![]()
最終更新日:2015年4月3日
1.日本、欧州(EU)、米国(US)の大型トラックのNOx規制の変遷
図1を見ると明らかなように、少し以前までは、日本の大型トラックのNOx規制値は、米国のNOx規制値より少し厳し
いか、それとも同等のレベルであった。しかし、何故か最近では、米国のNOx規制よりも緩いNOx規制を日本で実施す る方針に大きく舵を切られたようだ。このように、環境省・国土交通省が環境行政の大きく方針を変更し、米国のNOx 規制値に比較して、日本のNOx規制値を緩いレベルに設定した理由は、一体、何なのであろうか。そして、少し以前に なるが、環境省の中央環境審議会の2010年7月の第十次答申では、2016年に実施予定としたNOx 規制強化は、NOx = 0.4 g/kWhである。この2016年に実施される日本での大型トラックのNOx規制値の答申であるNOx = 0.4 g/kWhは、 米国での現行のNOx規制値=0.27 g/kWh(=2010年規制)よりも大きく緩和された規制となっている。
このような、日本の大型トラックのNOx規制値が米国の大型トラックのNOx規制値よりも緩いNOx規制を実施するこ
とによって利益を得るのは、NOx低減の研究開発の投資を削減できるトッラックメーカだけと考えられる。そして、その 犠牲を被るのは、劣った大気環境の中で日常の生活を強いられる日本の多くの一般市民であることは確かだ。信じら れないことではあるが、環境省・国土交通省の排出ガス規制を担当する人達は、米国人に比べて日本人の方が生命 力があるとの考えから、日本の大気環境が米国よりも、多少、劣っていても良いと判断されているのであろうか。仮に、 そうだとすれば、筆者には信じられないことである。 ![]()
2.最近、米国(US)よりも緩い日本での大型トラックのNOx規制の現状
中央環境審議会が2010年7月の第十次答申で発表した2016年に実施予定の大型トラックのNOx = 0.4 g/kWhの規
制強化である。しかし、この第十次答申で発表された大型トラックのNOx = 0.4 g/kWhの規制強化は、2005年に発表さ れた第八次答申に記載されている将来のNOx削減の目安としての大型トラックのNOx削減の挑戦目標である0.7 g/ kWhの 1/3程度(= 0.23 g/kWhレベル)を完全に無視したものだ。そして、第十次答申には、第八次答申に明記され た将来のNOx削減の目安として大型トラックのNOx削減の挑戦目標(NOx=0.23g/kWh)を反故にした屁理屈とも思える 理由が堂々と羅列されているのである。
このように、第八次答申に明記された将来の大型トラックのNOx削減の挑戦目標(NOx=0.23g/kWh)から大幅に緩和
されているのだ。その結果、図2に示した通り、日本の次期の大型トラックのNOx規制は、2016年の実施予定でも NOx = 0.4 g/kWh)であり、2010年の米国のNOx規制(NOx = 0.27 g/kWh)よりも相当に緩いNOx規制が実 施され続けられるようである。この大型トラックのNOx = 0.4 g/kWhと言うような、大きく緩和されたと見られる日本の 大型トラックの2016年の次期NOx規制値が中央環境審議会の第十次答申で答申された根拠について、本当の理由を 知りたいところである。 ![]()
さてさて、環境省・国土交通省の排出ガス規制を担当する人達は、この先もずう〜っと米国のNOx規制よりも緩い大
型トラックのNOx規制を日本で実施し続ける方針なのであろうか。そして、この状況を見ると、最近の環境省・国土交通 省の人達は、トラックメーカの意向を重要視する一方、日本国民の健康被害への関心が薄れて来ているようにも思え るが、これは筆者の単なる個人的な偏見であろうか。、米国のNOx規制よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制の現 状を改訂・改善できる時期を明示しないでそのまま放置しているような状況が続くのであれば、近頃の環境省・国土交 通省の官僚は、本来の業務を放棄し、惰眠を貪っているようにも見えるのである。このようなことは、多くの国民にとっ ては、たいへん不幸なことだ。果たして、日本政府(=環境省・国土交通省)は、米国のNOx規制よりも緩い日本 の大型トラックのNOx規制を、いつまで続けて行くのであろうか。願わくば、早い時期に、このような状況を打ち止 めにして欲しいものである。
そもそも、現在の「米国のNOx規制よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制」は、規制値が決定される現在の制度
