 このように、「ターボコンパウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」の技術は、エンジン部分負荷時の燃費改
善の機能が劣る技術である。そのため、これらの技術を大型トラックに採用したとしても、大型トラックの実走行燃費や
重量車モード燃費を十分に向上することは、困難である。それにもかかわらず、2011年9月発行の「自動車技術」誌
(Vol.65,No.9,2011)の「自動車用エンジン技術開発の現状と将来」(表5参照)と題した論文の「3.2. 重量車の燃費改善」
の項において、著者の早稲田大学の大聖教授は、大型トディーゼルトラック・バス(=重量車)における実走行や重量
車モード燃費を向上する手段として、大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費を十分に改善できる機能を有する
技術として「ターボ過給の多段化」、「ターボコンパウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」の技術を推挙されて
いることについて、筆者には疑問に思えて仕方がないのである。特に、気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー
回生装置の効率を向上および気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上のページに詳述
しているように、「ターボコンパウンド」、「ランキンサイクル」および「熱電素子」等の排気ガスエネルギーを回生する技
術を用いて大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費を十分に向上するためには、大型トラックの実際の走行時
におけるエンジン運転の負荷頻度が高いエンジン部分負荷の排気ガス温度を高温化する気筒休止エンジン(特許公
開2005-54771)の技術を組合わせることが必要・不可欠である。

 ところで、いすゞ自動車は、ディーゼル4トントラック「フォワード」において、平成22年の排出ガス規制(ポスト新長期
規制)の適合車では、2段シーケンシャルターボシステムを採用している。しかし、気筒休止エンジンによる大型トラック
の低燃費化に詳述しているように、この「フォワード」では走行燃費が不良なことが原因と推測されるが、有ろう事か、
いすゞ自動車は、市販した「フォワード」の2段シーケンシャルターボシステムを搭載した4HK1-TCSエンジンに違法なエ
ンジン制御を行ってNOxを垂れ流して走行燃費の改善を図った不正なエンジン制御を採用していたのである。ところ
が、この不正な行為をが露呈し、いすゞ自動車が平成23年5月に東京都によって国土交通省に道路運送車両法違反を
通報されたのだ。このことから、2段シーケンシャルターボシステムのエンジン低速のトルクアップに寄与するが、燃費
削減のメリットは極めて少ないものであることが原因の一つではないかと推察される。

 このように、2011年9月発行の「自動車技術」誌(Vol.65,No.9,2011)の「自動車用エンジン技術開発の現状と将来」と題
した論文では、2.2 (2)の「(ガソリンエンジンの)高性能化と燃費改善技術」の項では、大聖教授は、「・・・各種可変機構
の利用、直接噴射を含む燃料供給系制御に精緻化、・・・・・・、過給システムによるエンジンのダウンサイジング、各運
動部の摩擦や補記類損失の低減など・・・・・」と記載され、ガソリンエンジンの燃費改善に関する多くの技術が列挙され
ているが、しかし、「3.2. 重量車の燃費改善」の項では、大聖教授は、大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費
を十分に改善できる機能・効果が劣ると予想される「ターボ過給の多段化」、「ターボコンパウンド」、「ランキンサイク
ル」および「熱電素子」のような技術であるにもかかわらず、無理を承知で推挙されているのではないかと推測される。
したがって、この論文を拝見すると、大聖教授は、今後の更なる大型トラックの重量車モード燃費の向上が極めて実現
の困難なことを内心では深く認識されているのではないかと推察される。

 また、毎月、約4万人に配布されている「自動車技術」誌において、上記の表8に示したように大聖教授は、「この燃
費基準(=2015年度重量車燃費基準)達成のためには、上述した2016年の排出ガス規制(=NOx規制値: 0.4 g/kWh)
への対応とのトレードオフを克服する必要がある。」と述べらている。これを読むと、大聖教授は、トラックメーカが大型
トラックにおける「2015年度重量車燃費基準の達成」と、「2016年のNOx規制値= 0.4 g/kWh(WHTCモード)の排出ガス
規制への適合」のトレードオフを克服する困難な研究開発の課題を課せられたと認識されているようだ。このことから
推察すると、大聖教授は、現在でも、ディーゼルエンジンにおける「NOx削減と燃費改善のトレードオフ」は、未だに解
決の困難な課題と認識されているように推測されるのである。

 確かに、「ディーゼルエンジンにおけるNOx削減と燃費改善のトレードオフの課題の解決が困難」であることは、筆者
が1972年に自動車メーカに就職した約40年も昔から延々と、耳にタコができるほど聞かされ続けてきたことである。し
かし、筆者が定年退職して長い期間が経過しているにもかかわらず、現在でも相変わらず、「ディーゼルエンジンにお
けるNOx削減と燃費改善のトレードオフは、解決の難しい課題」とする旨と同類の内容を、大聖教授が「自動車技術」
誌の2011年9月号の中で主張されていることには驚きである。何故ならば、この大聖教授の主張について、筆者は少し
疑問に思っているからだ。その理由は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を重量車(=トラック・バス)
に採用した場合には、大型トラックにおける「2015年度重量車燃費基準の達成」と、「2016年のNOx規制値= 0.4 g/
kWh(WHTCモード)の排出ガス規制への適合」のトレードオフを克服できると考えているためである。この気筒休止エン
ジン(特許公開2005-54771)の技術が、大型トラックにおける「2015年度重量車燃費基準の達成」と、「2016年のNOx規
制値= 0.4 g/kWh(WHTCモード)の排出ガス規制への適合」を容易に実現できることについては、本ページの他の項
や、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化のページにも詳述しているので、興味のある方は御覧いただきた
い。

 しかし、自動車技術」誌の2011年9月号の内容を拝見したところ、大聖教授は、大型トラックの部分負荷におけるNOx
削減と燃費改善を同時に実現できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術の存在をご存知でないようであ
る。そのため、大聖教授の教え子を含めた知人・関係者の方がこのホームページを御覧になられた場合には、気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)の技術の存在を大聖教授に御承知・御認識いただけるように御連絡いただければ
と思っている。兎にも角にも、近い将来、日本の多くのディーゼルエンジン関係の学者・専門家が、この気筒休止エンジ
ン(特許公開2005-54771)の技術を実用化するための試験研究を活発に行うようになり、わが国の大型トラックの「燃
費削減」と「NOx削減」のトレードオフを遅滞なく克服することを願っているところである。

 それとも、大聖教授は、既に気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術内容を良くご理解していただいている
が、しかし、この技術では「ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費改善のトレードオフの克服」が不可能との見解を持た
れているのであろうか。その場合には、大聖教授の御見解をお教えいただき、筆者の考え方に誤りがあれば、即刻の
訂正と、大聖教授の「ディーゼルエンジンにおけるNOx削減と燃費改善のトレードオフは、解決の難しい課題」との主張
に対する批判について、お詫びを申し上げたいと考えている。そのため、大聖教授が気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の技術の内容を既に御承知ならば、この技術についての御見解を是非ともお教えいただきたいと思って
いる。

 さて、2015年度重量車燃費基準の次期の燃費基準のモード燃費の基準が未定であるために何とも言えないが、
筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術は、2015年度重量車燃費基準に続く次の燃費基準に大型トラ
ックを適合させる有力な技術であることは間違いないと思っている。また、2016年に実施される次期のNOx規制
強化に大型トラックを適合させる技術として気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用した場合
には、これに付随して5〜10%程度の実走行燃費を向上できる効果が得られることになる。そのため、当該大型
トラックの商品性の向上とCO2削減に貢献できることになり、大型トラックを市販するメーカには大きな利益をもたらす
ものと信じている。

 また、NOx規制については、環境省の中央環境審議会は、2005年4月の第八次答申に 0.7 g/kWhの 1/3程度(= 
0.23 g/kWh)のNOxの挑戦目標が示されているのである。しかし、2010年に予定されている第十次答申では、この
戦目標を大幅に緩和されたNOxの次期規制値=0.4 g/kWh(2016年の実施予定)が提示されるようだ。その理由は、現
在の自動車業界には挑戦目標を達成できる技術が開発できていないと中央環境審議会が判断されたためであろう。し
かし、環境省は何れかの早い時期に挑戦目標のNOx規制を施行すべきとの方針には変わらないと考えられる。この
環境省の中央環境審議会の2005年4月の第八次答申に示された 0.7 g/kWhの 1/3程度(= 0.23 g/kWh)のN
Ox挑戦目標を早期にNOx規制値として施行できるようにするためには、環境省は早急に各トラックメーカや研
究機関を指導し、JE05モード排出ガス試験による2ターボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)における尿素SCR触媒での十分なNOx削減が実現できることを確認すべきではないだろうか。

7.気筒休止によって大型トラックが適合可能となる将来の燃費規制とNOx規制のレベル

 中央環境審議会の答申等について、ディーゼル重量車についてのNOx規制強化に関する最近の動向を以下の表A
にまとめた。

表A ディーゼル重量車についてのNOx規制強化に関する最近の動向
内 容
中央環境審議会の
第八次答申

(2005年4月8日に答申)
ディーゼル重量車(12トン超えの新型車)において、「第八次答申の許容限度 目標値(平均値)= 0.7 g/kWh」(=ホットスタートのJE05モード試験)を 2009年に実施
(注:米国のディーゼル重量車は、「2010年にNOx規制値=0.27g/kWh(=ホットスタート+コールド スタートの1199モード)を実施)

「答申の意義」として、「今回の2009年目標の0.7g/kWhを実施することによ り、2009〜2010年時点では大型ディーゼルトラックの分野で世界最高レベ ル のNOx規制が日本で実施される」と記載されているが、これは誤りである。 (2009〜2010年頃のディーゼル重量車においては、日本は米国の比較くして大幅 に緩い規制を実施)

この「第八次答申」には、将来のディーゼル重量車のNOx規制強化として、 戦目標(=0.7g/kWhの1/3 =0.23g/kWh)を提示
中央環境審議会の
第十次答申

(2010年7月28日に答申)
ディーゼル重量車(7.5トン超えの新型車)の「第十次答申の許容限度目標値 (平均値)= 0.4 g/kWh」(=ホットスタート+コールドスターのWHTCモード 試験)を2016年に実施
(注:米国のディーゼル重量車は、「2010年にNOx規制値=0.27g/kWh(=ホットスタート+コールド スタートの1199モード)を実施)

「第十次答申の許容限度目標値(平均値)= 0.4 g/kWh(WHTCモード)」 は、第八次答申の挑戦目標=0.23g/kWh(=0.7g/kWhの1/3:JE05モード) に「達していると考えられる」と記載されている。このことから、我が国の将来的 なディーゼル重量車のNOx規制強化は、第八次答申の挑戦目標=0.23g/kWh (JE05モード)のレベルにする必要のあることを中央環境審議会が十分に承知・理 解していることを示唆したものと考えられる。
そして、ディーゼル重量車のNOx規制強化を確実に第八次答申の挑戦目標=0. 23g/kWh(JE05モード)のレベルとするため、第十次答申に添付の第十次報告に は、(JE05モードのNOx:0.4 g/kWh)=(WHTCモードのNOx:0.26 g/kWh)を示し て、「十分なデータ数でないため、あくまでも目安としてとらえるべきもの」との 注釈が記されている。
つまり、「第十次答申の許容限度目標値(平均値)= 0.4 g/kWhと第八次答申の 挑戦目標=0.23g/kWhと同等であることが十分な試験データによって確認されて いないため、今後の試験結果によって確定すべきこと示唆する但し書きが記載さ れていることになる。
(独)交通安全環境研究所の
「次期重量車用試験サイク
ルの排出ガス性能評価」
の論文

(2014年11月5〜6日に開催した
「交通安全環境研究所フォーラム
2014」で発表


著者:鈴木央一氏、山口恭平氏
  石井 素氏、成澤和幸氏
JE05モード=エンジンは、中・低負荷の領域に限定した運転(下図の〇の領 域)であるが、 WHTCモード=エンジンは、中・低負荷+高負荷の全領域で運転 (下図の〇+〇の領域)である。


A、B、Cの3台の供試エンジンを用い、JE05モードとWHTCモード(=世界統 一の過渡試験サイクル)およびWHSCモード(=世界統一の定常試験サイクル)に おける排出ガスガス測定値を比較

3台の供試エンジンの中のCエンジンは、エンジンの高負荷の領域(=JE05、 WHTC、WHSCのエンジン運転の〇の負荷領域)では、尿素水の供給を停止また は削減し、尿素SCR触媒がNOxの還元による排気ガス浄化機能を意図的に中止 または低下させる「排出ガス制御の無効化」の制御を採用している脱法・違法なエ ンジンと推測される。

下図は、「排出ガス制御の無効化」のCエンジンに試験データを削除したJE05 モード、WHTCモード、WHSCモードのNOx排出値である。

重量車用試験サイクルのWHTCモード(=コールドスタート+ホットスタート)と JE05モード(=ホットスタート)のNOx排出値は、ほぼ同一であることが明らかで ある。したがって、日本のディーゼル重量車のNOx規制は、近い将来には、第八 次答申のNOx挑戦目標と同等のNOx=0.23 g/kWh(=WHTCモード)のレベルに 強化すべきことは明らかである。

中央環境審議会・第十次答申に示された「ディーゼル重量車におけるNOx許容限 度目標値:0.4 g/kWh(=WHTCモード)は、第八次答申のNOx挑戦目標:0.23g/ kWh(=JE05モード)と同等のレベルである」との答申の内容は、完全に誤りであ ると推察される。

なお、中央環境審議会・第十次答申に示された「ディーゼル重量車における NOx許容限度目標値:0.4 g/kWh(=WHTCモード)は、第八次答申のNOx挑戦目 標:0.23 g/kWh(=JE05モード)と同等のレベルである」との答申について、「概ね 妥当な水準といえる」とする(独)交通安全環境研究所の鈴木央一氏の主張は、 エンジンの高負荷の領域での尿素SCR触媒のNOx削減が十分に機能しないよう に制御した「排出ガス制御の無効化」を採用した違法・脱法制御のCエンジンにお けるWHTCモードでの高いNOx排出値が根拠のとなっているのは明らかである。 「排出ガス制御の無効化」を採用した違法・脱法制御のCエンジンのNOx排出値を 提示してNOx許容限度目標値:0.4 g/kWh(=WHTCモード)は、第八次答申のNO x挑戦目標:0.23 g/kWh(=JE05モード)と同等のレベルである」こと実証したとの (独)交通安全環境研究所の鈴木央一氏の論文発表は、ディーゼル重量車の 2016年NOx=0.4 g/kWhが不当なNOx規制の緩和であることを隠蔽するための 姑息な行為と考えられる。

前述の通り、NOx規制については、環境省の中央環境審議会は、2005年4月の第八次答申には、ディーゼル重量車
について、0.7 g/kWhの 1/3程度(= 0.23 g/kWh)のNOxの挑戦目標が示されている。したがって、ポスト排出ガス規
制に続く2009年にNOx規制強化は、当然、このNOxの挑戦目標である 0.23 g/kWhになると多くの人が予想してい
た。しかし、中央環境審議会の第十次答申(2010年7月28日に環境省に答申)では、2016年にディーゼル重量車(7.5ト
ン超えの新型車)の「第十次答申の許容限度目標値(平均値)= 0.4 g/kWh」(=ホットスタート+コールドスターの
WHTCモード試験)の実施が答申された。しかしながら、ディーゼル重量車2016年NOx規制の0.4g/kWhは、不当な緩和
の欠陥規制に詳述しているように、日本のディーゼル重量車のNOx規制は、近い将来には、第八次答申のNOx挑戦目
標と同等のNOx=0.23 g/kWh(=WHTCモード)のレベルに強化すべきことは明らかである。

 一方、大型トラックのNOxを削減する技術として、筆者のホームページでは、4年前から気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)を熱心に提案してきたのである。この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、J
E05モード排出ガス試験においてエンジンでの運転頻度の高いアクセルペダル踏込み量Accelが50%近傍やそれ以
下のエンジン運転領域では、尿素SCR触媒の活性化による大幅なNOx削減を可能にする機能があるため、JE05モ
ード排出ガス試験での 0.23 g/kWhのNOxレベルは、余裕で適合できる筈であった。勿論、2016年に実施予定の次期
NOx規制に採用される新しい世界統一試験サイクルであるWHTC(World Harmonized Transient Cycle)に変更されて
も、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、2005年4月の第八次答申の 0.7 g/kWhの 1/3程
度(= 0.23 g/kWh)のNOxの削減目標が達成できることは間違いないと考えている。
る。

 また、大型トラックに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、都市内走行モード(JE05モー
ド)と都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の両モードの燃費が従来のエンジンに比べて大幅に改善
できるため、重量車モード燃費が従来のエンジンの場合に比べて5〜10%も削減できる機能がある。したがって、大
型トラックに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用することによっては、重量車モード燃費の5%の改善はそ
れほどの長い開発期間を設けなくても容易に実現できるのである。

 したがって、2016年に実施が予定されている「NOx規制値= 0.4 g/kWh(WHTCモード)のNOx規制強化」とは別に、近
い将来において、仮に大型トラックに「NOx基準 = 0.23 g/kWh(WHTCモード)」と「2015年度重量車燃費基準の+1
%程度を向上」を求めた表10の新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」の施策を政府(環境省と国土交
通省)が実施した場合には、この低NOx・低燃費の基準に大型トラックを適合させるためには、各トラックメーカは大型
トラックの燃費改善とNOx削減に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の研究開発を実施し、この技術を採
用した大型トラックを早急に実用化することが必要である。これによって、わが国の大型トラック分野における「NOxの
削減」、「CO2の削減」および「省エネルギー化」が飛躍的に進展すると考えられる。このことは、省エネルギーやCO2
削減を求める国民の願いを実現することができると共に、トラックユーザにとっては、今後は燃費が改善された大型トラ
ックを購入することによって、運行燃費の改善が実現できることになる。したがって、今後、政府環境省と国土交通
省)が早期に表4の新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」を政府施行した場合には、政府が国民のため
の仕事を立派に果たしているとして、国民全体から、大いに感謝され、称賛されることは間違いない。この表10に示し
た新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」については、政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガス基準
を早期に設定せよ!に詳述しているので、興味のある方は、是非とも御覧いただきたい。

表10 大型トラックの低NOxと低燃費を実現するための新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」
(筆者の個人的な提案)
名 称
NOxと燃費の削減 レベル
@
低NOxの基準
(2016年の次のNOx規制強化)
低NOx基準 = 0.23 g/kWh
2016年の次期NOx規制値の約 43 % 減)
A
低燃費の基準
(2015年度重量車燃費基準の次の燃費基準)
2015年度重量車モード燃費基準から+10%程度の向上


 余談ではあるが、環境省は、中央環境審議会の2005年4月の第八次答申に示された 0.7 g/kWhの 1/3程度(= 0.23 
g/kWh)のNOx挑戦目標を早期にNOx規制値として施行することについて、徳川家康の「鳴かぬなら鳴くまで待とうホト
トギス」のように、各トラックメーカが気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)において尿素SCR触媒での必要・十分
なNOxの削減ができることを自主的に確認できる時期まで気長に待つ方針であれば、NOx挑戦目標をNOx規制値に
できる時期は遥か将来に遅れることになると思われる。これに対し、豊臣秀吉の「泣かぬなら鳴かせてみせようホトトギ
ス」のように、環境省が各トラックメーカに対し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)において尿素SCR触媒での
必要・十分なNOxの削減ができることを半ば強制的に確認させることを行えば、0.7 g/kWhの 1/3程度(= 0.23 g/kWh)
のNOx挑戦目標をNOx規制値にすることについては、トラックメーカを含む自動車業界は表立った反対ができないこと
になる。その結果、早い時期にNOx挑戦目標をNOx規制値として施行できるだろう。それによって、わが国の更なる大
気環境の改善を大きく推進ができるもの思っている。

 ところが、現在の日本の状況は、現時点で十分なNOx削減と燃費削減の技術を開発できていないトラックメーカの技
術力の不足に対し、環境省や国土交通省が温情的な処置を講じているようである。しかし、このような環境省や国土交
通省のトラックメーカに優しいNOx = 0.4 g/kWhの2016年の緩い規制は、トラックメーカのNOxと燃費を削減する技術
開発の取り組みに怠慢を生じさせる原因に繋がり兼ねないのではないだろうか。これによって、トラック業界におけるN
Ox削減およびCO2と燃費削減の技術開発を遅らせ、将来的には日本のトラック産業の技術開発の衰退の原因となる
可能性も否定できない。したがって、トラックメーカに対する環境省や国土交通省の今回のような温情の処置は、必ず
しも日本の産業発展に貢献すことにならないことを肝に銘じるべきではないだろうか。したがって、将来の日本の発展
を考えるならば、環境省や国土交通省は合理的な範囲でのNOxと燃費の厳しい規制を設定すべきではないかと考え
られる。

 このような、環境省や国土交通省がNOxと燃費の緩い規制を設定することは、今後とも各トラックメーカが+10%程
度の重量車モード燃費の改善と0.23 g/kWhまでの大幅なNOx削減を両方を実現できる一挙両得の気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の技術を頑なに無視し続ける可能性も十分に考えられる。このような、気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)の技術開発の開始を先送るトラックメーカの行為は、我が国における大型トラック分野のNOxとC
O2削減による大気環境の改善や省資源・省エネルギーの推進に関し、大きな遅れを生じさせるものと考えられる。

 それとも、多数の専門家を抱えたトラックメーカでは、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術における
致命的な欠陥を見つけ出して実用不可の技術と見做しているのであろうか。そして、この技術を素人アイデアとして捨
て去っているのであろうか。そもそも、筆者が乏しいエンジン知識しか備わっていない単なる「ルーピー(馬鹿・間抜け)」
であるため、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の致命的な欠陥を見出せていないため、技術的に頓珍漢な提
案を行っているだけであろうか。

 一方、それにしては、最近、エンジンのダウンサイジング化による燃費削減を声高に宣伝するエンジン専門家が多
い。しかし、筆者が提案している2ターボ方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、アクセル踏込み量が
50%以下での気筒休止の運転領域では、モータリング損失(フリクション損失)は変わらないものの、排気損失と冷却
損失の削減に加えてサイクル効率の向上ができるため、大幅な燃費削減ができるエンジンダウンサイジングで運転で
きる技術である。そのような技術であるにもかかわらず、多くのトラック用エンジンの専門家から気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)が黙殺されるのは、何とも不思議な話である。

 現在、気筒休止システムは、ホンダ等の数社の乗用車では既に実用化され、燃費削減に大きな効果をあげていると
のことである。そして、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化の12-2項に詳細に記載したように、自動車メー
カーと部品会社が出資し、トラックメーカ4社(日野、いすゞ、UD、三菱ふそう)から研究者が派遣されている研究専門の
組織である叶Vエィシーイーは、2004年に気筒休止エンジンにおける燃費低減の効果の確認を済ませているとの伝聞
情報もある。しかし、叶Vエィシーイーは気筒休止の試験終了後、5年以上も経過しているにもかかわらず、未だに
表されていないのだ。そのため、試験された気筒休止のシステムが「シングルターボ方式」か、若しくは「2ターボ過給機
方式(特許公開2005-54771)」の何れかは不明だ。試験結果の発表の有無にかかわらず、叶Vエィシーイーにて気筒
休止エンジンでの燃費低減の効果が既に確認されているとの情報を考えると、筆者が提案している気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)には、致命的な欠陥は何も無いと考えて良いのではないだろうか。

8.燃費とNOxの更なる削減が課題の大型トラック用ディーゼルエンジン

8−1.NEDOの「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」では、燃費悪化の大失敗

 ディーゼルエンジンの燃費削減については、多方面で研究が実施されているが、未だ、目に見えた成果が得られて
いないことは事実である。最近、実施された燃費とNOx削減の研究として有名なプロジェクトは、図10に示した新エネ
ルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の革新的次世代低公害車総合技術開発(クリーンディーゼルプロジェクト、
2004〜2009年)であり、8億6千5百万円の予算で実施された「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」の大型プロ
ジェクトである。この研究開発では、3段過給システムと300MPaの超高圧燃料噴射による高平均有効圧化、お
よびカムレスシステムを組み込んで「PCI燃焼」(HCCI燃焼とも云う)の領域を拡大し、これによって、NOxを新
長期排出ガス規制(2005年規制)の1/3低減しつつ、燃費を現状から10%改善する目標が掲げられた。
論、このようなエンジン仕様は、エンジンのコスト増加や重量増加を全く考慮しないで将来の実用化を無視した上での
準技術的な可能性を追及する研究開発であったためと考えられる。そして、この研究開発には当初より8億円以上の
膨大な予算が検討されていていたことから、この研究開発が開始された2004年当時、「PCI燃焼」の信者は、ディーゼ
ルのNOx削減と燃費削減の課題が一挙に解決できると期待されていたものと考えられる。



図10 革新的次世代低公害車総合技術開発の「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」の仕様
(出典:http://app3.infoc.nedo.go.jp/gyouji/events/FK/rd/2008/nedoevent.2009-02-16.5786478868/shiryo.pdf

  ところが、8億円以上の膨大な予算を注ぎ込んで鳴り物入りで実施された「超高度燃焼制御エンジシステムの研究
開発」の研究開発は、肝心の燃費削減については惨憺たる結果で終わってしまったようだ。その証拠としては、これま
での多くのNEDOの研究開発の例と異なり、この研究開発では当初の目標と最終結果との燃費削減が余りにも乖離し
過ぎているからである。この研究開発では、10%の大幅な燃費削減の目標を掲げながら、最終結果では、現状よりも
燃費が2%も悪化してしまったのである。

 このように、この研究開発の実際の最終結果は、以下の図11に示したように、NOxは目標を達成したが、現
在の省エネルギー・省資源・低CO2の時代に求められている肝心要の燃費削減は目標の10%削減には全く及
ばず、2015年度重量車燃費基準に対して2%の悪化となってしまったのである。現行の大型トラックが2015年度
重量車燃費基準に適合していることから、「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」における2015年度重量車燃
費基準に対して2%の燃費悪化は、この研究開発が見事なまでの大失敗に終わったと云えるのではないだろうか。



図11 「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」の最終結果におけるー2%の燃費悪化
(出典:http://app3.infoc.nedo.go.jp/gyouji/events/FK/rd/2008/nedoevent.2009-02-16.5786478868/shiryo.pdf) 

 この「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」の研究開発では、10リットルのエンジンで従来の13リットルのエ
ンジンの標準レベルの出力を得るために必要となる吸入空気量を確保することは勿論であるが、更に高い空気過剰
率での運転を可能にしてPMの削減とNOx削減の切り札であるPCI燃焼」の運転領域を拡大するために3段過給システ
ムが採用されたようだ。この3段過給システムでは、給気量は増加できるが、総合効率の実力が70%以下と見られる
ターボ過給機を3台も連結して過給する場合には、ポンピング損失を増加させるは明らかである。この3段過給システ
ムでは、従来の単段の過給ディーゼルエンジンよりも燃費が悪化してしまう原因になることは、容易に予想できることで
ある。また、この研究開発では、少しでもPM削減を図るためと燃焼改善を期待し、300MPaの超高圧燃料噴射が採用
されたと考えられる。

 しかし、燃料の高圧噴射では、噴射系の駆動損失による燃費悪化よりも燃焼改善による燃費削減が少ない場合は、
エンジン燃費の悪化の要因となることは、ディーゼルエンジンの開発経験者であれば誰でも熟知していることである。こ
のように、「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」の研究開発は、計画段階においてNOxの削減とPMの削減が
実現することに期待することには何の異論も見当たらない。しかし、この研究開発の燃費については、燃費削減が不
確定要因の燃焼改善に期待するだけである。これに対し、総合効率の実力が70%以下?と見られるターボ過給機を3
台も連結した場合のポンピング損失の増加や、300MPaの超高圧燃料噴射の駆動損失の増加によって燃費が著しくの
悪化する可能性は、この研究開発の計画の初期から予想されていたように思われるのである。したがって、「超高度燃
焼制御エンジシステムの研究開発」の研究開発の当初目標として燃費の10%改善するとしたことは、単なる予算を獲
得するための口三味線であったように、筆者には思えるのだ。
 
 そして、この研究開発の実際の結果は、図15に示したように、NOxとPMは削減できたが、燃費は2015年度重量車燃
費基準2%の悪化となってしまったとのことである。このような、「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」における
PCI燃焼を含めた燃焼改善での燃費削減が不成功に終わった例を見ると、他のディーゼル燃焼の改善によって燃費
削減を実現することは、極めて困難であると、誰でも簡単に予想できるのではないだろうか。前述のように、自動車技
術会発行の「自動車技術」誌Vol.64、No.1、2010(2010年1月1日発行)の飯田訓正 慶応の大教授 他3名著の「ディー
ゼルエンジンこの10年」にはディーゼルエンジンのCO2削減(=燃費削減)が「大きな挑戦課題」と断定し、燃焼改善
によるディーゼルエンジンの燃費削減が「技術的に八方塞がりの状況」との趣旨が記載されているのは、このNEDOの
「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」(2004〜2009年)での燃費悪化の研究結果を踏まえての記述とも考えら
れる。

8−2.PCI(=HCCI)燃焼の唯一の特長・効果は、JE05モードでの1%程度の燃費改善

 近年、ディーゼルエンジンの分野で新しく登場した「PCI 燃焼(Premixed. Compression Ignition combustion燃焼:予混
合圧縮着火燃焼)は、「HCCI 燃焼(Homogeneous-Charge Compression Ignitionnen燃焼:予混合圧縮着火燃焼)」とも
称せられ、革新的な燃焼としてこれまで注目を集めてきた技術である。PCI (=HCCI) 燃焼は、10年以上も前から自動
車メーカ・研究機関・大学等で盛んに研究開発が実施されてきた技術だ。数年前に酒席で現役のディーゼルエンジン
技術者から「現在のディーゼル燃焼研究はPCI (=HCCI) 燃焼が主流であり、大昔にディーゼルエンジンの研究開発を
退いた筆者にはPCI (=HCCI) 燃焼の開発経験が無いためにエンジン技術屋の骨董品(=過去の人)」と言われ、時代
の流れを感じたものだ。そのPCI (=HCCI) 燃焼に関する興味深い研究論文が、(社)自動車技術会の「自動車技術
Vol. 65、No. 3、2011」に掲載の「ディーゼルエンジンにおけるPCI燃焼適用時のエンジン制御技術」(2011年3月1日発
行、著者:中山真治、田邊圭樹 [三菱ふそうトラック・バス馨)だ。

 この「自動車技術」誌の三菱ふそうの論文には、図12に示した「燃料噴射時期とEGR率の調整する通常燃焼のJE0
5モードの燃費」と「通常燃焼とPCI 燃焼を組合せたJE05モードの燃費」の比較図がされていた。この図12によると、
NOx値(JE05モード)= 2.0 g/kWh では、通常燃焼とPCI 燃焼の燃費は同等であるが、NOx値(JE05モード)= 1.0 g/
kWh では、PCI 燃焼の燃費は通常燃焼よりも1%の削減ができるとのことだ。これについて、本論文では「PCI 燃焼を
適用した結果、NOxレベルが 1.5 g/kWh 以下の低NOx側では、1%低燃費が得られた」とし、「PCI 燃焼の適用は、NO
xレベルが低い場合には燃費改善の可能性がある」と誇らしげに記載されている。



図12 NOx値(JE05モード)に対する通常燃焼とPCI 燃焼のJEの05モード燃費の比較
(出典:「自動車技術 Vol. 65、No. 3、2011」の「ディーゼルエンジンにおけるPCI燃焼適用時のエンジン制御技術」(三菱ふそうトラック・バス梶j

 本論文では、「1.0 g/kWh =NOx値(JE05モード)において、通常燃焼に比較してPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の燃費が
1%の削減」との試験データを根拠に、「PCI 燃焼は、NOxレベルが低い場合には燃費改善の可能性がある」と結論づ
けられている。この結論について筆者は、少々、疑問に感じられるのである。元エンジン技術屋の筆者は、昔の経験か
ら、試験時の燃料性状や気象条件等の変動によってエンジン燃費の測定値が1%程度の測定誤差を生じるものと認
識している。したがって、1%程度のエンジンの燃費改善は、測定誤差の範囲内のように思えるのだ。そのため、この
論文では、「NOxレベル=1.0 g/kWh (JE05モード)の低い場合でもPCI 燃焼によるJE05モードの燃費改善は余り期
待できない」と記載するのが適切なように考えている。なお、このPCI (=HCCI) 燃焼は、前述の低燃費と低NOxのディ
ーゼルエンジンの目的としたNEDOのクリーンディーゼルプロジェクト[2004〜2009年]にも組み込まれた研究開発を実
施され、その結果報告では図11に示したように2015年度重量車モード燃費基準に比べて2%の燃費が悪化したと記
載(出典:http://app3.infoc.nedo.go.jp/gyouji/events/FK/rd/2008/nedoevent.2009-02-16.5786478868/shiryo.pdf)さ
れている。したがって、この報告からも、PCI (=HCCI) 燃焼は、ディーゼルエンジンの燃費向上に寄与できない技術で
あることが容易に推測される。

 もっとも、最近の三菱ふそうでは、気象条件や燃料性状が変動した場合でも1%の燃費測定の有意差を正確に計測
できる高精度のエンジン燃費測定の技術や試験設備を完備されているのだろう。そして、エンジン燃費を高精度に測
定できる技術的なバックグランドがあることからこそ、三菱ふそうは、NOx値= 1.0 g/kWh においてPCI 燃焼の燃費が
通常燃焼よりも1%の削減をできる試験データを発表しているものと考えられる。しかし、この試験データの見方を変え
て客観的に評価すると、PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の技術では、NOx値= 1.0 g/kWh においてPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の
燃費(JE05モード)は通常燃焼に比べて僅かに1%程度しか向上できていないと言えるのである。このことから、PCI
燃焼(=HCCI 燃焼)では、測定誤差と思しき燃費向上の特長・効果しかないと断定することができるのだ。

 このように、「自動車技術 Vol. 65、No. 3、2011」に掲載されている三菱ふそうトラック・バス鰍フPCI 燃焼(=HCCI 燃
焼)に関する論文を見ると、PCI 燃焼では、僅か1%程度のエンジン燃費改善(JE05モード)に過ぎず、この1%程度
のエンジン燃費改善(JE05モード)がPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の唯一の効果・特長のようだ。この論文を一読されたエ
ンジン技術者・学者であれば、ディーゼルエンジンの燃費向上技術の一つにPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)を加えることにつ
いては、恥ずかしくて躊躇されるのではないだろうか。そして、これまで「PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)こそがディーゼルの究
極の燃焼」と絶賛されていた多くのディーゼル関係の学者や技術者の御意見を伺ってみたいものだ。

 少し以前のことではあるが、酒席の場で現役ディーゼル技術者から「遠い昔に退職した筆者のようなディーゼル屋
は、PCI (=HCCI) 燃焼の開発経験が無いために、既に骨董品(=過去の人)だ」との指摘を受けたことがある。そし
て、常に不安定な着火問題が伴うPCI (=HCCI) 燃焼がディーゼルの飛躍的な発展に寄与する最先端技術と心酔して
いる現役ディーゼル技術者について、筆者は「このディーゼルエンジン技術者の幼稚さ」を感じたものだ。

 さて、本論文では、NOx値= 1.0 g/kWh におけるPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の僅か1%程度の燃費削減を根拠にし、
「5.まとめ」では、「使用環境や仕向地の燃料性状の変化に応じられるようにエンジン制御が最適化できれば、PCI 燃
焼(=HCCI 燃焼)の実用化も間近である」と記載されている。これらのことから、三菱ふそうは、PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)
が実用化できると本気で考え、PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)を将来のディーゼルエンジンの燃費削減の重要な技術と位置
づけているように感じるのは、筆者だけであろうか。

 ところで、詳細は省くが、PCI 燃焼は軽油のセタン価のような燃料性状や大気条件に大きく影響される特性がある。
そのため、この技術を大型トラック・トラクタに採用した場合には、厳密に言えば市場での実用走行においては問題が
発生するのではないかと云われている。仮に、三菱ふそうが僅か1%程度の燃費削減にために大型トラック・トラクタに
燃焼の不安定なPCI (=HCCI) 燃焼の技術を採用した場合には、多くの大型トラック・トラクタは故障を起こすリスクを冒
すことになると予想される。三菱ふそうが故障リスクを冒してでもPCI (=HCCI) 燃焼の技術を大型トラック・トラクタに採
用する理由を挙げれば、JE05モードの燃費を僅か1%程度しか向上できないPCI (=HCCI) 燃焼以外に、三菱ふそう
がディーゼルエンジンの燃費削減に有効な技術を何も見出していないためとも考えられる。

 因みにPCI (=HCCI) 燃焼は主に「燃料噴射時期を通常燃焼の場合よりも大幅に進角させる」だけで可能であるた
め、PCI (=HCCI) 燃焼に不適な燃料性状や大気条件の際には、緊急避難と称し、PCI (=HCCI) 燃焼のエンジン運転
領域であっても、即座に通常燃焼の燃料噴射時期を遅角させてPCI (=HCCI) 燃焼の不具合を解消することが可能で
ある。このように、本来のPCI (=HCCI) 燃焼のエンジン運転領域を通常燃焼の制御に切り替えた場合には、「若干の
NOx増加」と「1%程度の重量車モード燃費の増加」を招くが、PCI (=HCCI) 燃焼に不適な燃料性状や大気条件の状況
でも大型トラック・トラクタを通常燃焼で円滑に走行させることができるのだ。

 このように、PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)のディーゼルエンジンでは、PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)に不適な燃料性状や大気条
件ではPCI (=HCCI) 燃焼のエンジン運転領域を通常燃焼の制御で運転する緊急避難の制御をプログラムに組み込
み、必要に応じて自由自在に通常燃焼の制御でエンジンを運転することが可能だ。したがって、PCI (=HCCI) 燃焼エン
ジンとして国土交通省のエンジン審査を受けて、「ポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)の適合」と「1%程度の重
量車モード燃費の向上」の仕様書の大型トラック・トラクタとして国土交通省の認可を得た後、大型トラック・トラクタの市
場での多くの実走行時には通常燃焼で円滑に走行させるようにするようにエンジンを制御することも可能と考えられ
る。仮に、トラックメーカがPCI (=HCCI) 燃焼の技術を大型トラック・トラックに採用する際に、このような姑息なエンジン
制御を採用した場合には、一般の市民から厳しく指弾されることは明らかだ。したがって、トラックメーカが大型トラック・
トラクタにPCI (=HCCI) 燃焼の技術を採用する場合には、緊急避難の名目で本来のPCI (=HCCI) 燃焼のエンジン運
転領域を通常燃焼の制御に頻繁に切り替える制御を避けざるを得ないため、PCI (=HCCI) 燃焼の技術を実用化する
ことは難しいのではないかと考えられる。

 なお、前述の表9に示したように、三菱ふそうではポスト新長期規制(2009年規制)に適合した大型トラック・トラクタの
13%の車種が2015年度重量車燃費基準に不適合に陥っているのが現状だ。その三菱ふそうが「自動車技術」誌の
論文では、「NOx値= 1.0 g/kWh においてPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の燃費(JE05モード)は通常燃焼に比べて僅かに
1%程度しか向上できていない」と発表すると同時に、「PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の実用化も間近である」と記載されてい
るのだ。そのため、三菱ふそうは、大型トラック・トラクタの燃費改善のために、E05モードの燃費を僅か1%程度の測
定誤差程度の燃費しか向上できないPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の技術を採用しようとしている様子が伺える。このことか
ら判断すると、三菱ふそうは、大型トラック・トラクタの燃費を十分に向上できる技術が全く開発できていないのではない
だろうか。

 このように、大型トラック・トラクタの燃費向上の技術に窮している三菱ふそうは、このPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の技術
を大型トラック・トラクタに採用せざるを得ない立場に追い込まれている可能性も十分に考えられる。勿論、他のトラック
メーカからも、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)と同等レベルの燃費やNOxが削減できるような技術は何も発
表されていない。これらのことから、三菱ふそうと同様、他のトラックメーカでもディーゼルのエンジンの十分な燃費向上
を実現できる技術の開発に成功していないことは、明らかだ。そのため、表14に示しているように他のトラックメーカも
大型トラック・トラクタの多くの車種が2015年度重量車燃費基準に不適合の状況である。

 そして、最近の自動車技術会や日本機械学会の講演会や論文集での発表内容を見ても、燃費とNOxの両方を十分
に削減できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)に匹敵する技術に、筆者は遭遇したことがない。燃費とNOxの
分に削減に関し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)と同等か、若しくはこの技術を凌駕する技術を御存じの場
合には、是非ともお教え頂きたいと思っている。現時点では、大学・研究機関・トラックメーカの何れにおいても、十分な
燃費向上を実現する技術が開発できていないため、全ての車種の大型トラック・トラクタを2015年度重量車燃費基準
に適合させることができないようだ。端的に言えば、大型トラック・トラクタの燃費削減が技術的に手詰まりの状況に陥
っているのではないだろうか。

 そして、最近の自動車技術会や日本機械学会の講演会や論文集を見ても、燃費とNOxの両方を十分に削減できる
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)に匹敵する技術に筆者は遭遇したことがない。燃費とNOxの分に削減に関
し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)と同等か、若しくはこの技術を凌駕する技術を御存じの場合には、是非
ともお教え頂きたいと思っている。このように、大学・研究機関・トラックメーカの何れにおいても、十分な燃費向上を実
現する技術が開発できていないため、全ての車種の大型トラック・トラクタを2015年度重量車燃費基準に適合させる
ことができないのが現状のようだ。端的に言えば、大型トラック・トラクタの燃費削減が技術的に手詰まりの状況に陥っ
ているのではないだろうか。

 現在、2015年度重量車燃費基準に不適合の車種を数多く抱えている各トラックメーカの技術者は、少しのコスト高
を伴うために、5〜10%の燃費を向上してNOxも十分に改善できる気筒休止ディーゼルエンジン(特許公開2005-
54771)を頑なに無視している。その一方で、1%程度の燃費しか改善できないPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)を用いて2015
年度重量車燃費基準よりも重量車モード燃費値が最大で5%程度も劣る大型トラック・トラクタの車種を2015年度重
量車燃費基準に適合させようとしているのだ。このようなPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の技術を崇拝する各トラックメーカの
技術者の様子を見ていると、「戦争中の精神論で敵を倒す思想」である竹槍(=PCI 燃焼=HCCI 燃焼)を使って敵の
戦車(=2015年度重量車燃費基準)を撃退(=燃費基準の達成)する考え方に似ている。このような精神論では敵の
戦車(=2015年度重量車燃費基準)を撃退(=燃費基準の達成)することが困難なことは明らかだ。そこで、対戦車
ロケット(気筒休止ディーゼルエンジン[特許公開2005-54771]の技術)を発射(=大型トラック・トラクタに採用)して敵の
戦車(=2015年度重量車燃費基準)を撃退(=燃費基準の達成)が実現できるのである。このようなことは戦争(=大
型トラックの燃費向上)では常識ではないだろうか。低コストの竹槍(=PCI 燃焼=HCCI 燃焼)で敵の戦車(=2015年
度重量車燃費基準)を撃退(=燃費基準の達成)することができると考えるのは、全く馬鹿としか言いようがない。

 したがって、2015年度重量車燃費基準に不適合の大型トラック・トラクタの車種を2015年度重量車燃費基準に適
合させるためには、若干のコストアップを伴うが、重量車モード燃費値を5〜10%も改善できる気筒休止ディーゼルエ
ンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用することが最適であることは、常識的に考えれば明らかなことだ。しかし、
各トラックメーカの技術者は、低コストであるが故にPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)の技術で大型トラック・トラクタの2015年
度重量車燃費基準に不適合の車種をこの基準に適合させたいようであるが、所詮、無理ではないだろうか。誠に滑稽
な話ではあるが、各トラックメーカの技術者は、新興宗教の信者のように「PCI 燃焼(=HCCI 燃焼)教」を盲信している
のであろう。何はともあれ、各トラックメーカの多くの技術者が不安定な着火を伴うPCI 燃焼(=HCCI 燃焼)を「革新的な
未来の燃焼技術」と信じて疑わないところは、愚の骨頂であり、救い難いことだ。

8−3 AVLの講演でも燃費改善の具体的な提案は無し(自動車技術会2010年春季大会)

 自動車技術会の「2010年人とくるまのテクノロジー展」(2010年5月19〜21)で世界的な研究機関であるAVL(オースト
リア)のヘルムート・リスト会長が講演し、ディーゼルエンジンの燃費向上には、「コンピュータ設計技術をうまく使う」との
説明を追加して「フリクションロス(摩擦損失)の低減」と「シリンダー内の燃焼改善」のエンジン工学の教科書に記載さ
れている二つの技術項目によって25%の効率向上が可能と発表しているが、具体的な技術内容は何も示していないよ
うだ。これは、世界的な研究機関のAVLが具体的な技術内容を何も示さずに、ディーゼルエンジンの効率向上の単な
る希望を述べているに過ぎないのだ。AVLは全く寂しい内容の講演を行ったものだ。

 また、AVLは、具体的なディーゼルの効率向上の方法として「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーターを付け
ることで、6 - 7%ほど効率を上乗せできる」と発表しているが、これはディーゼルエンジンの排気ガスの熱エネルギー
をランキンサイクル、排気ガスタービンまたはスターリングエンジン等で動力に変換し、この動力で発電機を駆動して電
気エネルギーを回収する装置を付加したものと考えられる。この「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」は、
火力発電所や大型船舶ではディーゼルエンジンが定格出力で運転されるために常に高温の排気ガスを排出するため
に高い効率で稼働できるため、既に火力発電所や大型船舶において広く普及している装置である。しかし、大型ディー
ゼルトラックは常にエンジン出力が変動する上に部分負荷の運転で低い排気ガス温度となることが多いため、大型トラ
ックに「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」を搭載した場合には効率が著しく劣ってしまうことになる。その
ため、大型トラックにこのコンバーターを搭載しても十分な燃費の向上は難しい。したがって、AVLがこのコンバーター
の搭載によって大型トラック用ディーゼルエンジンの効率を6 - 7%ほど改善できるとの講演での発表は、大きな誤りで
はないだろうか。 

 このAVLが推奨する「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」は、大型ラックの走行で多用されるディーゼル
ディーゼルエンジンの部分負荷運転時には排気ガス温度が低く、排気ガスの熱を電気エネルギーに変える際の効率
が劣る欠点がある。この欠点(=欠陥)を改善するためには、ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の排気ガス温度
を高温化する新たな技術を追加することが必要である。したがって、AVLの提案のように、「排気熱を電気エネルギー
に変えるコンバーター」を単に大型トラックに搭載しただけでは、大型トラックの十分な燃費向上は望めないのである。
仮にAVLが大型トラックの燃費向上のために「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」を大型トラックに搭載す
ることを提案したいのであれば、大型ラックの走行で多用されるディーゼルディーゼルエンジンの部分負荷運転時に排
気ガス温度を高温化する技術を最初に提案すべきではないかと考えられる。ディーゼルエンジンの部分負荷運転時に
排気ガス温度を高温化できる技術を何も提示しないで「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」を大型トラック
に搭載するとのAVLの講演での提案は、筆者には愚の骨頂と思えるのだ。AVLがこのような講演発表をしているところ
を見ると、ディーゼルエンジンの燃費向上についてはAVLも技術アイデアが枯渇し、大きな壁に突き当たっているように
考えられる。そして、そのようなAVLに多くのトラックメーカが大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費向上のコンサル
ティングを飽きもせずに受けている現状を考えると、今後の大型トラックには燃費向上に大きな期待ができないと考え
るのが妥当ではないだろうか。

 このAVL推奨の「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」が大型トラック用として実用に耐えうる高い効率で
稼働できるようにするためには、気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上に詳述してい
るように、大型ラックの走行で多用されるディーゼルディーゼルエンジンの部分負荷運転時での排気ガス温度の高温
化を図ることが必要である。その方法として、このコンバータを採用する場合には、筆者提案の気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)の特許技術を用いるこが必須と考えている。逆な言い方をすれば、AVL推奨の排気熱を電気エネ
ルギーに変えるコンバーターのシステムに筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を用いな
い場合には、効率の向上が望めないのである。そのため、AVLが提案する「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバ
ーター」のシステムでは、重量車モード燃費の向上が十分でなく、実用性に欠けた技術と考えられる。ディーゼルエンジ
ンの熱効率の向上を図る技術として、AVLがこの「コンバーターのシステムを提案したいのであれば、ディーゼルエンジ
ンの部分負荷運転時の排気ガス温度を高温化する技術である筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術の採用も同時に提案すべきである。