では、形式的には環境省・国土交通省の排出ガス規制を担当する人達の意思・意見・意向で決定されたものでは無い ようだ。正確には、我が国のトラックメーカ(=自動車工業会)からの「ヒアリング」と称する公式の要望・意向も加味して 中央環境審議会が環境省に提出する答申を基に、排出ガス規制の規制値と規制実施時期が決定されるとのことであ る。したがって、環境省・国土交通省の排出ガス規制を担当する人達は、「米国のNOx規制よりも緩い日本の大型トラ ックのNOx規制」に対して多くの国民から批判を受け、その責任を追及されたとしても、「俺たちには責任が無い」と反 発できる手法・手続きとなっているようだ。そうは言っても、実際には環境省・国土交通省の排出ガス規制を担当する 人達の何らかの意思・意見・意向が反映された結果、現状では「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制」のNO x規制値が施行されていると考えているのは、筆者だけであろうか。
3.米国(US)と同等以上のNOx規制強化を日本で実施できる大型トラックのエンジン技術
そもそも、中央環境審議会の第八次答申(2005年1月)では、現在の米国のNOx規制(NOx = 0.27 g/kWh)よりも厳
しい日本の大型トラックのNOx規制値挑戦目標と称する「0.7 g/kWhの3分の1」(=0.23 g/kWh)のNOx削減の目標が 掲げられていたのである。そのため、トラックメーカを含む日本の殆どの大型トラック用ディーゼルエンジンの関係者 は、中央環境審議会の第十次答申では、大型トラックの次期のNOx規制強化案としては「0.7 g/kWhの3分の1」(=0. 23 g/kWh)のNOx規制値の案が答申されるものと予想していたようだ。ところが、2010年7月に環境大臣に提出された 削減のそれにもかかわらず、その後、突然、中央環境審議会は、それまでの第八次答申(2005年1月)中央環境 審議会の第十次答申では、第八次答申(2005年1月)の「大型トラックのNOx規制値挑戦目標(=0.23 g/ kWh)」を完全に反故とし、それまでのNOx規制強化の目標を大幅に緩和したNOx = 0.4 g/kWhの緩い大型ト ラックのNOx規制案を答申したのである。このように、中央環境審議会がわが国の大型トラックの次期NOx規制とし てNOx = 0.4 g/kWh(2016年実施)の緩いNOxのレベルの第十次答申(2010年7月)を環境大臣に提出したことは、筆 者を含めて多くの大型トラック用ディーゼルエンジンの関係者にとっては、驚愕の出来事であった。
何しろ、米国の大型トラックでは、既にNOx規制値=0.27 g/kWh(=2010年規制)を行っているのである。それにもか
かわらず、中央環境審議会は、2016年に日本の大型トラックでのNOx = 0.4 g/kWh(2016年実施)の緩いレベルのNO xの規制を行いことを求めた第十次答申(2010年7月)を環境省に提出したのだ。この大型トラックのNOx規制強化につ いては、中央環境審議会・大気部会・自動車排出ガス専門委員会の学者・専門家が2010年7月の第10次答申でのNO x = 0.4 g/kWh(2016年実施)のレベルに規制強化を緩和することを決定した結果、日本の大型トラックのNOx規制は、 2016年以降においても「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制値」の排出ガス規制が継続される可能性が決 定的になったのである。その理由は、日本のトラックメーカ(=日本自動車工業会)や多くの研究機関の専門家が中央 環境審議会・自動車排出ガス専門委員会に対し、これまで必死にNOx削減の技術開発に取り組んできたにもかかわ らず、NOx削減の技術開発が思惑通りに進展せず、NOx削減の技術開発に大きな成果が得られなかったことを説明 し、日本の技術では「米国と同等レベルのNOx規制値は、日本の大型トラックでは達成が困難」であることを説得した 結果ではないかと推察される。
しかし、果たして本当に、日本の技術では「米国と同等レベルのNOx規制値は、日本の大型トラックでは達成が困難」
であるのであろうか。このことについて、筆者は大いに疑問に思っている。何故ならば、気筒休止エンジンによる大型ト ラックの低燃費化および気筒休止は、ディーゼルのNOx削減と燃費向上の一挙両得の技術だ!に詳述しているよう に、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用した過給ディーゼルエンジンを実用化すれば、米国のNO x = 0.27 g/kWh(2010年規制)よりも厳しいNOx = 0.23 g/kWhのNOx規制値を達成した大型トラックが容易に実現でき るのである。したがって、日本の大型トラックが米国よりも厳しいNOx = 0.23 g/kWhのNOx規制値に適合できない最大 の理由は、中央環境審議会・自動車排出ガス専門委員会、日本のトラックメーカ(=日本自動車工業会)や多くの研究 機関の専門家が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を頑なに黙殺・無視を続けている結果と考えてい る。
これまで、日本のトラックメーカ(=日本自動車工業会)や多くの大学・研究機関のディーゼルエンジン関係の学者・専