 因みに、AVLは「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」ではディーゼルエンジンの排気ガスからエネルギー
を回収して6 - 7%(重量車モード燃費?)の効率を上乗せするとの発表を行っているが、このAVL提案のコンバーター
が稼働した際の効率は極めて低いと予想されるため、このコンバーターを大型トラックに搭載した場合には、実際に大
型トラックの重量車モード燃費で6 - 7%ほどの燃費を上乗せすることは極めて難しいものと考えられる。これについて
は、AVLは無責任な効率向上の数値を発表をしているのではないかと感じている。

 また、AVLがこの講演で提案しているもう一つの効率向上の技術がエンジンダウンサイジングである。このエンジンダ
ウンサイジングは、古くから良く知られた燃費向上の技術であり、大型ディーゼルトラックのメーカがこれまで競って開
発を実施してきた技術であるため、技術的には何の目新しさも無い燃費向上の手法である。

 以上のように、世界的な研究機関であるAVLの2010年5月の講演での提案は、ディーゼルエンジンの効率向上につ
いては古典的な既知の技術に限られており、技術的な目新しさは無い。そして、大型トラックの燃費向上に実際に役立
ちそうな新しい技術が何一つ見当たらないのである。それにもかかわらず、現在、日本の多くのトラックメーカが有償で
AVLからディーゼルエンジン等の技術コンサルティングを受けているようであるが、AVLのコンサルティングによって大
型トラックの燃費が十分に向上できる可能性は、殆んど無いものと考えて良いのではないだろうか。

8−4.自動車技術誌で遭遇した最近のディーゼル研究の疑問点

8−4ー(a) 自動車技術誌2010年1月号(Vol.64、N0.1、2010)の記載論文の疑問点

 自動車技術会発行の「自動車技術」誌Vol.64、No.1、2010(2010年1月1日発行)の飯田訓正 慶応大教授 他3名著
の「ディーゼルエンジンこの10年」にはディーゼルエンジンのCO2削減(=燃費削減)が「大きな挑戦課題」と断定し、こ
の「課題達成」には「従来のディーゼルエンジンの要素システムに加え、燃料、燃焼、触媒の研究、システム制御の統
合化技術が求められている」と記載されている。これを端的に著わすと、ディーゼルエンジンの燃費削減(=CO2削
減)は、「技術的に八方塞がりの状況」にあること述べたものと考えられる。このことから、飯田訓正 慶応大教授 
他3名著も、この10年間にディーゼルエンジンの燃焼改善による燃費削減(=CO2削減)に有効な技術開発に大きな
進展が見られなかったと認識されていることが伺える。

 このように、「自動車技術」誌において、2010年1月号の「ディーゼルエンジンこの10年」(著者:飯田訓正 慶応大教
授 他3名)や2010年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:UDトラックス梶@小林信裕氏)に記載されてい
る内容を見ると、2010年の時点では大型トラック用ディーゼルエンジンでは燃焼改善による燃費削減(=CO2削減)に
有効な技術が見出されていないものと考えられる。このことから、大型トラック用ディーゼルエンジンにおける燃費
削減は、現時点では技術的に八方塞がりの状況と言っても過言ではないだろう。しかも、ディーゼルディーゼルエ
ンジンの燃費削減は、このエンジンが誕生して以来、100年以上も営々と改良研究が行なわれてきた開発アイテムであ
る。そのことを考えると、燃焼改善によるディーゼルエンジンの5%程度の燃費削減は、これを近い将来に実現するこ
とが極めて困難なことであるが誰でも容易に想像できることだ。

8−4ー(b) 自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、2010)の特集:年鑑の疑問点

 自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、2010)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:UDトラックス梶@小林信
裕 氏)の「4 研究開発の動向」には、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するための最近の技術動向がまと
められている。この「4 研究開発の動向」には、トラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家がディーゼルエンジン
の排出ガスと燃費を削減するために有効と考えている技術について、まとめられている筈である。この年鑑 「ディーゼ
ルエンジン」の「4 研究開発の動向」に対し、筆者が疑問に感じる内容について、下記の表11-1にまとめた。

表11-1 自動車技術誌2010年8月号「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」についての筆者の疑問
自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、2010)
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」
(著者:UDトラックス梶@小林信裕 氏)
「4 研究開発の動向」についての疑問
 自動車技術誌2010年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」では、今後、ディーゼルエンジンのNOx削減と
エンジン燃費の削減を図るための有効な技術として、トラックメーカや
大学・研究機関の多くの専門家は、以下の技術に期待されているとの
こと。

2段過給
コモンレール(高圧噴射とピエゾインジェクタによる噴射の精密制御)
予混合燃焼(HCCIまたはPCI)

しかし、前述の8-1項で示したように、8億円以上の予算で実施された
NEDOの革新的次世代低公害車総合技術開発(クリーンディーゼル
プロジェクト、2004〜2009年)の「超高度燃焼制御エンジシステムの
研究開発」の大型プロジェクトでは以下の技術を組み込んだ排出ガス
削減と燃費削減の研究開発が実施された。

 3段過給システム(高平均有効圧化)
● 300MPaの超高圧燃料噴射(高平均有効圧化)
● カムレスシステムを組み込んた「PCI燃焼」
  (PCI燃焼=HCCI燃焼)

 このNEDOの大型プロジェクトでは、図15に示したように、NOxは目標
を達成したが、現在の省エネルギー・省資源・低CO2の時代に求められ
ている肝心要の燃費削減は目標の10%削減には全く及ばず、
2015年度重量車燃費基準に対して2%の悪化となってしまった
のである。

 以上のNEDOの大型プロジェクトの試験結果が発表されているにも
かかわらず、左記の自動車技術誌2010年8月号の特集:年鑑 
「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」では、著者のUD
トラックス鰹ャ林信裕氏が「2段過給」、「コモンレールによる超高圧
燃料噴射」および「予混合燃焼(HCCI)」によってディーゼル
エンジンの燃費削減を未だに期待されているように記述されている
ことに違和感を感じている。

 この自動車技術誌2010年8月号の特集:年鑑の著者であるUD
トラックス鰹ャ林信裕氏は、NEDOの大型プロジェクトの試験結果を勘案
すると「2段過給」+「コモンレール(高圧噴射とピエゾインジェクタによる
噴射の精密制御)」+「予混合燃焼(HCCIまたはPCI)」の技術では燃費
削減が困難なことは承知されているのではないだろうか。

 しかしながら、これらの技術以外に大型トラック用ディーゼルエンジンの
燃費削減技術が議論されていないのではないだろうか。つまり、現時点
で燃費削減に有効な技術案が見い出せていないものと推測される。
したがって、この状況を正直に記載すれば、2010年8月号の年鑑は
「研究開発の動向」では大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費が
削減できる技術が「現在のところ不明」と不様な内容の記載となって
しまうのである。

 しかし、幾ら何でも「ディーゼルエンジンの燃費削減技術が不明」とは
記述できないため、著者の小林信裕氏は、不本意ながら大型トラック用
ディーゼルエンジンの燃費削減が期待できる技術として仕方無く「2段
過給」+「コモンレール(高圧噴射とピエゾインジェクタによる噴射の精密
制御)」+「予混合燃焼(HCCIまたはPCI)」を記載をされたのではない
だろうか。

 因みに、「自動車技術」誌の2010年1月号の「ディーゼルエンジンこの
10年」(著者:飯田訓正 慶応大教授 他3名)では大型トラック用
ディーゼルエンジンでは燃焼改善による燃費削減(=CO2削減)が
「挑戦課題」記述され、『大型トラック用ディーゼルエンジンにおける燃費
削減は、現時点では技術的に八方塞がりの状況』の旨が素直に主張
されているのである。これは飯田訓正 慶応大教授は大型トラック用
ディーゼルエンジンにおける燃費削減が極めて困難であるとの見解を
率直に吐露されているのではないかと思っている。

 現在、ポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)に適合の大型トラック・
トラクタでは、後述の表9に示しているように、多くの車種が2015年度
重量車燃費基準に不適合となっているのである。このことから推察
すると、トラックメーカでは大型トラック用ディーゼルエンジンにおいて
実用性の高い燃費削減の技術が開発できていないものと考えられる。

 しかしながら、トラックメーカの技術者である著者の小林信裕氏は、
飯田訓正 慶応大教授のように気軽に、『大型トラック用ディーゼル
エンジンにおける燃費削減は、現時点では技術的に八方塞がり
の状況』の主旨の発言をすることができない立場であることは確かな
ことだ。その理由は、仮に、UDトラックス鰍フ小林信裕氏が『大型
トラック用ディーゼルエンジンの燃費削減の技術が不明』との発言を
行ったとすれば、UDトラックス鰍ヘ、トラックメーカの技術力に対する
トラックユーザから信頼感を喪失してしまうと考えられるためだ。

 このように、大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費削減の技術開発
が手詰まりの状況に陥っている時期に、自動車技術誌2010年8月号の
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の著述を担当されられたUDトラックス
鰍フ小林信裕氏の不幸には、多くの人が同情の念を抱かれている
のではないだろうか。
 一般的に多くのNOx低減の後処理装置において高いNOx削減率を
実現するためには、排気ガス温度を一定レベル以上の高温に維持する
ことである。そのためには、排気ガス温度の低いエンジン低負荷に
おいて排気温度を高温化する装置・手段(アイデア)が必要がある。
そして、この排気温度を高温化する装置・手段をエンジンに搭載し、
この装置・手段を排気ガス温度のフィードバック制御し、一定レベル
以上の高温の排気ガス温度に維持できるようにするのである。
これによって、初めてNOx低減の後処理装置でのNOx削減率が向上
できるのだ。しかし、何らかの排気温度を高温化する装置・手段を用いる
こと無く、「排気温度の精密な制御」だけではNOx低減の後処理装置
でのNOx削減率の向上は極めて困難である。

 ところが、「4 研究開発の動向」の左記の記述にでは、NOx低減の
後処理装置での高いNOx削減率を実現するために、何を制御して
一定レベル以上の高い排気温度に制御するかについて、具体的な
技術内容が何も記載されていないのである。これは、NOx削減の課題
だけが説明されているの過ぎないのである。このようなNOx削減の課題
だけの記述では、研究開発の動向と言えないだろう。

 一般的に云って、左記のように「研究開発の動向」の項に「排気ガス
温度の高温に維持することが必要」との「課題」だけを記載し、その
「課題」を実現させる技術が何も記載されていない場合は、「課題」を
実現する技術(アイデア)が「不明」のためと考えて間違いないと
考えられる。

したがって左記のように「研究開発の動向」の項には「尿素SCR触媒
等によるNOx削減の向上とDPF装置での強制再生の頻度削減
のために必要なエンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化する
技術は、現時点では不明である」と記述すべきではないだろうか。

 さて、自動車技術誌は、査読制度によって記事は精査されていると
聞いている。その年鑑において、「研究開発の動向」と題した項目の中
では、エンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化するための具体的な
技術が何も記載されていないのだ。このことは、著者の小林信裕氏が
排気ガス温度を高温化するための具体的な技術についての公表できる
知見・情報をお持ちでなかったと云うより、トラックメーカや大学・研究
機関の多くの専門家が自動車技術誌の年鑑に明記できるような
「排気ガス温度を高温化する技術の案(アイデア)が無く、技術的に
八方塞がりの状況に陥っている」と考えるのが妥当のように思える
のである。

 一方、筆者は、「ディーゼルエンジン低負荷時に排気ガス温度を
高温化するための技術」として、2ターボ方式の気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)」の技術を提案している。この気筒休止
エンジン(特許公開2005-54771)は、アクセルペダル踏込み量
が50%以下のエンジン運転の領域において半分の気筒を休止
し、これによって、実質的なエンジンのダウンサイジングによって
燃費が削減できる技術だ。この燃費削減と同時に、稼働気筒群
の排気ガス温度を十分に高温化できるため、尿素SCR触媒等の
NOx削減の後処理装置でのNOx削減率が向上でき、DPF装置の
自然再生の促進が可能になるのである。

 この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術は、2006年4月
に開設した筆者のホームページに記載し、既に4年以上も以前から公開
している。しかし、左記の自動車技術誌の年鑑の記述を見る限り、筆者
の提案する気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、完全に無視
されていることが判る

 現時点で排気ガス温度を高温に維持できる技術案を何も保有
していないトラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家が、排気
ガス温度の高温化に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)を頑なに黙殺し、毛嫌いする理由は、一体全体、何なので
あろうか。

 以上のことから、この自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、2010)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研
究開発の動向」に記載された技術内容を見ると、それらの技術によって今後のディーゼルエンジンの低燃費と低NOx
を推進していくことは難しいのではないかと思われる。この「4 研究開発の動向」の記載内容についての疑問点を、表
11−2にまとめた。

表11−2 自動車技術誌2010年8月号特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」の記載の疑問点
自動車技術誌2010年8月号特集:年鑑の「4 研究開発の動向」に記載の内容では、ディーゼルの更なる燃費とNOxの削減が困難な理由
 ディーゼルエンジンの排出ガス規制については、今後、北米での2010のEPA10規制、欧州での2010年代のEuro Y規制、国内での
2016規制が予定されている。これらの排出ガス規制への適合には、多くの自動車メーカや専門家は、過渡運転状態でのEGR率の増加が
必要と考えているようだ。そして、このEGR率の増加によって生じるPM増加の不具合を解消するため、2段過給、およびピエゾ
アクチュエータを用いたコモンレールシステムによる高圧噴射が有効と考えている人が多いようだ。そして予混合燃焼(HCCI or PCI)
によるNOxとPMの削減を期待する人多いと見られる。

 しかし、2004〜2009年に実施されたNEDOの革新的次世代低公害車総合技術開発(クリーンディーゼルプロジェクト、)の「超高度燃焼
制御エンジシステムの研究開発」では、3段過給システム300MPaの超高圧燃料噴射およびカレスシステムを組み込んた「PCI
燃焼」(PCI燃焼=HCCI燃焼)では、燃費削減は目標の10%削減には全く及ばず、2015年度重量車燃費基準に対して2%の悪化
既に確認されているのである。

 このことから、多くの自動車メーカや専門家が将来技術として期待している2段過給コモンレールシステムによる高圧噴射、および
予混合燃焼(HCCI or PCI)は、NOxの削減やPMの増加防止には有効ではあるが、燃費削減には効果が無く、現時点では燃費削減に
有効な技術は見い出せていないようだ。

 そして、尿素SCR触媒等によるNOx削減の向上とDPF装置での強制再生の頻度削減のために必要なエンジン低負荷時に排気
ガス温度を高温化する技術は、現時点では不明と考えられる。

 以上のように、自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、2010)特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発
の動向」に記載されている内容を見ると、この時点での自動車業界やディーゼルエンジン学会では、ディーゼル
エンジンの燃費削減の技術が不明であり、また尿素SCR触媒等のNOx削減の後処理装置や、DPF装置での強
制再生の頻度削減のためのエンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化する技術も不明とのことである。

8−4ー(c) 自動車技術誌2011年8月号(Vol.65、N0.8、2011)の特集:年鑑の疑問点

自動車技術誌2010年8月号(Vol.65、N0.8、2011)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:いすゞ自動車梶@柿原智
明 氏)の「4 研究開発の動向」には、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するための最近の技術動向がまと
められている。この「4 研究開発の動向」には、トラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家がディーゼルエンジン
の排出ガスと燃費を削減するために有効と考えている技術について、まとめられている筈である。この年鑑 「ディーゼ
ルエンジン」の「4 研究開発の動向」に対し、筆者が疑問に感じる内容について、下記の表11−3にまとめた。

表11−3 自動車技術誌2011年8月号「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」についての筆者の疑問
自動車技術誌2011年8月号(Vol.65、N0.8、2011)
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」
(著者:いすゞ自動車梶@柿原智明 氏)
「4 研究開発の動向」についての疑問
 自動車技術誌2011年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」では、いすゞ自動車の柿原智明氏は、今後、
「排出ガスを含めたエンジン諸性能と燃費低減の両立」を図るための
有効な新たな技術として、「さらなる燃焼効率改善を目指した研究
開発」と記載されているだけである。そして、この燃焼効率改善の外の
排出ガス低減と燃費改善の方法としては、既に実用化されている
アイドルストップ、可変容量オイルポンプ、水ポンプ等の装置制御を
挙げ、そして、市販車に搭載の既存技術を「熟成」すると述べられて
いる。

 しかし、既存技術の改良は、エンジン全体で常に実施されるべき内容
であり、排出ガス削減と燃費改善に関連した技術だけに限定される
ものではない。したがって、自動車技術誌の年鑑の「4 研究開発の
動向」に特に記述する必要の無い内容と考えられる。

 また、そもそもディーゼルエンジンは内燃機関であるため、燃焼改善
が必要なことは、このエンジンの誕生以来の宿命であり、そして課題
でもある。したがって、自動車技術誌の読者が知りたいことは、燃焼
改善を可能にする具体的な新しい技術であるが、柿原智明氏は
「4 研究開発の動向」では、燃焼改善の具体的な技術を何も記載され
ていないのだ。

 したがって、いすゞ自動車の柿原智明氏は、左記の「4 研究開発の
動向」では、ディーゼルエンジンにおける「排出ガス削減」、「燃費改善」
および「燃焼改善の必要性」の課題を述べられているだけであり、研究
開発の動向である課題を解決する技術の内容が何も記載されて
いないのだ。したがって、左記の「4 研究開発の動向」の項は、紙面
の無駄使いと考えられる。

 以上のように、トラックメーカの技術者である柿原智明氏は、
「4 研究開発の動向」では、ディーゼルエンジンにおける「排出ガス
削減」、「燃費改善」の課題を解決できる新しい技術を具体的に何も
記載できなかったようだ。そのことから、トラックメーカは、現時点
ではディーゼルエンジンにおける「NOx削減」と「燃費改善」が
技術的に手詰まりの状況であると考えて、大きな間違いは無い
ものと推察される。これは筆者の偏った見方であろうか。

 もっとも、いすゞ自動車が最近流行のターボコンパウンドの研究開発
を行っているとしても、いすゞ自動車の社員としての機密保持の立場
から、柿原智明氏はこの年鑑の「4 研究開発の動向」の項にディー
ゼルの「燃費改善」の新しい技術として、ターボコンパウンドを記載でき
なかった可能性も否定できない。しかし、
詳述しているように、ターボコンパウンドは、ディーゼル燃費の十分な
燃費改善には無効な技術であるため、いすゞ自動車の柿原智明氏は、
いすゞ自動車の社員としての機密保持義務の有無の如何に
かかわらず、この年鑑でディーゼルエンジンにおける「燃費改善」の
課題を解決する技術を実質的に何も記載できないことに変わりは無い
と考えられる。


 以上のように、自動車技術誌2011年8月号(Vol.65、N0.8、2011)特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発
の動向」に記載されている内容を見ると、2010年と同様に、現在の自動車業界やディーゼルエンジン学会で
は、ディーゼルエンジンの燃費削減の技術が不明であり、また尿素SCR触媒等のNOx削減の後処理装置や、
DPF装置での強制再生の頻度削減のためのエンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化する技術が不明の状
況であると推察されるのである

 ところで、ディーゼルエンジンの課題である「燃費削減」、「尿素SCR触媒等のNOx削減とDPF装置での強制再生の頻
度削減のためのエンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化」は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を
採用によって容易に実現できると考えている。果たして、今年の自動車技術誌2012年8月号の特集:年鑑 「ディーゼル
エンジン」では、これまでと同様に、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を無視・黙殺しながら、これまでと
相変わらず、ディーゼルエンジンの課題である「燃費削減」、「尿素SCR触媒等のNOx削減とDPF装置での強制再生の
頻度削減のためのエンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化」の技術は不明とする内容が記載されるのであろうか。
今年の自動車技術誌2012年8月号に掲載されると予想される特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の記載内容が楽しみ
である。

8−4ー(d) 自動車技術誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)の特集:年鑑の疑問点

自動車技術誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:日野自動車梶@清水 亨
 氏)の「4 研究開発の動向」には、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するための最近の技術動向がまとめ
られている。この「4 研究開発の動向」には、トラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家がディーゼルエンジンの
排出ガスと燃費を削減するために有効と考えている技術について、まとめられている筈である。この年鑑 「ディーゼル
エンジン」の「4 研究開発の動向」に対し、筆者が疑問に感じる内容について、下記の表11−4にまとめた。

表11−4 自動車技術誌2012年8月号「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」についての筆者の疑問
自動車技術誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」
(著者:日野自動車梶@清水 亨 氏)
「4 研究開発の動向」についての疑問
1.清水亨氏が挙げるNOx削減と燃費低減の技術(左記参照)

自動車技術誌2011年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」では、日野自動車梶@清水 亨 氏は、今後、
「NOx削減と燃費低減の両立」を図るための有効な新たな技術として、
以下の技術が記載されている。

 エンジンのダウンサイジング
  ・小排気量
  ・高Pme
  ・高過給化

 NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係の解消
  (NOx排出量の削減と燃費性能改善の両立)
  ・高圧のマルチ噴射
  ・可変バルブタイミング
  ・可変スワール
  ・EGRの温度・流量制御の高度制御化

 廃熱回収などのエネルギー回収技術

 日野自動車鰍フ清水 亨氏が左記の「4 研究開発の動向」の中で
列挙した「排出ガスと燃費低減」の技術は、ほとんどが既に10年以上も
以前から多くの学者・専門家が話題に取り上げられている「手垢まみれ
の技術」であり、既に現行の大型トラックに採用されて実用化されている
技術も多い。そのため、左記の論文を読んだディーゼルエンジン技術者
は、清水 亨氏が左記に挙げた技術を用いて、今後の大型トラックの
「排出ガスと燃費低減」に大きく貢献できるとは考え難いと考える人達が
多いのではないかと推測される。このように筆者が考える理由を、以下
に示す。

1−1 エンジンのダウンサイジングの疑問点
     ・小排気量
     ・高Pme
     ・高過給化

 一般に、エンジンを「小排気量」にして「高過給化」し、そして「高Pme」
として、大排気量のエンジンと同等の出力を確保する技術的な手法を
「エンジンのダウンサイジング」と呼んでいる。そして、従来の大排気量
のエンジンを搭載した自動車と同等のGVWの自動車に、この大排気量
エンジンと同等の出力を確保したダウンサイジングエンジンを搭載した
自動車が市販されている。最近の乗用車のガソリンエンジンにおける
ダウンサイジングエンジンとしては、(独)フォルクスワーゲン(VW)
「ゴルフ」と「ポロ」に搭載されているTSIエンジンが有名である。

 ところで、わが国における大型トラックによる貨物輸送には単車(=通常
の大型カーゴトラックのタイプ)を用いられることが多い。その大型カーゴ
トラックのGVW(=車両総重量)は、道路交通法の保安基準によって最大
GWWが25トン以下に制限されている。そのため、長距離の貨物を輸送
する運送業者は、多くの積載量を可能にするため、GVW25トンの大型
カーゴトラックを使用することが多い。そのため、大型トラックの中では、
販売台数の最も多い車種がGVW25トンの大型カーゴトラックである。

 現在、国内のトラックメーカ4社におけるGVW25トンの大型カーゴトラック
に搭載されているエンジンの、総排気量、最大出力および重量車モード
燃費を纏めると、以下の通りである。
ただし、以下の表に記載した重量車モード燃費は、2015年度重量車
燃費基準に適合した大型カーゴトラック(GVW25トン)の燃費を纏めた
ものである。
メーカ名
大型カーゴトラック
(GVW25トン)
搭載エンジン
最大出力(kW)
モード燃費(km/l)
三菱ふそう
6R10 
12808 cc
 (13リットル級)
257〜309 (kW)
4.05(km/l)
日野自動車
E13C 
12913 cc
(13リットル級)
265〜302 (kW)
4.10〜4.05 (km/l)
A09C  
8866 cc
(9リットル級)
235〜265 (kW)
4.15〜4.05 (km/l)
UDトラックス
GH11 
10836 cc
(11リットル級)
257〜302 (kW)
4.05(km/l)
いすゞ自動車
6UZ1  
9839 cc
(10リットル級)
243〜294 (kW)
4.15〜4.05 (km/l)

 上記の表のように、現在、国内のトラックメーカ4社が販売している
大型カーゴトラック(GVW25トン)には、各社の大型カーゴトラックには、
様々な排気量のエンジンが搭載されている。そこで、大型カーゴトラック
(GVW25トン)に搭載されている三菱ふそうの6R10エンジン(13リットル
級)といすゞの6UZ1エンジン(10リットル級)を比較すると、いすゞの
6UZ1は三菱ふそうの6R10よりも排気量が23%も小排気量である。
しかし、6R10の出力が257〜309 (kW)、6UZ1の出力が243〜294
(kW)であり、三菱ふそうの6R10エンジンといすゞの6UZ1エンジンの
出力は、ほぼ同じレベルである。その理由は、両エンジンの出力が大型
カーゴトラック(GVW25トン)の必要な走行性能を実現するための要求され
ている動力であるためだ。したがって、いすゞの6UZ1エンジンの排気量が
三菱ふそうの6R10エンジン排気量よりも23%も小排気量であるに
かかわらず、いすゞの6UZ1エンジンの出力は三菱ふそうの6R10
エンジンとほぼ同じレベルにしているのである。このことから、いすゞの
6UZ1エンジンは、大型カーゴトラック(GVW25トン)の分野での「ダウン
サイジング」のエンジンと分類することが可能だ。

 一方、2015年度重量車燃費基準に適合した三菱ふそうの大排気量
エンジンを搭載した大型カーゴトラック(GVW25トン)の重量車モード燃費
4.05(km/l)であり、いすゞ自動車のダウンサイジングエンジンを搭載した
大型カーゴトラック(GVW25トン)の重量車モード燃費は4.15〜4.05 (km/l)
である。このように、三菱ふそうの大排気量エンジンの大型カーゴ
トラック(GVW25トン)といすゞ自動車のダウンサイジングエンジン
の大型カーゴトラック(GVW25トン)の重量車モード燃費は、共に
2015年度重量車燃費基準にキリギリの水準で辛うじて適合できて
いる4.15〜4.05 (km/l)程度で同等である。このことから、いすゞ
自動車の「ダウンサイジングエンジン」を搭載している2015年度
重量車燃費基準に適合した大型カーゴトラック(GVW25トン)では、
「ダウンサイジングエンジン」を大型カーゴトラック(GVW25トン)に
採用しているにもかかわらず、重量車モード燃費が殆ど改善できて
いないことが明らかだ。

 また、日野自動車の大型カーゴトラック(GVW25トン)において、13
リットル級のE13Cを搭載した車種と9リットル級のA09C搭載した
車種との2015年度重量車燃費基準に適合したの重量車モード燃費を
比較した場合も、両トラックとも重量車モード燃費が4.15〜4.05 (km/l)の
レベルであり、両エンジンを搭載した大型トラックの燃費が同等である。
このことから、いすゞ自動車の場合と同様に、日野自動車も「ダウン
サイジングエンジン」を搭載している2015年度重量車燃費基準に
適合した大型カーゴトラック(GVW25トン)では、「ダウンサイジング」
エンジンによる重量車モード燃費の改善がほんの僅かしか実現
できていないようである。このように、日野自動車における大型カーゴ
トラック(GVW25トン)の「ダウンサイジングエンジンでも燃費改善が
僅少であることから、野自動車鰍フ清水 亨氏は、大型トラックにおける
「ダウンサイジング」エンジンによる燃費改善が困難なことを、当然のこと
ながら十分に熟知している筈である。

 この大型ディーゼルトラックにおける「ダウンサイジング」エンジンによる燃費
改善が困難な理由を整理すると、以下の通りと考えられる。

@ ディーゼルエンジンは、最近の厳しいNOxおよびPMの規制に適合する
ため、トラック用エンジンの全てにインタークーラ過給が採用済みである。
ディーゼルトラックのインタークーラ過給ディーゼルエンジンでは無過給
エンジンに比べて既にエンジンを小排気量としたダウンサイジングと
なっている。そのため、トラック用のインタークーラ過給ディーゼル
エンジンは、無過給エンジンが主流のガソリンエンジンと同様の水準の
大幅なダウンサイジングが困難である。
(=現時点ではトラック用ディーゼルエンジンは、全てにインター
クーラ過給が採用済であるために小排気量化が一般化しており、
無過給エンジンが主流のガソリンエンジンのような、大幅なダウン
サイジングが困難である。)

A ディーゼルエンジンに比較した場合、ガソリンエンジンは部分負荷時
のポンピング損失が極めて大きい欠点を有している。このガソリン
エンジンでは、低負荷になればなる程、ポンピング損失が増大する特性
がある。一方、吸気の絞り弁を無いディーゼルエンジンは、部分負荷時
でもポンピング損失がガソリンエンジンのように顕著に増加する欠点が
無いのが特徴である。また、ガソリン自動車(=乗用車・小型トラック)
は、大型トラックに比較し、パワーウエイトレシオ(車両総重量当たりの
エンジン出力)の大きいのが特徴である。そのため、ディーゼルエンジン
に比べて低負荷にポンピング損失が増大するガソリンエンジンが大型
トラックよりも低負荷で運転される結果、通常のガソリン自動車の走行は
ディーゼル大型トラックに比較して大きいポンピング損失による走行燃費
の悪化を招いているのが現状である。これが、ガソリン自動車がディー
ゼル自動車に比較して、実走行燃費が大幅に劣る原因の一つである。
したがって、ガソリン自動車の場合には、ダウンサイジングによって
実走行で使用頻度の高いエンジン部分負荷時のガソリンエンジンの
吸気絞り弁の開度を大きくすることが可能になるため、ポンピング損失
の低減による実走行燃費の向上が可能となる。しかし、ディーゼル
エンジンでは、元来、吸気絞り弁が無いため、エンジンの低負荷運転時
のポンピング損失が少ないため、ダウンサイジングによって実走行燃費
が向上できる可能性は僅かであることが特徴である。
(=ガソリン自動車の場合には、ダウンサイジングによってエンジン
部分負荷時での吸気絞り弁の開度を大きくすることができるため、
ポンピング損失の低減による実走行燃費の向上が可能である。
しかし、ディーゼルエンジンは、吸気絞り弁が無いためにガソリン
エンジンに比べてエンジンの低負荷運転時のポンピング損失が
少ないことから、ダウンサイジングによって実走行燃費が向上
できる可能性は僅少である。)

 以上のことから、現時点では、大型トラックの分野でのエンジンのダウン
サイジング化によって走行燃費や重量車モード燃費を改善できる量は
僅かあることが明らかだ。特に日野自動車は、大型カーゴトラック
(GVW25トン)にダウンサイジングエンジンの9リットル級・A09Cを搭載
したトラックを市販し、そのトラックの重量車モード燃費が4.15〜4.05
(km/l)のレベルであるために、大型トラックの分野でのエンジンの
ダウンサイジング化によって走行燃費や重量車モード燃費の十分な改善
が困難なことは、前述の表の通り、日野自動車が市販している大型
トラックのE13C(13リットル級)エンジンとA09C(9リットル級)エンジン
を搭載した車種の重量車モード燃費が通りほぼ同等であることを見れば、
明らかである。
 
 それにもかかわらず、日野自動車の清水 亨氏は、左記のように、
小排気量+高Pme+高過給化(ダウンサイジングエンジン)に
よって燃費改善が可能と主張しているのだ。これは、清水 亨氏の
単なる個人的な希望・願望・妄想や、または世の中の噂・流言・
飛語を記載したものに過ぎないように思えるが、如何なもので
あろうか。

1−2 NOxと燃費のトレードオフを克服する技術の疑問点
   (NOx排出量の削減と燃費性能改善の両立)

  ・高圧のマルチ噴射
  ・可変バルブタイミング
  ・可変スワール
  ・EGRの温度・流量制御の高度制御化

  左記の記述を見ると、清水 亨氏は、「高圧のマルチ噴射」+「可変
バルブタイミング」+「可変スワール」+「EGRの温度・流量制御の高度
制御化」の組合わせによって、NOx排出量の削減と燃費性能改善が
可能であり、NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係が解消できるとの
意見・見解のようだ。しかし、ここで列挙されている「高圧のマルチ
噴射」+「可変バルブタイミング」+「可変スワール」+「EGRの温度・
流量制御の高度制御化」のほとんどの技術は、10年前に「自動車技術」
誌等で盛んに紙面を賑わした過去の技術のように筆者には思えるの
である。
(清水 亨氏の主張)
NOxと燃費の
トレードオフの解消技術
10年以上も前の話題技術
高圧のマルチ噴
コモンレールのマルチ噴射等
(実用化済み)
可変バルブタイミング
ガソリンエンジンでは
古くから実用化済み
可変スワール
30年も以前にディーゼルが副室から直
噴に移行した時代の古典的な技術
EGRの温度・流量制御の
高度制御化
ワンウェイ・クールドEGR等
(いすゞ自動車が実用化済み)


 このように、左記のように、清水 亨氏が「NOx排出と燃費性能の
トレードオフ関係の解消」に必要として列挙した諸技術は、10年以上も
以前の「自動車技術」誌等で盛んに記載し、議論されていた古色蒼然
たる技術である。このような古典的とも言えそうな古い技術によって、
本当に「NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係の解消」し、NOx排出量
の削減と燃費性能改善の両立できると、清水 亨氏は、考えているので
あろうか。

 筆者の見る限りでは、「燃費を悪化させずにNOx排出を限りなく零に
近づける究極の燃焼改善技術」として大いに持て囃されてきたHCCI燃焼
(=PCI燃焼)は、「NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係の解消」の
効能が少なく、実用性の無い見掛け倒しの技術であることが最近に
なって露呈した。そのため、「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の
動向」の項にNOx削減と燃費向上に有効な技術が何も記載できなくなり、
この項に記載する「NOx削減と燃費改善」の技術動向の欠落することに
よって生じるディーゼルエンジン関係の学者・専門家の無能ぶりが露見
してしまうことに、清水 亨氏が責任を感じたのではないかと考えられる。

 そこで、清水 亨氏は、尤もらしく紙面を埋める方法として、10年以上も
以前の「自動車技術」誌を棚から引っ張り出し、黄ばんだ紙面をめくって
「高圧のマルチ噴射」+「可変バルブタイミング」+「可変スワール」+
「EGRの温度・流量制御の高度制御化」等の10年以上も前に話題と
なった技術を片っ端から列挙し、それらの技術によって「NOx排出と
燃費性能のトレードオフ関係の解消」できると強引にまとめた可能性が
あるように推察される。しかし、これらの技術は、多くの研究機関、大学・
メーカ等において、これまで長年にわたって実施してきた開発研究の
項目・内容であるため、今後の更なる「NOx削減と燃費改善」が極めて
困難なことが明らかだ。その結果、日本のディーゼルエンジンに関係
する学者・専門家は、大型トラックでの現状以上の「NOx削減と燃費
改善」を可能にする技術が「不明」との認識で一致しているように、
筆者には見えるのである。

 その証拠として考えられるのは、2015年度重量車燃費基準が設定
されている日本は、2016年においても米国よりも緩いNOx規制を実施
する予定の中央環境審議会の答申が出されていることだ。(詳細は
のページを参照方)

 一方、日本の大型トラックのNOx規制の歴史・変遷を見れば、過去の
殆どの時代において、日本は米国よりも厳しい大型トラックのNOx規制を
実施してきたのである。ところが、そのような日本が、ここで最近では、
突然、2016年においても米国よりも緩いNOx規制を継続して実施する
ことを発表したのである。このような、日本において米国よりも緩い大型
トラックのNOx規制を継続して実施せざるを得ない状況に陥ってしまった
のは、中央環境審議会の関係者を含めた日本のディーゼルエンジンに
関係する学者・専門家の全員が、「大型トラックでの現状以上の
NOx削減と燃費改善を可能にする技術が不明である」との認識で一致
しているためと考えられる。

 以上のことから、清水 亨氏が左記に列挙した10年以上も以前の
古色蒼然たる技術では、清水 亨氏の単なる個人的な希望・願望を
記載したものに過ぎず、近い将来に大型トラックの「NOx排出と
燃費性能のトレードオフ関係を解消」することは、極めて困難である
こと推察される。このように、純然たる技術誌である「自動車技術」誌に
根拠の無い「著者の個人的な希望・願望」のような内容を記載する
ことは、清水 亨氏が日本自動車技術会の会員である読者を完全に
馬鹿にしているように思えるが、如何なものであろうか。
そして、技術誌であれば、当然、「大型トラックにおけるNOx排出と
燃費性能のトレードオフ関係を解消できる技術は、今のところ
不明」と現状の技術開発の進展について正直に記述すべきと思うが、
如何なものであろうか。

1−3 廃熱回収などのエネルギー回収技術の疑問点

 ディーゼルエンジンの排気ガスとして大気中に廃棄されている排気ガス
のエネルギーから動力や電気エネルギーを取り出す「ディーゼル排気ガス
のエネルギー回生装置」には、以下のような技術が考えられている。

 ・メカニカルターボコンパウンド
 ・エレクトリックターボコンパウンド
 ・ランキンサイクル
 ・熱電素子
 ・スターリングエンジン

 これらの中で、現在、実用化されている技術は、ボルボ、スカニア、
ベンツが市販の大型トラック・トラクタに採用している「メカニカルターボ
コンパウンド」である。しかしながら、このメカニカルターボコンパウンド」は
のページに詳述しているように、エンジンの最高トルクや最大出力の増大
には有効であるが、大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費を
向上できる機能は僅少である。また、
のページに詳述しているように、ディーゼルエンジンに単に排気ガスの
現在の運転可能なエネルギー回生装置を装着しただけでは、エンジン
の燃費向上は困難である。したがって、「ディーゼル排気ガスの
エネルギー回収技術による熱効率の向上」との読者に誤解を招く記述を
行っているようだ。り回生装置」を搭載しただけでは、大型トラック
実走行燃費や重量車モード燃費を向上できる機能は僅少である。

 したがって、それにもかかわらず、左記のように、「廃熱回収などの
エネルギー回生技術による(エンジンの)効率向上」との虚偽とも言え
そうな主張を行っているのである。このような単なる言葉の言い回しに
よって、清水 亨氏は、左記の2012年の「自動車技術」誌の年鑑の
「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」では、トラックメーカが
大型トラックの燃費向上のために「ディーゼル排気ガスのエネルギー
回生装置」等の新しい技術に果敢に取り組んでいるように取り繕っている
ように見えるのである。何故ならば、これまで日野自動車は、スカニアの
ターボコンパウンド搭載のトラクタを販売しており、ターボコンパウンド
搭載によって必ずしも実走行燃費や重量車モード燃費が向上できない
ことを熟知している可能性があるためだ。このことを考えると、左記の
清水 亨氏の「廃熱回収などのエネルギー回生技術による(エン
ジンの)効率向上」の主張は、その実現が困難であり、「白々しい
虚偽記載」のように、筆者には思えるのである。
2.左記の記載内容に対する筆者の考える訂正内容とその根拠
   (商用車用ディーゼルについて)

● 清水亨氏が主張するような大型トラックのエンジン「小排気量」にして
「高過給化」し、そして「高Pme」として、「大排気量のエンジンと同等の
出力を確保」する技術的な手法は、一般的には「エンジンのダウン
サイジング」と呼ばれている。このエンジンダウンサイジングによって
大型トラックの重量車モード燃費を向上することは、極めて困難と
推察される。

 筆者提案のエンジンダウンサイジングでの燃費対策 ⇒ 大型
トラックの実際の走行時や重量車モード燃費計測時には、エンジン負荷が
1/2以下の領域での運転頻度が高くなる特性が知られている。筆者提案
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術は、エンジン負荷が
1/2以下の領域では、半分の気筒が休止し、残りの半分の気筒が稼動
するシステムであるため、大型トラックの実際の走行時や重量車モード
燃費を大幅に向上できる機能・効果があることだ。この大型トラックの
実際の走行時や重量車モード燃費計測時に、頻繁に半分の気筒で
エンジンを運転することによって燃費改善を可能にするエンジン運転状態
は、エンジンのダウンサイジングに類似した運転と見ることも可能である。

● 清水亨氏が主張するように、「高圧のマルチ噴射」+「可変バルブ
タイミング」+「可変スワール」+「EGRの温度・流量制御の高度制御化」
の組合わせによって、NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係を克服し、
「NOx削減」と「燃費改善」を両立することは、極めて困難と推察される。

筆者提案のNOxと燃費のトレードオフ解消の対策 ⇒ NOx排出と
燃費性能のトレードオフ関係の解消には、
(この根拠は、本ページの他の記載項目に詳述しているので、詳細を
略する。)

● 清水亨氏が主張するように、ディーゼルエンジンにターボコンパウンド
等の廃熱回収などのエネルギー回収技術を装着しただけの技術では、
ディーゼルエンジンの燃費向上は、極めて困難と推察される。(根拠は
を参照)

筆者提案のエネルギー回収による燃費向上対策 ⇒ ディーゼル
エンジンにターボコンパウンド等の廃熱回収などのエネルギー回収技術
によって大型トラックの重量車モード燃費の向上を実現するためには、
必須である。そして、廃熱回収などのエネルギー回収技術は、この
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)との組み合わせない限り、
大型トラックの重量車モード燃費の十分な向上が不可能であることを
肝に銘じるべきである。(根拠は、
参照)
3.左記の商用車用ディーゼルの部分に対する修正提案
   
 したがって、日野自動車鰍フ清水 亨氏が担当した左記の2012年
8月号「自動車技術」誌での年鑑「ディーゼルエンジン」の「4 研究
開発の動向」の中の商用車用ディーゼルエンジンについての「NOx
削減」と「燃費向上」に関する記述は、筆者の見るところでは、
全てが「出鱈目?」のように思えるのである。

 したがって、筆者の個人的な意見を言わせて貰えば、左記の「4 研究
開発の動向」の商用車用ディーゼルエンジンの箇所については、以下の
ような記載に訂正すべきではないかと考える。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 商用車用ディーゼルエンジンについても排出ガス規制に対応し
ながら燃費改善へと進む。しかしながら、これまでディーゼルエンジン
の大幅なNOx削減と燃費向上が可能との予測から究極の燃焼改善
技術として多くの学者・専門家から多大の期待を集めていたHCCI
燃焼(=PCI燃焼)は、実用性の面で問題のあることが明らかと
なった。そのため、商用車用ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費
向上の技術開発は、大きな壁に突き当たり、閉塞状態とも言えそうな
厳しい状況に陥っていた。

 そのような状況の中で、最近、商用車用ディーゼルエンジンのNOx
削減と燃費向上が同時に実現できる新たな技術が提案されている。
その技術が、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)である。この
技術は、大型トラックの実際の走行時や重量車モード燃費計測時の
使用頻度の高い1/2以下のエンジン負荷領域での気筒休止の効果に
より、排気ガス温度の上昇による尿素SCR触媒でのNOx削減の促進
と燃費向上を可能にする効果がある。今後、この技術を実用化する
ことによって、商用車用ディーゼルエンジンの更なる低NOxと低燃費が
可能となる。これによって、世界で最も厳しい米国の大型トラックの
NOx規制=0.27 g/kWh(2009年規制)や中央環境審議会・第8次答申
のNOx規制=0.23 g/kWhに適合し、2015年度重量車燃費基準から
5%程度の燃費向上した大型トラックの実用化が可能となる。これを
実現するためためには、多くの研究機関・大学・トラックメーカが一致
協力し、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術の開発
を推進することが急務と考えられる。

 何はともあれ、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の他に大型
トラック用ディーゼルの低NOxと低燃費を同時に実現できる技術が無い
現状を隠蔽するために、日野自動車鰍フ現役の技術者である清水 亨氏
は、左記のような古色蒼然たる「高圧のマルチ噴射」+「可変バルブ
タイミング」+「可変スワール」+「EGRの温度・流量制御の高度制御化」
の組合わせ技術によって、NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係を
克服してNOx削減と燃費向上を実現するとの完全な虚偽とも思える技術
情報を、恥ずかしげも無く、自動車技術」誌に堂々と記載しているように、
筆者には見えるのである。そして、このようなことを「自動車技術」誌の
編集委員会は、容認していると思えることだ。

 なお、日野自動車鰍フ清水 亨氏や「自動車技術」誌の編集委員は、
インターネットでの技術情報の収集を行わないため、NOx排出と燃費性能
のトレードオフ関係を克服してNOx削減と燃費向上が可能な筆者のホーム
ページで提案している気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術
情報について、全くの未知・無知である可能性も考えられる。その場合
には、現在、筆者のホームページは、「大型トラック」+「燃費」の2語の
検索で最初の検索ページ(10位以内)で検索される状況であるが、
清水 亨氏は気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を説明した
筆者のホームページを閲覧していない可能性があり、この気筒休止の
技術を清水 亨氏の目に触れていない可能性も否定できない。ところが、
自動車技術誌2011年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の参考
文献の出典の95%がホームページである。このことから、清水 亨氏の
ディーゼルエンジンの情報を収集する主要な手段がインターネットの検索
であることは明らかだ。このことから、清水 亨氏は、筆者のホームページを
閲覧し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を既に承知して
いるものと考えられる。

 しかし、清水 亨氏が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術
を無視・黙殺しているのは、この気筒休止の技術が大型トラック用
ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費向上が困難との見解・理解であると
推察される。仮に、この推察が事実であっても、清水 亨氏が自動車技術」
誌に大型トラック用ディーゼルエンジンの正確な技術情報を誠意を持って
記載する意思・意図を有しているならば、彼は、自動車技術」誌に「大型
トラック用ディーゼルエンジンのNOxと燃費のトレードオフを克服して
NOx削減と燃費向上を同時に実現できる技術は、現時点では不明で
ある」との内容にが訂正すべきであると考える。

 また、清水 亨氏は、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
技術が大型トラック用ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費向上が困難
との見解・理解であることが事実であるならばと、彼はこの特許を出願した
筆者を「馬鹿な人間」との認識しているものと考えられる。これについてに、
大型トラックのNOx削減と燃費向上が可能な
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術の優れた利点・効能を
理解できない清水 亨氏は、ディーゼルエンジンの技術者としては完全に
失格であると筆者は考えている。この清水 亨氏と筆者の意見・見解の
相違について、読者の意見を聞いてみたいところである。

 しかしながら、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術が大型
トラック用ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費向上が困難との誤った
理解・見解であるとは云え、古色蒼然たる「高圧のマルチ噴射」+「可変
バルブタイミング」+「可変スワール」+「EGRの温度・流量制御の高度
制御化」の組合わせ技術によって、NOx排出と燃費性能のトレードオフ
関係を克服してNOx削減と燃費向上を同時に実現するとの虚偽の技術
情報を「自動車技術」誌に清水 亨氏が記載することは、許されるもの
では無いだろう。したがって、左記の誤った記載内容は、訂正されるべき
と考えるが、如何なものであろうか。少なくとも、左記の「高圧のマルチ
噴射」+「可変バルブタイミング」+「可変スワール」+「EGRの温度・
流量制御の高度制御化」の組合わせ技術によって大型トラック用
ディーゼルエンジンの低NOxと低燃費を同時に実現できるとの記載内容
は、常識ある技術者の出鱈目な技術情報であることをディーゼル
エンジン関係の学者・専門家であれば、誰でも見破っているものと推測
される。

 何はともあれ、自動車技術」誌に正確な技術情報を会員に提供すること
が自動車技術会の責務であり、虚偽情報を記載することは許されない
ことだ。そのような自動車技術」誌に、左記のような虚偽とも思える技術
情報を掲載することは、多くの自動車技術会の会員の信頼を裏切ることで
あり、その罪は重いと言わざるを得ないだろう。これは、非常に残念な
ことだ。
 4.左記の記載内容に対する筆者の個人的な意見・感想

 左記の記述では、「NOx排出と燃費性能のトレードオフ関係を解消できる
技術」との立派な修飾語をつけてはいるが、商用車用ディーゼルエンジン
の課題解決のために肝心な「NOx削減」と「燃費向上」技術としては、
10年前の古い技術を列挙しているだけの貧相な「年鑑」となっているので
ある。このような技術情報として価値の乏しい内容しか年鑑に記述でき
ないのであれば、日野自動車鰍フ清水 亨氏は、最初からこの4万の
会員に配布される「自動車技術」誌の年鑑の担当を辞退するべきであった
と思うが、如何なものであろうか。また、「自動車技術」誌の年鑑を読んだ
日本自動車技術会の末端の会員が大いに落胆させてしまう記事を目に
する不幸も、「自動車技術」誌の編集委員を含めた自動車技術会の
関係者は少しは考えて欲しいものである。これまで正確な技術情報を
会員に発信することを高らかに宣言している倫理規定の自動車技術会が
左記のような虚偽とも思える技術情報を堂々と発信していることについて、
自動車技術会の関係者は、少しは良心の呵責に悩まされるようなことが
無いのであろうか・・・・・。

 以上の表14に示した自動車技術誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究
開発の動向」で日野自動車の清水 亨氏が列挙した「排出ガスと燃費低減」の技術は、ほとんどが既に10年以上も以前
から多くの学者・専門家が話題に取り上げられている「手垢まみれの技術」であり、既に現行の大型トラックに採用され
て実用化されている技術も多いようだ。そのため、左記の論文を読んだディーゼルエンジン技術者は、清水 亨氏の挙
げた技術を用いて、今後の大型トラックの「NOx削減」と「燃費向上」に大きく貢献できるとは考え難いと考える人達が多
いのではないかと推測される。

 前述の8−1項に詳述しているように、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の革新的次世代低公害車総
合技術開発(クリーンディーゼルプロジェクト、2004〜2009年)と称して8億6千5百万円の予算で実施された大型プロジ
ェクトNEDOの「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」では、3段過給した10リットルのダウンサイジングエンジン
に「高圧のマルチ噴射」、「可変バルブタイミング」および「EGRの温度・流量制御の高度制御化」する技術を盛り込み、
NOxを新長期排出ガス規制(2005年規制)の1/3低減(=0.2 g/kWh)に低減しつつ、燃費を現状から10%改善する目
標が掲げられた。しかし、このNEDOプロジェクトは、NOxの目標が達成されただけであり、重量車モード燃費が2015年
度重量車燃費基準を2%も悪化する惨憺たる結果であった。ディーゼルエンジンの専門家である日野自動車の清水
亨氏は、このNOxと燃費のトレードオフの克服に失敗した2004〜2009年に実施のNEDOプロジェクトの研究結果を、当
然、熟知している筈である。

 それにもかかわらず、以上の表13に示したように、清水 亨氏は、2004〜2009年に実施のNEDOプロジェクトに盛り込
まれた技術に「可変スワール」をしただけの技術によって、ディーゼルエンジンの「NOxと燃費のトレードオフの克服が
可能」と、「自動車技術」誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動
向」に記載しているのである。この「自動車技術」誌2012年8月号の年鑑の記述が誤りと考えられるため、その旨を
2012年8月に自動車技術会に質したのである。ところが、筆者の予想に反し、「この年鑑の記述には誤りが無い」との
驚愕する内容の回答を自動車技術会から受け取ったのであった。その時には、一瞬、我が目を疑ったのである。そう
は云っても、自動車技術会からの回答内容に不明瞭な部分が多々あったため、即刻、自動車技術会に再質問をした
ところ、自動車技術会からは回答を拒否する旨の返事があった。このことから、現在、自動車技術会は、2004〜2009
年に実施のNEDOプロジェクトに盛り込まれた技術に「可変スワール」を追加しただけの技術によって、ディーゼルエン
ジンの長年の課題である「NOxと燃費のトレードオフの克服が可能である」との見解のようだ。このとから、この見解に
沿った意見・主張が今後の「自動車技術」誌に継続して掲載されて行くものと推察される。筆者には、信じられないこと
である。

 もっとも、表14に示した清水 亨 氏の著した年鑑の「4 研究開発の動向」に記載している技術によって大型トラック
の「NOx削減」と「燃費向上」が極めて困難と考えるのは、単に筆者が「間抜け」で「頓珍漢」なポンコツの元技術屋ある
ことが原因であるかも知れない。そして、「自動車技術」誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)特集:年鑑 「ディーゼル
エンジン」について、筆者が出鱈目な誤った批判を行っている可能性も考えられる。そして、清水 亨氏、若しくは自動車
技術会の関係者が筆者の推測に基づいた本ホームページの記述が誤りであるとの意見・見解であるならば、本ページ
の末尾に記載してある筆者のメール宛に、早急にその旨のご連絡をいただきたいと思っている。何しろ、筆者が定年
退職したポンコツの元技術屋であるとは云え、誤った内容をこのホームページに記載することは、不本意である。その
ため、できることならば、このホームページの記載内容の誤りについては、即刻に訂正したいと思っている。

 なお、清水 亨氏、若しくは自動車技術会からこのページの記述に誤りがあるとの反論のメールを送っていただかない
限り、清水 亨氏、若しくは自動車技術会は、自動車技術誌2012年8月号(Vol.66、N0.8、2012)特集:年鑑 「ディーゼル
エンジン」の「4 研究開発の動向」(著者:日野自動車梶@清水 亨氏)の記述が虚偽の技術情報であることを承知され
ているものと理解させていただくことにする。

8−4ー(e) 自動車技術誌2013年8月号(Vol.67、N0.8、2013)の特集:年鑑の疑問点

自動車技術誌2013年8月号(Vol.67、N0.8、2013)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:三菱ふそうトラック・バス
梶@高杉 英正 氏)の「4 研究開発の動向」には、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するための最近の技
術動向がまとめられている。この「4 研究開発の動向」には、トラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家がディー
ゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するために有効と考えている技術について、まとめられている筈である。この
鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」に対し、筆者が疑問に感じる内容について、下記の表11−5にまと
めた。

表11−5 自動車技術誌2013年8月号「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」についての筆者の疑問
自動車技術誌2013年8月号(Vol.67、N0.8、2013)
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」
(著者:三菱ふそうトラック・バス梶@高杉 英正 氏)
「4 研究開発の動向」についての疑問
1.高杉英正氏が挙げるNOx削減と燃費低減の技術(左記参照)

 自動車技術誌20131年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」では、三菱ふそうトラック・バス梶@高杉英正氏
は、今後、「NOx・CO2等の排出ガス削減と燃費低減の両立」を図る
ための有効な新たな技術として、以下の技術が記載されている。
ここで高杉英正氏が列挙した技術について、大型トラックの燃費および
排出ガスの性能を向上する研究開発と考えた場合の評価は、以下の
通りと考えられる。

 熱効率の改善およびエンジン損失(=摩擦・排気・冷却の損失?)
  ・燃料の高圧噴射化 ← (数十年以前からの開発項目)
  ・燃焼室改善 ← (数十年以前からの開発項目)
  ・高過給化← (数十年以前からの開発項目)
  ・ターボチャージャ最適化 ← (数十年以前からの開発項目)
  ・フリクション低減 ← (数十年以前からの開発項目)
  ・エンジン小排気量化 ← (大型トラックでは燃費改善が僅少
              [前述の表14に「燃費改善が僅少」の理由を詳述]
 
 省燃費運転
  ・アイドリングストップ機構 ← (12年前の省エネ大賞の古典的な技術)
  ・エンジン回転・アクセル開度の最適化制御 ← (12段自動ミッション)
  ・エンジンと車両の協調制御 ← (自動ミッションでの普通の制御)

 排出ガス低減
  ・エンジンアウトの排出ガス抑制 ← (単なる願望)
  排気後処理システムの省略化 ← (単なる願望)
  エンジン部品の簡略化 ← (単なる願望)
  後処理装置のシステム全体の圧力損失低減 ← (単なる願望)
  後処理装置のNOx浄化率の向上 ← (単なる願望)

 この自動車技術誌20131年8月号の年鑑「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」では、三菱ふそうトラック・バス梶@高杉英正氏は、
NOx・CO2等の排出ガス削減と燃費低減の両立を図る技術として、10年〜
数十年も以前のから多くの学者・専門家が話題に取り上げられている
「手垢まみれの技術」や「エンジン小排気量化のような大型トラックでは
燃費改善が僅少な技術」を堂々と列挙し、また、高杉英正氏の個人的な
「単なる願望」を列記しているようである。このように、「自動車技術」誌の
年鑑に「単なる願望」が記載されているのを見ると、高杉英正氏は、
自動車技術」誌の年鑑が「公開の日記帳」であると勘違いしているので
あろうか。そうであれば、困ったものである。

 この「ディーゼルエンジン」の年鑑の原稿は、高杉英正氏の上司が内容
をチェック・点検・査読を行っていると思うが、このような乏しい内容の原稿
でも三菱ふそうのエンジン関係の幹部が承認しているのであろうが、筆者
には驚きである。その上、最新の自動車関係の技術情報を日本自動車
技術会の会員に提供することを標榜している「自動車技術」誌が、この
ような10年以上も以前の技術や願望を列挙した内容の年鑑が出版されて
いること自体、自動車技術」誌の編集委員を勤める人達の知識・能力に
疑問を感じるが、如何なものであろうか。

 以上の表15に示した自動車技術誌2012年8月号(Vol.67、N0.8、2013)特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の「4 研究
開発の動向」で三菱ふそうトラック・バス梶@高杉 英正 氏が列挙した「排出ガスと燃費の改善技術」は、ほとんどが既
に10年〜数十年も以前から多くの学者・専門家が話題に取り上げられている「手垢まみれの技術」であり、既に現行の
大型トラックに採用されて実用化されている技術が殆んどである。自動車技術誌2012年8月号の年鑑を素直に読むと、
高杉英正 氏は、日本のトラックメーカが古色蒼然たるディーゼルエンジンの「排出ガスと燃費の改善技術」の改良研究
しか実施していないように読み取れるのである。しかも、この「年鑑」の「研究開発の動向」の項であるにもかかわらず、
排出ガス低減について、具体的な研究開発の内容を説明せず、高杉英正 氏の「単なる願望」が滔々と記載されている
のである。このような、乏しい内容の自動車技術誌が約4万人の日本自動車技術会の会員に配布されているのだ。そ
のため、ディーゼルエンジンに関する新しい技術情報を得ることを期待して、この自動車技術誌を読んだ多くの日本自
動車技術会の会員の殆んどの人達は、失望し、落胆したのではないだろうか。

8−4ー(f) 自動車技術誌2014年8月号(Vol.68、N0.8、2014)の特集:年鑑の疑問点

自動車技術誌2014年8月号(Vol.68、N0.8、2014)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:UDトラックス梶@三沢 
昌宏 氏)の「4 研究開発の動向」には、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するための最近の技術動向が
まとめられている。この「4 研究開発の動向」には、トラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家がディーゼルエン
ジンの排出ガスと燃費を削減するために有効と考えている技術について、まとめられている筈である。この年鑑 「ディ
ーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」に対し、筆者が疑問に感じる内容について、下記の表11−6にまとめた。

表11−6 自動車技術誌2014年8月号「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」についての筆者の疑問
自動車技術誌2014年8月号(Vol.68、N0.8、2014)
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」
(著者:UDトラックス梶@三沢 昌宏 氏)
左記の「4 研究開発の動向」についての疑問
ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費低減の技術内容

 左記のA段落には、現行のディーゼルエンジンでは、排出ガス削減
と燃費改善のために以下の技術が採用されていると述べられている。
・高過給ターボチャージャ(=2段過給等)
・インタークーラ
・クールドEGR
・電子制御式燃料噴射システム
・後処理装置(=SCR触媒、DPF装置)

 そして、左記のB段落およびE段落には、以上の現行ディーゼルエン
ジンに採用の諸技術の更なる「高度化」によって、今後のNOx及び燃
費の規制強化に適合可能との「見通し」が述べられている。この三沢
昌宏 氏の見解には、ポンコツ元技術屋の筆者には疑問に思えるとこ
ろである。

 因みに、近い将来の大型トラックのNOx規制及び燃費規制の強化
のレベルを予想すると、政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガ
ス基準を早期に設定せよ!に記載したように、以下の規制値の水準
になるものと予測される。
 ・ NOx規制の強化 = 0.23 g/kWh
  ( 2016年の次期NOx規制値の約 43 % 減)
  (2005年の第八次答申のNOx挑戦目標レベル)
 ・ 燃費基準の強化 
  =2015年度重量車モード燃費基準から+10%程度の向上

 このように、大型ディーゼルトラックにおいて、「NOx=0.23 (g/kWh)」
と 「2015年度重量車モード燃費基準から+10%程度の燃費向上」が
実施される可能性が極めて高いが、その場合、左記のA段落に記載
の「現行ディーゼルエンジンに採用の諸技術の更なる高度化」だけで
は、NOxと燃費の規制に適合できないと推測される。

 したがって、日本のトラックメーカ等が左記のA段落およびB段落およ
びE段落に述べられているような技術の「研究開発」を実施しているだ
けであれば、将来的なNOxと燃費の規制強化に適合できる大型トラッ
クを実用化することは、ポンコツ元技術屋の筆者には困難と思えて仕
方がない。出来ることなら、三沢昌宏 氏の本心を伺ってみたいもので
ある。

左記の「研究開発の動向」に記載の研究開発の課題

 左記のB段落には、今後の更なる排出ガスと燃費の規制強化に対
応するためには、従来の技術の更なる高度化が必要と述べられてい
る。そのために解決すべき技術的な課題として、左記のC段落および
D段落には、以下のことが示唆されている。

@ エンジンから排出されるNOxの削減のためには、過渡運転時
でのEGR率を増加指させること(=C段落)
・筆者の見解:過渡運転時にEGR率を増加させてエンジンから排出さ
れるNOxの削減を図るとの記述は、異論を挟む余地のない当然のこと
であり、筆者も同意するところである。

A 過渡運転時の空燃比の制御をより高度化すること(=C段落)
・筆者の見解:過渡運転時に空燃比を適切に制御することは、NOx、
PM、黒煙の増加を防止するために必要なことであるため、この記述に
異論を挟む余地のない当然のことであり、筆者も同意するところであ
る。

B 2段ターボ過給を採用した空燃比制御の技術開発を促進する
こと(=C段落)
・筆者の見解:2段ターボ過給(=2段シーケンシャルターボシステム)
は、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化の「3.開発中を
含めた主要なディーゼルエンジンの燃費改善の技術」の項の図4に詳
述しているように、多段トランスミッションと組み合わせて走行中のエン
ジンを低い回転数に維持できるようにすることにより、トラックの走行燃
費を改善できるようにする技術である。したがって、C段落」において
2段ターボ過給による空燃比制御」と述べられていることについては、
三沢昌宏 氏が「2段ターボ過給システム」の本来の機能・効能につい
て、誤って理解されているように思うが、如何なものであろうか。

C SCRおよびDPF等の後処理装置の効率向上のための排出ガ
スの温度制御(=エンジン部分負荷時における排気ガス温度の
高温化)の実現(=D段落)
・筆者の見解:D段落において、エンジン部分負荷時における排気ガ
ス温度の高温化を実現してSCRおよびDPF等の後処理装置の効率向
上を図ると述べられている。しかし、エンジン部分負荷時に排気ガス温
度を高温化するための技術については、UDトラックス鰍フ三沢昌宏
氏は何一つ記載されていないのである。つまり、現在のディーゼルエ
ンジンにおける「SCRによるNOx削減」や「DPFの自己再生の促進」の
機能向上の課題が述べられているだけである。これは、前述の表11
に示した「自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、2010)特集:年
鑑 ディーゼルエンジンの4研究開発の動向(著者:UDトラックス梶@
小林信裕 氏)」とほぼ同じ内容である。
 このことは、2010年8月から4年経過した現在(2014年8月)で
も、UDトラックス鰍フエンジン技術者・専門家がエンジン部分負
荷時における排気ガス温度を高温化によるSCRおよびDPF等の
後処理装置の効率向上を図る課題の解決策を見出していない証
拠と考えられる。このように、4年の歳月を費やしてもSCRおよびDPF
等の後処理装置の効率向上に有効なエンジン部分負荷時における排
気ガス温度を高温化の技術が開発できない状況であるにもかかわら
ず、彼らはディーゼルエンジンの部分負荷時における排気ガス温度を
高温化に有効な筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術(=2006年4月に開設のホームページ上で公開済
み)を頑なに無視・黙殺し続けているのである。
 このことは、UDトラックス鰍フUDトラックス活ネ外のトラックメーカのエ
ンジン技術者・専門家も同様な状況に陥っているものと推測される。こ
のことから、日本のトラックメーカのエンジン技術者・専門家は、誰一人
として気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)におけるエンジン部
分負荷時の排気ガス温度高温化の優れた機能・効能を理解できない
ことが原因かも知れない。仮に、これが事実であれば、何とも嘆かわし
い事ではないだろうか。それとも、ポンコツ元技術屋の提案する特許
技術〔(=気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)〕を採用すること
に、日本のトラックメーカのエンジン技術者・専門家のプライド・自尊心
が許さないだけであろうか。仮に、そうであれば、この痩せ我慢はいつ
まで続けることができるのであろうか。ポンコツ元技術屋にとっては、
興味深々なことである。
 

8−4ー(g) 自動車技術誌2015年8月号(Vol.69、N0.8、2015)の特集:年鑑の疑問点

 自動車技術誌2015年8月号(Vol.69、N0.8、2015)の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:いすゞ自動車梶@柿原
知明 氏)の「4 研究開発の動向」には、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費を削減するための最近の技術動向が
まとめられている。この「4 研究開発の動向」には、トラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家がディーゼルエン
ジンの排出ガスと燃費を削減するために有効と考えている技術について、まとめられている筈である。この年鑑 「ディ
ーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」に対し、筆者が疑問に感じる内容について、下記の表11−7にまとめた。

表11−7 自動車技術誌2015年8月号「ディーゼルエンジン」の「4 研究開発の動向」についての筆者の疑問
自動車技術誌2015年8月号(Vol.69、N0.8、2015)
特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」の
「4 研究開発の動向」
(著者:いすゞ自動車梶@柿原知明 氏)
左記の「4 研究開発の動向」についての疑問
大型トラックの日本、米国、欧州のNOx規制の現状
米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠
にも詳述しているように、大型ディーゼルトラックに関する日本の
NOx規制は、次期の規制(2016年規制)でも、欧、米のNOx規制より
も緩い規制値が施行されているのが現状のようである。

 欧州
 2013年のEUROY(過渡モード)NOx = 0.46 g/kWh
  EEV(5)(過渡モード)は、NOx = 0.2 g/kWh
注 EEV:Enhanced Environmentally Friendly Vehiclesの略。EEV規
制値は、大気汚染が特に進行している都市等の地域問題解決のた
め、メンバー各国が政策的に使用するための値(例:都市への乗り
入れ制限を設ける際の基準として使用)で、暫定値。

 米国
 2010年のNOx規制は、NOx = 0.27 g/kWh

 日本 
 2016年のNOx規制は、NOx= 0.4 g/kWh 

日本の大型トラックに必要なNOx規制と燃費基準の強化 
〇大型トラックのNOx規制の強化
近い将来の大型トラックのNOx規制及び燃費規制の強化のレベルを
予想すると、政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガス基準を
早期に設定せよ!および米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施
行し続ける日本政府の怠慢に記載したように、以下の規制値の水準
になるものと予測される。
    NOx規制の強化 = 0.23 g/kWh
  ( 2016年の次期NOx規制値の約 43 % 減)
  (2005年の第八次答申のNOx挑戦目標)

〇大型トラックの燃費基準の強化 
 ・ 燃費基準の強化の経緯
2006年 3月に「2015年度重量車燃費基準」の策定
2007年 7月に「2015年度小型貨物車燃費基準」の策定
2015年 7月に「2022年度小型貨物車燃費基準」の策定

 ・ 小型貨物車の燃費基準の強化として、2015年 7月に「2022年度
小型貨物車燃費基準」が既に策定されていることから判断し、大型ト
ラック(=重量車)においても早急に燃費基準の強化が必要であるこ
とは明らかである。その場合の大型トラックの燃費基準の強化は、
以下のレベルが適切と考えられる。
   2015年度重量車モード燃費基準から+10%程度の向上

・今後、日本において早急に実施すべき大型トラックに必要なNOx規
制と燃費基準の強化のレベルは、以下の通りと考えられる。
大型ディーゼルトラックのNOxの規制の強化
     「NOx=0.23 (g/kWh)」
大型ディーゼルトラックの燃費基準の強化
「2015年度重量車モード燃費基準から+10%の燃費向上」

・現在の日本の大型トラックにおいては、以上のNOxと燃費の規制
強化の早急な実施が求められている。

大型トラックのNOx削減と燃費改善のための技術的課題
・現時点(2015年8月時点)において、大型トラックの「低NOx化」およ
び「低燃費化」を実現するための解決すべき課題は以下の通りであ
る。
@ DPF装置の強制再生の頻度減少
A SCR触媒の低温活性
BSCR触媒のHC被毒の解消」
C 重量車モード燃費の改善

大型トラックの@〜Cの課題を解決できる技術
・大型トラックの@〜Cの課題を解決できる技術は、本ページの他の
項や気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化のページに詳
述しているように、大型トラック用ディーゼルエンジンに気筒休止エン
ジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用することである。現
在のところ、この特許技術以外に日本の大型トラックの使用過程車
を「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」と「2015年度重量車燃費基準
から+10%程度の燃費向上」の規制強化に適合させることは、困難
と推察される。ところが、大型トラックのNOx削減と燃費向上に有効
な気筒休止を黙殺する学者諸氏に詳述のように、日本の大学・研究
機関の学者・専門家や自動車メーカの技術者は、気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の特許技術を完全に無視・黙殺しているの
が現状のようである。

左記の「4 研究開発の動向」に記載の内容
左記の「4 研究開発の動向」では、「トラック用ディーゼルエンジン
に関する記述」の部分では、いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、大型
トラックの「低NOx化」および「低燃費化」を実現するための解決すべ
き課題や、その課題を解決する具体的な技術を何一つ記載していな
いようである。そして、いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏が記載してい
ることは、トラック用ディーゼルエンジンの技術的な内容の専門書・記
事に記載された「項目の表題」だけを寄せ集めて羅列しているようで
ある。
「CO2排出/燃費低減に向けた燃焼効率の改善」
「エンジン出口排出ガス低減の技術」
「後処理技術」
「統合制御技術」
「全体の機械損失や冷却適正化」
「CO2排出/燃費低減のための要素技術研究開発」
「排出ガス適合技術」
「ハードとソフトを含めた制御精度向上技術」
「”製品”としての最適化技術の研究開発」
「コスト削減と顧客に対する利便性の改善」

・左記の「4 研究開発の動向」の「トラック用ディーゼルエンジンに関
する記述」の部分では、専門書・記事に記載された「項目の表題」だ
けを寄せ集めて羅列し、大型トラックの「低NOx化」および「低燃費
化」を実現するための解決すべき課題や、その課題を解決する具体
的な技術を何一つ記載していない。つまり、左記の「4 研究開発
の動向」の「トラック用ディーゼルエンジンに関する記述」の部
分は、「大型トラックの低NOx化および低燃費化の技術動向に
ついての記載は省略する」の1行で済む内容である。そのため、
一見したところ、自動車技術誌2015年8月号の配布先の読者である
自動車技術会の約4万人の会員を完全に「馬鹿」にした内容と考え
られる。しかし、このような見方は、筆者には完全な誤りと考えてい
る。

・いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、トラックメーカの専門家・技術者
であるため、当然のことながら大型トラックの「低NOx化」および「低
燃費化」を実現するために@〜Cの課題を早急に解決すべきことを
十二分に承知している筈である。そのため、左記の「4 研究開発の
動向」の最初に@〜Cの大型ディーゼルトラックの課題を明記すれ
ば、それに続いて、当然、@〜Cの課題を解決する研究開発の最近
の動向を記載する必要が生じることになる。ところが、残念なことに、
いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、大型ディーゼルトラック@〜Cの
課題を解決する技術の情報を何も保持していないと推測される。仮
に、いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏が生真面目で正直な人物であれ
ば、大型ディーゼルトラック@〜Cの課題を解決する技術として、
2010年7月28日発表の中央環境審議会・大気環境部会の第十次
答申に記載された「2段過給」、「EGR率の向上(一部にはLP-EGR採
用)」、「燃料噴射圧力の向上とPCI燃焼」、「ターボコンパウンド」の
「ガラクタ技術」または「ポンコツ技術」と言っても過言ではない技術を
左記の「4 研究開発の動向」に列挙していたものと推測される。とこ
ろが、いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、2010年の中央環境審議会
の第十次答申に示された旧態依然の手垢の付いた技術を列挙する
ことを嫌ったものと考えられる。そこで、いすゞ自動車鰍フ柿原知明
氏は、大型ディーゼルトラック@〜Cの課題を解決する技術の情報を
何も保持していない実情を隠蔽・隠匿するため、左記の「4 研究開
発の動向」の「トラック用ディーゼルエンジンに関する記述」の部分で
は、専門書・記事に記載された「項目の表題」だけを寄せ集めて羅列
し、大型トラックの「低NOx化」および「低燃費化」を実現するための
解決すべき課題や、その課題を解決する具体的な技術を何一つ記
載しないことにしたようである。つまり、いすゞ自動車鰍フ柿原知明
氏は、大胆にも、左記の「4 研究開発の動向」の「トラック用ディーゼ
ルエンジンに関する記述」の部分は、「大型トラックの低NOx化およ
び低燃費化の技術動向についての記載は省略する」の1行で済む
内容を、意味も無くダラダラと記述したと考えられる。これは、何とも
呆れたことではないだろうか。

・このように、自動車技術誌2015年8月号(Vol.69、N0.8、2015)の特
集:年鑑のディーゼルエンジンの「研究開発の動向」に「専門書・記
事に記載された表題」だけを寄せ集めて羅列した破廉恥とも思える
記事が堂々と掲載されていることは、筆者には驚愕至極である。一
体全体、自動車技術」誌の編集委員を委任されている人達の知識・
能力・常識に疑問を感じるが、如何なものであろうか。 

・因みに、いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、自動車技術誌2015年8
月号の年鑑では、ディーゼルエンジンの「NOx削減」と「燃費改善」に
有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無
視・黙殺していることが事実である。その結果、大型ディーゼルトラッ
クの大型トラックの継続生産車の「2015年度重量車燃費基準から+
10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」の実施
を遅延せざるを得ない状況が作り出されることになる。そのことから、
いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、自動車技術誌2015年8月号の年
鑑を活用した反社会的な活動を行っていると見ることも可能と思う
が、これは筆者の難癖であろうか。

・なお、仮に、左記の「4 研究開発の動向」を筆者が記述するとすれ
ば、「大型トラックの低NOx化、および低燃費化を実現するためには、
早急に@〜Cの課題を解決することが必要不可欠である。そのため
の唯一の方法は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特
許技術を大型トラック用ディーゼルエンジンに採用することである。」
との内容となるが・・・・・・。

8−4ー(h) 自動車技術誌の年鑑(2010〜2015年)でのディーゼル技術動向のまとめ

 最近の5年間(2010〜2015年)における「自動車技術」誌の年鑑の「ディーゼルエンジン」での「研究開発の動向」に掲
載されている「ディーゼルエンジンの排出ガス向上と燃費改善」に関する記載内容を、以下の表12にまとめた。

表12 最近の3年間自動車技術」誌の年鑑の「ディーゼルエンジン」での「研究開発の動向」の記載内容
自動車技術誌の
発行年度
「ディーゼルエンジン」の項の
「研究開発の動向」の記載内容
左記の「研究開発の動向」の
記載内容における疑問点
2010年8月発行

年鑑
 尿素SCR触媒のNOx削減とDPFの再生のた
めにエンジン低負荷の排気ガス温度を 高温
化する技術の開発が必要
 (=研究開発の動向では無く、単に課題の提
示)

著者:UDトラックス梶@小林信裕 氏 】
左記の「研究開発の動向」には、ディーゼルの排出ガスと燃費を
改善するための課題として、エンジン低負荷時に排気ガス温度を
高温化する技術が必要とのだけが記載されているの過ぎない。
したがって、左記の内容を正確に書き直すと、「ディーゼルの排出
ガスと燃費の改善に必要なエンジン低負荷時に排気ガス温度を
高温化する技術は、現時点では不明である」とするべきである。

一方、2006年4月に開設した筆者のホームページでは、
「ディーゼルエンジン低負荷時に排気ガス温度を高温化できる
ために、左記のディーゼルの排出ガスと燃費を改善するための
課題が目出度く解決できる2ターボ方式の気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の技術を提案しているが、左記の
著者は、この気筒休止の技術を完全に無視・黙殺しているようで
ある。
2011年8月発行

年鑑
 燃費および排出ガスを改善するためのフリク
ションの削減と燃焼改善 
(=新規の具体的な燃費改善技術の記載は無
し)

著者:いすゞ自動車梶@柿原智明 氏 】
フリクションの削減と燃焼改善は、ルドルフ・ディーゼルが
1892年にディーゼルエンジンを発明して以来、120年以上も昔から
一貫して技術開発が行われてきた古色蒼然たる燃費向上の技術
である。(=今後とも未来永劫の開発継続画が予想される誰もが
認める燃費改善の技術)

左記の内容は、小・中学生でも記載できるの技術であり、
ディーゼルの排出ガスと燃費の改善技術が何も記載されていない
のと同じである。

一方、筆者の提案する2ターボ方式の気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の技術は、「尿素SCR触媒等によるNOx削減
の向上」、「実走行時に多用するエンジン部分負荷時の燃費
向上」、「DPF装置での強制再生の頻度削減による燃費改善」が
可能である。、2006年4月に開設した筆者のホームページでは、
この気筒休止の技術を公開しているが、左記の著者は、これを
完全に無視・黙殺しているようである。
2012年8月発行

年鑑
 燃費改善および排出ガス低減の技術として
中央環境審議会・大気環境部会の第十次答
申に記載されたものと略、同類の技術を列

  ・高Pme
  ・高過給化
  ・高圧のマルチ噴射
  ・可変バルブタイミング
  ・可変スワール
  ・EGRの温度・流量制御の高度制御
  ・廃熱回収などのエネルギー回収技術

著者:日野自動車梶@清水 亨 氏 】
前述の図10に示した「NEDOの革新的次世代低公害車総合
技術開発プロジェクトである超高度燃焼制御エンジシステムの
研究開発」および、図10に示した「PCI 燃焼による燃費改善の
結果」並びに
ターボコンパウンドは、大型トラックの走行燃費の改善が困難な技術
だ! 等の情報から明らかなように、左記のような中央環境審議
会・大気環境部会の第十次答申に列挙された技術では、ディー
ゼルの排出ガス改善と燃費向上は、困難なことは明らかである。

一方、筆者の提案する2ターボ方式の気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の技術は、前述の理由により、「尿素SCR触媒
等によるNOx削減の向上」、「実走行時に多用するエンジン部分
負荷時の燃費向上」、「DPF装置での強制再生の頻度削減に
よってディーゼルエンジンの燃費改善」が可能である。、2006年4月
に開設した筆者のホームページでは、この気筒休止の技術を
公開しているが、左記の著者は、これをを完全に無視・黙殺して
いるようである。 
2013年8月発行
年鑑
 燃費・排出ガスの改善と省燃費運転 
 ・燃料の高圧噴射化
 ・燃焼室改善
 ・高過給化
 ・フリクション低減
 ・エンジン小排気量化
 ・アイドリングストップ機構
 ・エンジン回転・アクセル開度の最適化制御 
 ・エンジンと車両の協調制御 
 ・エンジンアウトの排出ガス抑制
 排気後処理システムの省略化
 エンジン部品の簡略化 
 後処理装置の圧力損失低減
 後処理装置のNOx浄化率の向上

著者:三菱ふそうトラック・バス梶@高杉英正氏 】
左記の三菱ふそうトラック・バス梶@高杉英正氏が列挙した技術
は、以下の理由で大型トラックの排出ガス削減と燃費低減が
困難と考えられる。

@ 過去10年〜数十年も以前に実用化されて以来、長年に
わたって改良されてきた技術であるために今後の性能向上が
極めて困難な「手垢まみれの技術」の技術、

A 既に大型トラックにインタークラ過給エンジンが搭載されて
いる現状において、浦島太郎やドン・キホーテのような時代錯誤
の人物が期待するような燃費改善を目的とした「エンジン
小排気量化」の技術

B 三菱ふそうの高杉英正氏の「単なる願望」だけであり、その
願望を具現化する具体的な構造・手法が何も明示されていない
技術

 左記に列挙された技術は、以上の何れかに分類できる
排出ガス削減やと燃費低減の技術である。したがって、2013年
8月発行の自動車技術誌の年鑑に記載されているように、仮に、
トラックメーカが左記の技術の研究開発を懸命に実施している
としても、近い将来に大型トラックの目立った十分な排出ガス
削減やと燃費低減を実現することが困難と考えられる。世間で
良く言われている「下手の考え、休むに似たり」とは、この
ような挙動・行動を指すのではないだろうか。

一方、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化にも
詳述しているように、大型トラックにおいて本当に排出ガス削減と
燃費低減の両立を実現を図るためには、筆者が提案している
2ターボ方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
技術の実用化を図ることを、筆者は、提案している。この気筒
休止の技術を大型トラックに採用すれば、「尿素SCR触媒等に
よるNOx削減の向上」、「実走行時に多用するエンジン部分
負荷時の燃費向上」、「DPF装置での強制再生の頻度削減に
よるディーゼルエンジンの燃費改善」が可能である。2006年4月
に開設した筆者のホームページでは、この気筒休止の技術を
公開している。しかし、これまでと同様に、著者の三菱ふそう
の高杉英正氏の左記の年鑑では、排出ガス削減と燃費低減に有効
な技術を何一つ記載することができていないにもかかわらず、
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術だけは、
頑なに無視・黙殺しているようである。 この無視・黙殺は、三菱
ふそうトラック・バス鰍フエンジン関係の幹部の強い指示に依る
ものであろうか。
2014年8月発行
年鑑
 更なる排出ガス削減と燃費改善のために は、現行のディーゼルエンジンの技術の高 度化が必要
・高過給ターボチャージャ(=2段過給等)
・インタークーラ
・クールドEGR
・電子制御式燃料噴射システム
・後処理装置(=SCR触媒、DPF装置)

 尿素SCR触媒のNOx削減とDPFの再生のた めにエンジン低負荷の排気ガス温度を 高温 化する技術の開発が必要
 (=研究開発の動向では無く、単に課題の提 示)

著者:UDトラックス梶@三沢 昌宏 氏 】
2010年8月から4年経過した現在(2014年8月)でも、UDトラ ックス鰍フエンジン技術者・専門家がエンジン部分負荷時にお ける排気ガス温度を高温化してSCRおよびDPF等の後処理装置 の効率向上を図る課題の解決策を見出していないことが明らか だ。
 このように、エンジン部分負荷時における排気ガス温度を高温化の 課題解決の技術開発については、トラックメーカでは最近の4年間に わたって無駄な歳月を費やされていたようである。その結果、SCRお よびDPF等の後処理装置の効率向上に有効なエンジン部分負荷時 における排気ガス温度を高温化の技術が開発できていない状況であ る。それにもかかわらず、トラックメーカの技術者・専門家はディーゼル エンジンの部分負荷時における排気ガス温度を高温化に有効な筆者 提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術(= 2006年4月に開設のホームページ上で公開済み)を頑なに無視・黙 殺し続けているようである。
2015年8月発行
年鑑
 専門書・記事に記載された「項目の表題」だ けを寄せ集めて羅列し、大型トラックの「低NOx 化」および「低燃費化」を実現するための解決す べき課題や、その課題を解決する具体的な技術 を何一つ記載していない

著者:いすゞ自動車梶@柿原知明 氏 】
いすゞ自動車鰍フ柿原知明 氏は、大型トラックの「低NOx化」およ び「低燃費化」を実現するための解決すべき課題や、その課題を解決 する具体的な技術を何一つ記載していないようである。そして、いすゞ 自動車鰍フ柿原知明 氏が記載していることは、トラック用ディーゼル エンジンの技術的な内容の専門書・記事に記載された「項目の表題」 だけを寄せ集めて羅列しているようである。
 このことから、大型トラック用ディーゼルエンジンのエンジン部分負 荷時における排気ガス温度を高温化の課題解決の技術開発につい ては、トラックメーカでは最近の6年間にわたって無駄な歳月を費やさ れていたようである。その結果、SCRおよびDPF等の後処理装置の効 率向上に有効なエンジン部分負荷時における排気ガス温度を高温化 の技術が開発できていない状況である。それにもかかわらず、トラック メーカの技術者・専門家はディーゼルエンジンの部分負荷時における 排気ガス温度を高温化に有効な筆者提案の気筒休止エンジン(特許 公開2005-54771)の特許技術(=2006年4月に開設のホームページ 上で公開済み)を頑なに無視・黙殺し続けているようである。

 ところで、自動車技術会の吉川暢宏 氏の編集後記(=2014年8月発行の年鑑)によれば、「自動車技術会誌の年鑑
号は自動車業界の技術進展の定点観測データと位置づけられる」とのことである。そのような観点から見ると、以上の
表17に示した最近の4年間(2010〜2014年)における「自動車技術」誌の年鑑の「ディーゼルエンジン」での「研究開発
の動向」では、以下のように、ディーゼルエンジンの分野では、肝心の燃費向上と排出ガス改善についての有効な技術
が具体的にほとんど記載されていないようである。(詳細は前述の8-4-(a)〜(f)の項を参照方)

 2010年:エンジン低負荷時の排気ガス温度の高温化が必要との課題だけであり、技術動向の記載は、皆無
 2011年:燃費および排出ガスの改善のため、フリクション削減と燃焼改善を列挙した古色蒼然たる一般論の記載
 2012年:燃費および排出ガスの改善に効果が僅少の中環審・大気部会の第十次答申と同類の技術の列挙に終始
 2013年:燃費および排出ガスの改善に効果が僅少の10年以上も以前の技術や著者の希望・願望の列挙に終始
 2014年:エンジン低負荷時の排気ガス温度の高温化の課題は、4年前と同様に、未解決の状態で手詰まり状態
 2015年:専門書の項目の表題だけの羅列していることから、5年前と同様に、未解決の状態で手詰まり状態

 このように、最近の5年間(2010〜2015)における「自動車技術」誌の年鑑の「ディーゼルエンジン」での「研究開発の
動向」では、著述を担当したUDトラックス梶Aいすゞ自動車梶A日野自動車且O菱ふそうトラック・バス鰍フ技術者・専
門家は、近い将来に実現できそうな大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費改善および排出ガス低減の技術がほと
んど記載されておらず、従来からの「手垢の付いた新技術?」や「制御の高度化?」のような読者を煙に巻く技術を列
挙しているのである。これは、大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費改善および排出ガス低減に有効な技術を、近
年、何一つ開発できてていないことを意味すると考えられる。特に、2010年と2014年の「ディーゼルエンジン」の年鑑の
何れにも「エンジン部分負荷時における排気ガス温度を高温化してSCRおよびDPF等の後処理装置の効率向上を図る
との最重要課題」だけが記載されており、この課題を解決するためのエンジン部分負荷時の排気ガス温度を高温化す
る具体的な開発技術が何も述べられていないことは、最近のディーゼルエンジンの研究開発における停滞を如実に示
していると考えられる。このことは、毎年、「自動車技術会誌の年鑑号」を地道に発行することによって得られた自動車
業界の技術進展の定点観測データによって明らかになったことである。これを見ると、自動車技術会が何気に「良い仕
事をしている」ことになり、自動車技術会の存在意義を再認識した次第である。

 何はともあれ、2010年〜2015年の各年の年鑑(8月号)において、エンジン部分負荷時における排気ガス温度を高温
化してSCRおよびDPF等の後処理装置の効率向上を図る技術開発の必要性を訴えているのは、小林信裕 氏と三沢
昌宏 氏のUDトラックス鰍フ技術者・専門家だけである。このUDトラックス鰍フ小林信裕 氏と三沢昌宏 氏に見られる
正確な技術情報を発信する真面目な年鑑」の執筆者としての姿勢は、賞賛に値するものと考えられる。これに対し、
日野自動車 清水 亨 氏、いすゞ自動車 柿原智明 氏、三菱ふそうトラック・バス 高杉英正 氏は、彼らの担当し
た「年鑑」には、ディーゼルエンジンにおける部分負荷時には排気ガス温度の高温化が必要との未解決な最重要課題
について何も触れておらず、その課題を解決するための技術開発の動向に全く言及していないのである。このことか
ら、日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそうの技術者・専門家は、自動車技術会誌の年鑑」に正しい技術情報を記載
する気構えが欠落していることが明らかだ。このようことは、「年鑑」の読者である自動車技術会の約4万人の会員を馬
鹿にした態度と言えるのではないだろうか。それとも、たまたま不幸なことに、日野自動車 清水 亨 氏、いすゞ自動
車 柿原智明 氏、三菱ふそうトラック・バス 高杉英正 氏は、何れの人物も部分負荷時の排気ガス温度の高温化
がディーゼルエンジンの最重要課題との認識が皆無の無能な技術者・専門家であったとのことであろうか。何れにして
も、彼らの記述内容は、自動車技術会誌「年鑑」の持つ技術的な進展や停滞の定点観測の正確なデータの欠落とな
り、その罪は軽いものでは無いと考えられる。そのことを考えると、2011年〜2013年の各年の年鑑(8月号)の執筆を担
当した日野自動車 清水 亨 氏、いすゞ自動車 柿原智明 氏、三菱ふそうトラック・バス 高杉英正 氏には、深く反
省して欲しいところである。

 なお、ディーゼルエンジンの部分負荷時の排気ガス温度を高温化する具体的な開発技術が進展していないことは、
近年の自動車技術会や日本機会学会の講演会では大型トラック用ディーゼルエンジンの部分負荷時における排気ガ
ス温度を高温化する有効な技術が開発されたとの報告や発表の行われた形跡が無いことから、容易に推測できること
である。これは、日本のトラックメーカではディーゼルエンジンの技術開発に取り組む真摯な姿勢や能力に欠けた技術
者・専門家が多くを占めていることが原因かも知れない。その片鱗としては、日野自動車が論文発表した燃費改善機
能の劣る気筒休止システムに詳述したように、既にガソリンエンジンで実用化されている「吸・排気弁休止式の気筒休
止システム」を大型トラック用ディーゼルエンジンに適用した論文を日野自動車が2014年5月の自動車技術会春季講演
会で発表しているが、この技術では構造的な欠陥のため大型トラックの走行燃費を十分い改善できない代物でことか
らも窺い知ることができることだ。このように、日本のトラックメーカが大型トラックの「走行燃費の改善」や「部分負荷時
の排気ガス温度を高温化」に有効であるものの、致命的な欠陥のある「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」の研
究を恥ずかしげも無く堂々と発表していることは、浅学菲才のポンコツ元技術屋の筆者にとっても驚愕至極である。こ
のような重大な欠陥のある「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」の研究論文しか発表できない日本のトラックメー
カであるにもかかわらず、何れのトラックメーカの技術者・専門家は、全員が申し合わせたかの如く、2006年4月に開設
した筆者のホームページで提案したディーゼルエンジンの燃費向上と排出ガス改善に極めて有効な気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の技術を一致団結して黙殺・無視しているようである。

 何はともあれ、日本の研究機関やトラックメーカの学者・専門家が、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費改善に有
効な2ターボ方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を、これまで長年に亘って理不尽に無視・黙殺を
続けてきたことは事実である。その結果、米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢に詳
述しているように、日本では米国のNOx規制(=2010年規制でNOx = 0.27 g/kWh)に比べて、2016年の時点でもNOx 
= 0.4 g/kWhの緩いNOx規制しか適合できない低NOxに面で大幅に劣る大型トラックが市販され続けている状況であ
る。つまり、現在の日本のトラックメーカのNOx低減の技術レベルは、米国に比べて大幅に劣っているものと推測され
る。このことは、最近の4年間(2010〜2014年)における「自動車技術」誌の年鑑の「ディーゼルエンジン」を著述を担当
したUDトラックス梶Aいすゞ自動車梶A日野自動車梶A三菱ふそうトラック・バス鰍フ技術者・専門家がトラック用ディー
ゼルエンジンの燃費向上と排出ガス改善についての有効な技術を記載できていないことからも、容易に理解できること
ではないだろうか。このことから、最近のトラックメーカは、トラック用ディーゼルエンジンの燃費向上と排出ガス改善の
技術開発が完全に手詰まりであると考えられる。しかし、そのような状況でも、不思議なことに、日本の研究機関やトラ
ックメーカの学者・専門家は、何故か知らないが、ディーゼルエンジンの排出ガスと燃費改善に有効な2ターボ方式の
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を頑固に拒否しているようだ。これまで、日本の多くの学者・専門家
は「NOxと燃費の間にはトレードオフ(=二律背反)の関係があるため、ディーゼルエンジンのNOxと燃費とを同時に改
善することは難しい」と、したり顔で説明している。しかし、筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技
術を実用化すれば容易に大型トラックのNOxと燃費との同時改善が実現できるのである。

 しかしながら、日本の研究機関やトラックメーカの学者・専門家がディーゼルエンジンの排出ガスと燃費改善に有効な
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を意固地に無視・黙殺する状況を見ていると、これから何年を経過
すれば、日本の大型トラックにおいても、米国の大型トラックと同等の厳しいNOx規制が晴れて実施される時代が到来
するかどうかについて、誰もが不安に思うところである。そして、大部分の国民は、出来るだけ早期に、米国の大型トラ
ックと同等の厳しいNOx規制が日本でも実施される時代が到来して欲しいもと願っている筈である。しかし、気筒休止エ
ンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺する日本の学者・専門家・技術者の現状の行動を見ていると、
米国の大型トラックと同等の厳しいNOx規制が日本の大型トラックに実施される時期の到来を予測することは、難しい
ことだ。もっとも、日本における現時点での大型トラックのNOx規制強化が米国に比べて大幅に遅延してしまっているこ
とによって健康上の被害を被るのは、大多数の日本国民であることは、間違いないだろう。この国民が受けている大気
汚染による健康上の被害・迷惑を早期に打破する責任の一端を担っているトラックメーカの学者・専門家人達には、こ
のことについての十分な自覚があるのであろうか。その本心を、是非とも聞いてみたいところである。

 ところで、自動車技術会の「倫理規定」では、情報発信について「研究成果や成果を社会に正しく説明します。」と
堂々と宣言しているのである。それにもかかわらず、前述のように、最近の4年間(2010〜2014年)では、自動車技術
会は、「自動車技術」誌の年鑑にはディーゼルエンジンの燃費改善および排出ガス低減できる技術が不明または未開
発の状態であることを「意図的に隠蔽?」、若しくは隠した「記載を回避・削除」した自動車技術会誌を4万人の会員に
配布して続けてきたように見えるのである。このような状況を見ると、一体全体、「自動車技術」誌の編集委員会の人達
には、職務責任を意識して行動しているとはとても思えないのである。そして、自動車技術会には「倫理規定」なるもの
が存在しているが、これは、単なる飾り物であり、何の意味も無いように思えるのだ。そして、自動車技術会は、これま
でと同様に、ディーゼルエンジンの燃費改善および排出ガス低減に有効な技術を何も記載していない自動車技術」誌
を、これからも何食わぬ顔で4万人の会員に配布する心算の可能性が極めて高いように思えるのである。仮にそのよ
うなことが実際に行われるようであれば、自動車技術会は、毎年、真面目に会費を収めている会員を完全に愚弄して
いることになると考えられるが、如何なものであろうか。

8−5.早稲田大学・草鹿教授が提示した大型トラックにおける喫緊に解決すべき課題

 日本自動車工業会のホームページのJAMAGAZINE (2012年3月号)に掲載の「クリーン・ディーゼルエンジン技術と
将来」と題するページにおいて、以下の表13に示したように、早稲田大学の草鹿教授は、「商用車クリーン化技術の項
に「商用車(=大型トラック等)における喫緊に解決すべき課題が列挙されている。

表13 日本自動車工業会のホームページに掲載の「クリーン・ディーゼルエンジン技術」
 ● 出典のホームページ : 日本自動車工業会 JAMAGAZINE 2012年3月号

 
日本自動車工業会 JAMAGAZINE 2012年3月号に記載されているクリーン・ディーゼルエンジン技術


(出典:http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/201203/03.html

 

 この日本自動車工業会のホームページのJAMAGAZINE (2012年3月号)に掲載の「クリーン・ディーゼルエンジン技
術と将来」と題するページでは、早稲田大学の草鹿教授は、2012年の時点での大型トラックおける喫緊に改善すべき
重要課題として、以下の4項目と認識されていたようだ。

@ ポスト噴射式や排気管内燃料噴射式のフィルタ再生システムを採用したDPF装置における強制再生の
  頻度減少による燃費悪化の防止

A SCR触媒における低温活性の向上

B SCR触媒の耐久性の向上(SCR触媒のHC被毒の再生処置?)