門家は、必死に大型トラック用ディーゼルエンジンのNOx削減の技術開発に取り組んできたにもかかわらず、思惑通り の技術開発を進展させることができなかったため、NOxを十分に削減できる新たな技術開発を成功させることができ なかったことは間違いないようだ。その結果、日本の技術では「米国と同等レベルのNOx規制値は、日本の大型トラッ クでは達成が困難」となったため、現状では「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制値」の排出ガス規制が施 行せざるを得ない破目に陥っているのだ。日本がこのような悲惨な状況にあることついて、日本の指導的なディーゼル エンジンの学者・専門家は、未だに何の反省もしていないようにも見えるのである。
一方、燃費とNOxとのトレードオフの関係から燃費とNOxを同時に削減することが困難であることがディーゼルエンジ
ンでの昔からの未解決の課題として昔から誰もが認めていることである。しかし、筆者が新たに提案している気筒休止 エンジン(特許公開2005-54771)の技術は、このディーゼルの燃費とNOxとのトレードオフの課題を初めて解決し、燃費 とNOxとの同時の削減を可能にした画期的な新技術である。なお、この技術の詳細については、気筒休止は、ディーゼ ルのNOx削減と燃費向上の一挙両得の技術だ!のページを御覧いただきたい。そして、このディーゼル気筒休止の 技術は、筆者が2006年4月7日に開設したホームページで公開しているが、日本の学者・専門家は未だに無視・黙殺し 続けているのである。
そもそも、現在の日本において、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)よりも優れたディーゼルエンジンの「NOx
削減」および「燃費向上」を可能にする技術が既に実用化され、日本では米国よりも厳しい大型トラックのNOx規制値 が施行されているのであれば、日本の学者・専門家が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を無視・黙殺 していることについて、筆者は何の異論も無い。しかし、現在の日本の実情は、大型トラックの有効なNOx削減の技術 が未開発の状況に陥っているために、日本では「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制値」の排出ガス規制が 施行されおり、なお且つ、日本の大型トラックの次期NOx規制値(2016年実施)も依然として米国よりも緩いNOx規制値 案が環境省・中央環境審議会から恥ずかしげもなく堂々と答申されているのである。
この状況は、日本のディーゼルエンジンの学者・専門家が技術開発の能力不足?のために、現在の日本におけるデ
ィーゼルエンジンのNOx削減の技術開発が思うように進捗しなかったことが原因で引き起こされた可能性がある。それ にもかかわらず、日本を代表するディーゼエンジンの学者・専門家は、ディーゼルのNOxと燃費とを同時に削減できる 画期的な技術の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を頑固に無視・黙殺しているのだ。このように、日本のディ ーゼルエンジンの学者・専門家は、大型トラックの有効なNOx削減の技術開発の失敗によって「日本が米国よりも緩い 大型トラックのNOx規制」に状態であることに責任を感じることも無く、その上、傲慢にも彼らが自らのプライドが傷つく ことを恐れてディーゼルのNOxと燃費とを同時に削減できる優れた機能・効果を発揮する気筒休止エンジン(特許公開 2005-54771)の技術を無視・黙殺しているようだ。これについては、大型トラックのNOx削減と燃費向上に有効な気筒 休止を黙殺する学者諸氏にも詳述しているので、興味のある方は御覧いただきたい。
このような状況を続けていると、日本はいつまでたっても「米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx規制値」の排出
ガス規制を施行し続ける恐れが多分にありそうだ。それでも、驚いたことに、米国よりも緩い日本の大型トラックのNOx 規制が施行されている現状においても、筆者の提案する気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術は、日本の ディーゼルエンジンの学者・専門家から無視・黙殺され続けているのである。このように、ディーゼルエンジンのNOxを 削減する有効な技術を何も見い出していない日本のディーゼルエンジンの学者・専門家が、ディーゼルの燃費とNOxと のトレードオフの課題を初めて解決し、燃費とNOxとの同時の削減を可能にした画期的な新技術である気筒休止エン ジン(特許公開2005-54771)を必死で否定・黙殺・無視する様子を見ていると、彼らが「自己保身の優先」、「職務遂行 への無責任さ」、「技術者・研究者としての良心の欠如」の権化のように見えるのである。
これは、何とも哀れなことだ。日本のディーゼルエンジンの学者・専門家が、この気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)のような新しい技術を黙殺・無視することに多くの精力を費やしても、「米国よりも緩い日本の大型トラックのNO x規制」の状況改善する助けになり得ないことは明白だ。そして、このよう状況が続くことは、国民にとっては迷惑そのも のである。今のところ、この状況を逸早く抜け出すためには、筆者提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の 技術を採用した大型トラックを早期に実用化することではないだろうか。