C 重量車モード燃費の改善

 このように、早稲田大学の草鹿教授は、JAMAGAZINE (2012年3月号)に掲載の「クリーン・ディーゼルエンジン技術
と将来」と題するページでは、大型トラックの改善すべき重要課題として、以上の@〜Cの4項目の早急に解決すべき
問題・命題が列挙されている。この早稲田大学の草鹿教授が挙げられた@〜Cの4項目の早急に解決すべき大型ト
ラックの課題は、ポンコツ元技術の筆者も激しく同意するところである。そして、この日本自動車工業会のホームページ
のJAMAGAZINE(2012年3月号)に掲載の「クリーン・ディーゼルエンジン技術と将来」において、草鹿教授が大型トラッ
クの喫緊に改善すべき4項目の重要課題とともに共に、それらの課題の解決に資する技術的な示唆を記載されていれ
ば、このホームページを閲覧したトラックメーカのエンジン技術者にとっては、彼らの日常の研究開発の手助けになっ
たのである。そして、その場合、偶然にも、このホームページを閲覧したトラックメーカのエンジン技術者は、大いに感
謝する筈である。

 しかしながら、この日本自動車工業会ホームページの「クリーン・ディーゼルエンジン技術と将来」との堂々たる題名
を掲げたページには、日本を代表するエンジン研究を専門とされる学者の草鹿教授は、大型トラックの喫緊に改善す
べき4項目の重要課題が列挙されているだけであり、それら課題を解決する技術的な示唆が何一つ述べられていない
のである。そのため、「クリーン・ディーゼルエンジン技術と将来」のページを開き、何かを期待して閲覧したトラックメー
カの多くのエンジン技術者は、必ずや失望したものと推測される。このように、「クリーン・ディーゼルエンジン技術と将
来」との立派な題名のページに草鹿教授が早急に善すべき大型トラックの4項目の重要課題を解決する技術が何も述
べられていない。このことから判断すると、草鹿教授は、2012年3月の時点においては、大型トラックの4項目の重要課
題を解決する技術的なの提案や研究開発の方針の案を何も持たれていなかったと判断しても大きな間違いが無いも
のと推測される。それでは、その後、2年程度が経過した2014年9月現在では、草鹿教授は、大型トラックの@〜Cの4
項目の重要課題を解決する技術を見出されたのであろうか。ポンコツ元技術屋の筆者は、浅学菲才の上に技術情報
の収集能力も劣ることもあり、草鹿教授は、大型トラックの@〜Cの4項目の重要課題を解決する実用的な技術を見
出されたとの情報を得ていない。願わくば、本ホームページを閲覧された方の中で、草鹿教授が大型トラックの@〜C
の4項目の重要課題を解決する技術を提案されているとの情報を持たれている場合は、その情報を本ページの末尾
のメールアドレスにご連絡いただければ幸いである。

 このように、2012年3月に発行の日本自動車工業会ホームページの「クリーン・ディーゼルエンジン技術と将
来」の記事では、日本を代表するエンジン研究を専門とされる早稲田大学・草鹿教授は「@ DPF装置の強制再
生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、「C 重量車モード燃費の改
善」」の4項目の大型トラックの研究開発すべき課題だけを列挙し、これらの課題を解決する具体的な技術的を
何も提示・開示していないのである。したがって、この日本自動車工業会ホームページの「クリーン・ディーゼル
エンジン技術と将来」の記事の内容では、大型トラックの「低NOx化」および「低燃費化」の実現には、直接的に
役立つ技術情報が殆ど何も言及されていないといっても過言ではないようだ。

 また、大型トラックのSCRおよびDPF等の後処理装置の効率向上を可能にするためにエンジン部分負荷時における
排気ガス温度の高温化を可能にする技術開発の必要性については、以下のように、トラックメーカの技術者・専門家最
近の自動車技術誌で記載されている内容と同じである。

(1) UDトラックス 小林信裕 氏
  自動車技術誌2010年8月号(Vol.64、N0.8、)の特集:年鑑の「ディーゼルエンジン」の項には、「排気ガス温度の高温
化」を図る技術開発の必要性が記載されている。(前述の8−4ー(b)の項を参照方)

(2) UDトラックス 三沢昌宏 氏
  自動車技術誌2014年8月号(Vol.68、N0.8、2014)の特集:年鑑の「ディーゼルエンジン」の項には、「排気ガス温度の
高温化」を図る技術開発の必要性が記載されている。(前述の8−4ー(f)の項を参照方)

 以上のように、2010年〜2014年において、UDトラックス 小林信裕 氏と 三沢昌宏 氏は、大型トラックにおける@
DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」の課題を解決するた
めに排気ガス温度の高温化を図る技術開発の必要性と、更なる「C 重量車モード燃費の改善」の必要性を強調されて
いるようだ。UDトラックス 小林信裕 氏と 三沢昌宏 氏の両氏は、早稲田大学・草鹿教授と同様に、「@ DPF装置の
強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、「C 重量車モード燃費の改
善」」の4項目の大型トラックの研究開発すべき課題だけを列挙し、これらの課題を解決する具体的な技術的を何も提
示・開示されていないのである。つまり、三沢昌宏 氏の両氏は、早稲田大学・草鹿教授と同様に、大型トラックの「低
NOx化」および「低燃費化」の実現が困難とのには、直接的に役立つ技術情報を何も提示・示唆されていないのであ
る。このように、最近(=2010年〜2014年)においては、日本を代表するエンジン関係の著名な早稲田大学・草鹿教
授、およびトラックメーカであるUDトラックス鰍フ小林信裕 氏と 三沢昌宏 氏の専門家は、日本自動車工業会のホーム
ページや自動車技術誌の年鑑では、大型トラックの「低NOx化」および「低燃費化」を実現するための「@ DPF装置の
強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費
の改善」の課題だけを説明し、課題を解決できる具体的な技術を何も記載されていないのである。

 これに対し、ポンコツ元技術屋の筆者が2004年5月25日に出願した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)(出典:
http://www6.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjsogodbk.ipdl特許の明細書には、大型トラックにおいて早急に解決すべき課
題として@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、および「C 重量車モード燃費の改善」を
挙げ、これらの課題を解決するための技術として「2ターボ方式の気筒休止システム」の詳細と「NOx削減」と「燃費改
善」の機能・効果を記載しているのである。そして、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、2005年3
月に特許公開されている上に、2006年4月7日公開の筆者のインターネットのホームページにおいて技術内容を詳細に
説明しているのである。したがって、最近(=2010年〜2014年)においては、日本を代表するエンジン関係の著名な早
稲田大学・草鹿教授、およびトラックメーカであるUDトラックス鰍フ小林信裕 氏と 三沢昌宏 氏の専門家が日本自動車
工業会のホームページのAMAGAZINE(2012年3月号)や自動車技術誌の年鑑(=2010年及び2014年の8月号)の中で
述べられている大型トラックの「低NOx化」および「低燃費化」を実現するための「@ DPF装置の強制再生の頻度減
少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の課題は、
ポンコツ元技術屋の筆者が2004年5月25日に出願した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の明細
書に詳しく記載しているのである。

 つまり、日本自動車工業会のホームページのAMAGAZINE(2012年3月号)や自動車技術誌の年鑑(=2010
年及び2014年の8月号)のような世間に影響力や信頼性の高いとされる情報発信媒体において、早稲田大学・
草鹿教授、UDトラックス鰍フ小林信裕 氏と 三沢昌宏 氏草鹿教授、小林信裕 氏、および三沢昌宏 氏の3氏
大型トラック開発の最新の技術情報と記載された@〜Cの課題は、ポンコツ元技術屋の筆者が10年も以前
の2004年5月25日に特許庁に出願した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許(出典:http://www6.
ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjsogodbk.ipdlの明細書に明記しているのである。また、日本自動車工業会の
AMAGAZINE(2012年3月号)や自動車技術誌(=2010年及び2014年の8月号)の年鑑において、草鹿教授は、大型トラ
ックの@〜Cの技術開発の課題を述べられているだけであり、それらの課題を解決できる具体的な技術については、
何の情報も提示・開示されていない。しかし、ポンコツ元技術屋の筆者が10年以上も昔に出願した気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の特許技術を大型トラックに採用した場合には、@〜Cの技術的課題が全て解決できるた
め、容易に大型トラックの「低NOx化」および「低燃費化」が実現できるのである。この状況について、以下の表14に解
りや易くまとめたので、御覧いただきたい。

表14草鹿教授、小林信裕氏、三沢昌宏氏が列挙の大型トラックの課題と課題解決の特許技術
草鹿教授、小林信裕氏、三沢昌宏氏
が2010〜2014年に列挙された
大型トラックの解決すべき課題
左記の課題解決の理論的な根拠
左記の課題を解決できる特許と説明資料
@
 DPF装置における
強制再生の頻度減少
(含、燃費悪化の防止)
大型トラックの実走行時に多用される
エンジン部分負荷時における
排気ガス温度を高温化
・課題解決の特許技術

・関係資料(参考)
本ページの他の項(例えば、4項を参照)
A
SCR触媒における
低温活性の向上
B
SCR触媒の耐久性の向上
(SCR触媒のHC被毒の再生処置?)
C
重量車モード燃費の改善
大型トラックの実走行時に多用される
エンジン部分負荷時における
燃費の向上
・課題解決の特許技術

・関係資料(参考)

 さてさて、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガス基準
を早期に設定せよ!および米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢に詳述しているよう
に、これは筆者の予測に過ぎないことであるが、将来の何れかの時期において、わが国の大型トラックは、「2015年度
重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制」の規制強化は、将来的に実施せざ
るを得ないと考えられる。そして、ポンコツ元技術屋の筆者が10年前の2004年5月25日に出願した2ターボ方式の気筒
休止システムの気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、日本自動車工業会のホームページの
JAMAGAZINE (2012年3月号)において早稲田大学・草鹿教授が指摘の「@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A
SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の技術的な
課題の全てを解決することが可能となり、「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/
kWhのNOx規制」の規制強化に適合可能な大型トラックが容易に実現できるのである。

 ところで、近年の新技術の開発と云えば、30年程度も昔に発案された「理想のディーゼル燃焼技術!」、「未来の燃
焼技術!」として騒がれたディーゼルエンジンのHCCI 燃焼(=PCI 燃焼:予混合圧縮着火燃焼)の技術が思い出され
る。しかし、このディーゼルのHCCI 燃焼(=PCI 燃焼)は、NOx削減には有効なものの燃焼が不安定な上に、燃費改
善の効果が殆ど無いことが明らかとなったため、最近では実用性の無い「新技術?」と考える学者・専門家・技術者が
多いようだ。そして、ディーゼルHCCI 燃焼(=PCI 燃焼)の新技術は、30年程度の歳月と多数の学者・専門家・技術
者が先を争って研究開発に狂喜乱舞し、膨大な量の論文が発表されたのである。しかし、最近では、このディーゼル
HCCI 燃焼(=PCI 燃焼)の研究開発は、結局のところ、大失敗であったと考ている学者・専門家・技術者が多いようで
ある。勿論、諦めの悪い学者・専門家・技術者は未練たらしく研究開発を続行しているようであるが、空しい行為のよう
に見えるのは筆者だけであろうか。

 このように、ディーゼルのHCCI 燃焼(=PCI 燃焼)の研究開発の失敗を見ると、如何ほど左様に、ディーゼルエンジ
ンの「NOx削減」と「燃費改善」を同時に実現できる新技術を開発することが困難であるかが理解できる筈である。そし
て、このディーゼルのHCCI 燃焼(=PCI 燃焼)ね研究開発の失敗のように、ディーゼルエンジンの「NOx削減」と「燃費
改善」の同時実現は、技術的に極めて難しいことである。しかし、この困難を克服したのが気筒休止エンジン(特許公
開2005-54771)の特許技術であり、そして、この特許技術は大型ディーゼルトラックの「NOx削減」と「燃費改善」の両方
を同時に実現できる画期的な新技術である。そのため、現在(=2014年9月)のところ、「2015年度重量車燃費基準か
ら+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制」の規制強化に適合できるる技術は、この気筒休止エン
ジン(特許公開2005-54771)の特許技術の他には存在せず、恐らく、これから10年〜20年程度が経過して、もこの特
許技術を凌駕する大型トラックの「NOx削減」と「重量車モード燃費の改善」の両方を同時に実現できる技術は生まれな
いものと推測される。そして、この筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、「NOx
削減」と「燃費改善」の機能・効能が高い上に構造的に簡単なために実用化が容易であることから、この特許技
術を大型トラックに採用した場合、「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g
/kWhのNOx規制」のレベルの規制に適合した大型トラックを2020年度頃には市販が可能になると考えられる。

 ところが、驚くことに、日本を代表するエンジン関係の学者の一人である早稲田大学・草鹿教授や、トラックメーカであ
るUDトラックス鰍フ専門家・技術者の小林信裕 氏と 三沢昌宏 氏が大型トラックにおける上記 @〜C の極めて解決
の困難な課題の存在を強調した論文・記事等を日本自動車工業会のホームページのAMAGAZINE(2012年3月号)や
自動車技術誌の年鑑(=2010年及び2014年の8月号)に発表・公開されている。つまり、早稲田大学・草鹿教授とUDト
ラックス鰍フ専門家・技術者の小林信裕 氏の3氏は、2010年〜2014年において、大型トラックの「NOx削減」と「燃費改
善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の存在をを完全に無視・黙殺した論文・記事等を
発表されているのである。つまり、大型ディーゼルトラックの「NOx削減」と「燃費改善」の実現に必要な課題だけを列挙
して、課題を解決する具体的な技術の情報開示や提示・提案を行っておらず、「NOx削減」と「重量車モード燃費費の改
善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺しているのである。

  そのような状況において、日野自動車は、自動車技術会2014年春季大会(=2014年5月21日(水)〜23日(金)開
催)において、以下の大会プログラムのコピーに示した「過給ディーゼルエンジンの気筒休止についての一考察」(文献
番号20145364)と題する大型トラック用ディーゼルエンジンの気筒休止システムに関する論文の発表を堂々と敢行した
のである。日本のトラックメーカのトップ企業である日野自動車が自動車技術会2014年秋季大会で発表した論文は、
日野自動車が論文発表した燃費改善機能の劣る気筒休止システムに詳述しているように、ディーゼルエンジンの気筒
休止運転時にはターボ過給機がサージングを発生する構造的な欠陥を持つ「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」
の破廉恥な内容であった。これは筆者だけの邪推かも知れないが、このような欠陥技術の欠点を明らかにして実用化
が極めて困難と結論付けた論文を発表した日野自動車の発表の目的は、「気筒休止システム」と称するディーゼルエ
ンジンの新技術そのものが大型トラックの走行燃費を十分に改善することが困難であるかのような「噂」や「先入観」を
広める活動であると推測される。そして、この日野自動車の構造的な欠陥の「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」
の破廉恥論文の発表は、大型トラックの「低NOx化」および「低燃費化」に有効な「2ターボ方式の気筒休止システム(=
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771))を意図的に貶めることが、最大の狙いのように思えるのである。

 何故ならば、この日野自動車の吸・排気弁停止式の気筒休止システムの論文では、日野自動車が致命的な欠陥を
持つ「特殊な新技術」(=「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」)を敢えて選択し、その「特殊な新技術」の構造的な
不具合・問題点(=過給機のサージン発生問題)の解消が技術的に極めて困難であることを論理的(=シュミレーショ
ン計算等)に証明しているのである。これによって、筆者提案の2ターボ方式の気筒休止システム(=気筒休止エンジ
ン(特許公開2005-54771))と日野自動車提案の吸・排気弁停止式の気筒休止システムとの機能・構造のの相違を理
解していないディーゼルエンジン関係の学者・専門家・技術者には、全ての気筒休止に類する新技術は、「大型トラック
の低NOx化および低燃費化に無効」と誤解を与えることが可能となる。つまり、この日野自動車の「吸・排気弁停止式
の気筒休止システム」の破廉恥な論文は、筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型
トラックの低NOx化および低燃費化に無効」との誤解を与えるために発表されたと見ることも可能である。これは、筆者
の邪推かも知れないが、トラックメーカのトップ企業の日野自動車が権威ある自動車技術会の講演会において、仮に、
新技術であるディーゼルエンジンの気筒休止に関するテーマについて、真面目な研究開発を装って最初から致命的な
欠陥の明白な「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」を敢えて研究テーマに選定し、その技術の欠点を実証すると
云う研究開発の詐欺的な自作自演の行為を行っていたことが事実であれば、日野自動車は、厳しく批判されるべきと
考えるが、如何なものであろうか。

 このように、日野自動車は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラックの更なる「NOx削
減」と「燃費改善」を推進に必要な上記 @〜C の課題を解決する技術として失格・落第であることを喧伝するために、
「吸・排気弁停止式の気筒休止」と云う特異な気筒休止システムぼ欠陥技術の破廉恥な論文を自動車技術会2014年
春季大会で発表したと推測される。このことから、日野自動車は、恥も外聞も無く、大型トラックの「NOx削減」と「燃費
改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を否定するための活動を必死で行っているよう
に、筆者には思えるのである。これは、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の特許権が2024年
度に消滅することに原因・関係があるのではないかと推測される。

 何故ならば、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の特許権が消滅する2024年度以前に「2015
年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制」の大型トラックの規制強化が実
施されることになった場合、トラックメーカは、これらの規制に適合するためには大型トラックに気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の特許技術を嫌々ながらも仕方なしに採用することになる。その場合、トラックメーカは、この特許技
術の特許権の制約を受けざるを得ないことになる。その時には、各トラックメーカは、ポンコツ元技術屋の筆者の気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用しているため、先進の技術を自社で独自に開発して「2015年
度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制への適合」を実現したと誇らしく宣
伝することが不可能になる。その上、トラックメーカの技術者・専門家は、ポンコツ元技術屋の筆者の特許技術を使用
したことによってプライド・自尊心を傷つけられ、惨めな敗北感に覆われることになる。このような状況が引き起こされる
結果となったのは、現時点で気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を凌駕する大型トラックの「NOx削
減」と「燃費向上」の技術がトラックメーカ(=日本自動車工業会)において未開発であることが最大の原因であり、致し
方のないことである。

 このように、トラックメーカの「NOx削減」と「燃費向上」の技術開発の能力不足が原因とは云え、ポンコツ元技術屋の
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用する悲惨な状況に陥ることだけを避けるため、トラックメ
ーカ(=日本自動車工業会)の誰もが如何なる姑息な手段を弄しても回避しようとすることは、当然の成り行きと推察さ
れる。その場合の最も有効な手段・方法は、国土交通省に「2024年以降に2015年重量車燃費基準の+10程度の向
上」の燃費規制強化の強く要望し、環境省に「2024年以降にNOX=0.23 g/kWhのNOx規制」の強化強引に施行しても
らことである。何故ならば、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許権が2024年5月に消滅することになってい
るため、これら「2024年以降に2015年重量車燃費基準の+10程度の向上」および「2024年以降にNOX=0.23 g/kWh
のNOx規制」が2024年5月以降に実施してもらえば、この特許技術の実施の許諾を得ずに自由に大型トラックに採用
し、それをトラックメーカが自由気ままに販売できる状況が作り出せるのである。その上、トラックメーカの専門家・技術
者の自尊心・プライドに傷がつきことも回避できるメリットも得られるのである。

 そのため、現在(=2014年頃)では、トラックメーカ(=日本自動車工業会)は、気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術の特許権の消滅する2024年度以降に、大型トラックの「2015年重量車燃費基準の+10程度の向
上」および「NOX=0.23 g/kWhのNOx規制」の規制強化が実施となる状況を作り出すための活動を積極的に行ってい
るものと推測される。その一環として、日野自動車が構造的な欠陥のある破廉恥な内容論文を自動車技術会2014
年春季大会で発表し、大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術を抹殺する活動を行ってことは、筆者には紛れも無い事実のように思えるのである。そして、前述のように、
最近(=2010年〜2014年)に発表・公開された論文・記事では、早稲田大学・草鹿教授とUDトラックス鰍フ専門家・技
術者の小林信裕 氏が大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術の存在を完全に無視・黙殺されているが、これは、トラックメーカの大型トラックにおける「2015年重量車燃費
基準の+10程度の向上」および「NOX=0.23 g/kWhのNOx規制」の規制強化を2024年度以降とする活動の成果と見
ることも可能である。

 さてさて、大型トラックについて、国土交通省に「2024年以降に2015年重量車燃費基準の+10程度の向上」の燃費
規制強化を実施して貰い、環境省に「2024年以降にNOx=0.23 g/kWhの規制強化」のNOx規制の強化を実施してもら
う最も有効な方法は、国土交通省と環境省のそれぞれの委員会が「燃費規制の強化」と「NOx規制の強化」のそれぞ
れの規制を2024年以降に決定して貰うことである。その場合の筆者の推測する効果的な方法は、以下の表20に示し
た環境省のNOx規制強化に携わる中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス専門委員委員会の委員と、
国土交通省の燃費規制強化に携わる自動車燃費基準小委員会の委員を務めるエンジン関係の学者・専門家をトラッ
クメーカが丁重に説得することである。

 これらのNOx規制強化と燃費規制強化の規制レベルと実施時期を決定する権限が委譲されている環境省の中央環
境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス専門委員委員会と、国土交通省の燃費規制強化に携わる自動車燃費
基準小委員会の名簿は、以下の表15に示した通りである。

表15 NOx規制強化自動車排出ガス専門委員委員会と燃費規制強化の自動車燃費基準小委員会の構成委員

 自動車燃費基準小委員会の委員名簿、



(出典:自動車燃費基準小委員会の委員名簿、
 中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス専門委員名望

(出典:http://www.env.go.jp/council/former2013/07air/meibo07-1.html
   注 : 赤色下線はエンジン関係の学者・専門家
      赤色と青色の下線は、自動車排出ガス専門委員委員会と自動車燃費基準小委員会とを兼任されている委員

 以上の表20に示したように、環境省のNOx規制強化に携わる中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス
専門委員委員会のエンジン関係の学者・専門家は委員長を含めて7名であり、国土交通省の燃費規制強化に携わる
自動車燃費基準小委員会のエンジン関係の学者・専門家は委員長を含めて5名である。しかし、両委員会には重複さ
れたエンジン関係の学者・専門家は4名である。そのため両委員会のエンジン関係の学者・専門家は、以下に示した
総勢 8 名である。

大聖 泰宏 早稲田大学教授
草鹿 仁 早稲田大学教授
後藤 雄一 (独)交通安全環境研究所エグゼクティブ・シニア・リサーチャー
塩路 昌宏 京都大学教授
近久 武美 北海道大学教授
河野 道方 (独)大学評価・学位授与機構評価研究部教授
飯田 訓正 慶応義塾大学教授
小渕 存 (独)産総研・エネルギーシステムチーム長

 現在(=2014年9月)のところ、環境省のNOx規制強化に携わる自動車排出ガス専門委員委員会、および国土交通
省の燃費規制強化に携わる自動車燃費基準小委員会には、両方若しくは片方の委員会の委員に任命されているエン
ジン関係の学者・専門家は、総勢8名である。そして、現在(=2014年9月)、この8名の日本を代表するエンジン関係
の学者・専門家は、日本の自動車における将来の「NOxの規制」と「燃費規制(=燃費基準)」の規制を強化する水準
(=強化するレベル)と強化を実施する時期を検討し、それを設定する強い権限が政府(=環境省・国土交通省)から
与えられているのである。

 そして、この総勢8名の日本を代表するエンジン関係の学者・専門家は、現在(=2014年9月)までのところ、
大型トラックにおける@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC
被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の最重要課題の全てを一種類の技術で解決でき
る技術を、何も提案・提示・公開されていないようである。そのためこの総勢8名の日本を代表するエンジン関係
の学者・専門家の全員は、現時点(=2014年9月)では、大型トラックにおける @〜Cの4項目の課題の全てを解決で
きる技術が不明と判断されているように見えるのである。そのことから類推すると、環境省のNOx規制強化に携わる
動車排出ガス専門委員委員会では、重量車の「NOx=0.4 g/kWhを更に強化したNOx=0.23 g/kWhの規制強化」の
実施時期が未定であり、国土交通省の燃費規制強化に携わる自動車燃費基準小委員会では「2015年重量車燃費基
準を強化した次期の燃費規制(=燃費基準)」の規制を強化する水準(=強化するレベル)と実施時期が未定の状況と
考えられる。

 ところで、ポンコツ元技術屋の筆者が10年前の2004年5月25日に出願した2ターボ方式の気筒休止システムの気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、2005年3月に特許公開されている上に、2006年4月7日公開の筆
者のインターネットのホームページにおいて技術内容を詳細に説明している。そして、この筆者のホームページは、
筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術に関する技術情報は、インターネットの検索エンジンでは、過去に
おいて、以下に示した検出の実績がある。

 2009年6月11日 Yahoo検索で「ポスト新長期」」の1語検索において、6万8千件中の2位と7位(=第1ページ目)で
検出された実績あり。(=2009年6月11日での「ポスト新長期」の1語のYahoo検索結果 を参照方)

 2010年2月24日 Yahoo検索で「トラック」+「低燃費」の2語検索において、102万件中の1位(=第1ページ目)で
検出された実績あり。(=2010年2月24日での「トラック」+「低燃費」の2語のYahoo検索結果 を参照方)

 以上のように、2009年6月〜2010年2月の頃には既に、大型トラックの「排出ガス」や「燃費」に関係する用語を用いた
Yahoo検索で第1ページ目に気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術情報が検索されているのである。そし
て、近年の自動車技術誌の年鑑の参考文献を見ると、その多くがインターネット情報であることからも判る通り、最新
の専門家・技術者は最新の技術情報をインターネットのホームページから収集している様子が伺える。このように、イ
ンターネットは手軽な情報収集の手段である。そのため、社会人と学生の区別無く、インターネットは全ての人の重要
な技術情報の収集の手段に用いられている。

したがって、筆者のホームページを閲覧した多くのエンジンに興味のある多くの学生は、2009年6月〜2010年2月の時
点において、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術について「NOx削減」と「燃費改善」の有効性
や、その真偽について、その学生が通学する大学のエンジン専門の教授に質問をしたものと推察される。そして、学生
は、毎年、入学と卒業を繰り返すため、筆者のホームページを閲覧した学生による気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術についての「NOx削減」と「燃費改善」の有効性や、技術的な真偽については、エンジン専門の教授
に2010年2月頃から繰り返して行われてきたものと推測される。そして、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国
土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢6名の大学教授は、当然、これまで多くの学生・院生・助
手等から、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術についての「NOx削減」と「燃費改善」の有効性や、技
術的な真偽についての多数の質問を受けられていたと推測される。環境省のと国土交通省の委員会に属されているエ
ンジン専門の6名の大学教授は、2009年6月頃以降では、どにような回答をされてきたのであろうか。

 そして、これまでのところ、この6名の大学教授(=河野道方教授、塩路昌宏教授、大聖泰宏教授、飯田訓正教授、
小渕存エネル゙ギーシステム長、草鹿教授、近久武美教授)は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が
型トラックでの@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、
および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の課題の解決に有効との示唆・発表をされていない。そのことから推測
すると、この特許技術について「NOx削減」と「燃費改善」の有効性や、技術的な真偽について学生の質問について、6
名の大学教授は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラックの4項目の課題の解決の機
能・効能が無く、ポンコツ元技術屋の「出鱈目な特許」若しくは「馬鹿なマニアの阿呆な特許」と説明されているのかも知
れない。また最近では、日野自動車が論文発表した燃費改善機能の劣る気筒休止システムに詳述したように、日野自
動車が自動車技術会2014年春季大会で発表した致命的な技術的欠陥を持つために実用不能な「吸・排気弁停止式の
気筒休止システム」の論文のコピーを学生に手渡して、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)2ターボ方式の気
筒休止システムが欠陥技術と説明しているかも知れない。そして、大型トラックの@〜Cの4項目の課題を解決できる
技術について何の示唆も無く、技術的に不明との教授の回答に対し、質問した殆どの学生は納得しないと考えられる。

 このように、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会、および国土交通省の自動車燃費基準小委員会の両方若し
くは片方の委員会に登録されている総勢8名のエンジン関係の学者・専門家の多くは、少なくとも2009年6月頃以降に
おいては、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術に関する数多くの質問を学生から受けていると見ら
れる。そのため、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会、および国土交通省の自動車燃費基準小委員会の両方
若しくは片方の委員会に登録されている総勢8名のエンジン関係の学者・専門家の大部分は、2009年6月頃の時点に
おいて、大型トラックにおける@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC
被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の最重要課題の全てを気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の特許技術だけで解決できることを承知・認識されている筈と推測される。しかし、この総勢8名のエンジ
ン関係の学者・専門家の全員は、現時点(=2014年9月)では、大型トラックにおける@〜Cの4項目の最重要課題の
全てを解決できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を完全に無視・黙殺されているようである。

 然らば、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会、および国土交通省の燃自動車燃費基準小委員会の両方若しく
は片方の委員会の委員の総勢8名のエンジン関係の学者・専門家は、大型トラックにおける@〜Cの4項目の最重要
課題の全てを解決できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を如何なる動機・理由によって無視・黙
殺されているのであろうか。ポンコツ元技術屋の筆者が邪推した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技
術が無視・黙殺・隠蔽される動機・理由は、以下の通りである。

推測理由 A
 環境省や国土交通省の委員会の両方若しくは片方の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家は、基本
的にディーゼルエンジンの「NOx削減」と「燃費改善」の技術開発(=新技術の開発)する職責を担っている上に、これま
で大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」が極めて困難な技術開発であることを機会のあるごとに多方面で強調され
てきた経緯がある。それにもかかわらず、現時点(=2014年9月)において気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術が大型トラックでにおける@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触
媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」4項目の最重要課題を解決できること唯一の技術であ
ることを多くに人が知るところとなれば、環境省や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家
は、研究開発の能力がポンコツ元技術屋の筆者に比べて劣っていたことが明らかとなり、多く人から失望うされ、延い
ては環境省の自動車排出ガス専門委員委員会や国土交通省の燃自動車燃費基準小委員会に対する国民からの信
頼が失墜してしまう恐れがある。そのような状況になることを何としても回避したいがため、環境省や国土交通省の委
員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家は、自己護身のために、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術が大型トラックにおける@〜Cの4項目の最重要課題を解決できる唯一の技術であることを何としても隠
蔽する必要がある。なお、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラックにおける@〜Cの4項
目の最重要課題を解決できる唯一の技術であるとの技術情報の露見は、「トラックメーカの専門家・技術者」と「環境省
や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家」との両者が技術開発の能力不足を露呈すること
になるり。恥を世間に晒すことになる。したがって気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の隠蔽は、「ト
ラックメーカの専門家・技術者」と「環境省や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家」との両
者の共通の利益であるため、両者が一致団結して、この特許技術の秘匿に最大限の努力を傾注するものと推測され
る。

推測理由 B
 大型トラックにおいて、環境省が「NOx=0.23 g/kWhの規制強化」を実施し、国土交通省が「2015年重量車燃費基準
の+10程度の向上」の燃費規制を実施した場合、大型トラックでの@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR
触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の最重要課題の
解決を図るためには、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用する必要がある。その場合、この
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の特許権が消滅する2024年度以前に「2015年度重量車燃費基
準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制」の大型トラックの規制強化が実施された場合、トラ
ックメーカは、これらの規制に大型トラックを適合させるためには、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技
術を採用せざるを得ない。それが2024年度以前の場合には、この特許技術には特許権が存在するため、この特許技
術は有償で大型トラックに採用することになる。その上、この特許技術を自社で独自に開発して「2015年度重量車燃費
基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制への適合」を実現したと誇らしく宣伝することが不
可能になる。このような状況は、多くのトラックメーカの専門家・技術者にとっては、技術開発の能力不足が原因の自業
自得とは云え、恥辱の極みである。それを事前に回避するための最良の手段・方法は、気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の特許権が2024年5月に消滅することを踏まえて、大型トラックの使用過程車における「2024年以降に
2015年重量車燃費基準の+10程度の向上」および「2024年以降にNOX=0.23 g/kWhまでの削減」のそれぞれの規
制を国土交通省と環境省が2024年5月以降の実施に遅延して貰うように、あらゆる手段を講じてトラックメーカが国土
交通省と環境省を動かすことである。それが成功すれば、この特許技術は、2024年以降のために特許権が消滅し、実
施の許諾が不要になって自由に大型トラックに採用し、それをトラックメーカが自由気ままに販売できる状況が作り出
せるのである。そのためには、国土交通省と環境省がそれぞれのNOx規制と燃費規制の強化時期を決定するまで、
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラックにおける@〜Cの4項目の最重要課題を解決で
きるとの技術情報を隠蔽し続け、大型トラックにおける「2015年重量車燃費基準の+10程度の向上」および「NOX=0.
23 g/kWhまでの削減」を実現することが困難である状況を当分の間、維持しておくこと必要がある。このトラックメーカ
の要望・希望(=戦略・謀略)を成功させるためには、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会、および国土交通省
自動車燃費基準小委員会の両方若しくは片方の委員会の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家が、
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺し続けると共に、大型トラックにおける@〜Cの
項目の最重要課題を解決できる技術が不明との技術情報を積極的に拡散し続けるように、トラックメーカがあらゆる手
段を講じるものと推測される。

 何しろ、「トラックメーカの専門家・技術者」と「環境省や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専
門家」は、共に、ポンコツ元技術屋の筆者が出願した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラ
ックにおける@〜Cの4項目の最重要課題を解決できる唯一の技術であることを露見してしまうと、両者の技術開発の
能力不足を露呈することになるり、世間に恥を晒すことになる。このような状況になることを事前に回避するためには、
この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラックの@〜Cの4項目の最重要課題を解決でき
る唯一の技術であることを特許権の消失する2024年度まで隠蔽することである。

  何故ならば、既に特許権が2024年度消失しているために、この特許技術の特許権が消失した2024年度以降に生
産される各トラックメーカの大型トラックには、この特許技術を自社の大型トラックに自由に採用することが可能となる。
そして、この特許技術の特許権が2024年度消失しているために、この特許技術が各トラックメーカの大型トラックに
償で自由に採用できるため、この特許権の消失した特許技術については、考案者の存在が無意味となる。したがっ
て、この特許権の消失した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、誰もが「俺が推奨した技術」また
は「俺が見出した技術」のような意味不明な内容を大声で叫べば、誰でも気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術の「第一人者」になることができる状況になる。そのため、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許
技術の考案に対して「トラックメーカの専門家・技術者」と「環境省や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係
の学者・専門家」の誰もが関与していないことについては、誰も興味・関心を持つことが無くなる筈と考えられる。

 そのような状況を強引に作り出すためには、トラックメーカの専門家・技術者」と「環境省や国土交通省の委員である
総勢8名のエンジン関係の学者・専門家」は、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラッ
クにおける@〜Cの4項目の最重要課題を解決できる唯一の技術であるとの技術情報が2024年度頃まで隠蔽する必
要があると推察される。その根拠・理由は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許権が2024年度に消滅す
るため、この特許技術を各トラックメーカが自社の大型トラックに無償で自由勝手に採用することが可能になるのが
2024年度であるためだ。そのため、トラックメーカのとって待ち望む状況が実現するのは、大型トラックの使用過程車
における「2015年重量車燃費基準の+10程度の向上」および「NOX=0.23 g/kWhまでの削減」のレベルの規制が、
2024年5月以降の特別に遅延した時期に国土交通省と環境において確定・決定した時点である。その場合には、トラッ
クメーカ(=日本自動車工業会)は、環境省や国土交通省の委員会の総勢8名のエンジン関係の学者・専門家から多
大な恩恵?・贈り物?を受けたことになり、彼らには絶大な感謝の意が表される筈と推測される。

 しかし、このようなことは、国民にはとっては不利益・迷惑も甚だしいことである。何故ならば、この気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)は、大型トラックの@〜Cの4項目の最重要課題を現時点で即刻に解決できる機能・
効能があるため、「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規
制」のレベルの規制に適合した大型トラックを2020年度頃に市販することを可能にする特許技術である。それ
にもかかわらず、環境省や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家が気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)技術情報を今後も無視・黙殺・隠蔽し続けた場合、大型トラック用ディーゼルエンジンの「NOxの
削減」と「重量車モード燃費の改善」の技術が現時点で不明との結論が強引に導き出され、その結果、大型トラックの
使用過程車の「2015年重量車燃費基準の+10程度の向上」の燃費規制強化と「NOX=0.23 g/kWh」のNOx規制強
化は、2024年以降の実施が止む得ないとの結論が導き出されることになる。

 そもそも、環境省や国土交通省の委員である総勢8名のエンジン関係の学者・専門家は、準公務員であるため、
型トラックの「NOxの削減」と「重量車モード燃費の改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技
術の技術情報を意図的に無視・黙殺・隠蔽して日本の自動車における将来の「NOxの規制」と「燃費規制(=燃費基
準)」の規制強化の「水準(=強化するレベル)の設定」と「実施時期の設定」をすることが禁止されている筈である。し
たがって、環境省や国土交通省の委員会の総勢8名のエンジン関係の学者・専門家が、気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の無視・黙殺・隠蔽して日本の自動車における将来の「NOxの規制」と「燃費規制(=燃費基準)」の規制
強化の内容を設定した場合は、明らか職務規定に違反することになると考えられる。何故ならば、大型トラックの「NOx
削減」と「燃費改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術情報を無視・黙殺・隠蔽して恣意的に日
本の自動車における将来の「NOxの規制」と「燃費規制(=燃費基準)」の規制強化の内容を設定した場合は、多くの
国民に不合理な犠牲が強いるためである。

 今後、日本の自動車における将来の「NOxの規制」と「燃費規制(=燃費基準)」の規制強化を設定する際に、環境省
や国土交通省の委員会の総勢8名のエンジン関係の学者・専門家が、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特
許技術を無視・黙殺・隠蔽したのか否かを判断する基準として、ポンコツ元技術屋の筆者の見分け方を以下に示す。

気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の存在を考慮して次期のNOxと燃費の規制強化を設定
  大型トラックの使用過程車は、「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWh
  のNOx規制」への規制強化が 2020年度頃の実施と予測される。

気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の存在を無視・黙殺して次期のNOxと燃費の規制強化を設定
  大型トラックの使用過程車は、「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWh
  のNOx規制」への規制強化が 2024年度頃の実施と予測される。

 以上のように、「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制」への規
制強化の時期が「2020年度頃」であるのか、それとも「2024年度頃」であるのかの相違によって、環境省のNOx規制
強化に携わる自動車排出ガス専門委員委員会、および国土交通省の燃費規制強化に携わる自動車燃費基準小委員
会のエンジン関係の学者・専門家の8名(両方の委員会、若しくは片方の委員会の委員に任命されている人物)が、
筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・隠蔽したのか否かを判断することが可能と考えられ
る。

 今のところ、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と、国土交通省の自動車燃費基準小委員会の両方の委員で
ある早稲田大学・草鹿教授は、大型トラックにおける@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活
性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の最重要課題の全てを解決でき
る唯一の技術である気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺されている。しかし、この気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、これを大型トラックに採用した場合には「2015年度重量車燃費基
準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWhのNOx規制」の規制に適合可能な大型トラックが実現できる唯
一の技術のである。そのため、この2004年5月25日に出願した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特
許技術を大型トラックに採用した場合、NOx規制値 = 0.23 g/kWh(=第八次答申のNOx挑戦目標値)の規制
実施が十分に可能と考えられる。

 ところが、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会は、2010年7月28日発表の中央環境審議会・大気環境部会の
今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十次答申)」において、大型トラック(=重量車)に対する次期
のNOx規制では、NOx規制値 = 0.4 g/kWh(=2016年に実施)の米国よりも大幅に緩いNOx規制値を決定し、答申(=
前述の6−1項を参照方)したのである。これは、中央環境審議会・大気環境部会の「第十次答申」では、2010年6月当
時の環境省の自動車排出ガス専門委員委員会のエンジン専門の委員(=河野道方教授、飯田訓正教授、後藤新一
〔独〕産総研・センター長、塩路昌宏教授、杉山元研究主幹、大聖泰宏教授)が大型トラックの「NOx削減」と「燃費改
善」の両方の面で優れた機能・効能を発揮する気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の存在を無視・
黙殺した結果、大型トラック(=重量車)においてNOx規制値 = 0.4 g/kWh(=2016年に実施)の緩い次期のNOx規制
が設定されたのではないかと、ポンコツ元技術屋の筆者には思えて仕方が無い。何故ならば、大型トラックの「NOx削
減」と「燃費改善」の両方の面で優れた機能・を発揮する唯一の特許技術である気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)を無視・黙殺しなければ、NOx規制値 = 0.23 g/kWh(=第八次答申のNOx挑戦目標値)の規制実施が十分に
可能であったと考えられるためである。

 このように、現時点(=2014年9月)でも環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基
準小委員会のエンジン専門の学者・専門家は、2004年5月25日にポンコツ元技術屋の筆者出願の気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の特許技術を長年にわたって無視・黙殺されていることは事実のようである。そして、これから
も、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺する行為は、継続されるものと推測される。何
故ならば、近い将来において、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会
のエンジン専門の学者・専門家は、長年にわたって無視・黙殺されてきた気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術の存在を突然に認めて、急遽、このを「NOx削減」と「燃費改善」の機能・効能に優れた特許技術として承認・
理解・賞賛し、この特許技術を大型トラックに採用することによって「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費
向上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」の規制強化を2020年頃に実施すると宣言・発表されることが有り得ないと推
察されるためである。

 そして、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門
総勢8名学者・専門家は、今後、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の採用を必要と
する将来の大型トラックの使用過程車の「NOx規制」と「燃費基準(=燃費規制)」の強化については、この特許
技術の特許権の消滅する2024年5月以降の実施とすることに決定するものと推測される。このように、仮に、日
本における今後の大型トラックの「NOx規制」と「燃費基準(=規制)」の強化が、この推測の通りの2024年5月
以降となれば、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジ
ン専門の学者・専門家は、トラックメーカ(=日本自動車工業会)の要望に沿った規制内容とするために職務を
遂行しているように見えるが、これはポンコツ元技術屋の筆者の単なる偏見であろうか。

 もっとも、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専
門の総勢8名の諸氏(=河野道方教授、塩路昌宏教授、大聖泰宏教授、飯田訓正教授、小渕存エネル゙ギーシステ
ム長、草鹿教授、後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近久武美教授)は、何れも日本を代表する名だたる学
者・専門家であるため、ポンコツ元技術屋である筆者出願の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771の特許
技術には浅学菲才の筆者には気付かない欠陥技術であることを鋭く見抜かれている場合や、若しくはこの特許
技術を凌駕する新技術の技術情報を保有されている場合が考えられる。

気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が欠陥技術であることを鋭く見抜かれている場合
 
 この場合には、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会が、この特許
技術を無視・黙殺し、今後の大型トラックの使用過程車の「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向
上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」の規制強化を2024年5月以降に設定されることは、全く正当なことであ
り、至極、当然のことである。

気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を凌駕する新技術の技術情報を保有の場合
 
 この場合には、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会が、この特許
技術を無視・黙殺し、今後の大型トラックの使用過程車の「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向
上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」の規制強化を2020年頃に設定されて然るべきであ。
(何故ならば、米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢に詳述しているように、既に、米
国の大型トラックでは、2010年よりNOx=0.27 g/kWhの厳しいを行っている。それに対し、2016年に実施が予定されて
いる日本の大型トラックでの次期NOx規制では、NOx = 0.4 g/kWhの緩い規制が予定されている。)

 そこで、現時点(=2014年10月現在)において、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃
費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏(=河野道方教授、塩路昌宏教授、大聖泰宏教授、飯田訓正教
授、小渕存エネル゙ギーシステム長、草鹿教授、後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近久武美教授)は、気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に無効な欠陥技術であると判断・判定
されている場合や、若しくはこの特許技術を凌駕する新技術の技術情報を保持されている場合には、その旨を公表・
発表していただきたいものである。そして、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基
準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が大型トラック
の「NOx削減」と「燃費改善」に無効な欠陥技術であると判断・判定された理由や、若しくはこの特許技術を凌駕する新
技術の技術情報を内容を対外的に公表・発表して頂きたいものである。それによって、ポンコツ元技術屋である浅学
菲才の筆者には、環境省と国土交通省の小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏がこの特許技術の意図的な無
視・黙殺・隠蔽が行われているとの筆者の見方に大きな誤りであったことを初めて理解できることになる。

 更に、筆者の個人的な希望を言わせて貰えば、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車
燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏や、若しくは代理の方でも良いが、この気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の特許技術の欠陥内容や、この特許技術を凌駕する新技術の技術情報(=インターネットのURLで
も可)を筆者宛にメール送信していただきたいところである。そうすれば、この気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術だけが大型トラックにおける@〜Cの4項目の最重要課題を解決できる唯一の技術であるする筆
者の主張は、完全な誤りであることを理解・納得できる筈である。しかし、この気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771の特許技術の欠陥内容や、若しくはこの特許技術を凌駕する新技術の技術情報を筆者に御連絡いた
だけない場合は、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエン
ジン専門の総勢8名の諸氏が、この特許技術の意図的な無視・黙殺・隠蔽を行われていると永遠に判断・理解
させていただく所存である。

 ところで、日本で最初にディーゼル車のNOx規制が施行された1974年の当時から現在に至るまで40年間にわたっ
て、日本のエンジン関係の学者・専門家は、「ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費改善のトレードオフの関係」のため
にNOxと燃費を同時に改善することが技術的に困難」であると一貫して主張されているが、この状況は現在(=2014年
9月)でも大きな変化・変更が見られないようである。ところが実際には、前述の通り、この「ディーゼルエンジンのNOx
削減と燃費改善のトレードオフの関係」は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の採用によって大型
トラックの「NOx削減」と「燃費改善」の両方を同時に実現できることが明らかになっっている。しかも、この「ディーゼル
エンジンのNOx削減と燃費改善のトレードオフ」の課題が解決できることは、前述のように、環境省の自動車排出ガス
専門委員委員会のエンジン専門の学者・専門家が2009年6月〜2010年2月頃には既に承知・獲得されているのであ
る。

 このように、既に2009年6月〜2010年2月頃には、ディーゼルエンジンにおけるNOxと燃費のトレードオフの課題が解
決できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用した大型トラックは「NOx削減」と「燃費改善」が同時に実現
できることが広く知られている筈である。それにもかかわらず、2011年9月発行の「自動車技術」誌(Vol.65,No.9,2011)の
「自動車用エンジン技術開発の現状と将来」と題した論文の「3.2. 重量車の燃費改善」の項において、この論文の著者
であり、且つ環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会の委員である早稲
田大学の大聖教授は、重量車(=ディーゼルトラック・バス)における『2016年の排出ガス規制への適合』と『2015年度
重量車燃費基準への適合』のトレードオフの克服が必要であると述べられている。つまり、早稲田大学の大聖教授は、
2011年9月発行の「自動車技術」誌において、「ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費改善のトレードオフの課題が解決
できる技術は未開発」とする趣旨の主張を述べられている。このことは、2011年9月の時点では、早稲田大学の大聖教
授がディーゼルエンジンのNOx削減と燃費改善のトレードオフの課題が解決できる気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術の存在を完全に無視・黙殺されていたことを明確に示した証拠と考えられる。

 また、2010年7月の中央環境審議会・大気部会の「第十次答申」では、2016年実施の大型トラックのNOx規制強化に
おいては、「2015年重量車燃費基準の規制の存在」と「ディーゼルエンジンのNOx削減と燃費改善のトレードオフの未
解決な課題」を理由に挙げて、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会のエンジン専門の学者・専門家は、NOx = 
0.23 g/kWh(=第八次答申のNOx挑戦目標値)までの厳しいNOx規制の強化が困難と決めつけ、NOx規制値 = 0.4 g
/kWh(=2016年実施)の大型トラックにおける緩いNOx規制の強化を決定したのである。これは、全くもって環境省の
自動車排出ガス専門委員委員会のエンジン専門の学者・専門家の諸氏が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術を意図的に無視・黙殺・隠蔽した結果と推測されるが、如何なものであろうか。