もしも、仮に、筆者が提案している大型トラックのNOxを顕著に削減できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)
の技術を日本のディーゼルエンジンの学者・専門家が無視・黙殺をしていなかったならば、以前の中央環境審議会の 第八次答申(2005年1月)の挑戦目標と称する「0.7 g/kWhの3分の1」(=0.23 g/kWh)のNOx削減の目標が実現できた のである。そして、中央環境審議会・自動車排出ガス専門委員会は、第八次答申(2005年1月)の挑戦目標を素直に踏 襲し、2010年7月にNOx = 0.23 g/kWh(2016年実施)の第10次答申を環境省に提出できたのだ。そのように考えると、 日本のトラックメーカ(=日本自動車工業会)や多くの大学・研究機関ならびに中央環境審議会・自動車排出ガス専門 委員会自動車排出ガス専門委員会の学者・専門家は、これまで頑なに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技 術を無視・黙殺し続けてきたことが大きな誤りであったこに気付き、これを悔い改めるべきと思うが、如何なものであろ うか。
4.気筒休止の適用で大型トラックが適合可能となる将来の燃費規制とNOx規制のレベル
中央環境審議会の答申等について、ディーゼル重量車についてのNOx規制強化に関する最近の動向を以下の表1
にまとめた。
前述の通り、NOx規制については、環境省の中央環境審議会は、2005年4月の第八次答申には、ディーゼル重量車
について、0.7 g/kWhの 1/3程度(= 0.23 g/kWh)のNOxの挑戦目標が示されている。したがって、ポスト排出ガス規 制に続く2009年にNOx規制強化は、当然、このNOxの挑戦目標である 0.23 g/kWhになると多くの人が予想してい た。しかし、中央環境審議会の第十次答申(2010年7月28日に環境省に答申)では、2016年にディーゼル重量車(7.5ト ン超えの新型車)の「第十次答申の許容限度目標値(平均値)= 0.4 g/kWh」(=ホットスタート+コールドスターの WHTCモード試験)の実施が答申された。しかしながら、ディーゼル重量車2016年NOx規制の0.4g/kWhは、不当な緩和 の欠陥規制に詳述しているように、日本のディーゼル重量車のNOx規制は、近い将来には、第八次答申のNOx挑戦目 標と同等のNOx=0.23 g/kWh(=WHTCモード)のレベルに強化すべきことは明らかである。
一方、大型トラックのNOxを削減する技術として、筆者のホームページでは、4年前から気筒休止エンジン(特許公開
2005-54771)を熱心に提案してきたのである。この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、J E05モード排出ガス試験においてエンジンでの運転頻度の高いアクセルペダル踏込み量Accelが50%近傍やそれ以 下のエンジン運転領域では、尿素SCR触媒の活性化による大幅なNOx削減を可能にする機能があるため、JE05モ ード排出ガス試験での 0.23 g/kWhのNOxレベルは、余裕で適合できる筈であった。勿論、2016年に実施予定の次期 NOx規制に採用される新しい世界統一試験サイクルであるWHTC(World Harmonized Transient Cycle)に変更されて も、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、2005年4月の第八次答申の 0.7 g/kWhの 1/3程 度(= 0.23 g/kWh)のNOxの削減目標が達成できることは間違いないと考えている。
る。
また、大型トラックに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、都市内走行モード(JE05モー
ド)と都市間走行モード(縦断勾配付80km/h定速モード)の両モードの燃費が従来のエンジンに比べて大幅に改善 できるため、重量車モード燃費が従来のエンジンの場合に比べて5〜10%も削減できる機能がある。したがって、大 型トラックに気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用することによっては、重量車モード燃費の5%の改善はそ れほどの長い開発期間を設けなくても容易に実現できるのである。
したがって、2016年に実施が予定されている「NOx規制値= 0.4 g/kWh(WHTCモード)のNOx規制強化」とは別に、近