 何はともあれ、最近のインターネットによる技術情報の取得が一般化した状況を勘案すれば、環境省の自動車排出
ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏が、2009年6月頃か
ら既に大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)な特許技術の存在
を認識されていることは、事実と推測される。それにもかかわらず、現時点(=2014年9月)でも環境省の自動車排出ガ
ス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏は、大型トラックの
項目の課題の解決が技術的に困難との主張をされていることから、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術を意図的に無視・黙殺・隠蔽されていると見ることが妥当なように思うが、如何なものであろうか。そして、そ
の場合、大型トラック(=特に使用過程車)における「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx
=0.23 g/kWh のNOx規制」のレベルの規制は、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃
費基準小委員会が、極めて高い確率で気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許権の消滅する2024年度以
降に実施される予定・計画のように思えて仕方が無いのである。

 そして、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢
8名の諸氏(=河野道方教授、塩路昌宏教授、大聖泰宏教授、飯田訓正教授、小渕存エネル゙ギーシステム長、草鹿教授、
後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近久武美教授)は、然るべき時期(=〜2020年頃?と推測)までは、大型トラック
の「NOx削減」と「燃費改善」の両方の面で優れた機能・効能を発揮する気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術を無視・黙殺し続ける一方、あらゆる機会を捉えて、以下のような時代遅れの主張を強引に繰り返されるもの
と推測される。

(a) 大型トラックでの@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC
被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目は、解決の困難なディーゼルエンジンの技術的
的な課題(=この大型トラック用ディーゼルエンジンの課題を解決できる技術は、現時点で不明であるとの意味)

(b) NOx削減と燃費改善のトレードオフは、解決の困難なディーゼルエンジンの技術的的な課題(=この大型ト
ラック用ディーゼルエンジン課題を解決できる技術は、現時点で不明であるとの意味)

 前述のように、(a)と(b)の課題を解決して大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」の両方を同時に実現できる気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術情報が2005年3月に特許公開されている上に、2006年4月7日公開の筆者
のインターネットのホームページ(=「閑居人のアイデア」)に掲載しているのである。そして、2009年6月〜2010年2月の
頃には既に、この特許技術が「排出ガス」や「燃費」に関係する用語を用いたYahoo検索で第1ページ目に検出・検索で
きているのである。そのため、2009年6月〜2010年2月の頃には、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交
通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏は、この特許技術の実用化による大型トラックの
「NOx削減」と「燃費改善」の両方を課題を解決できることを認識されている筈と推測される。しかしながら、それから4
〜5年経過した現時点(=2014年10月現在)でも、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車
燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏は、以上の(a)の大型トラックの@〜Cの課題を解決できる技術
が未開発、および、(b)の ディーゼルエンジンの「NOx」と「燃費」のトレードオフを解決できる技術が未開発とする「現
時点では虚偽情報」と云える古色蒼然たる見解・主張を一致団結して懸命に拡散されているようである。

 このように、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン
専門の総勢8名の諸氏は、2009年6月〜2010年2月の頃から既に4〜5年の長きにわたって、気筒休止エンジ
ン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・若しくは隠蔽されているようである。この大型トラックの
「NOx削減」と「燃費改善」の両方を同時に実現できる特許技術の無視・黙殺・若しくは隠蔽は、日本を代表する
エンジン専門の学者・専門家の河野道方教授、塩路昌宏教授、大聖泰宏教授、飯田訓正教授、小渕存エネル゙ギ
ーシステム長、草鹿教授、後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近久武美教授・技術者が、大型トラックの「NOx
削減」と「燃費改善」の進化・発展を阻害する反社会的な活動を積極的に行われていることになると思うが、如
何なものであろうか。

 そして、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門
の総勢8名の諸氏が、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・黙殺されている動
機・目的は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の採用が必要となる「2015年度重量車燃
費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」のレベル(=規制値)が大型トラック
の使用過程車に実施される施時期を2024年5月25日以降に設定するためではないかと予測される。

 何故ならば、大型トラックの使用過程車に対する「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と
「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」のレベル(=規制値)の規制を2024年5月25日以降に実施することが設定
された場合、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許権が2024年5月25日に消滅するため、この
特許技術をトラックメーカが無償で自由勝手に自社のトラックに採用できることになる。そして、その時に、この
特許技術に微細な機能を追加した場合には、この特許技術を自社開発の新技術と大々的に宣伝しても法律に
触れないと云う莫大な利益・メリットを獲得することも可能になる。このことは、取りも直さず、トラックメーカが筆者
の考案した特許技術を合法的に横取りできることになるため、トラックメーカの無能なエンジン関係の専門家・技術者
にとっては、職務上の最高の成果を上げたとして、社内からの賞賛・絶賛されることになると推測される。

 このように、トラックメーカ(=日本自動車工業会)が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を合法的
に横取りする唯一の方法・手段は、大型トラックの使用過程車に対する「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の
燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」のレベル(=規制値)の規制を2024年5月25日以降に実施することを設
定して貰うことであると考えられる。これを実現するためには、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通
省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏(=河野道方教授、塩路昌宏教授、大聖泰宏教授、
飯田訓正教授、小渕存エネル゙ギーシステム長、草鹿教授、後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近久武美教授)がこれま
でのように今後も気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を今後も無視・黙殺・隠蔽し続け、(a)の大型
トラックの「@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、およ
び「C 重量車モード燃費の改善」の4項目の@〜Cの課題を解決できる技術が未開発、および(b)のディーゼルエン
ジンの「NOx」と「燃費」のトレードオフを解決できる技術が未開発とする誤った技術情報を今後も広く拡散し続けて貰う
ことである。

 筆者の見たところでは、現時点(=2014年10月現在)では、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土
交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の諸氏(=河野道方教授、塩路昌宏教授、大
聖泰宏教授、飯田訓正教授、小渕存エネル゙ギーシステム長、草鹿教授、後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近
久武美教授)は、これまで既に4〜5年にわたって気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無
視・黙殺・隠蔽し、トラックメーカ(=日本自動車工業会)の要望通りの大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」
を同時に実現する技術が不明との詐欺的な主張を、良心の呵責を感じること無しに平気で繰り返されてきたよ
うである。その状況を見ると、トラックメーカ(=日本自動車工業会)から多くの指示・要請・要望に応えるために、今後
も或る時期(=2020年頃?)に到達するまで、同様の主張を続けられるものと予測される。これを見ると、ポンコツ元技
術屋の筆者のような下衆な人間が思いつくことは、この総勢8名の日本を代表するエンジン関係の学者・専門家には、
余程の見返りがあるものと邪推してしまうが、実際のところは知る由も無いことである。もっとも、これが事実であれば、
日本を代表するエンジン専門の総勢8名の学者・専門家は、トラックメーカ(=日本自動車工業会)の単なる「茶坊主」
に過ぎなことになると思うが、実際のところは如何なものであろうか。

 そうは云っても、環境省の国土交通省の委員会が大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に有効な気筒休止
エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を作為的に無視・黙殺・隠蔽してトラックメーカの要望・希望に沿
った燃費および排出ガス(=NOx)に関する将来的な大型トラックの規制を強引に設定することは、決して許さ
れることでは無いことが誰の目にも明らかだ。そして、特に近い将来において、大型トラックの使用過程車の「2015
年度重量車燃費基準から+10%程度の燃費向上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」の規制強化の実施を2024年5
月以降に設定された場合には、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会
エンジン専門の総勢8名の諸氏が日本を代表するエンジン関係のの学者・専門家との評価・立場を利用し、大型トラッ
クの規制をトラックメーカの要望に沿った恣意的な内容することは、国民の信頼を大きく裏切ることになり、学者・専門
家としては勿論のこと、人間としてもモラル・良心の欠落した行為と非難されても仕方がないと思うが、如何なものであ
ろうか。このことを見分けるためにも、兎にも角にも、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動
車燃費基準小委員会における今後の新たな大型トラックの規制設定の動向を注意深く見ていく必要があると考えるの
は、ポンコツ元技術屋の筆者だけの偏った見方であろうか。

 話は変わるが、2014年春頃に、英国・ネイチャー誌に掲載された小保方博士のSTAP細胞の論文は、インターネット
のブログで指摘されたことが発端となり、この論文が画像の切り張りや加工した画像を使って強引にSTAP細胞の存在
を主張している欠陥論文であることが判明したことである。。その結果、STAP細胞の論文は取り下げられ、STAP細胞
そのものの存在が否定された事件があった。そもそも小保方博士のSTAP細胞の論文は、世界的なES細胞の権威で
ある笹井博士が共著であるためにネイチャーに掲載されたと見られるが、インターネットの個人のブログによる論文の
データの捏造や不正の指摘によって、虚偽内容の論文と糾弾され、論文の取り下げ処置となったのである。この状況
を見ると、インターネットの発達した現在では、これまでのように学者・専門家の肩書きを持つ人物の場合には、
事実を捻じ曲げた主張や発表を行っても誰も異論を唱えない時代では無くなったように思うが、如何なものであろ
うか。

 そして、このSTAP細胞に関する論文が日本中を沸かせた大騒動に発展したのは、聖人君子の筈と一般庶民が思い
込んでいた著名な学者・専門家が、データを捏造・改竄して偽の試験結果をでっち上げた詐欺的な内容の論文を発表
したことに、多くの人が驚愕し、度肝を抜かれたからでは無いだろうか。これは、ES細胞の研究で世界的に有名な笹
井博士がi PS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中教授を見返すため、STAP細胞の詐欺的な論文を発表したとの
噂がある。このような噂が囁かれることからも判るように、学者・専門家には研究競争の敗北によるプライド・自尊心が
傷つくことには耐えられないと感じる特異な思考回路の人が少なくないようだ。要するに、日本の著名な学者・専門家の
中にはプライド・自尊心が傷つくこと回避するためには、詐欺的な行為をも平気で行う人物が往々にして存在すること
の証拠ではないだろうか。

 さてさて、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会の日本を代表するエ
ンジン専門の総勢8名の著名な学者・専門家は、これまでの4〜5年にわたり、大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」
に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・隠蔽する恣意的な技術情報の収集が行
われてきたと推測されるる。そのため、大型トラックに対する2016年実施のNOx規制強化では、不十分な技術情報を
基に設定された可能性も完全には否定できない状況と考えられる。このように、先進国の日本において、自動車の規
制を新たに設定する過程の中に、疑念を持たれる状況が存在することは、決して好ましいことでな無いと考えられる。
将来において再度、このような状況を作り出さないようにするめにも、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国
土交通省の自動車燃費基準小委員会の総勢8名の学者・専門家は、大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に有効
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・隠蔽する行為を遅まきながらも現時点(=2014
年10月現在)で即刻に中止し、聖人君子の品位・品性を持って日本の新たな大型トラックの燃費とNOxの規制強化を
公平・公正に設定することが肝要と考えられる。

 しかしながら、現時点(=2014年10月現在)においては、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の
自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の著名な学者・専門家である河野道方教授、塩路昌宏教授、大
聖泰宏教授、飯田訓正教授、小渕存エネル゙ギーシステム長、草鹿教授、後藤雄一エグゼクティブ・シニア・リサーチャー、近久武美教
授は、今後も従来と同様に、(a)大型トラックでの@ DPF装置の強制再生の頻度減少」、「A SCR触媒の低温活
性」、「BSCR触媒のHC被毒の解消」、および「C 重量車モード燃費の改善」の4項目が解決の困難なディーゼルエン
ジンの技術的的な課題とする主張を行い、そして(b)の NOx削減と燃費改善のトレードオフが解決の困難なディーゼ
ルエンジンの技術的的な課題とする主張され続けられているようである。

 因みに、4〜5年も以前(=2009年6月頃)に「ポスト新長期」の1語によるYahoo検索にて、「NOx削減」と「燃費改善」に
有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が6万8千件中の2位と7位(=第1ページ目)で検出され
るようになった時点では、この特許技術が(a)の@〜Cの課題と(b)の NOxと燃費のトレードオフの課題を解決できる
技術であるとの技術情報は、総勢8名の著名な学者・専門家が知り及んでいたものと推測される。これは、総勢8名の
殆どが大学教授であることや、インターネットの情報拡散の機能・効能からすれば、至極、当然のことではあると推測さ
れる。このように、総勢8名の著名な学者・専門家は、4〜5年も以前(=2009年6月頃)には既に大型トラックの(a)
@〜Cの課題と(b)の NOxと燃費のトレードオフの課題を解決できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特
許技術の情報を察知・認識されていたにもかかわらず、大型トラックの(a)の@〜Cの課題と(b)の NOxと燃費のトレ
ードオフの課題が技術的に未解決との主張を続けられてきたのである。つまり、(a)(b)の課題の解決に有効な
筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の存在を、既に現時点(=2014年10月時点)までに4〜5年間も意
図的に隠蔽・隠匿されてきたと推測される。このような経緯・経過を理解すると、環境省の自動車排出ガス専門委員
委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の著名な学者・専門家は、現時点
(=2014年10月現在)以降も、これまでと同様に一致団結して、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術を無視・黙殺・隠蔽され続ける可能性が極めて高いと推測される

 このように、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会の委員を委嘱され
て準公務員の資格・権限を与えられた学者・専門家が、彼らの専門分野の技術情報を無視・黙殺して隠蔽・隠匿するこ
とは、以前に社会問題となった証券マンが損失リスクの重要事項の説明を隠蔽・隠匿して客に株や投資信託を販売す
る行為と類似しているものである。最近の証券マンは、損失リスクの重要事項の説明を隠蔽・隠匿の場合には、「金融
商品販売法」の違反として厳しく罰せられることになったが、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省
の自動車燃費基準小委員会の委員の学者・専門家が重要な技術情報を無視・黙殺しても、それが明るみになっても、
実証が難しいこともあって罰を受けることが無いと推察される。そのため、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会
と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の著名な学者・専門家は、現時点(=2014年10
月現在)以降も、これまでと同様にポンコツ元技術屋の出願特許の抹殺とトラックメーカの要望を満たすために、気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・隠蔽し続けたとしても、何の咎めを受けることが無いと
考えられる。要するに、この特許技術の無視・黙殺・隠蔽を中止するのか否かは、環境省の自動車排出ガス専門委員
委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門の総勢8名の著名な学者・専門家の良心・倫理観・
人間性だけに任されていると考えられる。

  このように、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会のエンジン専門
の総勢8名の著名な学者・専門家が大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」に有効な気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の特許技術を無視・黙殺・隠蔽し続けることに今後も成功した場合には、これはポンコツ元技術屋の筆者
の個人的な推測であるが、今後(=2014年10月以降)の日本の新たな大型トラックの燃費とNOxの規制強化は、従来
と同じく、トラックメーカの要望・希望に沿った規制値と規制時期に設定される可能性が極めて高いと予測される。そし
て、その場合には、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会と国土交通省の自動車燃費基準小委員会は、気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の採用が必要となる「2015年度重量車燃費基準から+10%程度の燃
費向上」と「NOx=0.23 g/kWh のNOx規制」のレベル(=規制値)を大型トラックの使用過程車に適用する時期として
は、トラックメーカの意向・要望を満たすべく、この特許技術の特許権が消滅する2024年5月25日以降の設定となる可
能性が極めて高いと予測される。このようなことは、国民を蔑ろにした環境省と国土交通省の委員会の職務遂行と思う
が、如何なものであろうか。なお、これについては、大型トラックのNOx削減と燃費向上に有効な気筒休止を黙殺する
学者諸氏のページにも同様の内容を詳述しているので、興味のある方は御覧いただきたい。

8−6 大型トラック・トラクタにおける2015年度重量車燃費基準に不適合の割合

 現在、2015年度重量車燃費基準は、2006年3月に制定されて以来、現時点(=2014年9月)では既に8年以上も経過
しているのである。したがって、わが国のトラックメーカが優れた燃費削減の技術を開発済みであったならば、わが国で
市販されている大型トラックの全車種は、2015年度重量車燃費基準に適合できている筈である。しかし、現状では表1
6に示したように、大型トラックの僅かな一部の車種では、未だに2015年度重量車燃費基準に適合できていないようで
ある。

表16 大型トラック・トラクタにおける2015年度重量車燃費基準に不適合の割合
(2010年11月現在の各トラックメーカの不適合車種の比率とその後の改良)
メーカ名
大型トラック用エンジン
大型トラック・トラクタの分野

2015年度重量車燃費基準に不適合の車種の割合
三菱ふそう
6R10 (13リットル級)
13%の車種が不適合(2010年11月現在)
(出典: http://www.nikkan.co.jp/newrls/rls20100422i-06.html

数%の車種が不適合 (ほとんどの車種が適合)(2011年10月現在)2011年10月6日
(その後の改良により、ダンプは燃費基準に適合させて2011年10月6日に発売)
http://www.e-logit.com/loginews/2011:100603.php
日野自動車
E13C (13リットル級)
17%の車種が不適合(2010年11月現在)
(出典: http://www.mlit.go.jp/jidosha/nenpi/nenpikouhyou/track/hino.pdf
A09C (9リットル級)
48%の車種が不適合(2010年11月現在)
(出典: http://www.mlit.go.jp/jidosha/nenpi/nenpikouhyou/track/hino.pdf

0%の車種が不適合 (全ての車種が適合)(2011年10月現在)
(その後の改良により、全ての車種は燃費基準に適合させて2011年10月2日に発売)
(出典: http://www.hino-global.com/j/news_release/140.html
UDトラックス
GH11 (11リットル級)
56%の車種が不適合(2010年11月現在)
(出典: http://gazoo.com/NEWS/NewsDetail.aspx?NewsId=b0531bfa-3251-451f-9bfe-
8e0ef07935a1

20%程度の車種が不適合と予想(2012年7月2日現在)
(7MTのカーゴトラック(GVW25トン)を燃費基準に適合させ、2012年7月2日に発売)
(出典: http://www.udtrucks.co.jp/CORP/NEWSRELEASE/2012/20120601.html
いすゞ自動車
6UZ1 (10リットル級)
%の車種が不適合 (ほとんどの車種が適合(2010年11月現在)
(出典: http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=251321&lindID=4
ボルボ
D13(13リットル級)
25%の車種が不適合(2010年11月現在)
(5車種の全てに12段機械式自動ミッションを採用)
(出典: http://www.mlit.go.jp/jidosha/nenpi/nenpikouhyou/track/volvo-t.pdf

 このことから、「自動車技術」誌において、2010年1月号の「ディーゼルエンジンこの10年」(著者:飯田訓正 慶応大
教授 他3名)や2010年8月号の特集:年鑑 「ディーゼルエンジン」(著者:UDトラックス梶@小林信裕氏)に大型トラッ
ク用ディーゼルエンジンにおける燃費削減は、現時点では技術的に八方塞がりの状況』との趣旨の記載内容は、事実
のように思えるのだ。このように、ディーゼルエンジンにおける燃費削減の技術開発が行き詰っている現状を考えると、
日野、UDおよび三菱の各トラックメーカが、この数年後にはディーゼルの燃焼改善による5%程度の重量車モード燃費
の削減を可能にする技術が実用化できるようになるとは、筆者にはとても信じられないのである。

 一方、いすゞ自動車は、走行性能に多少の犠牲を伴うが、10リットル級のダウンサイジングしたエンジンを大型トラッ
クに採用することによって、大型トラックの99%の車種を2015年度重量車燃費基準に適合させているようだ。このよう
にいすゞ自動車では大型トラックに10リットル級のダウンサイジングしたエンジンを搭載しているのは、走行性能の優れ
た13リットル級の標準エンジンを大型トラックに搭載した場合には、7段マニュアルミッションを搭載した車種では、2015
年度重量車燃費基準には適合できなかったためではないかと推測されれる。また、大型トラックのエンジンをダウンサ
イジングした場合は、排気ブレーキの性能が著しく低下し、大型トラックの降坂走行時に危険を伴うことになる。この
ンジンダウンサイジングによって低下した排気ブレーキ力の不足を補完するため、新たに電気式や油圧式のリターダ
を新たに追加またはリターダの大型化が必要となる。このリターダの追加や大型化は、コストアップや車両重量の増加
要因となり、大型トラックにとって好ましいことではない。このように、大型トラックにおける大幅なエンジンダウンサイジ
ングは、デメリットも存在するのである。

 ところで、最近(=2014年6月)では、 「電動冷却ファン」と「電動ウォーターポンプ」を採用することにより、2015年重量
車燃費基準+5%の重量車モード燃費を達成した大型トラックの市販(=http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/
20140624_654839.htmlが開始されたようだ。もっとも、「電動冷却ファンプ」は数十年も昔から普及したFF駆動乗用車
に(フロントエンジン・フロントドライブの乗用車)に採用された技術であり、「電動ウォーターポン」は最近のハイブリッド
乗用車に採用された技術である。したがって、これら 「電動冷却ファン」と「電動ウォーターポンプ」は、既に乗用車に採
用済みの技術を大型ディーゼルトラックに転用しただけである。したがって、「電動冷却ファン」と「電動ウォーターポン
プ」は、新規の燃費改善技術と呼ぶことには躊躇される技術と考えられる。なお、「電動冷却ファン」は水温に応じて可
変制御して効率的なエンジン冷却を実現するために必要なだけ冷却ファンを回すことで駆動損失も低減し、「電動ウォ
ーターポンプ」は、電動冷却ファンと同様にで必要なだけ冷却水量を循環させてエンジンを効率的に冷却してウォータ
ーポンプの余分な駆動を低減することにより、エンジン燃費を改善するようにしたものである。この「電動冷却ファン」と
「電動ウォーターポンプ」は、近い将来、全メーカの大型トラックに採用され、各社から2015年重量車燃費基準+5%の
重量車モード燃費を達成した大型トラックが市販されるものと考えられる。

8−7.交通安全環境研究所のスーパーディーゼルエンジン研究の燃費向上は、失敗の予感

 独立行政法人 交通安全環境研究所では、表17にしたように、2010年11月24(水)・25日(木)に「交通安全環境究所
フォーラム2010」と称する技術発表の講演会が開催されたようだ。この講演会には、我が国を代表する多数の交通
関係の学者・専門家が出席され、今後の普及が期待される次世代自動車についての技術発表とそれらに関する議論
が行われたとのことである。

表17 (独)通安全環境研究所が2010年11月24(水)・25日(木)に開催した技術発表の講演会
(出典 : http://www.ntsel.go.jp/forum/forum2010.html
項 目
内 容
講演会の名称
および
その主宰団体


 この独)通安全環境研究所の講演発表会では、「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンにおける新展開」と題
した大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費向上を狙った研究開発の論文が報告されている。この論文を拝読させて
いただいたところ、記述の内容に多くの疑問点が目に付いたので、表18にまとめた。

表18 通安全環境研究所の大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費向上の論文における疑問点
「交通安全環境研究所フォーラム2010」

発表論文
備考 または 疑問点

題目
スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンにおける新展開

著者
環境研究領域 : 鈴木 央一、石井 素、川野 大輔
     新エィシーイー : 青柳 友三 

(出典:http://www.ntsel.go.jp/forum/2010files/10-06p.pd
              
(独)通安全環境研究所と新エィシーイーとの共著

(表1のベースエンジンは日野自動車のPC11型と
推定)
















 左記の交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)
エンジンにおける新展開」の論文(以後、「交通安全環境研究所のSCD
エンジン論文」と称す)では、左記の「図3 SCDエンジンシステム
構成図」に示されているように、以下の技術が組み込まれている。

2段シーケンシャル過給機
高圧コモンレール(=260MPa)
LP-EGRの採用によるEGR制御の高度化
等々

 そして、左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文の図3の
システムでは、1000rpm以下の低速でのエンジントルクアップにより、
JE05モード燃費が0.5〜1.0%程度の改善であったとのこと。この程度
の燃費改善は燃費測定の際に生じる測定誤差の範囲に過ぎない。
したがって、この程度の燃費改善を論文に誇らしげに記載することは、
如何なものであろうか。

 一方、本ページの 【14−1 NEDOの「超高度燃焼制御エンジ
システムの研究開発」では、燃費悪化の大失敗】 の項で示している
ように、8億円以上の予算で実施されたNEDOといすゞ中央研究所の
革新的次世代低公害車総合技術開発(クリーンディーゼル
プロジェクト、2004〜2009年)の「超高度燃焼制御エンジシステムの
研究開発」の大型プロジェクトでは、大型トラック用ディーゼルエンジン
に以下の技術を組み込んだシステムによるNOx削減と燃費改善の
研究開発が既に実施されている。

3段過給システム(高平均有効圧化)
300MPaの超高圧燃料噴射(高平均有効圧化)
カムレスシステム
を組み込んた「PCI燃焼」(PCI燃焼=HCCI燃焼)

 このNEDOの研究開発では、14−1項の図16に示したように、燃費
削減は目標の10%削減には全く及ばず、2015年度重量車燃費
基準に対して2%の悪化が確認された。このように、NEDOのクリーン
ディーゼルプロジェクトは、ディーゼルの燃費改善について完全に
失敗であったことが報告されているのである。

 さて、交通安全環境研究所のSCDエンジン論文に記載されている
左記の「図3 SCDエンジンシステム構成図」に盛り込まれた主要な
技術は、前述の8-1項で示したディーゼルの燃費改善について完全に
失敗したNEDOの革新的次世代低公害車総合技術開発(クリーン
ディーゼルプロジェクト、2004〜2009年)の「超高度燃焼制御エンジ
システムの研究開発」と類似の技術が殆んどである。そのため、
交通安全環境研究所の「図3 SCDエンジンシステム構成図」に
盛り込まれた技術によってディーゼルエンジンの十分な燃費改善は、
全く期待できないことは明白でである。そして、左記の交通安全環境
研究所のSCDエンジン論文では、JE05モード燃費が0.5〜1.0%程度
の改善しか得られなかったと記載されていることは、当然の結果では
ないかと考えられる。

 ところで、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏は、左記の交通安全
環境研究所のSCDエンジン論文では、「図3 SCDエンジンシステム
構成図」の技術によって、今後、「過給機効率の向上や空気量増加で
燃費マップを改善し、左記の図3のシステムで5%以上(JE05モード)
の燃費改善を目指す」と記載されている。しかし、筆者にはこのような
ことが実現できるとはとても考えられないのだ。なぜなら、過給機の
効率が向上は、熱膨張の無いタービンやブロアの材料が開発できた
場合に初めて給気や排気ガスの漏れを完璧に防止できる場合や、
タービン羽根を極薄にできる材料や精密鋳造の技術が開発できた
場合において、初めて実現できることである。これらの過給機関係の
技術が、今後、飛躍的に発展しない限り、近い将来に過給機の効率が
大きく向上できる可能性は全く無いと考えるのが妥当である。

また、JE05モードではエンジン部分負荷領域での運転比率が高い
ため、JE05モードの十分な燃費向上には、部分負荷領域での燃費
改善が必要である。元来、ディーゼルエンジンは部分負荷では著しい
空気過剰の状態で運転されるのである。それにもかかわらず、左記の
交通安全環境研究所のSCDエンジン論文では、空気量の増加で
燃費マップを改善できると主張されている根拠が筆者には良く理解
できないところである。したがって、左記の論文において、交通安全
環境研究所の鈴木、石井、川野の諸氏および新エィシーイーの
青柳氏は、「過給機効率の向上や空気量増加で燃費マップを改善し、
左記の図3のシステムで5%以上(JE05モード)の燃費改善を目指す」
と記述されているが、合理的な燃費改善の技術が具体的に何も
示されていないのである。したがって、左記の論文における
「5%以上(JE05モード)の燃費改善」の述は、著者の単なる希望を
述べているだけであり、ディーゼルエンジンの十分な燃費改善が
実際に実現できる可能性は全く無いと思っている。

 しかし、筆者の予想に反し、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏が、
左記の論文に記載されているように、「図3 SCDエンジンシステム
構成図」の技術を用いて「過給機効率の向上や空気量増加で
燃費マップを改善し、左記の図3のシステムで5%以上(JE05モード)
の燃費改善を目指して開発を進める」ことによって、大型トラック用
ディーゼルエンジンの燃費を5%以上もの改善が仮に実現できた
とすれば、それは魔法を超える程の偉業であると云えるのでは
ないだろうか。

 果たして、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏は、本当に
ディーゼル燃費を改善する現在の魔術師の人達であるのか、
それとも、これまで口三味線を駆使して研究予算を獲得してきた
単なるペテン師・詐欺師に類する人達であるのかは、今のところ
不明である。

 何はともあれ、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏が燃費改善の
魔術師か、若しくはペテン師・詐欺師かの何れであるかは、近い将来
には明らかになることであり、筆者には興味深々である。この結果が
楽しみだ。

 ところで、左記の論文は、多くの大型トラックが2015年度重量車燃費
基準に適合している2010年11月24(水)・25日(木)に開催されている
「交通安全環境研究所フォーラム2010」でが発表されている。
このことから、左記の論文の読者は、この論文のベースエンジン(日野
自動車のPC11型と推測)の重量車モード燃費値は、2015年度重量車
燃費基準に適合している燃費レベルと考えているものと推測される。
しかし、左記の交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル
(SCD)エンジンにおける新展開」の論文では、大型トラック用のベース
エンジン(日野自動車のPC11型と推測)の重量車モード燃費値が
2015年度重量車燃費基準に適合している旨が何も記載されていない
ようだ。
 
このことから、左記の論文のベースエンジン(日野自動車の
PC11型と推測)の燃費値(例えばJE05モード燃費)として劣った値が
計測されたと記載しておけば、左記の「図3 SCDエンジンシステム
構成図」で如何なる燃費値が計測されようとも、この左記の
「図3 SCDエンジンシステム構成図」の技術を用いて「過給機効率の
向上や空気量増加で燃費マップを改善し、左記の図3のシステムで
5%以上(JE05モード)の燃費改善が実現できた」と論文に記載しても
何の誤りも生じないことになるのである。要は、ベースエンジン(日野
自動車のPC11型と推測)が10年以上も古い型のエンジンのため、
燃費の悪いベースエンジンであることを記載しておけば、「図3 SCD
エンジンシステム構成図」の技術を用いることによってJE05モード
での5%や10%の燃費改善の試験結果を示すことは、極めて簡単な
ことである。

 勿論、このような手法でまとめられた論文は、ディーゼル
エンジンの燃費向上の技術的な進歩に寄与しないことは当然である。
そして、このような方法は、詐欺師やペテン師が日常茶飯事に用いる
手法だ。しかし、日本を代表する学者・専門家である交通安全環境
研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイー
の青柳 友三氏が発表される論文においては、このような詐欺やペテン
に類する手法を駆使して論文を作成されることは、常識的には
一切ないものと考えられるが・・・・・・。
 前述の「2.ディーゼルエンジンにおける排出ガス低減と燃費改善」に
記載している通り、 ターボコンパウンドの排熱回収タービンの入口の
排気ガスは、ターボ過給機のタービン入口の排気ガスの温度・圧力
よりも低温・低圧であるため、排気ガスのエネルギーのポテンシャルが
低い。そのため排気ガスの体積流量が多く、回収タービンは大型化が
必要となる。その結果コストが高く、且つ車両搭載も容易なことではない。

ターボコンパウンドは、大型トラックの走行燃費の改善が困難な技術だ!
のページに詳述しているように、ターボコンパウンドによる燃費は、
エンジンの最大トルクの運転状態で2%前後が改善できるだけで
ある。そして、大型トラックの字際の走行や重量車モード燃費計測に
使用されるエンジン運転は、最大トルクのエンジンの回転速度付近
の中速での2/3負荷以下の中負荷以下の中速回転の時に限定
される上に、その高負荷領域の領域が大部分である。したがって、
従来のエンジンにターボコンパウンドを装着しただけでは、大型
トラックの走行や重量車モード燃費値の改善は、ターボコンパウンド
によるエンジンの最大トルクの運転状態での2%前後の燃費改善の
半分以下、即ち1.0 %以下ではないかと推測される。

 したがって、欧米の大型トラック・トラクタにターボコンパウンドを採用
する最大の目的は、燃費向上では無く、筒内最大圧力を上昇させる
こと無く出力が増加できる手段であるようだ。その証拠に、ボルボ、
スカニア等は、大型トラクタ用のエンジンにターボコンパウンドを採用
しているのが現状だ。

 さて、左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文において、
交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏および
新エィシーイーの青柳 友三氏はターボコンパウンドの採用によって
1〜3%程度の燃費改善(=JE05モードと推測)と記述されている。
左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文における
1〜3%程度の燃費改善の試算結果は、世界の一般情報に比べて
数倍の燃費改善であり、この試算に用いられた排熱回収タービンの
タービン効率として非現実的な高い効率を用いて計算されたものと
推測される。当然のことながら、性能計算に無理やり高いタービン
効率を用いた場合には、大きな燃費改善が算出できるのである。
その昔、ターボエンジンの性能シュミレーション計算を日常的に
行っていた元技術屋の筆者から見れば、非現実的な高いタービン
効率を用いたエンジン燃費の計算は、間違いなく詐欺行為であり、
技術者としての良心の欠落を如実に示す行為と考えている。
何度もくどく繰り返すが、
ターボコンパウンドは、大型トラックの走行燃費の改善が困難な技術だ!
のページに詳述しているように、ターボコンパウンドによる燃費は、
エンジンの最大トルクの運転状態で2%前後が改善できるだけ
である。従来の1段過給や2段過給のディーゼルエンジンに
ターボコンパウンドを単に装着しただけのシステムにおいて、
交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏
および新エィシーイーの青柳 友三氏が試算した結果、左記のように
「1000rpm〜1200rpmの実用運転領域で1〜3%の燃費改善効果が
得られる」との記述は、誤りであると推測される。

 そもそも、今後のディーゼルトラックにターボコンパウンドを搭載する
場合は、大型トラックの実走行やJE05モードではエンジン部分負荷の
運転頻度が高いため、過給機の排気タービンから比較的、低い温度
の排気ガスのが排出されるため、ターボコンパウンドの回生タービン
によって回収できるエネルギーは、必然的に少なくなる。したがって、
回生タービンでのエネルギー回収は、低いタービン効率で運転
せざるを得ない割合が多くなるのである。したがって、そのような
宿命を負ったターボコンパウンドを用いてディーゼルエンジンの燃費
を改善しようとすることは、困難であることが明らかだ。そのため、
左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文において、
交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏
および新エィシーイーの青柳 友三氏がターボコンパウンドを
ディーゼルエンジンの燃費改善の手段と認識されていることは
誤りと考えられる。そして、ボルボやスカニアの欧米のトラック
メーカは、ターボコンパウンドは筒内最大圧力を上昇させること無く
出力が増加できる手段と理解しているようである。そして、従来の
1段過給や2段過給のディーゼルエンジンにターボコンパウンドを
単に装着しただけのターボコンパウンドシステムについては、欧米
のトラックメーカ(=ボルボやスカニア等)の認識・理解が正しい
ように考えられる。

 ところで、ターボコンパウンドを用いてディーゼルエンジンの燃費を
少しでも改善する方法は、筆者は、
気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上
に詳述しているいるように、大型ラックの走行で多用されるディーゼル
ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の排気ガス温度の高温化を
図ることが必要であり、その方法として、筆者提案の
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を用いることが
有効である。したがって、この交通安全環境研究所のSCDエンジンに
ターボコンパウンド組合わせて実走行燃費または重量車モード燃費を
本気で改善したいのであれば、躊躇なく左記の交通安全環境研究所
のSCDエンジンに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を
採用すべきと考えられる。しかしながら、ポンコツ元技術屋の筆者が
提案している気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術をSCD
エンジンに採用することは、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏に
とっては、日本を代表するディーゼルエンジンの学者・専門家として
の自尊心・面子・プライドが許さないと思うが、如何なものであろうか。

 ただし、この交通安全環境研究所のターボコンパウンドを搭載した
従来のSCDエンジンから2段ターボを廃止し、新たに並列2ターボ
方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を追加
したターボコンパウンド採用の「新たな改良型のSCDエンジン」に
改良した場合には、この「新たな改良型のSCDエンジン」は、
ターボコンパウンドによる部分負荷運転時の燃費改善が倍増し、
その上に新たに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)による
エンジン部分負荷時の燃費改善の効果も追加され、2015年
度重量車燃費基準を10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの
重量車モード燃費の大型トラック用ディーゼルエンジンが容易に
実現できると予想される。この交通安全環境研究所の超低燃費の
「新たな改良型のSCDエンジン」は、交通安全環境研究所の
鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏および新エィシーエーの
青柳 友三氏の諸氏が無意味な自身の自尊心・面子・プライドの
毀損についての関心を少し忘れ、勇気を持って従来交通安全
環境研究所のSCDエンジンに
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用する
ことによって、容易に実現できることである。

 このように、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏の諸氏が自身の
理不尽な自尊心・面子・プライドに無関心になるだけで、
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を追加した新たな
SCDエンジンの試験が可能となり、2015年度重量車燃費基準を
10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード燃費の大型
トラック用ディーゼルエンジンが実現できるのである。そして、
これによって、日本における大型トラックの飛躍的な費向上がに
発展・推進できるのである。そうすることによって、通安全環境
研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏および
新エィシーイーの青柳 友三氏の諸氏は、日本の大型トラックの
燃費向上に大きく貢献し、後世に名を残すことができると推察
される。何はともあれ、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏が
勇気ある決断を下すべきと考えるが、如何なものであろうか。
筆者は大いに期待しているところである。 
 左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文においては、SCD
エンジンに組み込まれた各種の燃費削減の技術と、それぞれの技術
における燃費改善の目標が明記されており、それらを纏めると以下の
通りである。(なお、各技術のそれらの燃費改善の目標は、文脈から
推察すると、何れもJE05モードの燃費と予測される。)

2段シーケンシャル過給機
  燃費改善=5%

超高圧コモンレール(=260MPa)
  燃費改善=3〜5%

排熱回収システム(=ターボコンパウンド)
  燃費改善=1〜3%

以上のように、左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文では、
最近、話題となっている目新しい技術は、大幅な燃費改善が可能と
考えられような記述で満たされている。これを見ると、「バナナのたたき
売り」を連想させるような燃費改善技術の「大安売り」の様相を呈して
いる。その極め付きは、左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン
論文の「5 ま と め」では、「2段シーケンシャル過給機」+「排熱回収
システム」+「超高圧コモンレール」によって大型トラック(GVW25トン)
の2015年度重量車燃費基準を10%も燃費向上した4.5 km/リットル
の重量車モード燃費が平成23年度に実現できると宣言されていること
ではないだろうか。著者の交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏の諸氏は、
平成23年度
左記の交通安全環境研究所のSCDエンジン論文の「5 ま と め」に
記載された大型トラックの燃費向上の目標(=重量車量車モード燃費
: 4.5 km/リットル)を本当に実現できる考えられているので
あろうか。因みに、筆者はこの目標達成が挫折・失敗する可能性が
極めて高いと思っている。

 なぜならば、NEDOの革新的次世代低公害車総合技術開発
(クリーンディーゼルプロジェクト、2004〜2009年)の「超高度燃焼
制御エンジシステムの研究開発」では、「多段過給システム」+
「超高圧コモンレール」を搭載したディーゼルでは既に燃費改善の
困難なことが確認されているのである。また、「ターボコンパウンド
システム」については、このシステムを搭載した大型トラックを市販
しているボルボ、デトロイトディーゼル等からは「ターボコンパウンド
では燃費改善が困難」との情報が発信されているのである。
これらのことから、「2段シーケンシャル過給機」&「排熱回収
システム」&「超高圧コモンレール」の各技術は、これまでの研究
開発によって燃費改善が殆んど期待できないことが既に判明
しているのである。

 したがって、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏の諸氏は、
「2段シーケンシャル過給機」+「排熱回収システム」+「超高圧
コモンレール」を採用した交通安全環境研究所のSCDエンジンに
よって、大型トラック(GVW25トン)において2015年度重量車燃費
基準を10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード燃費
の目標を平成23年度に達成すると宣言しているが、このSCD
エンジンに組み込まれた技術だけではこの目標の燃費を実現する
ことは不可能と考えられる。

 この大型トラック(GVW25トン)における2015年度重量車燃費
基準を10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード燃費
の目標を達成する唯一の方法は、交通安全環境研究所のターボ
コンパウンドを搭載した従来のSCDエンジンから2段ターボを
廃止し、新たに並列2ターボ(2ターボ)の
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を追加した
ターボコンパウンド採用の新たな改良型のSCDエンジンに改良する
ことである。

この新たな改良型のSCDエンジンは、ターボコンパウンドによる
部分負荷運転時の倍増した燃費改善に
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)によるエンジン部分
負荷時の燃費改善の効果も追加され、2015年度重量車燃費
基準を10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード
燃費の大型トラック用ディーゼルエンジンが容易に実現できること
になる。

しかし、ポンコツの元技術屋の筆者が提案している
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術をSCDエンジンに
採用することは、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏の学者・専門家
としての自尊心・面子・プライドが許さないものと推察される。

 その結果、2012年7月23日現在では、交通安全環境研究所の
鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの
青柳 友三氏は、交通安全環境研究所のSCDエンジンを用いた大型
トラック(GVW25トン)において2015年度重量車燃費基準を10%も
燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード燃費を平成23年度に
達成するとの左記の目標は、未だに達成できたとの発表だ行われて
いないようだ。もっとも、交通安全環境研究所のSCDエンジンの研究
開発が失敗に終わったとの発表も行っていないように見受けられる。
このような状況から、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏は、
交通安全環境研究所のSCDエンジンを用いた研究プロジェクトの
結果については、これからも「ダンマリ・黙秘」を続ける意図・意向の
ように思えるが、如何なものであろうか。

 仮に、交通安全環境研究所のSCDエンジンプロジェクトの究開発が
失敗に終わっていた場合でも、その試験結果が発表されれば、
交通安全環境研究所のSCDエンジンプロジェクトは、多くの
ディーゼルエンジン関係の学者・専門家には「燃費向上に無効な
技術」としての貴重な技術情報が提供されることになり、将来的
にも貴重な技術情報として広く活用されるできる筈である。
そして、このような発表によって、交通安全環境研究所のSCD
エンジンプロジェクトに注ぎ込まれた試験研究費の税金は、
少しは国民の生活に生かされることになると考えられる。

しかし、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏
および新エィシーイーの青柳 友三氏が交通安全環境研究所の
SCDエンジンの研究プロジェクトの試験結果ついて、これからも
「ダンマリ・黙秘」を続けた場合、日本の多くのディーゼルエンジン
関係の学者・専門家には、「燃費向上に無効な技術」の技術情報
が提供されないことになり、交通安全環境研究所のSCDエンジン
プロジェクトに注ぎ込まれた試験研究費は、あたかも「どぶ川」に
捨てられた如く、金の無駄使いに終わってしまうと考えられる。

 一方、前述の14-1項に示したNEDOの「超高度燃焼制御エンジシ
ステムの研究開発」では、燃費悪化の大失敗を正直に報告して
いるのである。このようにNEDOの研究開発の場合には不成功で
終了した研究開発の場合には、失敗した研究開発の試験データ
が多くの人に技術情報として正直に試験結果が報告されている
のである。ところが、このNEDOのプロジェクトと同様に税金を
使っているにもかかわらず、交通安全環境研究所のSCDエ
ンジンプロジェクトの結果は、燃費向上に失敗したことによって
試験データを未公表とし、交通安全環境研究所のSCDエンジン
プロジェクトを担当する交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏に
よってこのプロジェクトの貴重な試験データが握り潰されて
いるように見えるのである。このことが事実であれば、
交通安全環境研究所のSCDエンジンプロジェクトを担当する
交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏
および新エィシーイーの青柳 友三氏は、一流の学者・専門家・
技術者として備え持つべきモラル・良心の欠落した人達のように
思えるが、本当のところは如何なものであろうか。

 仮に、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏は、学者・
専門家・技術者としての良心・誠意を持った人達であれば、
交通安全環境研究所のSCDエンジンプロジェクトにおいて
当初の目標であった「大型トラック(GVW25トン)
において2015年度重量車燃費基準を10%の燃費向上させた
4.5 km/リットルの重量車モード燃費」が達成予定の期限である
平成23年度に未達に終わったとしても、今後の日本の大型
トラックにおける燃費向上の技術開発に活用できるように
するため、その時点で交通安全環境研究所のSCDエンジン
プロジェクトの研究開発の試験データを正直に公表している筈では
ないだろうか。なぜならば、研究開発の失敗データも、その後の
研究開発の推進には貴重な既存のデータとして生かすことが
できるためである。このことから、政府の予算(=税金)を使って
研究プロジェクトを実施する学者・専門家は、良心・誠意のある
人達でなければ、税金の無駄使いになるように思えるが、
如何がなものであろうか。勿論、交通安全環境研究所のSCD
エンジンプロジェクトが失敗に終わった場合に交通安全環境
研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏および
新エィシーイーの青柳 友三氏がこのプロジェクトの研究費の
全額を政府に返還・返納すれば、試験結果を「非公開」、
「未公表、「握り潰し」とししても許されることである。
逆に言えば、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏がこのプロジェクト
研究費の全額を政府に返還・返納しないのであれば、
このプロジェクトの貴重な試験結果は、絶対に発表・公表を
行うべきである。仮に交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏が
このプロジェクトの貴重な試験結果を「非公開」、「未公表」、「抹殺」
して握り潰した場合は、政府の予算(=税金)の私的流用と
見做されても仕方の無いことではないだろうか。
 
 また、仮に、平成23年度に終了予定の交通安全環境研究所の
SCDエンジンプロジェクトがターボコンパウンドを採用しているにも
かかわらず、「大型トラック(GVW25トン)において2015年度重量車
燃費基準を10%の燃費向上させた 4.5 km/リットルの重量車
モード燃費」の燃費向上の目標が未達成であったことが試験に
よって確認され、その結果が公表されたのであれば、ディーゼル
エンジンの部分負荷時の排気ガス温度を高温化する技術を
組み合わせない場合には、ターボコンパウンドを採用しても大型
トラックの実走行燃費や重量車モード燃費を改善することが困難
であることが実証されたことになる。そして、このことは、ターボ
コンパウンドの採用による重量車モード燃費の改善を図るためには、
気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上
に詳述筆しているように、ターボコンパウンドを採用するエンジン
の部分負荷時の排気ガス温度を高温化する技術として、例えば
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を組合わせる
ことが必要・不可欠であるとの推測の根拠を多くの学者・専門家に
提供することになる。

 さてさて、現在のところ、この交通安全環境研究所のSCD
エンジンプロジェクトの試験結果は、平成24年7月23日現在でも、
未公表・隠蔽の状態に保持されているようである。果たして、
今後も交通安全環境研究所のSCDエンジンプロジェクトの
試験結果が公表されることは無いのであろうか。このように、
国民から集めた貴重な税金によって実施された交通安全環境
研究所のSCDエンジンプロジェクトの試験結果が今後の日本の
大型トラックにおける燃費向上の技術開発に永遠に生かされない
のであれば、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、
川野大輔氏および新エィシーイーの青柳 友三氏は、「税金泥棒」
の誹りを免れないように思えるが、如何なものであろうか。

以上の「交通安全環境研究所フォーラム2010」で発表の論文「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンにおける
新展開」では、「2段シーケンシャル過給機」&「排熱回収システム(ターボコンパウンド)」&「超高圧コモンレール」の技
術を用いて2015年度重量車燃費基準を10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード燃費の大型トラック
(GVW25トン)を平成23年度に実現する予定と宣言されている。しかし、2段シーケンシャル過給機」&「排熱回収シ
ステム(ターボコンパウンド)」&「超高圧コモンレール」の各技術は、何れもディーゼルの燃費改善の効果が殆んど期
待できないシステムである。したがって、交通安全環境研究所のSCD(スーパークリーンディーゼル)エンジンの研究開
発プロジェクトが平成23年度に重量車モード燃費を 4.5 km/リットルの大型トラック(GVW25トン)を実現する目標の
達成は、完全に失敗の結末になるものと予想される。

 この交通安全環境研究所のSCDエンジン論文の著者の一人は、新エィシーイーの青柳 友三氏である。因みに、新エ
ィシーイーは、自動車メーカーと部品会社が出資し、トラックメーカ4社(日野、いすゞ、UD、三菱ふそう)から研究者が派
遣されている研究所である。そして、新エィシーイーの常務取締役である青柳 友三氏は、新エィシーイーの常勤幹部の
トップであり、日常の新エィシーイーの研究活動を指揮されているものと推察される。この新エィシーイーでは、気筒休
止エンジンによる大型トラックの低燃費化のページの 【12−3.叶Vエィシーイーが気筒休止の試験結果の発表を中
止している理由は、何か?】の項に詳述しているように、叶Vエィシーイーは、2004年にディーゼルエンジンの気筒休
止の試験を実施し、この気筒休止における燃費改善の効果を確認した試験データを取得しているようである。

 これについては、下記のように、その叶Vエィシーイーから、2009年末頃、「叶Vエィシーイーは2004年に実施した
ディーゼルエンジンの気筒休止の試験において、燃費改善の効果を確認していた」 との情報を叶Vエィシーイーから
受信したEメールによって筆者は入手している。このEメールの内容が当時の叶Vエィシーイーの青柳友三社長に送付
されていることから、「叶Vエィシーイーは2004年に実施したディーゼルエンジンの気筒休止の試験において、燃費
の効果を確認していた」 との情報は、叶Vエィシーイーの内部で公認されていたと推測される。つまり、叶Vエィシー
イーがは2004年頃にディーゼルエンジンの気筒休止による燃費改善の試験データを取得していたことが事実と考え
られる。

「2004年頃に気筒休止の効果を確認済み」と明言した叶VエィシーイーのEメール

 ところが、このEメールが発信された009年12月26日の時点では、この気筒休止の試験が終了してから既に5年以上
も経過したているにもかかわらず、未だに叶Vエィシーイーはディーゼルエンジンの気筒休止の試験結果を発表してい
ないようだ。通常、一般の研究所では、試験実施の翌年にはその試験結果がまとめられて発表されるものだ。しかし、
叶Vエィシーイーでは、実用化が容易で燃費改善に効果がある気筒休止の試験が2004年に実施されたにもかかわ
らず、その試験結果の発表を5年以上も遅らせ続けているのである。この状況は、一般的な研究機関の行動・活動とし
ては何とも奇妙なことである。

 その一方において、新エィシーイーの青柳 友三氏は、ディーゼル燃費の大きな改善が期待できない2段シーケンシ
ャル過給機」&「排熱回収システム(ターボコンパウンド)」&「超高圧コモンレール」の技術を組合せることにより、2015
年度重量車燃費基準を10%も燃費向上した 4.5 km/リットルの重量車モード燃費の大型トラック(GVW25トン)を
成23年度に実現すると宣言した交通安全環境研究所の「SCDエンジンの研究開発」のプロジェクトに参画し、論文
著者の一人として名を連ねているのだ。しかし、交通安全環境研究所のSCDエンジンの研究開発プロジェクトでは、
費改善の効果が殆んど期待できない2段シーケンシャル過給機」&「排熱回収システム(ターボコンパウンド)」&「超
高圧コモンレール」の技術が組み込まれているが、肝心要の燃費改善に大きな効果を発揮する「気筒休止」の技術が
組み込まれていないのである。この状況を見ると、新エィシーイーの青柳 友三氏は、この論文の共著者である交通安
全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏に対し、「2004年に新エィシーイーが気筒休止によってディーゼ
ルエンジンの燃費改善の効果を確認した試験データ」を何も開示していない可能性があると考えられる。

 仮に、新エィシーイーの青柳 友三氏が2004年に新エィシーイーが気筒休止の技術によってディーゼルエンジンの燃
費を改善できた試験データを交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏に開示していなかったこと
が事実であれば、新エィシーイーの青柳 友三氏は交通安全環境研究所が主体の「スーパークリーンディーゼル(SCD)
エンジンによる大型トラック用ディーゼルエンジンを低燃費化するプロジェクト」の挫折・失敗を最初から画策されていた
可能性があると考えられる。つまり、新エィシーイーの青柳 友三氏は、交通安全環境研究所の専門家に対し、大型トラ
ックの実走行燃費や重量車モード燃費の改善に大きな効果が期待できない「2段シーケンシャル過給機」&「超高圧コ
モンレール」や、気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上のページに詳述しているよう
に、気筒休止の技術を組み合わせない場合には大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費の改善に大きな効果
が期待できない「ターボコンパウンド」の技術を「低燃費技術」として交通安全環境研究所の専門家に推奨していた可
能性があると考えられる。

 以上のようなことが仮に事実であれば、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏は、交通安全
環境研究所のSCDエンジンの研究開発プロジェクトに失敗に導くための(株)新エィシーイーの青柳 友三氏の謀略に引
っかかった馬鹿なピエロと見ることも可能だ。その場合には、交通安全環境研究所の専門家に対しては、哀れと云う言
葉しか当てはまらないのではないだろうか。そうは言っても、このような詐欺的なことが本当であった場合、騙した側の
新エィシーイーの青柳 友三氏が批判されることは勿論であるが、騙された側の交通安全環境研究所の鈴木央一氏、
石井素氏、川野大輔氏の方々もディーゼルエンジンの燃費改善技術についての知識・情報収集の不足を恥じ入るべ
きであり、反省すべきことではないかと考えられる。

 さて、実際のところは、新エィシーイーの青柳 友三氏は、交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル
(SCD)エンジンによる大型トラック用ディーゼルエンジンの低燃費プロジェクト」の初期の段階で、交通安全環境研究所
の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏に対し、「2004年に新エィシーイーが気筒休止の技術によってディーゼルエン
ジンの燃費改善を確認し、その試験データを取得している事実」を開示していたのであろうか。この気筒休止による燃
費改善の試験データを交通安全環境研究所の関係者に開示したか否かについて、筆者は交通安全環境研究所の鈴
木央一氏、石井素氏、川野大輔氏に是非とも確認してみたいものだ。

 ところで、交通安全環境研究所の役割(=業務)は、図13の「交通安全環境研究所の役割」に示しているように、「自
動車の環境技術基準(強制基準=規制値)案の策定(=ルールメーカ=基準の作成者)」や「国の政策に対する行政
への技術支援」とのことである。




図13 交通安全環境研究所の役割
(出典 : http://www.ntsel.go.jp/forum/2010files/10-01k.pdf

 以上のように、交通安全環境研究所は自動車の環境技術基準案の策定に職責を負っているようだ。そのため、交通
安全環境研究所の専門家に大型トラック用ディーゼルエンジンの低燃費化が困難であることを本心から悟った場合に
は、国土交通省の重量車燃費基準の強化が大幅に遅延できることは容易に予想できることである。今、仮に、交通安
全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンによる大型トラック用ディーゼルエンジンを低燃費化する
プロジェクト」において、2015年度重量車燃費基準より10%を向上した4.5 km/リットルの重量車モード燃費の 大型ト
ラック(GVW25トン)を平成23年度に実現できず、この研究開発の目標が未達成となる失敗に終わった場合には、
通安全環境研究所の専門家(鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏)は、大型トラックの燃費改善が技術的に困難であ
ることを痛感することは間違いない。その場合には、国土交通省の重量車燃費基準の強化は、交通安全環境研究所
の専門家の意見が反映されるために大幅に遅延されるものと考えられる。

 以上のような交通安全環境研究所の役割を熟知した上で、仮に、新エィシーイーの青柳 友三氏は、交通安全環境研
究所の専門家(鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏)に大型トラック用ディーゼルエンジンの低燃費化が困難であるこ
とを本心から悟らせるて「国土交通省の重量車燃費基準の強化を大幅に遅延」させる目的を達成するため、「交通安
全環境研究所のSCDエンジンによる大型トラック用ディーゼルエンジンの低燃費プロジェクト」に参加されたのが事実で
あれば、交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンによる大型トラック用ディーゼルエンジン
を低燃費化するプロジェクト」が失敗し、近い将来に青柳 友三氏自身が恥をさらすことを覚悟の上で行った「自爆テロ」
と思しき行為のようにも見ることもできそうだ。

 さて、大型トラックの2015年度重量車燃費基準の強化をする際の基準案の策定(=ルールメーカ)の職責を負う交通
安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンによる大型トラック用ディーゼルエンジンを低燃費化
するプロジェクト」には「国土交通省の重量車燃費基準の強化の大幅な遅延」を渇望していると考えられるトラックメー
カが出資する新エィシーイーが協力しているのである。このように、交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼ
ル(SCD)エンジンのプロジェクト」は、大型トラックにおいての燃費を規制する側の国土交通省(交通安全環境研究所)
と、燃費を規制される側の新エィシーイー(トラックメーカの出資会社)との共同研究である。仮に、国土交通省が国民
の利益よりもトラックメーカの利益や意向を優先する意向を持っている場合には、この共同研究は、2015年度重量車
燃費基準の強化を先送りするために尤もらしく説明できる理由・根拠のデータを収集するためとの見方も成り立ちそう
だ。その場合には、交通安全環境研究所と新エィシーイーの裏の目的(=堂々と公言できない目的=隠れた目的)は、
2015年度重量車燃費基準より10%を向上した4.5 km/リットルの重量車モード燃費の 大型トラック(GVW25トン)
の技術を成23年度に実現する研究目標の達成を失敗に終わらせることではないかと推察することも可能だ。なぜな
ら、交通安全環境研究所と新エィシーイーは、「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンのプロジェクト」の燃費向上
に失敗した試験データを明示し、2015年度重量車燃費基準の強化に対応できる技術が未だに開発できていないことを
「事実」かのようにもっともらしく政府(=国土交通省、環境省等)に説明できるためである。このようなことが仮に事実で
あれば、国民の立場からは許せないことだ。

 また、新エィシーイーの協力で実施されている交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジン
のプロジェクト」の調査・研究は、我々の身近な市民生活での防犯の場合に例えれば、防犯関連の法律(刑法)を作成
する警察庁(国家公安委員会)が刑法で罰せられる泥棒と共同して市民の安全を推進するために刑法の罰則強化や
新たな刑法を作成するための調査・研究を実施しているような構図にも見えるのである。このような刑法の罰則強化や
刑法作成の過程において、警察庁と泥棒との共同研究があった場合に、警察庁は泥棒の「手の内を知る」ために泥棒
の協力が不可欠との弁明を行ったとしても、筆者には不適切・不謹慎なように思えるのである。更に、この警察庁と泥
棒との調査・研究プロジェクトが警察庁における刑法の罰則強化や新たな刑法作成の遅延を目的として、泥棒が画策
した調査・研究プロジェクトの場合であれば、警察庁におけるこのような調査・研究プロジェクトの実施は、全く許されな
い行為であることは明らかだ。もっとも、この比喩は飛躍し過ぎかもしれない。しかし、交通安全環境研究所と新エィシ
ーイーが協力して実施されている「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンのプロジェクト」は、警察庁と泥棒との調
査・研究プロジェクトに似たような、「規制する側と規制される側との共同研究」の構図であり、筆者にはいかがわし思
いが拭い去れないのである。したがって、現在、国土交通省内で検討中と推測される大型トラックに関する2015年度重
量車燃費基準の強化については、その過程において、「泥棒に縄をなわせる」ような胡散臭い様子を感じてしまうので
ある。

 前述の【8−1 NEDOの超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発】では、燃費悪化の大失敗】に記載した通り、
NEDOの革新的次世代低公害車総合技術開発(クリーンディーゼルプロジェクト、2004〜2009年)の「超高度燃焼制御
エンジシステムの研究開発(予算:8億円以上)」の大型プロジェクトである。このNEDOの「超高度燃焼制御エンジ」で
は、「3段過給システム」、「300MPaの超高圧燃料噴射」、「カムレスシステム」、「PCI(Premixed. Compression Ignition
combustion)燃焼」の技術が組み込み、2015年度重量車燃費基準よりも10%の大幅な燃費削減の目標を掲げて研究
開発が実施された。しかし、その結果は、2015年度重量車燃費基準よりも2%の燃費悪化となってしまったのである。
このように、NEDOの「3段過給システム」、「300MPaの超高圧燃料噴射」、「カムレスシステム」、「PCI燃焼」を技術を採
用した大型トラック用ディーゼルエンジンの研究では、NOxは目標を達成したものの、燃費改善が悪化してしまうと云う
悲惨な結果となってしまったのである。

 一方、交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジン」には、「2段シーケンシャル過給機」&
「排熱回収システム(ターボコンパウンド)」&「超高圧コモンレール」の技術だけが組み込むまれているが、交通安全環
境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジン」はNEDOの「超高度燃焼制御エンジ」に新たに「排熱回収シ
ステム(ターボコンパウンド)」が組み込まれているだけである。つまり、交通安全環境研究所の「スーパークリーンデ
ィーゼル(SCD)エンジン」は、2015年度重量車燃費基準よりも2%の燃費悪化が実証されたNEDOの「超高度
燃焼制御エンジ」に十分な燃費改善の機能を持たない「排熱回収システム(ターボコンパウンド)」を新たに追加
したシステムと見ることが可能だ。そのため、したがって、2015年度重量車燃費基準よりも2%の燃費悪化が実証され
たNEDOの「超高度燃焼制御エンジ」の研究開発の結果から判断すると、交通安全環境研究所の「スーパークリーンデ
ィーゼル(SCD)エンジン」の研究開発は、2015年度重量車燃費基準よりも10%もの大幅な燃費を削減する目標の達
成は、完全に不可能であることが誰でも容易に理解できることである。

 このような状況において、この交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジン」の研究開発に
おいて、2015年度重量車燃費基準に比して10%の燃費改善の目標が達成できる唯一の方法は、現在の「スーパーク
リーンディーゼル(SCD)エンジン」に、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を新たに採用することであると
筆者は考えている。そうするためには、通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔、および氏新エィシー
イーの青柳 友三氏の諸氏が適切な方針変更の勇断を下す必要がある。これによって、交通安全環境研究所の「スー
パークリーンディーゼル(SCD)エンジン」は、以下の表19に示した気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)のメリット
により、2015年度重量車燃費基準に比して10%の燃費改善を図る目標が容易に実現でき、それと同時にNOx削減も
可能となるのである。

表19 交通研のSCDエンジンに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を組み込んだ場合の効果
SCDエンジンに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)採用した場合のメリット
効果の内容
@
部分負荷時の気筒休止の効果により、重量車モード燃費は5〜10%の向上が可能
(部分負荷時における「サイクル効率の向上」および「冷却損失の削減」による燃費改善効果)
燃費の改善
A
部分負荷時の排気ガスの高温化により、DPF装置での自己再生の運転領域の拡大による燃費向上
(ポスト噴射またはHC排気管噴射のDPF強制再生の回数減少し、強制再生による燃料浪費を防止)
燃費の改善
B
部分負荷時の排気ガスの高温化により、ターボコンパウンドでの排熱エネルギーの回収効率を向上
燃費の改善
C
部分負荷時の排ガス温度の高温化により、尿素SCR触媒でのNOx削減率の向上が可能
NOxの削減


以上のように、交通安全環境研究所の「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジン」に気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の技術を追加すれば、上記の表14に示したような、大幅な燃費改善とNOx削減が可能だ。特に、この中
の燃費改善の効果によって、交通安全環境研究所の「スーパークリーンによるディーゼル(SCD)エンジン」は、目標に
掲げられている2015年度重量車燃費基準の10%の向上した4.5 km/リットルの重量車モード燃費の 大型トラック
(GVW25トン)が確実に実現できるのである。

 これについては、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏、および新エィシーイーの青柳 友三
氏が、このページや気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化を熟読していただければ、気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)の技術が「スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジン」の燃費向上に大きく寄与できることを十分
に理解できる筈だ。そして、交通安全環境研究所のSCDエンジンのプロジェクトに気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の技術を新たに加えた場合、このプロジェクトの目標が容易に達成できる可能性が極めて高くなるのである。そ
こで、この交通安全環境研究所のSCDエンジンのプロジェクトについて、本ホームページの閲覧者に今後のプロジェク
トの推進方法を予想して貰う質問を、テレビのクイズ番組風にまとめ、表20に示した。

表20 交通研のスーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンのプロジェクトにおける今後の研究推進の予想
(クイズ番組に真似た説明)
司会者 : そこで、皆さんに質問です。

司会者の質問内容

交通安全環境研究所の「2段シーケンシャル過給機」&「排熱回収システム(ターボコンパウンド)」&「超高圧コモンレール」の技術を
盛り込んだスーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンは、大型トラックの2015年度重量車燃費基準値よりも燃費の改善ができません。
しかし、このSCDエンジンに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば2015年度重量車燃費基準の10%の向上した
4.5 km/リットルの重量車モード燃費の 大型トラック(GVW25トン)が確実に実現できると予想されています。

さて、、今後の「交通安全環境研究所のスーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンのプロジェクト」では、交通安全環境研究所の
鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏、および新エィシーイーの青柳 友三氏の諸氏が、プロジェクトの今後の推進について、@またはAの
何れの方針が選択されるかについての予想を、お答えください

@ このプロジェクトのSCDエンジンでは、十分な燃費改善は困難と考えられます。したがって、このSCDエンジンの研究開発において、
重量車燃費基準の強化の策定に職責を負っている交通安全環境研究所の専門家(鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏)は、大型
トラックの燃費改善が技術的に絶望的であることを痛感させられるでしょう。そして、このSCDエンジンの研究で得られた燃費改善に
失敗した試験データは、2015年度重量車燃費基準の強化を先送りする際に尤もらしく説明できる理由・根拠として利用できます。
そして、それらの試験データを駆使することによって2015年度重量車燃費基準の強化を遅延させることに誰もが反対できない状況を
作り出すことが可能となります。これによって国土交通省が実際に2015年度重量車燃費基準の強化を延期した場合には、トラック
メーカは、燃費改善の研究開発の投資が削減できるため、何の企業努力もせずに利益増大の恩恵を受けることができるのです。
この場合、トラックメーカは、言わば濡れ手に粟の利益を手にすることになりますので、国土交通省に「感謝!感謝!」と云うことに
なります。これに対し、トラックユーザは、これからも延々と燃費が改善されていない大型トラックを購入し続けなければならず、
運行燃費が削減できない犠牲を払い続けることになります。

A このプロジェクトのSCDエンジンでは、十分な燃費改善は困難と考えられます。しかし、このSCDエンジンに
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を新たに追加することにより、2015年度重量車燃費基準を10%も燃費向上した
 4.5 km/リットルの重量車モード燃費の大型トラック(GVW25トン)を平成23年度に実現させることができます。これによって、
2015年度重量車燃費基準の強化を早期に実施できるようになります。この場合には、省エネルギーやCO2削減を求める国民の願いを
実現することができると共に、トラックユーザにとっては、今後は燃費が改善された大型トラックを購入することによって、運行燃費の
改善が実現できることになります。

司会者 : それでは、交通安全環境研究所におけるSCDエンジンのプロジェクトにおいて、今後、皆さんは、@またはAの何れの
推進方針が選択されると推測されますか。二者択一でお答え下さい。

 さて さて、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、石井素氏、川野大輔氏、および新エィシーイーの青柳 友三氏の諸
氏は、交通安全環境研究所のスーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンのプロジェクトの推進において、気筒休止エ
ンジン(特許公開2005-54771)の技術を新たに追加して2015年度重量車燃費基準の10%の燃費向上した4.5 km/リ
ットルの重量車モード燃費の 大型トラック(GVW25トン)を実現し、国民の省エネルギーやCO2削減の要望に応える意
思を持たれているのであろうか。それとも、スーパークリーンディーゼル(SCD)エンジンのプロジェクトに気筒休止の技
術を追加しないで従来通りの燃費改善の困難な技術だけを採用した研究開発を継続し、研究目標とする2015年度重
量車燃費基準の10%の燃費向上に失敗した試験データを活用して2015年度重量車燃費基準の強化を遅延させて燃
費改善の研究開発費の削減を図り、トラックメーカの利益増加に協力・貢献する意図を持たれているのであろうか。

 平成23年度に発表される結論を見ることによって、交通安全環境研究所のスーパークリーンディーゼル(SCD)エン
ジンのプロジェクトは、交通安全環境研究所(=国土交通省)が国民とトラックメーカの何れの利益を考えて実施されて
いるかが判明するのではないだろうか。このプロジェクトの結果発表が楽しみだ。

 なお、この項の記載内容には推測が多く含まれているため、一部には筆者の事実誤認があるかも知れない。そこ
で、交通安全環境研究所および叶Vエィシーイーの関係者がこのホームページを閲覧された際、明らかに誤りと気付
かれた記載については、末尾の筆者のEメール宛てに事実についての御連絡をいただければ、誤った記載内容は即
刻に訂正したいと考えている。

8−8.自動車技術誌2015年9月号(Vol.69、N0.9、2015)に掲載された論文の疑問点

 早稲田大学・大聖泰弘教授は、自動車技術誌2015年9月号(Vol.69、N0.9、2015)に「自動車用パワートレインの高効
率化技術に関する動向と将来展望」の論文が発表されている。この論文の「3 ディーゼル車の対策技術」の項に述べ
られている「ディーゼルエンジンの排出ガス削減」と「ディーゼル重量車の燃費改善」に関する内容について、分不相応
にも、ポンコツ元技術屋の筆者が疑問に思うところを以下の表21に纏めさせて頂いた。

表21 自動車技術誌2015年9月号の早稲田大学・大聖泰弘教授の論文についての筆者の疑問
自動車技術誌2015年9月号(Vol.69、N0.9、2015)
特集:「高効率パワートレイン
「自動車用パワートレインの高効率化技術に関する動向と将来展
望」
(著者:早稲田大学・大聖泰弘教授)
左記の「3 ディーゼル車の対策技術」についての疑問


米国よりも劣る日本の大型トラックのNOx規制の現状
米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢
にも詳述しているように、大型ディーゼルトラックに
関する日本のNOx規制は、次期の規制(2016年規制)
でも、欧、米のNOx規制よりも緩い規制値が施行されて
いるのが現状のようである。

 欧州
 2013年のEUROY(過渡モード)NOx = 0.46 g/kWh
  EEV(5)(過渡モード)は、NOx = 0.2 g/kWh
注 EEV:Enhanced Environmentally Friendly Vehiclesの略。
EEV規制値は、大気汚染が特に進行している都市等の
地域問題解決のため、メンバー各国が政策的に使用する
ための値(例:都市への乗り入れ制限を設ける際の基準
として使用)で、暫定値。

 米国
 2010年のNOx規制は、NOx = 0.27 g/kWh

 日本 
 2016年のNOx規制は、NOx= 0.4 g/kWh 

 このように、大型トラック(=重量車)に関して、
日本のNOx規制値= 0.4 g/kWh(2016年規制)は、
米国のNOx規制値= 0.27 g/kWh(2010年規制)よりも
大幅に緩いのが現状である。
つまり、2016年の時点でも日本の大型トラックの
NOx規制は、米国よりも50%近くも多くのNOxを排出
する規制が実施される予定であり、これは日本が自動車
排出ガス規制の面で「後進国!」と言われても仕方の
無い状況と考えられる。

 その証拠としては、左記のNOx規制強化(=赤線部分)を
見ると、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会の委員長
を務める著者の大聖泰弘教授は、米国よりも大幅に劣る
日本の大型トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh
(2016年規制)が「当面の最終目標」との記述している
ことからも窺い知れることである。

 このことから、日本の自動車排出ガスの規制値を決定する
任を負う学者(=大聖泰弘教授)が、日本の大型トラックの
NOx規制は、米国と同等レベルの厳しいNOx規制を実施
する予定が無いと考えられる。この状況を見ると、米国よりも
劣る大気環境の中で生活する犠牲を日本の国民が強いる
施策が今後も継続されることについて、大聖泰弘教授は
少しの疑問も感じていない明確な証拠ではないかと考え
られる。

 このように、米国よりも劣る大気環境での生活を余儀なく
されている日本国民の不幸・不利益の原因の一つは、
環境省の日本の自動車排出ガスの規制値を決定する自動車
排出ガス専門委員委員会の委員長に大聖泰弘教授が任命
されているためとも考えられるが、これはポンコツ元技術屋の
筆者の偏見であろうかか。

日本の大型トラックのNOx低減対策について
  米国の大型トラックのNOx規制(2010年) = 0.27 g/kWh
であることを考慮すると、近い将来の日本の大型トラックの
米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢
に記載したように、以下の規制値が適切と考えられる。
NOx規制値 = 0.23 g/kWh (WHTCモード)
大型トラックの2016年NOx規制値の約 43 % 減)
 (2005年の第八次答申の大型トラックのNOx挑戦目標)
 
 そして、2015年度重量車燃費基準の存在する日本に
おいて、このNOx規制値 = 0.23 g/kWh (WHTCモード)に
大型トラックを適合可能にする唯一の技術が、気筒休止エンジン(特許公
開2005-54771)の特許技術と考えられる。

 ところが、左記の「NOx低減技術」の記述を見ると、著者の
大聖泰弘教授は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技
術を無視・黙殺し、大型トラックのNOx低減技術
(=青線部分)として、以下の9種類の既存の技術が列挙
されているだけである。

・排気再循環(EGR)
・噴射時期制御
・可変機構付き多段化したターボ過給システム
・多段燃料噴射が可能なコモンレール式システム
・高過給化によるエンジンダウンサイジングそ推進
・将来的に300MPaの高圧燃料噴射(現状の200MPa)
・ディーゼルペティキュレートフィルタ(DPF)
・尿素SCR(選択還元触媒)
・吸蔵型NOx還元触媒

 著者の大聖泰弘教授が列挙した大型トラックのNOx低減
技術(=青線部分)は、300MPaの高圧燃料噴射
(現状=200MPa)を除いて、既に市販のディーゼルトラックに
採用されている技術だけである。ところが、その300MPaの
高圧燃料噴射の技術は、前述の8−1.NEDOの
「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発」では、
燃費悪化の大失敗」の項で説明したように、排出ガス削減
の効果が少なく、300MPaの超高圧燃料噴射の駆動損失の
増加によって燃費の悪化することが新エネルギー・産業技術
総合開発機構(NEDO)の革新的次世代低公害車総合技術
開発(クリーンディーゼルプロジェクト、2004〜2009年)で実証
されている

 そのため、著者の大聖泰弘教授が列挙された大型トラックの
NOx低減技術(=300MPaの高圧燃料噴射の技術を含む)
では、2015年度重量車燃費基準の存在する日本において、
NOx規制値 = 0.23 g/kWh (WHTCモード)の大型トラックを
実現することが困難なことは、明らかである。つまり、左記の
論文では、著者の大聖泰弘教授は、将来的に大型ディーゼル
トラックのNOxを十分に削減できる技術を何も提示できて
おらず、お手上げの状態を露呈されているようである。

 以上のように、左記の9種類大型トラックのNOx低減
技術(=青線部分)では、NOx規制値 = 0.23 g/kWh
 (WHTCモード)の大型トラックを実現することが困難なことは、
明白である。そのため、左記のNOx低減技術(=青線部分)
の記述では、著者の大聖泰弘教授は、NOx規制値 =
0.23 g/kWh (WHTCモード)の大型トラックを実現することが
困難であることを正直に白状されていると見ることも可能で
ある。

 その結果、左記のNOx規制強化(=赤線部分)では、
環境省の自動車排出ガス専門委員委員会の委員長を務める
著者の大聖泰弘教授は、米国よりも大幅に劣る日本の大型
トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh(2016年規制)が「当面の
最終目標」との記述し、今後、このレベル以上のNOx規制
強化を日本では行う予定の無いことを明確に宣言した記載が
行われたものと考えられる。

 したがって、左記のNOx規制強化(=赤線部分)において、
米国よりも大幅に劣る日本の大型トラックのNOx規制値
= 0.4 g/kWh(2016年規制)を「当面の最終目標」とする無様
な宣言を行わざるを得なかったと考えられる。その原因は、
著者の大聖泰弘教授が大型ディーゼルトラックのNOx=
0.23 (g/kWh)」と「2015年度重量車モード燃費基準から
+10%の燃費向上」の両方を実現できる気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の特許技術を長年に
わたって無視・黙殺を続けている結果と推測される。
いるので、興味のある方はご覧頂きたい

 このように、大型ディーゼルトラックの「NOx削減」と{燃費
改善」に極めて有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許
技術を無視・黙殺することは、著者の
大聖泰弘教授にとっては、御自身の自尊心やプライドを
傷つけないための行為のように思われる。しかし、これは、
何とも愚かな事ではないだろうか。このことについて、
出来ることなら、このページの読者の意見を聞かせて頂きたい
ものである。

日本の大型トラックの排出ガス対策の課題について
 左記の「課題(=緑線部分)」を見ると、環境省の自動車
排出ガス専門委員委員会の委員長を務める著者の
大聖泰弘教授は、大型トラック(=重量車)の排出ガス対策の
課題として、4項目が挙げられている。
・温暖化物質のN2Oの生成抑制
・信頼耐久性の確保
・システムの一体化やコンパクト化
・コスト削減

 著者の大聖泰弘教授が列挙された大型トラック(=重量車)
の排出ガス対策の4項目の課題の中の「温暖化物質の
N2Oの生成抑制」の他の3項目は、トラックメーカの技術者が
日常の業務で日夜奮闘する「信頼耐久性」、「コンパクト化」、
「コスト削減」の商品性に関する課題である。この記載内容を
見ると、著者の大聖泰弘教授が「大型トラック(=重量車)の
排出ガス対策の課題」についての関心は、N2O以外の
大部分がトラックメーカの技術者と同様な商品性の向上である
とのことである。そして、この状況を見ると、著者の大聖
泰弘教授は、学問的な真理を追究する学者では無く、生産
するトラックの商品性に責任を負わされているトラックメーカの
技術者と同様の思考回路を持たれているように見受けられ
る。これは、学者としては如何なものであろうか。

 また、2015年現在において、大型トラック(=重量車)
に関して
日本のNOx規制値= 0.4 g/kWh(2016年規制)は、
米国のNOx規制値= 0.27 g/kWh(2010年規制)よりも
大幅に緩い現状については、著者の大聖泰弘教授は、
大型トラック(=重量車)の排出ガス対策の課題としての
認識が全く無いようである。

 その結果、左記の自動車技術誌2015年9月号(Vol.69、
N0.9、2015)の論文のように、環境省の自動車排出ガス専門
委員委員会の委員長を務める著者の大聖泰弘教授は、米国
よりも大幅に劣る日本の大型トラックのNOx規制値=
 0.4 g/kWh(2016年規制)を「当面の最終目標」にすると
述べられている。

 このように、左記の論文の著者である大聖泰弘教授が日本
の大型トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh(2016年規制)を
「当面の最終目標」と主張されていることについて、
ポンコツ元技術屋の筆者が推測した理由は、以下の@&A
の通りである。

@ 環境省の自動車排出ガス専門委員委員会の委員長を務
める著者の大聖泰弘教授は、2010年7月の中央環境審議会
の第十次答申において、大型トラック(=重量車)のNOx許容
限度目標値(平均値)= 0.4 g/kWh(WHTCモード)」が
第八次答申のNOx挑戦目標=0.23g/kWh(=0.7g/kWh
の1/3:JE05モード)のレベルに「達していると考えられる」と
記載されている。しかし、ディーゼル重量車2016年NOx規制の0.4g/kWh
は、不当な緩和の欠陥規制に詳述しているように、
JE05モードとWHTCモードは、ほぼ同等のNOx排出値になる
との試験結果が(独)交通安全環境研究所の鈴木央一氏の
論文に掲載されている。したがって、大型トラック(=重量車)
のWHTCモードのNOx排出値= 0.4 g/kWhは、JE05モード
でもNOx排出値= 0.4 g/kWhと同等であると推測される。
このことから、環境省の自動車排出ガス専門委員委員会
の委員長を務める著者の大聖泰弘教授は、2010年7月
の中央環境審議会の第十次答申において、
大型トラック(=重量車)のNOx許容限度目標値
(平均値)= 0.4 g/kWh(WHTCモード)が第八次答申
のNOx挑戦目標=0.23g/kWh(JE05モード)と同等と
する誤った内容の「答申」を作成したことになる
考えられる。
大聖泰弘教授は、この第十次答申の「誤り」・「虚偽」の内容
を隠蔽し、この「誤り」・「虚偽」を是正しないための手段として
「大型トラック(=重量車)のNOx許容限度目標値(平均値)
= 0.4 g/kWh(WHTCモード)が第八次答申のNOx挑戦目標
=0.23g/kWh(=0.7g/kWhの1/3:JE05モード)のレベルに
達していると考えられる」との誤った見解・主張を今後も徹底
して継続していくことを決心した可能性があると考えられる。
そのため、左記の論文では、大聖泰弘教授が嘘を承知の
上で、日本の大型トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh
(2016年規制)を「当面の最終目標」と強引に主張している
可能性があると考えられる。

自動車メーカの自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)
からの賄賂と思しき研究費を受領する見返りに気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺せざるを
得ない状況が考えられる。この特許技術を無視・黙殺した
結果、第八次答申の大型トラックのNOx挑戦目標
=0.23g/kWh(WHTC)を実現する手段・方法が完全に消失
したことになる。そのため、著者である大聖泰弘教授は、
日本の大型トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh
(2016年規制)を「当面の最終目標」と主張せざるを得なく
なってしまった可能性がある。

 何はともあれ、大聖泰弘教授は、大型ディーゼルトラックの
「NOx削減」と「燃費向上」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術を無視・黙殺し、大型トラック
(=重量車)のNOx許容限度目標値(平均値)
= 0.4 g/kWh(WHTCモード)が第八次答申のNOx挑戦目標
と同等とする出鱈目(=デタラメ)な判断を基に、日本の大型
トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh(2016年規制)を「当面の
最終目標」との誤った主張を行っていると思うが、これは、
ポンコツ元技術屋の偏見であろうか。そして、大聖泰弘教授
が環境省の自動車排出ガス専門委員委員会の委員長として
決定した第八次答申の挑戦目標=0.23g/kWhのレベルの
日本の将来的なディーゼル重量車のNOx規制強化の目標の
実現を阻止するために、大型ディーゼルトラックの「NOx削減」
と「燃費向上」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特
許技術を無視・黙殺する行為は、大気環境の
改善を切望する国民に対する明白な背信的な行動と思うが、
如何なものあろうか。そして、中央環境審議会の自動車排出
ガス専門委員委員会の委員長の任にある大聖泰弘教授の
行動は、日本の大型トラック(=重量車)のNOx規制が今後も
米国よりも大幅に劣る状態に留まらせてしまうことになると
考えられる。この状況を見ると、現在の日本では適切な大型
トラック(=重量車)の大気環境改善の施策が実施されて
いないと断定しても良いと思うが、如何なものであろうか。


日本の大型トラック(=重量車)の燃費基準
 国土交通省は、2006年3月に2015年度ディーゼル重量車
燃費基準が設定された。例えば、大型トラックの車両総重量
20トン超えでは 4.04 km/リットルの基準である。この大型
トラック(=重量車)の燃費基準について、著者の大聖泰弘
教授は、左記の通り、「世界初の基準」と誇らしげに述べられ
ている。ところが、この「2015年度ディーゼル重量車燃費
基準」は2006年3月に設定されて以来、現時点(=2015年
9月現在)では既に10年近く経過している。それにも
かかわらず、この大型トラック(=重量車)の燃費基準を
強化は、今のところ、何も発表されていない。
また、その強化の検討が行われいるとの動きも見られない。

 しかし、ディーゼル小型貨物車は、以下の通り、燃費基準の
強化が滞りなく実施されている
 ・1999年3月に2005年度目標の基準の策定
 ・2007年7月に2015年度目標の基準の策定
 ・2015年7月に2022年度目標の基準の策定
(出典:http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr10_000005.html参照)

 このように、ディーゼル小型貨物車は、燃費基準の強化が
滞りなく設定されているのに対し、大型ディーゼルトラック
(=重量車)は、2006年3月に2015年度ディーゼル重量車
燃費基準が設定されて以来、その基準の強化が放置されて
いるようである。このように、大型ディーゼルトラック
(=重量車)の燃費基準の強化ができない最大の理由は、
著者の大聖泰弘教授を含む日本のエンジン関係の学者・
専門家が大型ディーゼルトラックの「NOx削減」と「燃費向上」
に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許
技術を無視・黙殺している結果、大型ディーゼルトラック
(=重量車)の燃費改善技術が「不明」の状況に陥って
しまっているためと推測される。

 因みに、前項の「3.1. 排出ガス対策」では9種類の大型
トラックのNOx低減技術が列挙されているが、左記の
「3.3. 重量車の燃費改善」の項では燃費改善の技術の記載
が皆無である。このことからも明らかなように、著者の
大聖泰弘教授は、大型ディーゼルトラックの「NOx削減」と
の特許技術の無視・黙殺には熱心なように見受けられる。

 何故ならば、この大聖泰弘教授の論文では、左記に
示した「表1 自動車の燃費改善技術」では、「可変気筒機構
(=気筒休止)」が10%以上のディーゼルエンジンの燃費改善
を可能にする技術であることが明記されているが、著者の
大聖泰弘教授は、左記の「3.3. 重量車の燃費改善」の項では
燃費改善の技術としての「気筒休止」が記載されていない
のである。このことからも、著者の大聖泰弘教授は、大型
ディーゼルトラックの「NOx削減」と「燃費向上」に有効な
に強く執着されていることが窺い知ることができる。

 このように、著者の大聖泰弘教授を含む日本のエンジン
関係の学者・専門家が大型ディーゼルトラックの「NOx削減」
と「燃費向上」に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術を無視・黙殺している結果、大型
ディーゼルトラック(=重量車)の燃費改善技術が「不明」の
状況に陥ってしまっていると推測される。このことが、
2015年度ディーゼル重量車燃費基準」は2006年3月に設定
されて以来、現時点(=2015年9月現在)では既に10年近
く経過しても、この大型トラック(=重量車)の2015年度
ディーゼル重量車燃費基準+10%」の燃費基準の強化が
先送りされている原因となっている可能性が考えられる。
  一方、左記の「米国の燃費規制」の部分を見ると、米国では
大型ピックアップトラック・大型トラックを含む商用車の
2014〜2018年のモデルを対象に燃費規制を開始し、それに
続くPhase 2 として2020〜2025年の規制強化の検討が
進められているとのことである。このように、日本のディーゼル
小型貨物車や米国の大型トラックでは、年代の経過に従って
燃費規制の強化が順当に実施、若しくは実施の計画が実行
されているのである。ところが、大型トラック(=重量車)は、
2015年度ディーゼル重量車燃費基準」は2006年3月に設定
されて以来、現時点(=2015年9月現在)では既に10年近く
経過しても、基準強化の検討も実施されておらず、基準強化
の「先送り」・「遅延」が堂々と行われているのが実情のようで
ある。

 このようなことは、自動車メーカの自動車用内燃機関技術
研究組合(AICE)からの賄賂と思しき研究費を供与される
聖泰弘教授が自動車メーカに対しての「見返り」・「返礼」の
一つとも考えられる。そして、これが仮に事実であれば、国民
を馬鹿にした話であることには間違いがないと思うのは、
筆者だけであろうか。

 この自動車技術誌2015年9月号(Vol.69、N0.9、2015)に掲載の「自動車用パワートレインの高効率化技術に関する動
向と将来展望」(著者:早稲田大学・大聖泰弘教授)論文では、「中央環境審議会の自動車排出ガス専門委員委員会
の委員長」および「国土交通省の自動車燃費基準小委員会の委員」を務める大聖泰弘教授は、米国よりも大幅に劣る
日本の大型トラックのNOx規制値= 0.4 g/kWh(2016年規制)を「当面の最終目標」にすると述べ、2006年3月に設定し
大型トラック(=重量車)の「2015年度ディーゼル重量車燃費基準」の規制強化には「沈黙」「黙り(=ダンマリ)」を決
め込んでいるようである。

 つまり、日本の大型トラックの「NOx規制」と「燃費規制」の強化レベル(=規制の数値)と強化時期(=規制の実施時
期)の決定に重要な役割を果たす人物の一人である大聖泰弘教授は、この自動車技術誌2015年9月号の論文では、
第八次答申の大型トラックのNOx挑戦目標=0.23g/kWh(WHTC)の実施を否定し2015年度ディーゼル重量車燃費
基準」の基準強化の「沈黙」「黙り(=ダンマリ)」を決め込むことによって燃費基準強化の「先送り」・「遅延」を堂々と発
表・公表したものと推測される。このように、早稲田大学・大聖泰弘教授が大型トラックの「NOx挑戦目標=0.23g/kWh
(WHTC)」に将来的な実施を否定し、「2015年度重量車燃費基準から+10%以上の燃費向上」の早期実施に言及し
ないことは、ポンコツ元技術屋の筆者が推測したところ、以下に示した@&Aの二つの原因が考えられる。

@ 大聖泰弘教授は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺する行為の結果、大
型ディーゼルトラックの「NOx削減」と「燃費向上」に有効な唯一の手段・方法を失う自縛状態(=自業自得状
態)を引き起こしたことにより、「NOx挑戦目標=0.23g/kWh(WHTC)」と「2015年度重量車燃費基準から+1
0%以上の燃費向上」の規制強化を否定せざるを得ない状況に陥ってしまっている可能性があること。

A 自動車メーカの自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)から2014〜2019年の間に賄賂と思しき多額の研
究費(=SIP:戦略的イノベーション創造プログラム)を提供されている大聖泰弘教授は、この賄賂(=研究費)
の「見返り」・「返礼」として、大型トラックの「NOx挑戦目標=0.23g/kWh(WHTC)」と「2015年度重量車燃費
基準から+10%以上の燃費向上」を無視・黙殺せざるを得ない立場にある可能性があること。(これについて
は、大型トラックのNOx削減と燃費向上に有効な気筒休止を黙殺する学者諸氏にも詳述)

 何はともあれ、「中央環境審議会の自動車排出ガス専門委員委員会の委員長」および「国土交通省の自動車燃費基
準小委員会の委員」を務める大聖泰弘教授は、大気環境改善や省エネルギーの推進に貢献する大型ディーゼルトラ
ックの「NOx挑戦目標=0.23g/kWh(WHTC)」と「2015年度重量車燃費基準から+10%以上の燃費向上」の規制強
化を「否定」若しくは「先送り」を招く気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を恣意的な理由(=賄賂?
若しくは個人的なプライド?)によって無視・黙殺している状況が事実であれば、反社会的な行為として厳しく断罪される
べきと考えるが、如何なものであろうか。

8−9.交通研が最近の講演等で発表したディーゼルエンジンの排出ガス対策の内容

8−9−1.「尿素SCR触媒」によるNOx削減の促進を図る技術の提案

 以下の表22に示したように、2013年12月5日、6日に開催された独立行政法人・交通安全環境研究所のフォーラム
2013https://www.ntsel.go.jp/forum/forum2013.htmlにおいて、交通安全環境研究所の鈴木央一氏、水島教文氏、
山口恭平氏は、自動車の減速時の制動エネルギーをバッテリーに蓄電し、排気ガス温度の低いディーゼルエンジンの
部分負荷運転時に蓄電エネルギーで「尿素SCR触媒」を加熱してNOxの削減を図る技術を提案したようだ。 

 表22 交通研のフォーラム2013にて発表された「尿素SCR触媒」によるNOx削減を促進する技術の提案
(出典:https://www.ntsel.go.jp/forum/2013files/1206_1140.pdf
講演会名

独立行政法人・交通安全環境研究所のフォーラム2013
 (2013年12月5日、6日開催)
発表論文の表題

著者
主張

 ハイブリッド自動車を始めとして、最近の通常の乗用車では、バッテリーやキャパシタに蓄電した自動車の減速時の
制動エネルギーは、自動車の走行エネルギーに使われるのが一般的である。それは、蓄電した自動車の減速時の制
動エネルギーは、モータを駆動する場合には90%前後の高い効率で自動車の走行エネルギーに変換できるために自
動車の走行燃費の削減に極めて有効であるためだ。したがって、自動車の減速時の制動エネルギーを自動車の走行
エネルギーに活用する技術は、これからも益々、重要視されていくものと推測される。このことは、現在の自動車の世
界・業界では常識と考えられる。

 ところが、交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏は、自動車の走行燃費の向上に有効な蓄電した制動エ
ネルギーをNOxの削減のために「尿素SCR触媒」の加熱に使うと云う唖然とする愚かな提案を行っている。元来、技術
論文には冗談を記載しないことが常識である。そのことを考慮すると、信じられないことではあるが、交通研の鈴木央
一氏、水島教文氏、山口恭平氏は、蓄電した制動エネルギーで「尿素SCR触媒」を加熱してNOx削減を促進する技術
が将来的に有効な「新技術」であると本心から信じ切っていると考えるのが妥当ではないだろうか。これは、ポンコツ元
技術屋の筆者から見れば、「愚の骨頂」だ。

 因みに、前述の5項「気筒休止システムによる燃費削減と尿素SCR触媒でのNOx削減の向上」に示したとおり、2ター
ボ過給機方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術がディーゼルエンジンの部分負荷時の排気ガ
スを高温化することによって尿素SCR触媒の高温化を図り、尿素SCR触媒による大幅なNOx削減を実現することが可
能である。したがって、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術をディーゼルトラックに採用すれば、
大型ディーゼルトラック(=ディーゼル重量車)の2016年NOx規制=0.4 g/kWhには余裕で適合が可能であり、環境省・
中央環境審議会の第八次答申(2005年4月)に提示されているNOx= 0.23 g/kWh)のNOx挑戦目標を達成することも
可能であると考えられる。この大型ディーゼルトラック(=ディーゼル重量車)のNOx削減に極めて有効な気筒休止エン
ジン(特許公開2005-54771)の特許技術は、筆者が2004年5月に特許出願し、10年程度も以前の2006年4月には筆者
ホームページで公開している。そのため、2013年12月の時点では、交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平
氏は、この特許技術の技術情報を得ていたものと推測される。

 しかしながら、交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏は、2013年12月の講演論文では、NOx削減のため
に、自動車の走行燃費の向上に有効な蓄電した制動エネルギーを「尿素SCR触媒」の加熱に使うとの馬鹿げた提案を
行っている。この蓄電した制動エネルギーを「尿素SCR触媒」の加熱に使うととの主張は、交通研の鈴木央一氏、水島
教文氏、山口恭平氏が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の特長を全く理解できていなかったと見
ることが可能である。所謂、「猫に小判」・「豚に真珠」の比喩に類する場合である。

 それとも、、交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏は、ディーゼルエンジンの専門家・技術者としての「嫉妬
心」等の卑しい根性から筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺することを目
的として、ディーゼル重量車のNOx削減の新技術として苦し紛れに自動車の制動エネルギーを「尿素SCR触媒」の加熱
に使うとの破廉恥とも言える講演論文を発表した可能性も考えられる。

 なお、ディーゼルエンジン搭載の大型トラック(=重量車)における2016規制への適合や更なるNOx削減には、気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の早期の実用化が必要であることは明白である。それにもかかわら
ず、独立行政法人・交通安全環境研究所のフォーラム2013において交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺した講演論文を発表したことは。日本のディーゼ
ル重量車のNOx削減技術の進展を阻害する活動を行っていたことになると考えられる。因みに、交通研の鈴木央一
氏、水島教文氏、山口恭平氏は、現時点(=2016年4月現在)においても、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術を無視・黙殺を断行しているのであろうか。そして、大型トラック(=重量車)における2016規制への適合や
更なるNOx削減には、自動車の走行燃費の向上に有効な蓄電した制動エネルギーをNOxの削減のために「尿素SCR
触媒」を加熱するとの「馬鹿」・「間抜け」な主張を繰り返しているのであろうか。仮に、そうであれば、何とも哀れなことで
ある。

 何はともあれ、理由の如何にかかわらず、蓄電した制動エネルギーで「尿素SCR触媒」を加熱してNOx削減を促進す
る非実用的な技術によって重量車の2016年NOx規制への適合が可能とすり出鱈目な講演論文を発表したことは、交
通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏がディーゼルエンジンの専門家・技術者としては失格であることの証明
ではないかと考えられる。因みに、交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏は、現時点(=2016年4月現在)で
も、蓄電した制動エネルギーで「尿素SCR触媒」を加熱してNOx削減を促進する馬鹿丸出しの技術を用いて重量車の
2016年NOx規制に適合させると云う破廉恥な発言・発表を繰り返しているのであろうか。それとも、実用的なディーゼル
エンジンのNOx削減技術を新たに提唱しているのであろうか。これについての情報を御持ちの方は、末尾のEメールに
て御教えいただければ幸いである。

 なお、この項での「蓄電した制動エネルギーで尿素SCR触媒を加熱してNOxを削減する」との交通研の鈴木央一氏、
水島教文氏、山口恭平氏の提案を「愚の骨頂」とする記載は、筆者の勝手な見解である。この筆者の見解について、
交通研の諸氏に反論がある場合には、その内容を本ページ末尾の筆者のEメールアドレスにはお送りいただきたい。
その結果、筆者の所見に誤りが見つかれば、即刻に訂正する予定である。しかし、交通研の諸氏から反論のEメール
をを受領しない場合には、交通研の鈴木央一氏、水島教文氏、山口恭平氏は、この項の筆者の記載内容がを全面的
に認められていると理解させていただくことにする。