い将来において、仮に大型トラックに「NOx基準 = 0.23 g/kWh(WHTCモード)」と「2015年度重量車燃費基準の+1 0 %程度を向上」を求めた表10の新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」の施策を政府(環境省と国土交 通省)が実施した場合には、この低NOx・低燃費の基準に大型トラックを適合させるためには、各トラックメーカは大型 トラックの燃費改善とNOx削減に有効な気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の研究開発を実施し、この技術を採 用した大型トラックを早急に実用化することが必要である。これによって、わが国の大型トラック分野における「NOxの 削減」、「CO2の削減」および「省エネルギー化」が飛躍的に進展すると考えられる。このことは、省エネルギーやCO2 削減を求める国民の願いを実現することができると共に、トラックユーザにとっては、今後は燃費が改善された大型トラ ックを購入することによって、運行燃費の改善が実現できることになる。したがって、今後、政府(環境省と国土交通 省)が早期に表4の新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」を政府が施行した場合には、政府が国民のため の仕事を立派に果たしているとして、国民全体から、大いに感謝され、称賛されることは間違いない。この表2に示した 新たな「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」については、政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガス基準を 早期に設定せよ!に詳述しているので、興味のある方は、是非とも御覧いただきたい。
因みに、欧州のEEV-NOx排出ガス基準値(過渡モード)は NOx = 0.2 g/kWhであり、米国の2010年NOx規
制はNOx = 0.27 g/kWhであり、日本の2016年規制のNOx= 0.4 g/kWhよりも大幅に厳しいNOx規制が行わ れている。(以下の表2参照)
注 EEV:Enhanced Environmentally Friendly Vehiclesの略。EEV規制値は、大気汚染が特に進行している都市等の地域問題解決のため、メン
バー各国が政策的に使用するための値(例:都市への乗り入れ制限を設ける際の基準として使用)で、暫定値。
4.望まれる政府の強力な指導による気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の開発
このように、大型トラックのNOxを顕著に削減できる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の優れた技術を黙殺・
無視し続けた結果、自動車排出ガス専門委員会の学者・専門家は、過去の中央環境審議会の第8次答申の内容を反 故にしてまで、2010年7月の第10次答申ではNOx = 0.4 g/kWh(2016年実施)のレベルまでにNOx規制値に緩和せざる を得ない状況に陥ったものと推測される。これは、自動車排出ガス専門委員会の学者・専門家の自業自得と言うことに なるのではないだろうか。これを別な言い方で説明すれば、これまで大型トラックのNOx削減の技術として、気筒休 止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を真面目に開発していれば、現時点において米国のNOx規制より も厳しい日本の大型トラックのNOx規制を施行できた可能性が無きにしも非ずであった。
何はともあれ、早急に日本のトラックメーカ(=日本自動車工業会)や多くの研究機関の専門家が気筒休止エンジン
(特許公開2005-54771)の技術の存在を真摯に認知・承認・理解し、この技術を搭載した大型トラックを早期に実用化 できたとすれば、米国よりもNOx規制の厳しい日本の大型トラックのNOx規制を必ず実施できるとものと考えている。し たがって、政府(=環境省・国土交通省)は、大型トラックのNOx削減を推進するために強力なリーダーシップを 発揮し、早急にトラックメーカ(=日本自動車工業会)や政府の影響力のある産総研・交通研等の研究機関に 対し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術開発に着手するように強く指導すべきと考える。
現在のところ、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)以外に大型トラックのNOxを十分に削減できる技術が