8−9−1.交通研・後藤雄一氏によるディーゼル自動車のDPF再生技術の現状説明(2013年5月)

 以下の表23に示したように、2013年5月31日に開催された独立行政法人・交通安全環境研究所講演会2013https:/
/www.ntsel.go.jp/kouenkai/kouenkai25.htmlにおいて、交通安全環境研究所の後藤雄一氏は、DPFの再生が定期的な
「燃料のポスト噴射」や「排気管内への燃料噴射」によって排気ガスを昇温する強制再生の他に方法が無いと断定した
講演を行ったようだ。 

 表23 交通研のフォーラム2013にて発表された「尿素SCR触媒」によるNOx削減を促進する技術の提案
(出典:https://www.ntsel.go.jp/kouenkai/h25/5_goto.pdf
講演会名

独立行政法人・交通安全環境研究所講演会2013
 (2013年5月31日開催)
(於:国際連合大学)
表論文の表題

著者
主張

 気筒休止はDPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費悪化を防止)に詳述しているように、DPFにパティキュレ
ートが堆積しすぎるとフィルターが目詰まりを起こしてフィルタには溶損や亀裂が生じるため、一定量のパティキュレート
がフィルタに堆積するパティキュレートを燃焼させて除去する必要がある。そこで「ポスト噴射」や「排気管内への燃料噴
射」を行い、この「ポスト噴射」や「排気管内への燃料噴射」の燃料をフィルタの上流に配置された酸化触媒で燃焼させ
て排気ガス温度を600℃まで上昇させる。この燃料噴射によって20〜30分間にわたってフィルタを600℃に維持してィル
タに堆積したパティキュレートを燃やし尽くしてDPFのフィルタを再生するようにしたのが、「ポスト噴射方式」や「排気管
内への燃料噴射方式」によるDPFの再生である。このように、交通研の後藤雄一氏が断定する「ポスト噴射方式」や
「排気管内への燃料噴射方式」での燃料噴射による定期的な排気昇温でDPFのフィルタ再生を行う手段・方法
では、排気昇温で消費される燃料(=軽油)は、シリンダ内で燃焼しないためにディーゼルエンジンの出力には
何ら寄与しない。そのため、DPFの再生頻度の増加によって自動車走行時のエンジン駆動力と無関係な「ポス
ト噴射」や「排気管内への燃料噴射」の消費燃料が増加し、結果的に自動車走行時の軽油の無駄な消費量が
増えることになる。

 そのため、「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」を用いたDPFのフィルタ再生方法は、燃料浪費の致
命的な欠陥のあることが周知の事実である。そのため、気筒休止はDPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費
悪化を防止)に詳述しているように、全日本トラック協会が国土交通省に対して「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃
料噴射方式」の改善を申し入れている状況(=http://www.jta.or.jp/kankyo/chosa/DPF_taiou201212.htmlである。とこ
ろが、2013年5月31日に開催された独立行政法人・交通安全環境研究所講演会2013では、交通研の後藤雄一氏は、
燃料浪費の致命的な欠陥のある「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」の他にはDPFのフィルタ再生が
不可能と断定しているのである。つまり、交通研の後藤雄一氏は、現行のディーゼル自動車でのフィルタ(=DPF)の
自己再生の改善・向上が技術的に不可能と断定しているのである。

 ところが、現実には、この「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」における燃料浪費の不具合を解消した
DPFのフィルタ再生の新技術の特許が存在しているのである。それが筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術である。この特許技術は、例えば6気筒ディーゼルエ ンジンでは、部分負荷時において、一方の気
筒群(3気筒)を燃焼気筒として運転し、他方の気筒群(3気筒)を休止気筒として運転することにより、広範囲の部分
負荷運転時において燃焼運転の気筒群(3気筒)では常に高温の排気ガス(=排気マフラーから大気中に放出
する排気ガス)によるフィルタ(=DPF)の自己再生の改善・向上が可能な技術である。そして、この特許技術を採
用したディーゼルエンジンのDPFの自己再生では、DPF再生のための燃料噴射が不必要なため、「ポスト噴射方
式」や「排気管内への燃料噴射方式」の不具合であるDPF再生時に発生する燃料の浪費を回避できる優れた特長が
ある。そして、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術よりも更にDPFの自己再生機能を向上させた
技術が後処理制御システム(特許公開2005-69238)の特許技術である。

 現在の市販のディーゼルトラック等では燃料浪費の致命的な欠陥のある「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴
射方式」のDPFのフィルタを再生する装置が装着されている。しかし、筆者は、燃料浪費の欠陥を排除した気筒休止エ
ンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の自己再生方式のDPF再生措置の特
許技術を2004年に特許出願しているのである、そして、既に10年も以前の2006年4月に筆者のホームページで公開し
ている。そのため、多くのディーゼルエンジンの専門家・技術者は、これらの特許技術の存在を認知しているものと推
察される。それにもかかわらず、交通研の後藤雄一氏は、2013年5月31日に開催された独立行政法人・交通安全環境
研究所講演会2013において、「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」の燃料浪費(=無駄な燃料消費)を
伴うDPFのフィルタ再生方法が唯一無二であると断定した馬鹿げた講演を行っているのである。このことは、交通研の
後藤雄一氏気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の特許の技術
内容を全く理解できていないことが原因と考えられる。

 それとも、交通研の後藤雄一氏は、ディーゼルエンジンの専門家・技術者としての「嫉妬心」等の卑しい根性から筆者
提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の特許技術を無視・
黙殺することを目的として、ディーゼル重量車の「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」の燃料浪費(=無
駄な燃料消費)を伴うDPFのフィルタ再生方法が唯一無二であるとの出鱈目な講演を行った可能性も考えられる。これ
が事実であれば、交通研の後藤雄一氏の発表内容から明らかなことは、ディーゼルエンジンの部分負荷時に排気ガス
温度の高温化によってDPFの自己再生機能を増進させる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御シス
テム(特許公開2005-69238)の特許技術の早期の実用化が必要であることの証拠の一つでは無いだろうか。そして、
独立行政法人・交通安全環境研究所講演会2013での後藤雄一氏の講演内容は、日本のディーゼル重量車のNOx削
減技術の進展を阻害する活動を行っていたことになると考えられる。因みに、交通研の後藤雄一氏は、現時点(=
2016年4月現在)においても、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)
の特許技術を無視・黙殺を断行しているのであろうか。そして、ディーゼル重量車の「ポスト噴射方式」や「排気管内へ
の燃料噴射方式」の燃料浪費(=無駄な燃料消費)を伴うDPFのフィルタ再生方法が唯一無二であるとの「馬鹿」・「間
抜け」な主張を繰り返しているのであろうか。仮に、そうであれば、何とも哀れなことである。

 何はともあれ、理由の如何にかかわらず、ディーゼル重量車の「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」
の燃料浪費(=無駄な燃料消費)を伴うDPFのフィルタ再生方法が唯一無二であるとの出鱈目な講演を行った交通研
後藤雄一氏は、ディーゼルエンジンの専門家・技術者としては明らかに失格であることの証明ではないかと考えられ
る。因みに、交通研の後藤雄一氏は、現時点(=2016年4月現在)でも、ディーゼル重量車の「ポスト噴射方式」や「排
気管内への燃料噴射方式」の燃料浪費(=無駄な燃料消費)を伴うDPFのフィルタ再生方法が唯一無二であるとの破
廉恥な発言・発表を繰り返しているのであろうか。それとも、燃料浪費(=無駄な燃料消費)の生じないDPFのフィルタ
再生技術を新たに提唱しているのであろうか。これについての情報を御持ちの方は、末尾のEメールにて御教えいた
だければ幸いである。

 なお、全日本トラック協会が国土交通省に対して「ポスト噴射方式」や「排気管内への燃料噴射方式」の改善を早期に
実現するためには、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の実用化以外に手段・方法が無いと考えら
れる。そのため、2013年5月31日に開催された独立行政法人・交通安全環境研究所講演会2013においては、交通研
後藤雄一氏は、現行のディーゼルエンジンでのDPFの自己再生機能の増進・展進させる気筒休止エンジン(特許公
開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の特許技術の早急の実用化を主張すべきであったと考
えられる。

 なお、この項での「ディーゼル重量車のポスト噴射方式や排気管内への燃料噴射方式のDPFのフィルタ再生方法が
唯一無二である」との交通研の後藤雄一氏見解を「愚の骨頂」とする記載は、筆者の勝手な意見である。この筆者
の意見について、交通研の後藤雄一氏に反論がある場合には、その内容を本ページ末尾の筆者のEメールアドレスに
はお送りいただきたい。その結果、筆者の意見に誤りが見つかれば、即刻に訂正する予定である。しかし、交通研の
後藤雄一氏から反論のEメールを受領しない場合には、交通研の後藤雄一氏は、この項の筆者の記載内容がを全面
的に認められていると理解させていただくことにする。

9.ディーゼルの低燃費と低NOxに有効な気筒休止を黙殺する専門家の不思議

 環境省・中央環境審議会は、トラックメーカのNOx削減の技術開発の進展が不十分であったために2005年の第八次
答申のNOx挑戦目標のNOx削減が実現できそうにないと判断し、第十次答申(2010年7月28日)でのポスト排出ガス規
制(2009年規制)の次のNOx規制強化(2016年に実施)では 0.4 g/kWhの 緩い規制値を設定したのではないかと考え
られる。これは、2016年のNOx規制強化に関連し、トラックメーカ業界がラックメーカが環境省・中央環境審議会に対
して大型トラック用ディーゼルエンジンの燃費削減を可能にする技術の開発が予定通りに進展していないことを説明
し、トラックメーカ業界が緩いNOx規制値の設定を陳情した結果ではないかと推察できそうだ。

 筆者の偏った見方かも知れないが、以上のような経緯により、仮に、環境省・中央環境審議会は、第十次答申(2010
年7月28日)におけるNOx規制値として、現行(2010年)の米国のNOx規制(= 0.27 g/kWh)よりも相当に緩いNOx= 
0.4 g/kWhの規制値(2016年実施)を答申していたとすれば、多くのラックメーカや大学・研究機関の多くの専門家が
エネルギー資源や大気環境改善の社会的ニーズを最優先で実現すべきとの技術者として最低限のモラル(職務遂行
上の道徳心や良心)を失ってしまっていると云えるのではないだろうか。このようなことが現在の世界で行われていると
すれば、遠い昔に定年退職した技術屋の筆者にはとても信じられないのである。それとも、このように筆者が感じてし
まうのは、元々の筆者の考え方が一般的な常識から大きく乖離しているためであろうか。

 また、大型トラックの燃費については、2006年4月1日に2015年度重量車燃費基準が施行されて既に5年程度の歳月
が経過していることから、この燃費規制を強化すべき時期が到来しているために5%程度の燃費向上を要求する重
量車燃費基準の強化が行われる可能性がある。これについては、最近、下記の理由によって世界の石油需要が逼迫
する傾向をしており、近い将来、軽油価格の高騰が予想されていることも大きな要因と考えられる。

 ・ 現在はオイルピークの時代を迎えており、世界の原油生産量は、今後、漸減の傾向
  ・ エジプトの民主化騒動に端を発した中東各国の政治不安により、中東での原油生産量は減少の恐れ
 ・ 中国、インド等の新興国は、経済発展や自動車販売の激増による石油消費量の増大で、需給の逼迫
 ・ 東日本大震災での悲惨な福島原発事故によって反原発の世論の高まりから火力発電が増加し、世界各国での石
油需要の増大

 以上のような原油生産の減少と石油消費の増大に加え、近年での米国FRBのドルの大量発行に伴うドル価値の下
落により、近い将来、原油価格は200ドル/バレルまで上昇すると云われている。このような場合には、今後、我が国
が多少の円高になったとしても軽油の市販価格は現行の2倍近くの200円/リットルを超えるまで高騰してしまう可能
性も否定できない。そのような時代には、トラックユーザの燃費向上の要求・ニーズが高まることは必至だ。ところが、
最近の日本機械学会や自動車技術会の講演会では、ディーゼルエンジンでの十分な燃費改善が期待できるとして多く
の学者・専門家が注目するような新技術が見当たらないのが現状のようだ。

 そして、つい最近までは、エンジン関係の学者・専門家は、HCCI燃焼(=PCI燃焼)がディーゼルエンジンの「NOxと燃
費のトレードオフの経験則を覆す新技術」であり、この技術がディーゼルエンジンの「NOx削減」と「燃費向上」を実現す
る究極のディーゼル燃焼技術として日本機械学会や自動車技術会の講演会等では大いに持て囃され、この技術に関
する多数の論文が発表されていた。そして、後輩の現役のディーゼルエンジン技術者からは、HCCI燃焼(=PCI燃焼)
の出現によりディーゼル燃焼の世界が飛躍的に進歩し、遠い昔に退職した筆者の持っているような古い陳腐なディー
ゼル燃焼の技術が全く通用しない時代になったと宣言されてしまったのである。

 しかし、その後の研究が進むにつれて、ディーゼルのHCCI燃焼(=PCI燃焼)の技術は、燃焼の不安定問題が解決
できない上に、ディーゼルエンジンの「NOx削減」と「燃費向上」の効果も極めて僅かであることが明らかとなったため、
現在ではこの技術を注目する学者・専門家の数が急速に少なくなったようである。この様子を見ていると、これまでの
ディーゼルのHCCI燃焼(=PCI燃焼)の技術のドンチャン騒ぎは、一体、何だったのであろうか。そして、ディーゼルの
HCCI燃焼(=PCI燃焼)に有頂天になっていた学者・専門家は、現在、自らの馬鹿さ加減を少しは恥じているのであろう
か。

 そもそも、ディーゼルエンジンが生まれてこの方、「ディーゼル着火」は、多くの人達が日夜、百年以上に及ぶ改良研
究を続けてきた課題である。そして、燃焼室内において多点の着火を確実に起こすことが必須となるHCCI燃焼(=PCI
燃焼)の実現が困難なことは、ディーゼルエンジンの歴史を見れば容易に判断できることだ。そのようなことに知能が
働かないのは、最近の多くの学者・専門家は、手早く「功」を成すことだけの焦りが強く、物事の真理・本質を理解しよう
とする目的意識に欠けているためではないだろうか。全く馬鹿げたことである。

 このHCCI燃焼(=PCI燃焼)によるディーゼルエンジンの「NOx削減」と「燃費向上」が無理であることが明らかとなった
現在では、大型トラックの「NOx削減」と「燃費向上」を図ることに行き詰まりの状況に陥っているものと考えられる。そ
の結果、米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢に詳述しているように、日本では「
よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制値」の排出ガス規制を施行し続ける破目に陥っていると考えられる。そし
て、政府は2015年度重量車燃費基準を強化した大型トラックの新しい低燃費の基準を設定できない状況になっている
と考えられる。そして、政府は、今後も「そば屋の出前!」の諺のように、「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規
制値の強化」と「2015年度重量車燃費基準を強化」を「必死で準備中!」との国民を馬鹿にした発表を繰り返すだけ
で、今後も大型トラックのNOxと燃費の規制強化を際限なく先送りする魂胆であろうか。仮に、これが事実であれば、政
府(=環境省・国土交通省)は、国民を蔑ろにする無能な人間の集まりと言われても仕方がないのではないだろうか。

 このように、日本のトラックメーカ・大学・研究機関のディーゼルエンジンに関係する学者・専門家は、ディーゼルエン
ジンの「燃費改善」と「NOx削減」を推進できる新しい技術を何も見い出していないのが正直なところではないだろうか。
そのために、日本政府は、大型トラックの「2015年度重量車燃費基準を強化した新たな低燃費の基準」が設定できな
い上に、米国のNOx規制よりも緩い大型トラックのNOx規制を日本で施行せざるを得ないのが現状のようである。この
ようなことは、日本における「大気環境の改善」、「大型トラックのCO2削減と省エネルギー・省資源」の推進に対して大
きな障害となるため、わが国にとっては由々しき問題である。その上、現時点では、わが国における現行の大型トラッ
クでの不十分な「NOx規制」と「燃費規制」を近い将来に改訂して強化できる目処も全く無いように見えるが、如何なも
のであろうか。

 このような状況に鑑み、現在の日本での大型トラックのNOxと燃費の規制強化の不十分な状況を打破し、国民が望
むような大型トラックの「NOx規制」と「燃費規制」に強化できる技術として、筆者は、気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)を提案している。そして、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化に詳述しているように、この気筒休止
エンジン(特許公開2005-54771)は、ディーゼルエンジンの長年の課題であったNOx削減時には燃費を悪化させ、燃費
の改善時にはNOxを悪化させる「燃費とNOxとのトレードオフ」を克服できることが特徴である。

 したがって、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)は、長年、ディーゼルエンジンの学者・専門家がこれまで
必死に探し求めていた「ディーゼルエンジンの燃費とNOxとの同時の削減を実現できる革新的な技術」と云えるのでは
ないだろうか。ところが、残念なことに、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術は、現在のところ、日本
の政府(=環境省・国土交通省)やディーゼルエンジンの学者・専門家等からは、何故か完全に無視・黙殺されている
のである。その一方で、日本の政府や大型トラック用ディーゼルエンジンの研究開発に関係している人達は、日本機械
学会・日本自動車技術会等の講演会・技術誌などにおいて多数の論文・コメントを盛んに発表・公表をしている。しかし
ながら、それらの論文・コメントの中身を見る限り、何れも日本の大型トラックの「NOx削減」と「燃費改善」を実現できそ
うな技術の発表・公表は、残念ながら皆無のようだ。それにもかかわらず、日本の政府や大型トラック用ディーゼルエ
ンジンの研究開発に関係している人達は、現在の大型トラックの最も重要なである「NOx削減」と「燃費改善」の課題を
容易に解決できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を完全に無視・黙殺しているのは、如何なる理由がある
のであろうか。
 
このように、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を無視・黙殺している日本機械学会・日本自動車技術会
等の講演会発表の論文調査やメーカからのヒアリングを行って不十分な技術情報だけを集め、その情報を基に日本
の政府(=環境省・国土交通省)が、日本の「NOxと燃費の規制強化」の可否・要否を判断している現状では、更なる日
本の「NOxと燃費の規制強化が困難」と結論となってしまうのは、当然のことではないだろうか。そのため、日本では、
大型トラックの2015年度重量車燃費基準の強化を先送りとし、現状での米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制
を施行し続けざるを得ないる状況に陥っている主な原因の一つと考えられる。

 その結果、日本の政府(=環境省・国土交通省)は、現状の大型トラックにおけるNOxと燃費の緩い規制を、これから
も「だらだら」と施行し続けて行く心算であろうか。因みに、日本の政府が現状の緩い大型トラックの規制を将来も施行
し続けることは、トラックメーカが大きな利益を生み続ける要因の一つであるために大いに歓迎していることは間違いな
いだろう。しかし、日本の政府による大型トラックの緩いNOx規制によって迷惑を被るのは多くの日本国民であり、そし
て、日本の政府による大型トラックの緩い燃費規制によって迷惑を被るのは多くの日本のトラックユーザであることは
間違いないだろう。このような、企業(=トラックメーカ)には優しく、国民には厳しい施策を実行している現在の日本の
政府の行政実態を多くの国民が知ることになれば、国民の政府批判が高まることは必然と考えられる。このような批判
を政府が事前に回避する最善の策は、政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガス基準を早期に設定せよ!
詳述しているように、大型トラックを対象とした新たな「低NOx・低燃費の基準」を早期に導入することではないだろう
か。

10.交通研においてディーゼル部分負荷運転時の排気ガス温度の高温化に失敗した技術

0−1.部分負荷運転の排気ガス温度を高温化すると称するインチキな「熱回収コンバータ」の技術

 前述のように、大型ディーゼルトラックにおいても、その実走行や排出ガス試験(=JE05モード)においては、エンジン
の部分負荷運転の頻度が極めて高いのが現状である。そのため、尿素SCR触媒等のNOx低減の後処理装置におい
て、今後のNOx規制の強化に適合するための高いNOx削減率を実現していくためには、排気ガス温度を一定レベル以
上の高温に維持する必要がある。また、現在のDPF装置は、エンジン部分負荷運転では自己再生が困難となるため、
ポスト噴射や排気管内燃料噴射によるDPF装置の強制再生するシステムが採用されている。そして、現状のトラックの
実走行では、エンジンの部分負荷運転が極めて多いため、現状ではDPF装置の強制再生が頻繁に作動する場合が多
いようだ。そのため、DPFの強制再生による燃費悪化や、DPF装置の故障多発がのトラックユーザの不満が鬱積して
いるようだ。このDPF装置の問題については、気筒休止はDPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費悪化を防
止)にも詳述しているように、日本トラック協会が国土交通省にDPF装置の不具合問題の早急な解決・解消を申し入れ
ているようである。

 以上のような、DPF装置の問題解消や今後のNOx規制強化への適合手段としては、トラックメーカの技術者・専門家
は、前述の表11に示したようにエンジンの部分負荷運転時において排気ガス温度の高温化を図る技術を開発・実現
することが必要との認識で一致しているようだ。この「エンジン部分負荷運転時における排気ガス温度の高温化」が大
型トラック用ディーゼルエンジンの最重要課題であるとのトラックメーカの技術者・専門家の意見には、筆者も完全に同
意するところだ。

 ところが、この「エンジン部分負荷運転時の排気ガス温度の高温化」が大型トラックの最重要課題とする意見・主張が
掲載された表11の記事は、自動車技術誌の2010年8月号である。このことから、トラックメーカの技術者・専門家を含
む日本のディーゼルエンジン関係の学者・専門家は、懸命に「エンジン部分負荷運転時の排気ガス温度の高温化」の
技術開発に取り組んでいると考えられる。しかし、自動車技術誌の2010年8月の記事掲載から3年程度も経過した2013
年6月現在でも、大型トラックのNOx削減とDPF装置の不具合の早急な解決のために最も重要課題である「エンジン部
分負荷運転時の排気ガス温度の高温化」に有効な技術が開発されたとの話は、不思議なことに、あまり聞こえて来な
かった。

 そうした状況の中で、「エンジン部分負荷運転時の排気ガス温度の高温化」を目的とした技術開発と明記した技術に
ついて、最近、筆者が辛うじて目にしたのは、2013年6月現在の産総研のホームページの中で(独)産業技術総合研究
所・新燃料自動車技術研究センター(センター長 後藤 新一 氏)が4項目の重点研究課題の一つとして挙げている
「熱回収コンバータ技術」と称する研究テーマである。この新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏が重点
研究課題として取り組んでいる「熱回収コンバータ技術」の「研究の目的、計画の概要」を、以下の表24に示す

表24 産総研の後藤 新一 氏が研究中のディーゼル排気ガスの高温化を目的にした「熱回収コンバータ技術」
(出典:http://unit.aist.go.jp/nfv/ci/research/importance_research.html
「ディーゼルエンジンの部分負荷運転時での排気ガス温度の高温化を狙った」「熱回収コンバータ技術」の概要
 (独)産業技術総合研究所・新燃料自動車技術研究センターの省エネルギーシステムチームにおいては、燃費向
上に伴う排出ガス温度低下による排出ガス浄化用触媒コンバータの性能低下の問題に対して、熱回収型コンバー
タとよばれる革新的な技術の開発による克服を目指しています(下図参照 )。この技術は、触媒コンバータに熱交
換の機能も付加することにより、低温排出ガス条件でも触媒層温度を上昇させて高い反応効率を実現しようとする
ものです。この新しいコンバータが開発できれば、 150 ℃以下の低温排出ガスでも炭化水素類や NOx を処理でき
るようになると期待され、さらに昇温率を上げることができれば、フィルター方式で捕集した粒子状物質( PM )を小
さな加熱エネルギーで焼却することも可能になると考えています。



「熱回収コンバータ」
(出典:産業技術総合研究所のホームページ http://unit.aist.go.jp/nfv/ci/research/importance_research.html

 (独)産業技術総合研究所のホームページhttp://unit.aist.go.jp/nfv/ci/research/importance_research.htmlによる
と、新燃料自動車技術研究センターの長の後藤 新一 氏は、重点研究課題の4項目中の1項目が上記の表21に示し
たディーゼルエンジンの部分負荷運転時の低温排出ガスの条件でも排気ガス温度の高温化を図るための「熱回収コ
ンバータ技術」の研究に取り組まれているとのことである。この「熱回収コンバータ」の作動プロセスは以下のようであ
る。

熱回収コンバータ」における排出ガスの低温状態での「NOx削減」と「DPF装置の自己再生の促進」のプロセス
 @ エンジンから排出される100℃の排気ガスを「熱回収コンバータ」で460℃まで加熱される。
 A 460℃まで加熱された排気ガスは酸化触媒層に流入した時点で「酸化触媒層でのポスト噴射燃料の燃焼加熱」
   または「PMフィルター(=DPF装置)でのPMの燃焼熱」により、排気ガスは500℃まで加熱される。
 B この「酸化触媒層」または「PMフィルター(=DPF装置)」で500℃まで加熱された排気ガスは、再度、熱回収
   コンバータ」に流入し、この500℃まで加熱された排気ガスが熱回収コンバータ」によって、エンジンから排出
   された100℃の排気ガスを460℃まで加熱する。

 以上の筆者の理解が間違いでなければ、新燃料自動車技術研究センターの長の後藤 新一 氏の重点研究テーマで
ある「熱回収コンバータ」は、ディーゼルエンジンの部分負荷での過給機のタービン出口から100℃排気ガスが「熱回収
コンバータ」に流入させ、そして、ポスト噴射燃料を酸化触媒で酸化させて排気ガス温度を40℃を増加させて140℃排気
ガスを「熱回収コンバータ」に流出させるとのことであり、その間に配置した500℃を維持できるとのことである。そして、
PMフィルター(=DPF装置)や尿素SCR触媒等のNOx削減触媒を500℃に維持したことにより、過給機のタービン出
口から排気ガスが100℃のエンジン部分負荷の運転状態においても、PMフィルター(=DPF装置)の自己再生の促進
や尿素SCR触媒等のNOx削減触媒の活性化による大幅なNOx削減が実現できるとのことである。仮に、これが事実
であれば、新燃料自動車技術研究センターの長の後藤 新一 氏の重点研究テーマである「熱回収コンバータ」は、正に
夢のような技術である。そして、この「熱回収コンバータ」は、筆者には「永久機関」も顔負けの「技術?」のように思える
のである。

 何しろ、後藤 新一 氏の重点研究テーマの「熱回収コンバータ」は、「熱交換部と触媒反応部」に「100℃の排
気ガスと排気ガス温度を40℃を上昇させる熱量分のポスト噴射燃料」が流入し、「熱交換部と触媒反応部」から
「140℃の排気ガス」が流出するプロセスにおいて、「熱交換部と触媒反応部」の系の中では自動的に排気ガス
温度が500℃まで上昇し、PMフィルター(=DPF装置)の自己再生の促進や尿素SCR触媒等のNOx削減触
媒の活性化による大幅なNOx削減が実現できるとのことである。つまり、「熱交換部と触媒反応部」に「流入するエ
ネルギー」と「流出するエネルギー」が同一であり、しかも「流入するエネルギーが100℃の排気ガスと排気ガス温度を
40℃を上昇させる熱量分のポスト噴射燃料」であるにもかかわらず、不思議なことに「熱交換部と触媒反応部」の内部
の触媒反応部では「排気ガス温度が500℃まで上昇」するようだ。排気ガス温度が140℃相当のエネルギーの排気ガス
が「熱交換部と触媒反応部」に流入と流出している状態で、「熱交換部と触媒反応部」の中の排気ガスが500℃まで上
昇するメカニズムが筆者には全く不明である。そして、「熱交換部と触媒反応部」の中の排気ガスが400℃や600℃では
無く、500℃であることの理由も、筆者には推測もできないことだ。したがって、後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ」に
は、「熱交換部と触媒反応部」の中に核反応装置で発熱させて冷却させる装置が仕込まれているような印象を受ける
のである。

 そして、この後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ」は、「熱交換部と触媒反応部」に「100℃の排気ガスと排気ガス温度
を40℃だけ上昇できる熱量分のポスト噴射燃料」が流入し、「熱交換部と触媒反応部」から「140℃の排気ガス」が流出
するプロセスにおいて、「熱交換部と触媒反応部」の系の中では自動的に排気ガス温度が、PMフィルター(=DPF装
置)の自己再生の促進や尿素SCR触媒等のNOx削減触媒の活性化による大幅なNOx削減が実現できるとのことで
ある。したがって、これが事実ならば、後藤 新一 氏の重点研究テーマの「熱回収コンバータ」は、「NOx削減」と「DPF
の自己再生促進」が可能な驚異・驚愕の「魔法の技術」と言っても過言ではないだろうか。ただし、これは、後藤 新一
氏の重点研究テーマの「熱回収コンバータ」が実現できた場合であり、これが実現できなかった場合は、政府予算を獲
得するための単なる「ペテン・ハッタリ・イカサマ・インチキ」として厳しく指弾されるべき研究と考えられる。

 これについて率直な感想を言わせて貰えば、ポンコツ元技術屋の筆者には、この後藤 新一 氏の「熱回収コンバー
タ」はの作動を正確に理解することが難しいシステムである。そう言っても、筆者には暇が腐るほどもあるため、筆者の
乏しい経験・知識を総動員して推測して、後藤 新一 氏が研究中の「熱回収コンバータ」の将来における実用性の可否
について推測した結果、後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ技術」については、以下に示したような疑問が頭から離れ
ないのである。そのため、筆者には後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ技術」が「ペテン・ハッタリ・イカサマ・インチキの
技術(=工学的な合理性の無い技術)」のようにしか思えないのである。

 @ 排気ガスを熱交換器の加熱側に流入させてエンジンから排出される100℃の排気ガスを460℃まで加熱できる
   能力を持つ車載可能なサイズと実用可能な価格の熱回収コンバータ」が本当に実現できるのであろうか。
 A PMフィルター(=DPF装置)に」PMが堆積していない場合、「PMフィルター(=DPF装置)でのPMの燃焼
   加熱」が不可能なため、「酸化触媒層でのポスト噴射燃料の燃焼加熱」が用いられることになると考えられるが、
   その運転状態では常にポスト噴射による燃料の浪費されることになり、大型トラックにおける低燃費・低CO2の
   社会的要求に反することになるのではないだろうか。

 もっとも、筆者には熱交換器についての知識・経験が皆無であるため、後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ」に対する
上記の批判は単なる筆者の直感だけの感想になる。しかし、如何なる革新的な技術の熱回収型コンバータとは云え、
部分負荷時におけるターボ過給機のタービンから低温の排出ガスが排出されているディーゼルエンジンの運転状態に
おいて、触媒層温度を上昇させて高い反応効率を実現し、フィルター方式で捕集した粒子状物質( PM )を小さな加熱
エネルギーで焼却できる程度の温度までに、「触媒層温度」や「粒子状物質( PM )を堆積を捕集したフィルター層」を高
温化できる魔法のような熱交換器が実際に実用化できるとは、とても思えないのである。何故ならば、熱交換器では、
熱流の少なからずの抵抗が避けられない現実があり、熱が高いところから低いところにしか流れない不可逆変化(=
熱力学第二法則)に従う特性があるため、熱交換器を使用するだけでディーゼルエンジンの部分負荷運転時の低温排
出ガスが流入する「触媒層温度」を格段に昇温できるとしていることや、「DPFのフィルターに堆積した粒子状物質(
PM )を燃焼」させる程度まで高温化できるようには、どうしても信じられないためである。これは、浅学菲才のポンコツ
元技術屋の悲しさであろうか。

 そこで、熱交換器の専門家には、上記の表13に示した新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏の「熱回
収コンバータ」に必要な現行技術で製作が可能な熱交換器についての試算を行っていただければ幸いである。その試
算の前提条件は以下の通りである。
 設計対象 : GVW25トンの大型トラック(13リットルの過給エンジン搭載)
 熱回収コンバータ」が作動するエンジン運転条件 : 回転数e= 1400 (rpm)、トルク= 10 (%) 負荷
 熱回収コンバータ」が作動するエンジンの排気ガス流量 : 流量=136 (リットル/秒)
 ● 熱交換器の被加熱側の排気ガスの流入と流出温度 : 流入温度=100℃、流出温度=460℃温度
 ● 熱交換器の加熱側の排気ガスの流入と流出温度 : 流入温度=500℃、流出温度=140℃温度
 
 熱交換技術についての知識・経験の全く無い素人の筆者の予想では、この後藤 新一 氏が研究中の「熱回収コンバ
ータ」の熱交換器は、例え実現できたとしても、「大型トラックに搭載・装着が困難な巨大なサイズ」と「膨大な製造コス
ト」の装置となるため、トラック用として実用化が極めて困難なな装置になるのではないかと思っている。

 ところで、新燃料自動車技術研究センターの研究テーマ紹介パンフレットのコピーに示したように、約6年も前に作成
された(独) 産業技術総合研究所の新燃料自動車技術研究センターにおける研究テーマ紹介のパンフレット(http://
unit.aist.go.jp/nfv/ci/pamphlets/aist_nfv_pamphlet0712_2.pdf,、2007年7月作成には、新燃料自動車技術研究センタ
ー長の後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ」の研究テーマが既に紹介されているようだ。そして、新燃料自動車技術研
究センター長の後藤 新一 氏は、、ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の低温排出ガスを高温化する「熱回収コン
バータ」の研究を行っており、そして、2013年6月現在の産総研のホームページの中でも、相変わらず、この「熱回収コ
ンバータ」の研究テーマが4件の「重点研究テーマ」の中の1件として列挙されているのである。

 このことから、新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏は、過去6年間も「熱回収コンバータ」の研究に
延々と取り組んでいるようである。その理由を推察すると、以下のような動機・要因が考えられる。

@ 後藤 新一 氏は、「熱回収コンバータ」がディーゼルエンジンの部分負荷運転時の低温排出ガスの条件でも、実際
に排気ガス温度を高温化できるとの強い信念の持ち主であること。

A 後藤 新一 氏は、「熱回収コンバータ」の他には、ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の低温排出ガスの条件で
も、実際に排気ガス温度を高温化できる技術・アイデアが発想できないめに、これまで仕方なしにダラダラと「熱回収コ
ンバータ」の研究を継続してきたに過ぎないこと。

B 政府予算の試験研究費を獲得するためには、他人から「嘘・ペテン・ハッタリ・イカサマ・インチキ」と思われようとも、
非現実的な高い目標を形振り構わず捏造(=でっち上げ)し、最先端の革新的な技術の研究として予算の申請書に記
載することによって試験研究費が容易に獲得できる上に、数年後の試験の終了時には、目標の未達成の理由を証明
する試験データを添付すれば、何の責任の追求も行われないため、政府予算の試験研究費の「使ったもの勝ち」や
「食い逃げ」の旨みが享受できる可能性があること。

 現在、新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏が、過去6年間も「熱回収コンバータ」の研究に延々と取り
組み続けている正確な理由は、筆者には不明である。何れにしても、ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の低温排
出ガスの条件で排気ガス温度を高温化して「NOx削減」と「DPF装置の自己再生の促進」を可能にする技術として、
時点では、新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏が「熱回収コンバータ」の研究を実施していることは、厳
然たる事実のようだ。

 しかし、新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏は、6年程度の歳月が経過した現在でも、「NOx削減」と
「DPF装置の自己再生の促進」が実現できるような「熱回収コンバータ」の研究は、未だに成功していないようだ。これ
まで既に6年間程度も研究が続けられたにもかかわらず、何の研究目標の達成の見込みが得られていない「熱回収コ
ンバータ」の研究を、新燃料自動車技術研究センター長の後藤 新一 氏は、これからも継続して実施する予定であろう
か。そして、この研究は、これからも引き続き、10年先?または20年先?まで続けるのであろうか。もっとも、将来、
藤 新一 氏の「熱回収コンバータ」の開発が成功し、これを用いて大型トラックの「NOx削減」と「DPF装置の自己再生
の促進」が本当に実現する可能性は、筆者には「皆無」と思うが、如何なものであろうか。そして、新燃料自動車技術研
究センター長の後藤 新一 氏の「熱回収コンバータ」研究は、学者・専門家が政府予算の試験研究費の獲得に用いる
詐欺的な手法に記載した「嘘・ペテン・ハッタリ・イカサマ・インチキ」に類する研究テーマに相当するように思われるが、
これは筆者が浅学菲才のポンコツ元技術屋であることに起因した大きな「勘違い」・「思い違い」であろうか。

なお、以下の表25に示した(独)産業技術総合研究所の平成24年度・産業技術総合研究所年報には、新燃料自動車
技術研究センターの後藤 新一 氏は、「熱回収コンバータ」についての「一連の研究開発に区切りがついたので、内
外における研究発表や論文発表による成果の周知に努めた。」と記載されている。この内容を率直に読むと、
(独)産業技術総合研究所の平成24年度・産業技術総合研究所年報には、熱回収コンバータ」のシステムの開発に
成功し、以下の性能を実現したと誰もが解釈できそうな記載となっている。つまり、(独)産業技術総合研究所・新燃料
自動車技術研究センターの後藤 新一 氏は、100℃の排気ガスが排出されるディーゼルエンジンの運転状態におい
て、「酸化触媒層」または「PMフィルター(=DPF装置)」が500℃で作動できる驚異的な熱回収コンバータ」の開発に
成功したことをほのめかす内容を平成24年度・産業技術総合研究所年報に堂々と虚偽と思える研究成果の発表を行
っているのである。勿論、このついては、この(独)産業技術総合研究所・新燃料自動車技術研究センターの後藤 新
一 氏が開発した発表している虚偽と思える研究成果の熱回収コンバータ」については、誰も関心を示していないこと
は当然のことと考えられる。

注:「熱回収コンバータ」の作動予測の説明と開発の目標
 @ エンジンから排出される100℃の排気ガスを「熱回収コンバータ」で460℃まで加熱される。
 A 460℃まで加熱された排気ガスは酸化触媒層に流入した時点で「酸化触媒層でのポスト噴射燃料の燃焼加熱」または
   「PMフィルター(=DPF装置)でのPMの燃焼熱」により、排気ガスは500℃まで加熱される。
 B この「酸化触媒層」または「PMフィルター(=DPF装置)」で500℃まで加熱された排気ガスは、再度、熱回収コンバータ」に流入し、
   この500℃まで加熱された排気ガスが熱回収コンバータ」によって、エンジンから排出された100℃の排気ガスを460℃まで加熱する。

表25 「熱回収コンバータ」に関する平成24年度・産業技術総合研究所年報の記載内容
(出展:http://www.aist.go.jp/digbook/annual_report/h24/index.html#page=39



 何はともあれ、(独)産業技術総合研究所の平成24年度・産業技術総合研究所年報では、新燃料自動車技術研究
センター長の後藤 新一 氏とそのグループの学者・専門家(=小熊光晴氏、小渕 存氏、佐々木 基氏、高橋 栄一氏
他)は、非現実的な「熱回収コンバータ」のシステムの開発に成功したかのような虚偽の記載を行っているようである。
これは、平成24年度・産業技術総合研究所年報の記載内容は、これまでの(独)産業技術総合研究所の「熱回収コン
バータ」に投入された政府の研究費予算が適切であったとことを装うための偽装工作のように思えて仕方がない。しか
し、実際は、この熱回収コンバータ」の研究開発が完全な失敗であり、「研究費の無駄遣い」・「政府予算の浪費」と考
えられる。このような(独)産業技術総合研究所における熱回収コンバータ」の研究開発が成功したとの偽装工作は、
ES細胞やiPS細胞よりも優れた万能細胞のSTAP細胞を開発したとの捏造論文を発表することによって、これまで投入
した研究の有効性(=研究費投入の妥当性)を詐欺的に取り繕う理研のSTAP細胞捏造の騒動と同根のように思えて
仕方が無い。何故ならば、(独)産業技術総合研究所の熱回収コンバータの開発成功」と「理研のSTAP細胞の開発
成功」は、両者とも政府支給の研究費に絡んだ「研究結果の捏造」と見ることが可能なためである。

 なお、(独)産業技術総合研究所の後藤 新一 氏、小熊光晴氏、小渕 存氏、佐々木 基氏、高橋 栄一氏他の学者・専
門家は、大型トラックのNOx削減と燃費向上に有効な気筒休止を黙殺する学者諸氏の「4−3.(独)産業技術総合研
究所の「次世代自動車エンジン連携研究体」の学者・専門家者の場合」の項に記載しているように、2015年1月におい
ては、「X線技法による燃料噴霧詳細解析」と「次世代スーパー触媒」の2種類だけの粗末な技術の研究推進によって
「熱効率50%のエンジンの実現」と云う最初から目標達成の不可能な「荒唐無稽な研究開発」を政府の研究予算で実
施しているようである。この「X線技法による燃料噴霧詳細解析」と「次世代スーパー触媒」の2種類だけのチンケな技
術で「熱効率50%のエンジンの実現」と云う誇大妄想とも思える目標を掲げている状況をを見ると、(独)産業技術総合
研究所の後藤 新一 氏、小熊光晴氏、小渕 存氏、佐々木 基氏、高橋 栄一氏他のグループの学者・専門家は、過去
の「熱回収コンバータ」の研究開発が完全に失敗したことについて何の反省していないようである。そのため、この(独)
産業技術総合研究所におけるエンジン関係のグループの学者・専門家は、理研のSTAP細胞騒動の小保方晴子氏と
同様に、政府予算の研究開発の失敗による税金の無駄遣いをすることについて、罪悪感を感じたり、自責の念を覚え
ることの無い図太い神経・精神構造の人達のように思えるが、如何なものであろうか。つまり、独)産業技術総合研究
所の後藤 新一 氏、小熊光晴氏、小渕 存氏、佐々木 基氏、高橋 栄一氏他のグループの学者・専門家は、税金の無
駄遣い行ったのもかかわらず、現状では何の反省も行っていないことが実態のようである。

 このように、政府の研究予算が無責任な研究開発に投入される場合が存在する背景には、政府予算を使った研究
開発が研究目標の未達成で失敗の結果に終わったとしても、背表紙に研究プロジェクトの名称が記載できる厚さ1cm
以上の研究結果報告書を研究の終了後に提出すれば、その研究開発の不成功についての懲戒・処罰が何も無いた
めと考えられる。つまり、学者・専門家にとっては、政府の研究予算は「使った者勝ち!」・「獲得した者勝ち!」の状況
にあると考えられるためだ。これについては、学者・専門家が政府予算の試験研究費の獲得に用いる詐欺的な手法
詳述しているので、興味のある方は御覧いただきたい。

 こうして見ると、(独)産業技術総合研究所の熱回収コンバータ」や「熱効率50%のエンジンの実現」のような目標達
成の不可能な「荒唐無稽な研究開発」を研究テーマに掲げて政府の研究予算を獲得している現状は、これらの研究の
当事者である後藤 新一 氏、小熊光晴氏、小渕 存氏、佐々木 基氏、高橋 栄一氏他の学者・専門家にとっては、従来
からの日常業務を淡々とこなしているに過ぎないのかも知れない。しかし、この状況は、ポンコツ元技術屋の筆者から
見れば、異常なことだと考えられる。ところが、(独)産業技術総合研究所の学者・専門家には理解できないことかも知
れない。何故ならば、「荒唐無稽な研究開発」を研究テーマに掲げて政府の研究予算を少しでも多く獲得する行為は、
政府予算が投入されている研究機関・研究組織では古くから行われている当たり前の事象とも考えられるためである

 なお、この項の記載内容は、ポンコツ元技術屋の筆者の愚かな誤解・偏見かも知れない。そこで、(独)産業技術総
合研究所の後藤 新一 氏、小熊光晴氏、小渕 存氏、佐々木 基氏、高橋 栄一氏他の関係者がこの項を閲覧された際
に、明らかに誤りと気付かれた内容については、末尾の筆者のEメール宛てに事実についての御連絡をいただきた
い。そこで、誤った記載が見つかれば、即刻に訂正したいと考えている。

10−2.部分負荷運転時の排気ガス温度の高温化によって解決可能なことが判明した新たな課題・不具合

 平成24年8月の環境省・中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十一次答申)および
同答申別添の専門委員会報告では、今後の検討課題として、「触媒のHC被毒を解消するため、使用過程車において
尿素SCRシステムを定期的に昇温するなどによるHC対策を検討すること」が求められている。これを受けて、国土交
通省および環境省は、平成24年10月に学識経験者からなる「排出ガス後処理検討会(座長:塩路昌宏 京大教授)」を
合同で設置し、検討を開始したとのことである。そして、この検討会は、尿素SCRシステムの触媒のHC被毒を解消する
ためには、400〜500℃の状態を40分間程度にわたって維持するに昇温制御が必要であるとの内容の「排出ガス後処
理検討会中間報告」を平成25年3月14に発表した。以下の表26に、その概要を示す。

表26 国土交通省と環境省が合同で設置した「排出ガス後処理検討会」の中間報告の概要
(出典:http://unit.aist.go.jp/nfv/ci/research/importance_research.html
項 目
内 容
題 名 等
排出ガス後処理検討会中間報告中間報告
(出典:http://www.mlit.go.jp/common/000990922.pdf
著 者 等
排出ガス後処理検討会
(座長:塩路昌宏 京大教授)
(出典:http://www.mlit.go.jp/common/000990922.pdf
内 容

(出典:https://www.ntsel.go.jp/kouenkai/h25/2_fukushima.pdf


(出典:https://www.ntsel.go.jp/kouenkai/h25/2_fukushima.pdf

 最近のポスト新長期排出ガス規制(=2009年排出ガス規制)では、ほとんどの大型トラックには「PM削減のための
DPF装置」や「NOx削減のための尿素SCR装置」が搭載されている。しかし、これらの装置における今後の解決すべき
課題として、以下の条件を満たすような排気ガスを高温化できる技術を早急に実用化すべきことは、ディーゼルエンジ
ンを専門とする学者・専門家の間では、かなり以前から認識され、周知されていた課題である。

 DPF装置のフィルタ再生のために30分程度の連続した排気ガス温度の高温化の維持制御が必要である

 大型トラックを含む殆どのトラックの実走行ではエンジンの部分負荷運転の頻度が高い。そのエンジンの部分負荷
運転では排気ガス温度が低下するために尿素SCR触媒でのNOx削減率が低下する欠点・欠陥がある。今後の更なる
NOx規制の強化に対して尿素SCR触媒を用いて適合できるようにするためには、エンジンの部分負荷運転で
の排気ガス温度の高温化を図る技術を実現し、このエンジンの部分負荷運転での尿素SCR触媒のNOx削減率
を向上することが必要である

 ところが、最近、新たに使用過程トラックにおけるNOx削減機能の低下の問題が明らかになったため、国土交通省と
環境省が合同で「排出ガス後処理検討会」を設置し、その問題の原因究明と対策方法の調査が行われたとのこと。そ
の「排出ガス後処理検討会」が発表した中間報告の概要が、前述の表22である。この中間報告によると、尿素SCR装
置を搭載した使用過程車において、長期にわたる尿素SCR装置の継続使用中に尿素SCR装置のNOx削減機能の低
下する不具合が市場で発生しているとのことである。そして、この不具合の原因は、尿素SCR触媒のHC被毒が原因と
のことだ。そして、尿素SCR触媒のHC被毒を効率良く回復できる方法として、尿素SCR触媒を400〜500℃にした状態
を40分間程度にわたって維持するに昇温制御が必要であるとのことである。以上の結果、現行の市販中の大型トラッ
クを含む殆どのトラックにおいては、以下の課題が喫緊に解決すべきと云える。

@ DPF装置のフィルタ再生
A エンジン部分負荷運転時の排気ガス温度の低温時における尿素SCR触媒のNOx削減機能の向上
B 大型トラックの使用過程におけるNOx削減機能の低下防止(=尿素SCR触媒のHC被毒の回復)のために、
エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術の実用化

 逆に言えば、エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術が実用化できれば、これら@ DPF
装置のフィルタ再生、A エンジン部分負荷運転時の尿素SCR触媒のNOx削減機能向上、B 使用過程におけるNOx削
減機能の低下防止の三つの課題が即刻に解決できることになる。