見い出されていない状況にもかかわらず、日本のトラックメーカ(=日本自動車工業会)や多くの大学・研究機関のディ ーゼルエンジン関係の学者・専門家が気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術開発を頑なに無視・黙殺して いるのである。そのため、日本では米国に比べて緩い大型トラックのNOx規制を施行し続けなければならない破目に陥 っていると考えられる。そこで、政府が早急にトラックメーカ(=日本自動車工業会)や政府の影響力のある産総研・交 通研等の研究機関に対し、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術に開発に着手するように強く指導し、この 技術を搭載した大型トラックが実用化できた場合には、米国のNOx = 0.27 g/kWh(2010年規制)よりも厳しいNOx = 0.23 g/kWhのNOx規制が日本で容易に施行できるのである。 ンジン(特許公開2005-54771)の技術は、ディーゼルエンジンの部分負荷時の燃費削減が可能であり、またエンジンの 低負荷時に排気ガス温度を高温化することによって尿素SCR触媒におけるNOx削減率の向上とDPF装置における自 己再生の促進ができるのである。そのため、政府は大型トラックの新たな低燃費・低排出ガス基準を早期に設定せ よ!に詳述しているように、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を大型トラックのディーゼルエンジン に採用すれば、「NOx排出値= 0.23 g/kWh(JE05モード or WHTCモード)までの削減」と「2015年度重量車モード燃費 基準よりも5%程度の燃費向上」を実現した大型トラックが、実際に日本全国のトラック貨物輸送を担うことができるの である。
このようなことが解かっていながら、政府(=環境省・国土交通省)が今後も気筒休止エンジン(特許公開2005-
54771)の技術開発の指導を怠った場合には、政府の不作為によって、日本では米国に比べて緩い大型トラックのNOx 規制を施行し続けることになる可能性が極めて高いと考えられる。その場合には、日本の国民は、米国民よりも劣悪 な大気環境の下での日常生活をこれからも無期限?に強いられ続けることになってしまうのである。このようなことは、 日本の国民にとっては由々しきことだ。したがって、この状況を早期に打開するため、政府(=環境省・国土交通省)の 主導による気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術開発の推進が切に望まれるところである。
ついでに申し上げると、2016年3月3日に国土交通省は、クリーンディーゼルエンジンが搭載と宣伝して市販されて
いる現行のランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車は、東京近郊の冬場の10℃近傍以下での路上走行では 保護制御ソフトによってNOx削減装置を停止させるためにNOx規制値の2.9倍〜12.7倍の高濃度のNOxを垂れ流 す欠陥?のあることを発表した。しかし、驚くことに、国土交通省は、この冬場の路上走行でNOxを垂れ流すランドクル ーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車がエコカー減税の政府の優遇策を受けて今後も市販することを承認しているよう である。
因みに、欧州のディーゼル自動車では、2017年9月には「路上走行のNOx排出値が台上試験のNOx基準値の2.1
倍以内」の路上走行のNOx排出値に規制する予定を既に発表している。しかし、朝日新聞デジタルの2016年3月5日 の報道j記事によると、日本の国土交通省は、これから5年後(=2021年2月頃?)に欧州と同様のディーゼル自動車 での路上走行のNOx排出値の規制実施を検討し始めたようである。これが事実であれば、東京近郊の冬場の10℃近 傍以下での路上走行でNOx規制値の2.9倍〜12.7倍の高濃度のNOxの垂れ流しの欠陥を改善したランドクルー ザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車は、2021年2月頃になるまで、日本では市販されない可能性もあると考えられる。 これは、トヨタ自動車がランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車の路上走行での高濃度のNOxの垂れ流しの欠 陥を改善できる技術が未開発と、国土交通省が認識しているためであろうか。
ところが、この現行のランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディーゼル車に気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の
特許技術を採用した場合には、冬場の路上走行で高濃度のNOxの垂れ流す欠陥を容易に改善することが可能であ る。つまり、気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を採用したランドクルーザー・プラド(トヨタ)のディー ゼル車は、冬場の路上走行においても、NOx規制値のクリーンなNOx排出状態でのの運航が可能になる。これにつ いては、気筒休止は、プラド(トヨタ)ディーゼル車の冬場のNOx垂れ流しの欠陥を改善に詳述しているので、興味のある方 は、御覧いただきたい。
上記本文中で誤り等がございましたら、メール等にてご指摘下さいませ。また、疑問点、ご質問、御感想等、どのよう
な事柄でも結構です。閑居人宛てにメールをお送りいただければ、出来る範囲で対応させていただきます。 ![]()
![]() |