 しかしながら、不思議なことに、国土交通省および環境省が合同で設置した「排出ガス後処理検討会」は、その「中間
報告」では、自動車メーカに「エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術」の開発を求めている
だけである。そして、この「排気ガス温度の高温化の技術」については、この「中間報告」の中には技術的な示唆が何も
記載されていないようだ。果たして、この「検討会」の最終報告では、「エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の
高温化を図る技術」について、何かの示唆・言及が行われるのであろうか。

 それとも、最近のポスト新長期排出ガス規制(=2009年排出ガス規制)に適合した大型トラックでは、燃料のポスト噴
射や排気管内噴射を行ってDPF装置を強制再生する30分間程度の排気ガスの高温化制御によって「尿素SCR触媒の
HC被毒の回復」が可能と考えられるため、現行のDPF装置の強制再生を定期的に実施する制御を自動車メーカに義
務付けることを、「排出ガス後処理検討会」の学識経験者に人達は考えているのであろうか。仮にそうであるならば、
「排出ガス後処理検討会」の学者・専門家は、ポスト噴射や排気管内噴射のDPF装置の強制再生が燃料浪費の元凶
であることを無視していることになり、「尿素SCR触媒のHC被毒の回復」のために更なる燃料浪費を推奨していること
になってしまうと考えられる。このような燃料浪費を招く行為は、厳に避けるべきであると考えるが、如何なものであろう
か。なお、この「検討会」の中間報告では、低温での活性に若干の優れた性能を持つと銅ゼオライトを尿素SCR触媒に
採用することを示唆しているが、銅ゼオライトを使用するとしても現行の尿素SCR触媒に比べてNOx削減率の激減する
温度を数十℃の低温化が図られるだけであり、NOx排出ガス値を十分に低減できる技術では無いと考えられる。

 一方、筆者のホームページでは、「エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術」である気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の2件の特許技術を、7年以上も以
前の2006年4月頃から紹介しているのだ。その後、、気筒休止はDPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費悪化
を防止)やこのページを追加し、これらの技術がエンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化に有効である
メカニズムについても詳述しているのである。ところが、これら筆者提案の「ディーゼルエンジン部分負荷運転における
排気ガス温度の高温化を図る技術」については、わが国のトラックメーカや研究機関は完全に無視しているようであ
る。今回、「大型トラックの使用過程におけるNOx削減機能の低下防止(=尿素SCR触媒のHC被毒の回復)のため
に、エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術の実用化か喫緊の課題」と発表した「排出ガス
後処理検討会」は、エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術である気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)および後処理制御システム(特許公開2005-69238)2件の特許技術を冷たく黙殺するのであろう
か。

 しかも、これら気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の2件の特
許技術は、何れも大型トラックの重量車モード燃費を5〜10%も向上できる「おまけ(=余禄・副産物・サービス)が、
「ただ(=無料・無償)で実現できるのである。そのため、筆者には、これら2件の特許技術は、大型トラックの喫緊の課
題解決のための「至れり尽くせり」の新しい技術と思っているが、わが国のディーゼルエンジン関係の学者・専門家・技
術者には「取るに足らない妄想のポンコツ特許技術」のようにしか理解できないようである。これは、誠に残念なこと
だ。

 振り返って見れば、これまでの環境省・中央環境審議会の「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」等に
おいては、主目的の「排出ガス低減の目標」だけで無く、必ず排出ガス低減技術や排出ガスとトレードオフの関係にあ
ると云われている燃費低減技術についても、必ず言及されているのである。それにもかかわらず、この「排出ガス後処
理検討会」の報告では、「エンジン部分負荷運転における排気ガス温度の高温化を図る技術」についての具体的な技
術が何も記載されていないようだ。その原因は、単に「排出ガス後処理検討会」の委員の学識経験者には燃料を浪費
しない「排気ガス温度の高温化を図る技術」の知見が現時点で皆無であるため、仕方無く、排気ガス温度の高温化の
技術を何も記載していないのであろうか。そして、この「中間報告」を読むと、排気ガス温度の高温化の技術は「自動車
メーカで勝手に考案することが適当」であるとして自動車メーカだけに責任を押し付け、その技術の有効性だけを学識
経験者の「検討会」が「検証」だけを行うと記載されているように見えるのである。

 したがって、この「中間報告」の通りであれば、今後、自動車メーカが仮に排気ガス温度の高温化の技術開発を真面
目に実施せず、各自動車メーカが団結して口裏を合わせて「燃料を浪費しない排気ガス温度の高温化の技術が考案
できなかったため、従来のDPF装置の強制再生に採用している燃料浪費の顕著なポスト噴射式や排気管燃料噴射式
の排気ガス温度の高温化技術を併用・流用する」と「検討会」に報告・回答した場合には、「排出ガス後処理検討会」
は、各自動車メーカに触媒のHC被毒を解消する技術の研究開発の怠慢を問責できるのであろうか。つまり、この中間
報告の記載内容では、大型トラック(=含、一般のディーゼルトラック)の使用過程車でのNOx削減機能の低下防止(=
尿素SCR触媒のHC被毒の解消・回復)の研究開発を何も実施しない場合でも、「検討会」は自動車メーカの責任を追
及できないように思えるのである。

 しかし、「排出ガス後処理検討会」は、自動車メーカに「排気ガス温度の高温化を図る技術」の研究開発を叱咤激励
するだけでは無く、排気ガス温度の高温化に少しでも有効と考えられる技術情報についての全ての情報を自動車メー
カ等に広く提供すれば、燃料を浪費しない使用過程車でのNOx削減機能の低下防止(=尿素SCR触媒のHC被毒の解
消・回復)の研究開発を何も実施しない場合には、「検討会」は自動車メーカの責任を追及できるのである。

 例えば、「排気ガス温度の高温化技術」が実現できる可能性のある技術として、「排出ガス後処理検討会」の報告書
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御システム(特許公開2005-69238)の2件の特許技術を記載
しておけば、自動車メーカは否が応でも排気ガス温度の高温化の技術開発を真面目に実施せざるを得ないことのなる
と考えられる。したがって、「排出ガス後処理検討会」は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)後処理制御シス
テム(特許公開2005-69238)の2件の特許技術等の「排気ガス温度の高温化技術」が実現できる可能性のある技術に
ついて、「排出ガス後処理検討会」の最終報告書に「排気ガス温度の高温化の参考技術」として万難を排してキッチリと
記載すべきと考えるが、如何なものであろうか。

10−3.筆者が提案する部分負荷運転の排気ガス温度の高温化を容易に実現できる新技術

 一般的には、大型トラック用インタークーラ過給ディーゼルエンジンは、図14の模式図に示したように、正味平均有
効圧力の増加に反比例して燃料消費率が良化し、正味平均有効圧力(Pme)の増加に比例してタービン入口、タービン
出口の排気ガス温度が高温となる特性がある。そして、全負荷(=100%負荷)のタービン出口の排気ガス温度は50
0℃程度であり、50%負荷のタービン出口の排気ガス温度は250℃程度である。



図14 一般的なインタークーラ過給ディーゼルエンジンの燃料消費率と排気ガス温度の特性

 そして、以下の図28のJE05およびWHTCの試験法における2種類のエンジン(12.91リットル、4.01リットル)の回転
数・負荷頻度分布図に示したように、排出ガス試験サイクル(JE05 モード)やWHTC試験法は、トラックの実走行におけ
るエンジン運転頻度から作成されたものであ。そのため、トラックの実走行では、この図15に示したJE05およびWHTC
の試験法における2種類のエンジン(12.91リットル、4.01リットル)の回転数・負荷頻度分布図に示したように、実際のエ
ンジン運転の大部分が部分負荷である。このように、インタークーラ過給ディーゼルエンジンを搭載した一般の大型トラ
ックの走行では、エンジンは中速回転の50%負荷近傍やそれ以下の領域で運転される頻度が多いのである。



図15 WHTC試験法における2種類のエンジン(12.91リットル、4.01リットル)の回転数・負荷頻度分布図
(出典:https://www.env.go.jp/council/07air/y071-39/mat02.pdf

 このように、大型トラックを含む殆どのトラックにおいて、実走行や出ガス試験サイクル(JE05 モード)やWHTC試験
法において使用されるエンジン運転は、中速回転以下の回転範囲で、なお且つ、排気ガス温度(=過給機のタービン
出口の排気ガス温度)が250℃程度の50%負荷近傍か、それ以下の領域で運転される頻度が多いのである。このこ
とから、大型トラック等の実走行において「DPF装置の自己再生の促進」を図るためには、エンジンの50%負荷近傍
やそれ以下の運転領域での排気ガス温度を高温化を図る必要がある。そして、大型トラック等の排出ガス試験サイク
ル(JE05 モード)やWHTC試験法では、エンジン運転が中速回転以下の回転範囲で、なお且つ、排気ガス温度(=過給
機のタービン出口の排気ガス温度)が250℃程度の50%負荷近傍か、それ以下の領域で運転される頻度が多いた
め、大型トラックのNOxを削減するためには、エンジンの50%負荷近傍やそれ以下の運転領域での排気ガス温度を
高温化を図る必要がある。

 したがって、大型トラックを含む殆どのトラックにおいて、実走行における「DPF装置の自己再生の促進」と、「尿素S
CR触媒等のNOx削減触媒の活性化によるNOxの削減」を実現するためには、排気ガス温度(=過給機のタービン出
口の排気ガス温度)が250℃程度の50%負荷近傍か、それ以下の領域で排気ガスの高温化することが必要である。
このエンジン50%負荷近傍か、それ以下の領域で排気ガスの高温化を容易に実現できる技術として、前述の2〜9項
で詳述している筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)である。この気筒休止は、簡単なシステムにもか
かわらず、エンジン50%負荷近傍での従来のエンジン排気ガス温度(=過給機のタービン出口の排気ガス温度)が2
50℃程度であるのに対し、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)のエンジン排気ガス温度(=過給機のター
ビン出口の排気ガス温度)は、ほぼ2倍の500℃程度まで容易に高温化できるのである。また、このエンジン排気ガス
温度(=過給機のタービン出口の排気ガス温度)の高温化の機能によりディーゼルの気筒休止は、コールドスタート
のNOx削減にも有効だ!に詳述しているように、2ターボ方式の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術
は、JE05モードのコールドスタート試験におけるNOxの排出を削減することも可能である。

 また、現在のDPF装置は、エンジン部分負荷運転では自己再生が困難となるため、ポスト噴射や排気管内燃料噴射
によるDPF装置の強制再生するシステムが採用されている。そして、現状のトラックの実走行では、エンジンの部分負
荷運転が極めて多いため、現状ではDPF装置の強制再生が頻繁に作動する場合が多いようだ。そのため、DPFの強
制再生による燃費悪化や、DPF装置の故障が多発している状況だ。そこで、この問題を解決する方法として、筆者が
提案している技術が後処理制御システム(特許公開2005-69238)である。この後処理制御システム(特許公開2005-
69238)は、気筒休止はDPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費悪化を防止)に詳述しているように、大型トラッ
クの実走行時のエンジン部分負荷運転時における排気ガス温度が低温の状態においても、DPF装置の高温を維持す
ることにより、「DPF装置の自己再生」が促進できる技術である。したがって、大型トラックに後処理制御システム(特許
公開2005-69238)の技術を採用すれば、現在のDPF装置の不具合問題が完全に解決・解消ができるのである。

 なお、この項の記載内容には推測が多く含まれているため、一部には筆者の事実誤認があるかも知れない。そこ
で、この項の記載内容について、明らかに誤りと考えられる記述については、末尾の筆者のEメール宛てに事実につい
ての御連絡をいただければ、誤った記載内容は即刻に訂正したいと考えている。

11.大型トラックの低燃費化・低NOx化・DPFの自己再生促進等に有効な気筒休止技術

 筆者提案の「ディーゼルエンジンの燃費とNOxとの同時の削減を実現できる革新的な技術」である気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の技術を実用化すれば、政府(=環境省・国土交通省)は、日本の「NOxと燃費の規制強化」
が容易に実現できるのだ。特に、米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢のページに
詳述している「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制を実施し続ける日本政府の悲惨な状況」の問題が立ちど
ころに解決・解消できるのである。それにもかかわらず、中央環境審議会の自動車排出ガス専門委員会を含む政府・
官僚(=環境省・国土交通省等)は、「ディーゼルエンジンの燃費とNOxとを同時に削減できる革新的な新技術」である
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を頑なに無視・黙殺しているのである。なお、この気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の特許技術は、ディーゼルの気筒休止は、コールドスタートのNOx削減にも有効だ!に詳述し
ているように、JE05モード(or WHTCモード)でのコールドスタート試験におけるNOx排出の削減にも有効である。

何はともあれ、現在の大型トラックが抱えている「燃費の向上」と「NOxの削減」に関連した殆んど課題を解決できる新
技術が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術である。それらの機能と効果を表27に纏めたのでご覧
頂きたい。

表27 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の機能と効果のまとめ
大型トラックに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用した場合のメリット
効果の内容
@
部分負荷時の気筒休止の効果により、重量車モード燃費は5〜10%の向上が可能
(部分負荷時における「サイクル効率の向上」および「冷却損失の削減」による燃費改善効果)
[例えば、気筒休止は、ディーゼルのNOx削減と燃費向上の一挙両得の技術だ!を参照]
燃費の改善
A
部分負荷時の排気ガスの高温化により、DPF装置での自己再生の運転領域の拡大による燃費向上
後処理制御システム(特許公開2005-69238)を採用した場合には、更なる燃料浪費の防止を促進)
(ポスト噴射またはHC排気管噴射のDPF強制再生の回数減少し、強制再生による燃料浪費を防止)
[例えば、気筒休止はDPFの自己再生を促進 (強制再生の削減で燃費悪化を防止)を参照]
燃費の改善
B
部分負荷時の排気ガスの高温化により、ターボコンパウンドでの排熱エネルギーの回収効率を向上
[例えば、ターボコンパウンドは、大型トラックの走行燃費の改善が困難な技術だ!を参照]
[例えば、気筒休止は、ディーゼルのNOx削減と燃費向上の一挙両得の技術だ!を参照]
[例えば、気筒休止は、ディーゼル排気ガスのエネルギー回生装置の効率を向上を参照]
燃費の改善
C
部分負荷時の排ガス温度の高温化により、尿素SCR触媒でのNOx削減率の向上が可能
[例えば、気筒休止は、ディーゼルのNOx削減と燃費向上の一挙両得の技術だ!を参照]
NOxの削減
D
実走行時の排ガス温度の高温維持機能により、使用過程車における尿素SCR触媒のHC被毒の回復
後処理制御システム(特許公開2005-69238)場合には、更なる尿素SCR触媒のHC被毒の回復)
NOxの削減
(燃費悪化防止)
E
JE05モード等でのコールドスタート試験におけるNOx排出の削減
(JE05等のコールドスタート試験のNOx排出を大幅に削減できる唯一の実用的な技術)
[例えば、ディーゼルの気筒休止は、コールドスタートのNOx削減にも有効だ!を参照]
NOxの削減

 以上の表36に纏めたように、現在の大型トラックに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用す
ればエンジン部分負荷時の排気ガス温度が高温化できるため、トラック・バスの実走行時やJE05モード(or WHTCモー
ド)の重量車排出ガス試験時における「DPFの強制再生頻度の減少」、「エンジンの低負荷時(=排気ガス温度の低温
時)における尿素SCR触媒のNOx削減率の向上」、「JE05モード(or WHTCモード)でのコールドスタート試験における
NOx排出の削減」が容易に実現できるのである。そして更に、エンジンの部分負荷燃費の改善にも極めて有効な技術
であるため、トラックの実走行燃費や重量車モード燃費が5%程度の改善が得られるのである。ところが、日本の学
者・専門家・技術者は、現在も頑なに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺しているので
ある。

11.ディーゼルでの気筒休止の実用化には技術的な課題が存在するとの誤った意見・主張

 以下の図28に示したように、英国バーズ大学のクリス・ブレース准教授は、今後のディーゼルエンジンのNOx削減や
燃費改善の性能向上を図る技術として、「排気ガス後処理」、「可変圧縮比」、「気筒休止」、「電気ターボチャー ジャー」
の4つの技術を列挙している。

図28 英国バーズ大学のクリス・ブレース准教授が列挙したディーゼルエンジンの4つの性能向上の技術
(出典:http://jidoushaguide.com/wp/2016/08/25/four -technology-diesel-survive-news/

 この英国バーズ大学のクリス・ブレース准教授が提示しているディーゼルの4つのを大型トラック用ディーゼルエンジ
ンの性能向上技術の観点から評価すると、以下の通りと考えられる。を技術として、

@ 「排気ガス後処理(尿素SCR)」 : 尿素SCRは、日本・北米・欧州の大型トラックに既に採用済みの技術

A 「可変圧縮比」 : 現時点で大型トラックに未採用のディーゼルエンジンの性能向上の新技術

B 「気筒休止」 : 現時点で大型トラックに未採用のディーゼルエンジンの性能向上の新技術

C 「電動ターボチャー ジャー」 : 大型トラックのエンジン低回転時のトルク向上の技術(技術的な新規性は無し)

 このように、英国バーズ大学のクリス・ブレース准教授は、以上の4つのディーゼルエンジンの性能向上技術を大型デ
ィーゼルトラックに適用するとした場合には、「可変圧縮比」と「気筒休止」 が新技術と云えそうである。そして、この2つ
の新技術の中の「可変圧縮比」は、ガソリンエンジンでは自動車走行燃費の向上の高い効果が得られる。しかし、この
「可変圧縮比」は、大型トラック用ディーゼルエンジンでは高トルク運転時の筒内最高圧力の低減によるエンジン出力
の向上の効果があらだけであり、燃費改善やNOx削減のエンジン性能向上の機能・効果が少ないと推測される。した
がって、大型ディーゼルトラックの分野に限定した場合、クリス・ブレース准教授は、実質的にはディーゼルエンジンの
性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術としては「気筒休止」 の技術しか提案していないと判断される。

 また、「気筒休止」 の技術については、クリス・ブレース准教授は、気筒休止時に排気ガスの温度が低くなるために触
媒(=SCR触媒)の作動不良の未解決な課題が存在するとの説明を付け加えている。そのため、クリス・ブレース准教
授は、現時点ではディーゼルに「気筒休止」の技術を採用することは困難との見解のようである。したがって、英国バー
ズ大学のクリス・ブレース准教授は、大型ディーゼルトラックの分野に限定した場合には、大型ディーゼルトラックの性
能向上(=燃費改善とNOx削減)を即刻に実現できるディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術
を実質的に提示・提案していないと見るのが妥当と考えられる。

 一方、ポンコツ元技術屋の筆者は、気筒休止運転となるエンジン部分負荷時には排気ガスの温度が従来のディーゼ
ルの2倍近くまでの高温化できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を提案しているする。したがっ
て、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許をディーゼルエンジンの気筒休止に採用した場合には、クリス・ブ
レース准教授の主張する「気筒休止」の技術を採用ディーゼルエンジンの実用化が可能と考えられる。そして、現状よ
りも大幅に燃費改善やNOx削減を実現した大型ディーゼルトラックの市場投入が即刻に実現できることになる。

 このように、英国バーズ大学のクリス・ブレース准教授のように、英国のエンジン専門の学者はディーゼルエンジンの
性能向上(=燃費改善とNOx削減)の技術を提示・提案しているが、不思議なことに日本のエンジン専門の学者の全員
は「気筒休止」の技術を一致団結して頑なに無視・黙殺しているようである。このように日本のエンジン専門の学者の全
員は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の気筒休止技術を無視・黙殺した行為は、現時点ではディーゼルエ
ンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の実用可能な技術が未開発、若しくは不明と言わざるを得ない状況を意
図的に作り出している証拠と考えられる。

 ところで、米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢ディーゼル重量車2016年NOx規
制の0.4g/kWhは、不当な緩和の欠陥規制のページに詳述しているように、米国では2010年のNOx規制がNOx =
0.27 g/kWhであるにもかかわらず、日本では大型トラックの2016年のNOx規制がNOx = 0.4 g/kWhの相当に
緩い規制が実施されていることは、紛れも無い事実である。これは、日本のエンジン専門の学者の全員が筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)の気筒休止技術を一致団結して無視・黙殺することにより、日本の大型トラックの
排出ガス試験モードおいてはディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の実用可能な技術が皆無、若
しくは不明とする虚偽的な状況を強引に創出した可能性が極めて高いと考えられる。

 現状では、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の気筒休止の特許技術の無視・黙殺による採用によるディー
ゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術が未開発との日本のエンジン専門の学者の主張は、この
特許技術の採用による若干の製造コストの増加した大型ディーゼルトラックの販売をトラックメーカが堂々と先送りを可
能にする必須条件と考えられる。何故ならば、仮にも日本のエンジン専門の学者が気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の特許技術の採用によって日本の排出ガス試験モードでも日本の大型トラックが米国のNOx = 0.27 g/kWh
(=2010年規制)に適合が可能であるとの主張を行ったならば、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術
を採用した若干の製造コストの増加した大型ディーゼルトラックを早急に市販を開始せざるを得ない状況に陥ってしま
うことが確実と考えられるためである。このような羽目に陥る状況を事前に回避するためには、現在、トラックメーカは、
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術によるディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)
の重要な技術情報を日本のエンジン専門の学者に隠蔽して貰う工作を行っているものと推測される。

 然らば、日本のエンジン専門の学者の全員は、如何なる動機・理由で気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の気
筒休止技術を無視・黙殺しているのであろうか。ポンコツ元技術屋の筆者の推測では、プログラムディレクターの杉山
雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン技術領域 領域長)が主導して実施されている自動車メーカが資金提供するSIP革新
燃焼プロジェクトにおいて、2014年度〜2018年度の5年間で約76名の大学教授が(1千万円〜3千万円程度)/(年間・
一人)の研究費(=総額38億円〜50億円)を供与の恩義に報いるため、この約76名のエンジン関係の大学教授は、プ
ログラムディレクターの杉山雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン技術領域 領域長)の要求により、気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)気筒休止の特許技術を無視・黙殺する行為を行っている可能性がある。

 特に、環境省の中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス専門委員会や国土交通省の「排出ガス不正事
案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」および「燃費規制強化に携わる自動車燃費基準小委員会」
等のメンバーであるために「準公務員」若しくは「見做し公務員」に相当すると考えられる大聖泰弘教授、飯田訓正教
授、草鹿 仁教授の3氏にプログラムディレクターの杉山雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン技術領域 領域長)がSIP革
新燃焼プロジェクトの研究費を供与し、ディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術である気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)等の気筒休止の技術を無視・黙殺することによって日本のディーゼルエンジンに関
する技術情報を操作する工作を行うことは、賄賂に相当する行為と考えられる。

 そして、この杉山雅則氏(=トヨタ自動車)の賄賂工作の威力のためと推測されるが、大聖泰弘教授、飯田訓正教
授、草鹿 仁教授の3氏を含むの日本の約76名の大学教授の全員は、現時点では気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)等の気筒休止の技術を完全に無視・黙殺しているのが現状のようである。勿論、日本のエンジン専門の学者
は、現時点では気筒休止を凌駕するディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術を何一つ発表・
提案をできていないのが現状である。これについては、プログラムディレクターの杉山雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン
技術領域 領域長)からSIP革新燃焼プロジェクトの研究費を供与さている多数(=約76名)の日本のエンジン専門の
学者は、このSIPプロジェクトの研究費供与の恩義に報いるために現時点でディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改
善やNOx削減)に最も有効な気筒休止を敢えて無視・黙殺している結果、ディーゼル自動車の性能向上(=燃費改善
やNOx削減)が先送りされている可能性がある。

 つまり、現時点においては、多数(=約76名)の日本のエンジン専門の学者は、自動車メーカからの研究費を受領し
ている返礼・報恩の行為として、米国よりも緩い大型トラックのNOx規制を施行し続ける日本政府の怠慢ディーゼル
重量車2016年NOx規制の0.4g/kWhは、不当な緩和の欠陥規制に詳述しているように、ディーゼルエンジンの性能向上
(=燃費改善やNOx削減)の技術である気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を無視・黙殺し、そして
日本の大型トラックのNOx規制が米国より大幅に遅れていることについては何の異議・異論を唱えていないものと推測
される。このように、杉山雅則氏(=トヨタ自動車)からSIPプロジェクトの研究費を供与さている多数(=約76名)の日
本のエンジン専門の学者は、日本の大型トラックのNOx規制の遅延に全面的に協力している可能性が極めて高いと考
えられる。

 そして、ディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術として、大聖泰弘教授、飯田訓正教授、草
鹿 仁教授の3氏を含む日本の約76名のエンジン専門の学者は、英国バーズ大学のクリス・ブレース准教授の主張し
ている現時点で最も有望なディーゼルエンジンの性能向上技術である気筒休止を一致団結して無視・黙殺していること
も、杉山雅則氏(=トヨタ自動車)からSIPプロジェクトの研究費を供与に対する報恩・返礼の一つの証拠ではないかと
考えられる。このことは、大聖泰弘教授、飯田訓正教授、草鹿 仁教授の3氏を含む日本の約76名のエンジン専門の
学者は、杉山雅則氏(=トヨタ自動車)からSIPプロジェクトの研究費の受領との引き換えに、「日本の大型トラックの
NOx規制が米国より大幅に遅らせること」や、「大型トラックの2015年度重量車燃費基準の強化を先送りすること」に重
要な役割を果たしていることになる。このことは、約76名のエンジン専門の学者が近い将来に日本の国民が得るべき
大気環境改善と大型トラックの燃費向上の利益享受を阻害していることになると考えられる。つまり、日本の約76名も
のエンジン専門の学者は、日本国民の犠牲と引き換えに研究費の受領する自己の利益を得ていることになり、学者と
しての良心をキッパリと捨てた実に卑しい人達ではないかと考えられる。

 また、大聖泰弘教授、飯田訓正教授、草鹿 仁教授の3氏を含む日本の約76名のエンジン専門の学者がディーゼル
エンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)の技術である気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)等の気筒休止
の存在を日本国内で主張・公表・発表する時期は、2020年頃と予想される。何故ならば、この2020年に時期に気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術によるディーゼルエンジンの性能向上(=燃費改善やNOx削減)が可能
であることが明らかになった場合には、その4〜5年後の2025年近傍に日本の大型ディーゼルトラックについての「米国
と同等レベルのNOx規制の強化」と「「大型トラックの2015年度重量車燃費基準の強化」を実施することについては日
本の自動車関係の規制強化のスケジュールとしては誰の異議を唱える学者・専門家が現れないと考えられる。それ
は、これまでの自動車関係の規制強化の場合と同様の日程であるためだ。

 このように、次期の大型ディーゼルトラックのNOx規制と燃費基準の新たな強化を2025年近傍に実施することが実現
できれば、気筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化にも詳述しているように、気筒休止エンジン(特許公開2005
-54771)の特許技術の特許権が2024年5月に終了するため、この特許技術気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の特許技術の実施料を負担しないでトラックメーカが自由自在に自社の大型トラックに採用することが可能となる。こ
のことは、プログラムディレクターの杉山雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン技術領域 領域長)が大聖泰弘教授、飯田
訓正教授、草鹿 仁教授の3氏を含む日本の約76名のエンジン専門の学者にSIP革新燃焼プロジェクトの研究費を供
与する工作により、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)等の気筒休止の存在を2020年頃まで日本の約76名の
エンジン専門の学者に無視・黙殺して貰う謀略が成功したことになると考えられる。その場合には、トラックメーカにとっ
ては笑いの止まらぬ話と考えられる。

 なお、ポンコツ元技術屋の筆者の予想では、プログラムディレクターの杉山雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン技術領
域 領域長)は、特許の権利が2024年5月に終了する気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許実施料を支払
うこと無しに自由自在に自社大型トラックに採用することが可能となる利益を得る謀略・工作のために、自動車メーカが
資金提供するSIP革新燃焼プロジェクト研究費を「準公務員」若しくは「見做し公務員」である大聖泰弘教授、飯田訓正
教授、草鹿 仁教授の3氏に供与するという、日本のディーゼルエンジンに関する技術情報を操作する賄賂贈与?の活
動を行っていると推測される。これは、驚くべき事象である。このような大聖泰弘教授、飯田訓正教授、草鹿 仁教授の
3氏に対する賄賂贈与の犯罪行為?によって日本の大型ディーゼルトラックのNOx規制や燃費規制の強化を先送りす
るための杉山雅則氏(=トヨタ自動車)の違法?な工作は、大いに問題のあることではないかと思うが、如何なもので
あろうか。

 少なくとも現時点では、SIP革新燃焼プロジェクトのプログラムディレクターの杉山雅則氏(=トヨタ自動車・エンジン技
術領域 領域長)は、賄賂の贈与によって気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の気筒休止の特許技術を日本の
エンジン関係の学者に無視・黙殺をさせることに成功していると考えれるのではないだろうか。そして、このような賄賂
の贈与と収賄を放置されている日本は、他国から不法行為が横行する三流国家であると言われても仕方の無いことに
なるのではないだろうか。また、杉山雅則氏(=トヨタ自動車幹部)の違法?な行為は、これまでのトヨタ自動車の崇高
な法令遵守(企業コンプライアンス)や企業の社会的責任の完遂の立派な宣言とは整合性が無いように思うが、如何な
ものであろうか。

12.大型トラックにおける走行燃費や重量車モード燃費の改善の過去・現在・未来

 そもそも、大型トラックにおいては、NOx削減に比較し、走行燃費や重量車モード燃費の改善は極めて困難である。し
かし、それでもトラックメーカは、1970年代前半の第1次オイルショック以来、激しい燃費競争に打ち勝つために懸命に
大型トラックの走行燃費や重量車モード燃費の改善に努めてきたのである。その不断の努力の結果、現在の大型ディ
ーゼルトラックでの走行燃費が達成されている。そこで、以下の表29には、第1次オイルショックを契機として燃費改善
の市場ニーズが高まった1970年頃以降について、大型トラックにおける5% 程度以上の走行燃費や重量車モード燃費
の改善が実際に実現されてきた技術を、年代順に整理した。また、この表41には、仮に近い将来に国土交通省が
2015年度重量車燃費基準から10% 程度の燃費基準のを強化が実施された場合において、各トラックメーカが不本意
にも採用せざるを得ない大型トラックの重量車モード燃費の改善技術についても付記したので、ご覧いただきたい。

表29 第1次オイルショック以降の大型トラックでの走行燃費や重量車モード燃費の改善技術(燃費+5%以上)
暦 年
燃費向上の技術内容重量車燃費基準の施行
新たな技術の導入による燃費改善
1970年代前半
・「予燃焼室ディーゼル」から「直噴式ディーゼル」に変更
 +10〜+15% 程度の改善
(走行燃費)
1980年代後半
・「無過給ディーゼル」から「インタークラ過給ディーゼル」に変更
+5% 程度の改善
(走行燃費)
2001年度
・トラックの「アイドルリングストップ」の実用化
(いすゞ自動車が省エネ大賞を受賞し、その後、この技術がトラック・バ
スに広く普及)
+5% 程度?の改善
(走行燃費)
2006年4月1日
・2015年度重量車燃費基準が施行
(この基準に適合した大型トラックに優遇税制の適用を開始)
2005〜2012年
・「7段マニュアルトランスミッション」から
「12段機械式自動トランスミッション」に変更

(大型トラックに高価な「12段機械式自動トランスミッション」を搭載
することにより、日本のトラックメーカは、大部分の大型トラックを
2015年度重量車燃費基準に辛うじて適合)

 +5% 程度の改善
(重量車モード燃費)

(2015年度重量車燃費基準を達成)
2014年
・「バイメタル式ファンカップリング」から「電子制御オートクールファンカップ
リング」に変更
・「従来型ウォーターポンプ」から「電子制御可変流量ウォーターポンプ」
に変更
(出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/
140529/140529.html
+5% 程度の改善
(重量車モード燃費)

(2015年度重量車燃費基準の+5%を達成
近い将来
 2015年?〜
気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)」の特許技術
を採用?

(近い将来に2015年度重量車燃費基準を10%程度の強化を図った
新たな燃費基準の強化を国土交通省が実施した場合には、
は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を大型
トラックに一斉に採用されるものと予想される。何故ならば、重量車
モード燃費を 5〜10% 程度もの改善を可能にする技術は、
今のところ、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の他には
見当たらないためである。)

日野自動車の「吸・排気弁停止式の気筒休止システム」は、
日野自動車が論文発表した燃費改善機能の劣る気筒休止システム
に示したように、エンジン部分負荷時に休止できる気筒数が
少数に止まる構造的な欠陥のため、トラックの走行燃費を改善
する技術としては失格である。)
 +5〜+10% 程度?の改善
(重量車モード燃費)

(2015年度重量車燃費基準の+10%以上
の低燃費化を達成

次期の重量車燃費基準に適合可能?

 以上のように、1970年代前半の第1次オイルショック後の大型トラックにおいて、 走行燃費や重量車モード燃費を
5% 程度の改善を実現するために採用されてきた技術は、以下の5項目である。

@ 「直噴式ディーゼル」
A 「インタークラ過給ディーゼル」
B 「アイドルリングストップ」
C 「12段機械式自動トランスミッション」
D 「電子制御オートクールファンカップリング」と「電子制御可変流量ウォーターポンプ」の組合せ

 以上の諸技術の中のDの 「電子制御オートクールファンカップリング」と「電子制御可変流量ウォーターポンプ」の組
合せは、最近(=2014年6月)、三菱ふそうの大型トラックに初めて採用された技術である。もっとも、「電子制御オート
クールファンカップリング」は数十年も昔から普及したFF駆動乗用車(=フロントエンジン・フロントドライブの乗用車)に
採用されている「電動冷却ファン」と機能・効能が似た技術であり、「電子制御可変流量ウォーターポンプ」は最近のハ
イブリッド乗用車に採用されている「電動ウォーターポンプ」と機能・効能が似た技術である。したがって、 「電子制御
オートクールファンカップリング」と「電子制御可変流量ウォーターポンプ」は、既に乗用車に採用済みの燃費改
善の機能・効能を有した類似技術を大型ディーゼルトラックに流用したと見ることができる

 このように、 「電子制御オートクールファンカップリング」と「電子制御可変流量ウォーターポンプ」は、乗用車での燃
費改善の機能・効能を応用した技術であるため、大型トラックの分野で新たに独自に開発された新規の燃費改善技術
と呼ぶことには少し躊躇されると考えられる。しかしながら「電子制御オートクールファンカップリング」は水温に応じて
可変制御して効率的なエンジン冷却を実現するために必要に応じて冷却ファンを回すことで駆動損失を低減し、「電子
制御可変流量ウォーターポンプ」は、電動冷却ファンと同様にで必要に応じて冷却水量を循環させてエンジンを効率的
に冷却してウォーターポンプの余分な駆動損失を低減することにより、「大型トラックにおける+5% 程度の重量車
モード燃費の、改善が可能」となる。これによって、2014年の時点において、大型トラックは、2015年度重量車燃費基
準の+5%の低燃費化が実現できたようである。

 以上のように、長い年月にわたる技術者・専門家の地道な努力によって、大型トラックにおける+5%程度の走行燃
費の向上を可能にする技術が実用化されてきたのである。このような燃費改善の技術開発の経緯・実績を見ると、大
型トラックの走行燃費や重量車モード燃費の+5% 程度を改善することが如何に難しいことが判る筈である。したがっ
て、近い将来に大型トラックの実走行燃費や重量車モード燃費が+5%程度以上 の改善を実現できる新しい燃費向
上の技術を特定することは、極めて難しいことである。これについて、筆者が考えるところでは、現時点において大型ト
ラックの実走行燃費や重量車モード燃費が+5%程度以上 の改善を可能にする技術は、今のところ、気筒休止エンジ
ン(特許公開2005-54771)の他には存在しないと考えている。つまり、ポスト新長期排出ガス規制(=2009年規制)
適合の仕様に「電子制御オートクールファンカップリング」と「電子制御可変流量ウォーターポンプ」を採用した
大型トラック(=2015年度重量車燃費基準+5%の達成の大型トラック)に、新たに気筒休止エンジン(特許公
開2005-54771)の特許技術を組合せることにより、2015年度重量車燃費基準から+10%以上の燃費向上を
達成した大型トラックが実現できると云うことである。

 因みに、最近の大型の外航船では、燃料費の削減を図る目的のために、船速を低く抑えた減速運航が日常的に広く
実施されているとのことである。特に、コンテナ船は、燃料費の削減を図る目的のために、定格出力の40%〜10%の
エンジン出力で航行する大幅な減速運航が実施されているようである。その場合、エンジンの気筒休止は、減速運航
時の更なる燃費向上が可能に詳述しているように、筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術
は、船舶の大幅な減速運航の更なる燃費の向上を図ることが可能となる。そのため、近い将来、気筒休止エンジン(特
許公開2005-54771)の特許技術は、大型トラックだけで無く、大型の船舶においても広く採用されるものと推測される。

13.大型トラックのNOx削減と燃費改善に有効な特許技術に対する恣意的な嫌悪・忌避

 仮に、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)がポンコツ元技術屋の筆者の提案する特許技術であるが故に、ディ
ーゼルエンジン関係の日本の学者・専門家・技術者が、この特許技術を無視・黙殺をしているのであれば、それは、彼
らの自尊心・プライドが許さないための行為・行動ではないかと推察される。これは、日本の学者・専門家・技術者は、
一般の大多数の日本人と同じく、強い嫉妬心(=僻み[ひがみ]、妬み[ねたみ]、嫉み[そねみ]、やっかみ、ヤキモチ
の心)の性癖が原因かも知れない。そのような日本の学者・専門家・技術者の職場での行動についてのインターネット
の掲示板の投稿を以下表30に示す。

表30 日本のメーカの研究部門の内情についてのインターネットの掲示板の投稿
41 :名無しさん@3周年:2011/06/30(木) 19:34:23.34 ID:jIUpqnBQ
研究職の職場で、20年先行開発をやってきたけど 
延々 新しい物を発明し その新発明を武器に 上司は他を蹴落として行く 

蹴落された人は 上司を恨むよりも、発明をした人を恨み 
「いつかアイツを・・」と 新発明をするたびに自分への呪いが増して行く 

 この表27の掲示板の投稿を見ると、蹴落された人は、「蹴落とした上司」を恨むのでは無く、蹴落とされネタ・材料因
子・呼び水を作った「発明をした人」を恨むとのことである。それにしても、会社のために真面目に仕事をした「発明をし
た人」にとっては迷惑なことである。これは、嫉妬心の強い精神構造の人間は、新しい技術を「発明をした人」を徹
底的に恨むと云うことであろうか。つまり、日本人の中には、発明者の能力に対して心底から嫉妬する人が多
いのではないかと考えられる。このインターネットの掲示板の投稿に見られるような日本人の精神構造や行動パター
ンから推察すると、日本の学者・専門家・技術者が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を完璧に無
視・黙殺する原因として、日本人には嫉妬心の強い人が多いのではないかとの推測は、あながち間違っていないと考
えられるが、如何なものであろうか。そのため、この気筒休止システムを発明したポンコツ元技術の筆者は、日本のデ
ィーゼルエンジン関係の学者・専門家・技術者から恨まれている可能性がある。くわばら、くわばら・・・・・。
 
 何はともあれ、日本の学者・専門家が今後も飽きもせずに機会のある毎に盛んにデ「ィーゼルエンジンの解決すべき
課題」だけを声高に主張し続けるだけでは、ディーゼルエンジンの課題を解決できる技術を発案する能力が無ければ、
ディーゼルエンジンの「DPFの強制再生頻度の減少」、「エンジンの低負荷時(=排気ガス温度の低温時)における尿
素SCR触媒のNOx削減率の向上」、「燃費改善」、および「JE05モード(or WHTCモード)でのコールドスタート試験にお
けるNOx排出の削減」の課題を解決したクリーン・ディーゼルエンジンは、未来永劫、実現できないのである。果たし
て、日本の学者・専門家は、彼らの中からクリーン・ディーゼルエンジンが実現できるディーゼルエンジンの全ての課題
を解決できる技術を発案する人物が現れること願って神や仏に祈り、幸運の到来を気長に待つのであろうか。これが
事実であれば、究極の他力本願である。そして、現状では、日本のディーゼルエンジン関係の学者・専門家は、ディー
ゼルエンジンに課されている課題だけを主張する「欠陥?」、「出来損ない?」な記事・論文・講演を発表し続けると推測
される。しかしながら、このページを読まれた技術者は、世の中には如何に無駄な内容の技術情報が数多く発信され
ていることを実感されるのではないだろうか。このように、日本の学者・専門家・は、トラック・バスの重要な課題だけを
口々に唱えながら、課題を解決する手段・技術を求めて闇の中を「さ迷い続ける」ような惨めさを味わっているのが現
状ではないだろうか。これは、自業自得と考えられる。

 この日本の学者・専門家の馬鹿げた痩せ我慢」の状況を見ると、何とも「ご苦労なこと」であり、「哀れ」としか言い様
のない状況に思えるのである。その一方でトラック・バスのユーザは、これからも引き続いて重要な課題が未解決の欠
陥?を抱えたトラック・バスを購入し、使用せざるを得ない苦労を強いられ続けることになる。このような日本の学者・専
門家の痩せ我慢」によって、最も迷惑を被っているのトラック・バスのユーザである。この状況を見ると、日本の学者・
専門家には、トラック・バスのユーザの不利益に思いが及ばない身勝手な人達が揃っているように思うが、如何なもの
であろうか。

 もっとも、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用しない場合には、トラック・バスの実走行時やJE05
モード(or WHTCモード)の重量車排出ガス試験時における「DPFの強制再生頻度の減少」、「エンジンの低負荷時にお
ける尿素SCR触媒のNOx削減率の向上」、「燃費改善」、および「JE05モード(or WHTCモード)でのコールドスタート試
験におけるNOx排出の削減」の課題の解決が出来ないため、それほど遠くない時期に気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)の特許技術を無視・黙殺することが困難になると思うが、果たして如何なものであろうか。しかし、近い将
来には、ディーゼルエンジンの課題を解決せざるを得ない時代が間違い無く到来すると考えられるため、その時には、
ディーゼルトラック・バスに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が全面的に採用されるものと予想し
ている。 

 何はともあれ、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術が現在のディーゼルトラック・バスの抱えている
課題を殆んど解決できる機能・効能を有していることは、間違いないと考えられる。しかし、現時点では、大型トラックの
NOx削減と燃費向上に有効な気筒休止を黙殺する学者諸氏に詳述しているように、多くの日本の学者・専門家や中央
環境審議会の自動車排出ガス専門委員会は、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を頑なに無視・
黙殺しているようである。これについては、筆者には全く理解できないことだ。

 ところで、余談となるが、英語の諺に「馬を水辺に導くことはできるが、(馬にその気がなければ)水を飲ませることは
できない」【A man may lead a horse to the water, but he cannot make him drink(unless he will)】と云うものがある。
これは、2015年度重量車燃費基準に不適合の大型トラック・トラクタの車種を数多く抱えているトラックメーカが、気筒
休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を頑なに黙殺している様子に当て嵌まりそうだ。

 また、「水を飲む気の無い馬に水を飲ませるためには、喉が渇くまで馬を無駄に走らせろ!(=喉が渇くまで馬を放っ
て置け!)」との裏バージョンの諺もあるようだ。この裏バージョンの諺の趣旨に沿ってトラックメーカの行動を予測する
と、各トラックメーカが従来通りの燃費改善に無効な技術の開発を継続して2015年度重量車燃費基準に不適合の大型
トラック・トラクタの車種が一掃できないことを悟り、多くの開発の源資(=開発の人工、設備、資金)を浪費してしまった
後に嫌々ながらも気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術開発に着手する場合が考えられる。このような、
トラックメーカにおける燃費向上の誤った開発行為の顛末は、この裏バージョンの諺にもピッタリと当て嵌まるのではな
いかと思っている。

 因みに、現在、各トラックメーカが開発を推進中と云われている「コモンレールによる300MPaレベルの超高圧噴射」、
「3段過給(or2段過給)」、「カムレスシステムを用いたHCCI燃焼(=PCI燃焼)」の組合せ技術は、既にNEDO 革新的
次世代低公害車総合技術開発の「超高度燃焼制御エンジシステムの研究開発(研究期間:2004年8月〜2009年3月、
予算:8億円以上)」の成果報告http://app3.infoc.nedo.go.jp/gyouji/events/FK/rd/2008/nedoevent.2009-02-16.
5786478868/shiryo.pdfに明記されているように、燃費削減の困難なことが既に実証されているのである。したがって、
現在のところ、大型トラック・トラクタの全ての車種を2015年度重量車燃費基準に適合させる実用化の容易な技術は、
筆者が提案している気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の他には無いと思っている。

 ついでに申し上げると、2016年3月3日に国土交通省は、クリーンディーゼルエンジンが搭載と宣伝して市販されて
いる現行のランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車は、東京近郊の冬場の10℃近傍以下での路上走行では
保護制御ソフトによってNOx削減装置を停止させるためにNOx規制値の2.9倍〜12.7倍の高濃度のNOxを垂れ流
す欠陥?のあることを発表した。しかし、驚くことに、国土交通省は、この冬場の路上走行でNOxを垂れ流すランドクル
ーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車がエコカー減税の政府の優遇策を受けて今後も市販することを承認しているよう
である。

 因みに、欧州のディーゼル自動車では、2017年9月には「路上走行のNOx排出値が台上試験のNOx基準値の2.1
倍以内」の路上走行のNOx排出値に規制する予定を既に発表している。しかし、朝日新聞デジタルの2016年3月5日
の報道j記事によると、日本の国土交通省は、これから5年後(=2021年2月頃?)に欧州と同様のディーゼル自動車
での路上走行のNOx排出値の規制実施を検討し始めたようである。これが事実であれば、東京近郊の冬場の10℃近
傍以下での路上走行でNOx規制値の2.9倍〜12.7倍の高濃度のNOxの垂れ流しの欠陥を改善したランドクルー
ザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車は、2021年2月頃になるまで、日本では市販されない可能性もあると考えられる。
これは、トヨタ自動車がランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車の路上走行での高濃度のNOxの垂れ流しの欠
陥を改善できる技術が未開発と、国土交通省が認識しているためであろうか。

 ところが、この現行のランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車に気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
特許技術を採用した場合には、冬場の路上走行で高濃度のNOxの垂れ流す欠陥を容易に改善することが可能であ
る。つまり、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用したランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディー
ゼル車は、冬場の路上走行においても、NOx規制値のクリーンなNOx排出状態でのの運航が可能になる。これにつ
いては、気筒休止は、プラド(トヨタ)ディーゼル車の冬場のNOx垂れ流しの欠陥を改善に詳述しているので、興味のある方
は、御覧いただきたい。

 以上のことから、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を無視する各トラックメーカの研究開発の姿勢を見る限
り、現在の各トラックメーカにおける大型トラックの「燃費削減」や「NOx削減」の技術開発の取り組みは、的外れと言っ
ても過言ではないような気がしている。今後、時が経てば、そのことが証明されるのではないだろうか。しかしながら、
仮に、筆者が提案している気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を大型トラックに採用した場合にトラックの運航に
致命的な不具合が生じてしまうのであれば、筆者は本ホームページで自身が好き好んで自らの恥をさらし続けているこ
とになる。

 そのため、このページをご覧になられた方がこの気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)には致命的な欠
陥のあることを気付かれた場合には、その内容を御指摘いただければ幸いである。それと同時に、この気筒休
止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術よりも優れた「燃費改善」と「NOx削減」の両方が実現できる技
術をご存じの場合には、その内容を是非ともお教えいただきたいと思っている。仮に、気筒休止エンジン(特許公
開2005-54771よりも優れた技術が世の中に既に存在している場合には、筆者がホームページで自身の無知を丸出し
にしながら独り善がりの恥を晒していることになるた。その場合には、即刻、このページを訂正、若しくは消去したいと
思っている。

 最後に、上記本文中で誤り等がございましたら、メール等にてご指摘下さいませ。また、疑問点、ご質問、御感想等、
どのような事柄でも結構です。閑居人宛てにメールをお送りいただければ、出来る範囲で対応させていただきます。

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新燃料自動車技術研究センターの研究テーマ紹介パンフレットのコピー
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2010年2月24日での「トラック」+「低燃費」の2語のYahoo検索結果
2010年2月24日での「トラック」+「低燃費」の2語のYahoo検索結果 
2009年6月11日での「ポスト新長期」の1語のYahoo検索結果
2009年6月11日での「ポスト新長期」の1語のYahoo検索結果